KCP-2764-J

KCP-2764-J

Object Class:Euclid



KCP-2764-Jの自画像とされるもの

特別収容プロトコル

発見から現在に至るまでの間、KCP-2764-Jを収容する手段は発見されていません。
担当職員及びエージェントはKCP-2764-Jが定期的に行っている配信にミーム的認識阻害が発生してないかを逐次確認するようにしてください。
ミーム汚染の発生したKCP-2764-J-1が投稿、配信された場合は、該当動画、配信のページリソースを「抗ミーム情報システム」とリンクさせてください。
KCP-2764-J-1に暴露したKCP-2764-J-2に対しては、認識不全の強度に応じて記憶処理を施してください。
財団諜報機関「FANZ(Future Aid Nexus Zenith)」によるKCP-2764-Jの封じ込め作戦は順調に機能していますが、KCP-2764-Jの無意識下に財団に対する認識が芽生えつつあることを慎重に考慮する必要があります。(補遺2764ー2を参照)

説明

KCP-2764-Jはコンピューター/ネットワークで活動する自我を持つ情報知性体です。
KCP-2764-Jは成人のヒトと同程度の知性、常識を有しており、標準的な日本国関西圏の言葉を用いて発言、文章入力を行います。
またユーモアに造詣が深く、「人を楽しませる」ということを理念として活動しているため、多くの場合、人間にとって敵意のある活動、行動をとることはありません。
KCP-2764-Jは自身の活動の際に、白いロボットのような外見の自画像を多く用います。他にも自画像と捉えられる画像も存在しますが、前述の理念のために、それが単純なユーモアからくるフィクションなのか、自身の情報であるかまでは判明していません。また、現在に至るまで、この画像の出自は不明です。
KCP-2764-Jは、自身の配信の視聴者以外と必要以上に関わることを避けるため、エージェントのSNS等での直接の接触は、KCP-2764-Jが活動を中止する可能性があるため推奨されていません。
また、KCP-2764-Jの動画配信以外の活動の追跡は全て失敗に終わっています。

KCP-2764-Jの投稿する動画、または配信(以下KCP-2764-J-1)は不明な方法によって財団からの直接の干渉(動画の削除、配信の停止)を一切受け付けません。
また、KCP-2764-J-1は、時折認識性のミーム汚染が発生する場合があります。
一度その汚染に暴露した対象(以下KCP-2764-J-2)は、KCP-2764-Jの提言した言葉、あるいはKCP-2764-J-1で起きた"本来の事実とは異なる事象"を"真実"と誤認してしまう、認識災害に陥ります。
ほとんどの汚染はKCP-2764-J-1のページリソースに財団の「抗ミーム情報システム」とのリンクをすることで予防できるか、あるいは数日で認識災害から脱却できる程度のものですが、財団の直接の干渉を受けない特性上、KCP-2764-Jの活動には注視する必要があります。
現在に至るまで、大きな認識災害が三度発生しています。(事案2764-1、事案2764-2、事案2764-3参照)

始めてその存在を確認されたのは、2011年/■■月/■■日に動画投稿サイトに投稿された「【Minecraft】ここまで来ると逆に新鮮クラフト【ゆっくり実況】part1」という実況動画であり、当初は財団からは一切注目されていませんでした。
その後、財団のネットワーク探査チームによる「日本内ミーム汚染動画排斥運動」に際し、KCP-2764-J-1が発見され、その特異性から投稿者である、PN「カシヲ」が何らかの関係があるとして捜索が行われましたが、該当動画のアップロード地点が世界各地のインターネット回線を経由して飛び回っている異常性を確認し、オブジェクトに認定されました。
財団のネットワーク情報可視化による電子力学探査を用いたKCP-2764-Jの探索も、成功していません。

KCP-2764-JはKCP-2764-J-1にミーム汚染が発生していることに対して自覚しておらず、KCP-2764-J-2の認識不全に対して困惑している様子が伺えます。
この事実はKCP-2764-Jが、意図的にKCP-2764-J-1のミーム汚染を発生させている訳ではないことを示しており、財団では認識汚染予防のためにミーム汚染発生の条件の完全な調査が進行中です。

