文化

遥がやってくる以前と以後の大陸の文化についてまとめる。
どれだけ発展しようとも魔物の侵攻、各国の戦争で後退する繰り返しなのでおよそ中世あたりのレベルで停滞していた。そもそも教会が魔道具の知識の独占しているせいで競争もないので著しい発展もなかった。


色合いとして、生成り色,草色が一般的であり、濃い灰色,紺色は高級品。
意匠としてレースはあるが、高級品。
バレッタはあるが、木工細工。
化粧品は口紅のみで、基礎化粧品などはない。
貴族令嬢の象徴たる縦ロールも王国では見かけられなかった。

オムイの街では、島崎達の服装を真似ることが流行となっている。実際、雑貨屋には島崎達がデザインを手がけたアイテムが多数並んでいる。
ショーツもブラジャーもなかったが、黒マントの少年からの指導によって街の工房で量産され始める。

農業、畜産業

 辺境において砂糖は高価。野菜は豊富。小麦や大麦など穀物もある。魔物のせいで畜産業は発展しづらかった。卵や肉、生乳は希少で高価。乳製品はない。

食事

 和食文化のある獣人族以外は、ものを啜るという動きが苦手。

飲酒

 年齢制限はなく、15歳を過ぎていたら飲まないとおかしいくらいの雰囲気。

食器

 オムイの街では木製のスプーンなどを使っていた。

建築

 オムイの街には特に建築様式はなく、木と石を組み合わせてできたような街並み。

日常生活

暦、季節感

太陽にあたる天体が2つあるので時間の文化はかなり曖昧。
2つの太陽の位置関係によって新年の到来を決めているため年間の日数は定義されていない。1日においても辺りが明るくなれば昼間、暗くなれば夜というだけなので年間の日数は毎年変動しがち。季節感もあまりなく、暑い時期と寒い時期が交互に来ることくらいの認識であり、そもそも寒い時期といっても半袖で過ごせてしまう。
また月にあたる天体はないので1か月という概念もない。ただ遠くの方の太陽がいわば満月のように夜でも輝いて地上を照らしている。
年齢はあまりあてにならない。

言語

大陸上共通語がある。遥達の言葉も大陸共通語に変換されて聞こえている。
識字率としては、平民であっても文字は読める。一方で文盲気味であり単語や簡単な文、数字がわかる人がほとんどなので書籍に需要はない。

連絡手段

 通信の魔道具などはない。狼煙や光の点滅が関の山。

戸籍

 全世界で、戸籍制度が確立されていない。


男女関係、結婚、出産

 かつては強く立派な男性は奥さんやお妾さんを沢山持ち、女性が懸命に御奉仕するのに応じて男性は美しい服や宝石、美味しい食事やお菓子を贈るという習慣があった。基本的にどこに行っても治安が悪く、女性が職を持って自立することは稀であり現代でも女性側からの献身や奉仕は重要な意味を持つ。特に辺境では男性の数が少ないのでその分一人で複数の女性を養う必要がある。逆に、自分よりも稼ぎの良い女性を娶ることはできない暗黙の了解がある。


年齢制限

 王国では年齢制限の法律はなく、慣例的にも12歳から成人扱いとなる。10歳くらいで働きに出始める。
 13,14歳での結婚が一般的であり、18歳を過ぎると行き遅れ扱いされる。そのため30歳くらいで孫がいることもざら。

美容

 女性専用で、一度飲めば3か月はムダ毛どころか産毛も無くなる脱毛薬がある。何度か飲むうちに永久脱毛ができる。なお男性が服用するとムダ毛が増えて髪, 眉, 睫が抜け落ちてしまう劇薬と化す。おそらく女性ホルモンに働きかけていると思われる。そのため女性用のシェーバーなどは流行らない。

学術

 数の概念、倍数の概念はある。当然ながらメートル法はない。

芸術

 少なくとも辺境においては刺激に弱く、裸や薄着姿の絵や彫刻は流行らなかった。
 その他の美的センスに関しては地球上と大差ないと思われる。

芝居

 ただ淡々と役をこなし台詞を大声で読み上げるだけで面白みに欠けていて、地球の文化に比べると古典でも程遠いレベルだった。動きのある脚本が無いし台本はただの台詞でメリハリも無い状態。
 王都で始まった英雄譚から革新されたと思われる。

加工技術

 石鹸:品質は不明。比較的高価。→肌がすべすべになるボディソープが開発された。
 歯ブラシ:木の棒
 ガラス瓶:茶色く、曇っていて、歪。かつ高価。
 製紙:ざらざらで厚ぼったい。かつ高価。
 金属製品:鉄らしきもの,ファンタジーなもの
 靴:革底や革に鉄の補強をした靴や縄みたいな靴ばかり。滑るし、踏ん張れなくて疲れてしまう。
 桶や籠:言及なし→魔導スチームや魔導乾燥室を使った工房が稼働し始めた。

錬金術

 溶け合わさずに均一化しないように重ね合わせる複合材や刀剣は鍛冶工程が必要だが、ただの単素材の融合は錬金に限る。刀なんかは結局打たなければならないが、それでも錬金が有ると一本出来れば質は落ちるが無限に複製もできる。
 錬金術は教会に禁じられ、錬金術師は疎まれてきた。錬金術が廃れたことで現代では魔法杖が流通しなくなり、冒険者のなかでも魔法職は不人気だった。
 錬金術とは魔法に対する科学であり、等価交換が基礎になる。非現実的な異世界においては多少融通が利くようで。基本的な科学的知識があれば十分。

金属

金属は魔力の通りが悪い代わりに、魔法陣との相性はよく魔力媒体に適している。樹木とは性質が全く異なる。
ありふれた金属。ただし辺境の鉄は魔素が混入して魔鉄化していて、採掘するにも苦労する。
ミスリル 魔力をため込むほど輝く金属。装備の魔力,魔力電動,強度,スキルを強化できる。またミスリル装備を作ることもできる。伝説の金属とされる。伝導させて遮断や蓄積効果も有り、増幅までこなす万能さだが整流化や循環はできていない。本質はあくまで金属でありながら魔力が馴染みやすく保持しやすいだけ。 #132
黒金 坑道の街で見つかった謎金属から抽出されたもの。 #233

製鉄

小田達が設計、遥が魔改造して生まれた大型魔導鉄溶鉱炉のおかげでとんでもない生産量になり、人手不足。鉱石から銑鉄を取りだす高炉、出来た銑鉄を鋼鉄に処理する転炉、生産された鉄を圧延や連続鋳造で製品加工する設備を持つ一貫した設備が整っている。小田達は溶鉱炉しか作り方を知らず、遥は反射炉で作られるたたら製鉄より前までしか知らず、結果間が大きくすっ飛ばされて近代形の溶鉱炉に魔術が混じって凄いことになっている。ミスリル粉混入超耐熱煉瓦と高加熱魔道具まで投入され最終的には親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくには取鍋とりべと呼ばれる容器が必要だという謎理屈から還元融解式溶鉱炉の更に常識を超えるものが出来てしまった。

剣術

魔物相手であれ、人間相手であれ必要に駆られて剣を振るっている者が大半で、基本がおざなりになりがち。

戦闘

 魔法は物理で止められず、物理は魔法で止められないという論理から物理と魔法を組み合わせる発想があまりない。物理的な剣に魔法を付与する魔法剣などはあるのに、魔法に物理を組み合わせる、つまり質量を持たせようとはしない。その理由は大陸中が貴族社会であり、魔法とは貴族のみに許されたものという風潮があるため。