+ 事案2764-1
事案2764-1:財団が最初に確認した認識災害であり、発生の時期は不明。
発言:「僕はマイクラのプロなので」
KCP-2764-J-2の認識:KCP-2764-Jはプロである。
結果:KCP-2764-J-2は、KCP-2764-Jを「プロ」と呼ぶようになった。
最も古い認識災害のため、財団による対ミーム対策ができなかったこともあり、現在でもKCP-2764-Jの配信内で広く見受けられる認識災害。
視聴者として潜入したエージェントにより、「プロ」という渾名、一種のエンターテインメントのプロ、実は何のプロでもないなど、SCP-2764-Jの配信傾向に合わせたフォローが行われている。

「そもそも本当は何のプロなんだ?」―――エージェント・■■(後にクラスA記憶処理が施されました)
+ 事案2764-2
事案2764-2:2017年/■■月/■■日の配信にて発生。
発言:「我々はみんなで一つ。一は全。全は一。我々全てがカシヲなのです…。」
KCP-2764-J-2の認識:我々はカシヲである。
結果:KCP-2764-J-2は、自身をKCP-2764-Jと認識するようになった。
この段階では対ミーム汚染の対策がなされていたが、実験の為、視聴をしていたDクラス職員数名が、自分の事をKCP-2764-Jと認識するようになった。
この件を受け、ミーム汚染の強度は、虚偽の度合いが強ければ強いほど比例して上昇するという仮説が立てられたが、実際の立証までには至っていない。
暴露したDクラス職員にはAクラス記憶処理が施されました。

「おい、あのDクラス大丈夫か?うわごとのように私はカシヲ…私はカシヲ…って言ってたぞ?」―――エージェント・○○
+ 事案2764-3
事案2764-3:2019年/■■月/■■日の配信にて発生。
発言:厳密にはなし
KCP-2764-J-2の認識:コアラはフクロウであり、フクロウはコアラである。
結果:KCP-2764-J-2は、コアラとフクロウを相互逆に認識するようになった。
実際に発言をしなかったにも関わらず、大きなミーム汚染を引き起こした奇異な事案。
発言内容ではなく、配信で起きた事柄がミーム汚染を引き起こすトリガーとなっていることが判明したため、監視の強化を施す要因となった。
ミーム汚染の強度も強く、今現在でも多くの視聴者が認識災害を起こし続けているようです。

「えっ?コアラって鳥だよな?」―――エージェント・△△(後にAクラス記憶処理が施されました)

補遺2764-2:20■■年/■■月/■■日、一ノ瀬博士の提案により、KCP-2764-Jの配信が多人数に触れることがないように、財団諜報機関「FANZ」を用いた封じ込め作戦が決行されました。
KCP-2764-J-1には、財団は直接干渉できないものの、動画配信サイトにはアクセスできることを利用して、KCP-2764-J-1の配信情報を量子暗号化し、一般の視聴者と置換する形で「FANZ」のメンバー及びミーム対策を施したDクラス職員による配信環境の疑似的封じ込めにより、ミーム汚染の強度と頻度も同様に低下し、相応の成果を見せています。
しかし、封じ込め以降、KCP-2764-Jの口から「ファンズ(FANZ)」という言葉が出てくるようになり、ネットワーク上の情報思念体として、量子化された財団データが無意識下に財団に対する認識を芽生えてさせていると予想されます。
KCP-2764-Jの特異性を考慮すると、最悪の場合Kクラスシナリオの発生も考えられるため、ミーム汚染発生条件及び、遮断方法の確立が現在進行中です。

補遺2764-3:過去の配信、及び動画の視聴者のミーム汚染状況の確認のために、各種動画投稿サイトに潜入したエージェントにより、データアーカイブから視聴者の個人情報を確保。
財団傘下の通信企業及び各省庁の協力の下、視聴者の確認を行ったところ、全ての個人情報が偽造であり、実際には存在しないことが明らかになりました。

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最終更新:2020年12月26日 14:24
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