移動手段

 Lvアップやスキルの習得によって移動速度を上げられるため徒歩も多い。
 特に辺境では滅多に馬は使わないが、儀式的に馬車を使ったり、軍の進攻などで馬に乗ったりすることはある。軍属の馬はスキルを持っていることもある。
 バルーンバットなど魔物を飼いならして移動に使うこともある。
 教国では土地が広大故か、王国よりも馬車だらけ。

冒険者ギルド

  • 資格について(辺境のみ)
    • 登録するにあたって必ず先輩冒険者とともに依頼をこなす講習が必要。
    • Lv10で、冒険者見習いとして、冒険者パーティーに加入できる。
    • Lv20で、正式に冒険者として登録される。パーティー単位で依頼を受注できる。ただし迷宮探索はまだ受注できない。ベテランパーティーの見習いとして迷宮についていくことはできる。
    • Lv30で、個人単位で依頼を受注できる。パーティを組んでもまだ迷宮に挑めない。
    • Lv100超えで、S級冒険者と認められる。単独で迷宮に挑める。
 ※辺境外ではLv30未満でも単独で迷宮に挑める。それほど迷宮の危険性が異なる。


  • 魔石の買取について
    • ギルドは一割の手数料を受け取るという本部の決まり事。
    • 手数料の分は冒険者ギルドと冒険者の為に還元される。
    • 冒険者は他所に売る事は禁止、もし売った場合は除名される。

  • 冒険者
    • 魔石買い取りの際に手数料が引かれている代わりに、街から税金を徴収されることもない。ただし上記の通り、商売ができないのであまり意味はない。
    • 魔物のランクと対応してはいないが、同様にランクがある。辺境外ではB級で猛者扱い。
    • 辺境外では犯罪者崩れの荒くれものばかりであり、それに対応するためギルド職員も冷徹な態度。

魔物の等級

 S,A,B,C,D,E,Fの6段階に大きく分けられる。魔石の等級とも同義。
 魔物の大きさに応じて魔石の大きさは変わる。
Sランク 伝説級。
Aランク 災害級。
Bランク 国の総力と互角以上。
Cランク 冒険者ギルドの総力と互角以上。
Dランク 結集した一流の冒険者と互角以上。
Dランクの魔石ともなれば国宝レベル。
Eランク 一流の冒険者と互角以上。
Fランク Eランク以下のすべて。
F10+~F1-の30段階に細分化される。

死の概念

 人族であれ魔物であれ死んだ者はどうあっても生き返らない。
 アンデッド系の魔物は魂だけの呪われた存在であり、生き返るものではない。魂さえ残っていて「黄泉返り」などの能力があれば何度も復活できる。
 例えばスケルトンは魂と骨を魔力で覆うことで動き回っている。*1

貴族文化

舞踏会

 身分が低いものから典礼官に呼ばれて入場し、入り口に近いところから埋まっていく。つまり呼ばれる順番が後ろであるほど主催者に高位であると認められている証拠になる。主催者が王族であれば王国内での勢力図が決定付けられることになる。

剣術

 貴族は「王の剣」であり、有事には剣を手に取り王国を守る。

舞踏

 貴族であれば幼少の頃から叩き込まれる教養の一環であり、貴族の特権とされる。

決闘

 強制発議で決闘するなら5人以上の貴族の承認が必要となる。また掛け金が足りなくて賭けに乗れなければ自動的に全財産を没収できる。
 決闘では鎧を纏うことが禁じられている。

音楽

 曲調も単純な繰り返しが多く盛り上がりにも欠け冗長なので荘厳さが感じられない。

姫騎士の称号

 王国の象徴であり、歴代で僅か7人のみ。うち6代目はムリムール、7代目はメリエール。

聖典の教え

食事

 特に制限はなく、提供されたものはすべて頂いてよい。

生き方

 対価を求めず、賞賛も栄誉も求めず。自給自足し、得たものだけを他人にも与える。
最終更新:2025年05月10日 09:19

*1 最果ての迷宮で首が落ちただけで死ぬのは、骨が損傷することで魂も傷ついている?