初出:#18『全く分かり合えない、異世界語は難解な様だ。』
概要
土地柄
王国の東部にある。王都から直線距離で2000km以上は離れていると思われる。
大陸上で最も魔素が濃く、最も危険で、それ故に貧しい辺境の領地。具体的には、領地の奥には魔の森がありそれ以外の周辺は切り立った岩山で囲まれる地形にあり、すなわち広がり続ける大森林を抑え大迷宮の氾濫を遅らせる役割を担っている。また隣領が通行や物資に税金をかけて利益を奪っているため、貧しい状況が続いている。その結果、冒険者や兵士を集めても手が足りず、装備品や薬品が足りず、守られた命よりも失われた命の方が多く、本来ならば滅びる未来しかなかった。領主もまたこの過酷な環境で失われる命のひとつであり、戦場に身を投じたまま遺体が帰ってこないことも多い。また魔素が濃い土地柄による風土病も確認されている。
兵士達は過酷な環境で戦い続けるに値する精鋭揃いとなっていて、王国で最強と謳われている。それでも辺境の魔物に対しては装備が貧弱かつ薬品も足りていないため勝ち目がない。
一転、黒マントの少年によってすべてが救われた。
「 ――滅びゆく街が、悲劇の街が、誰も知らぬままにある日気付いたら幸せになっていたのだ。悲劇しか知らなかった我らが、皆が初めて奇跡を見たのだ。」/
メロトーサム・シム・オムイ
しばらくは彼が夜もまともに眠らずに仕事していたが、次第に街の住民に分担されていく。ナローギの街から住民を連れてきたことで好景気による人手不足の問題も解消されている。改革が始まって1か月経った頃には既に中世を越えて、近代化が始まっている。
歴史
辺境をひとつの大きな街と捉えて城塞化する計画が進行中。本来は魔物を閉じ込める役割だった岩山を城壁とし、偽迷宮を城門とする。現
オムイの街を魔の森に対する防衛に特化させ、偽迷宮の手前にも外部に対する防衛に特化した都市をつくる。2つの防衛都市および東西の農業地帯の中心に新
オムイの街をつくり、有事の際は東西南北に駆けつけられる駐屯地と辺境全体の物流を担わせる。
発展に伴い商人や冒険者の流入も増え、辺境内でも新人の冒険者が生まれ、迷宮や魔の森へ対応する力もさらに増している。
溶鉱炉の建設、農地改革、畜産の安定化、工場の効率化、魔道具工房の設置などが目下の課題。
一生懸命に生きる
孤児っ子達に感化されて大人もより精力的に活動するように。奥様達まで冒険者登録して魔物をボコり始めた。子供が小遣い稼ぎのためにゴブリンを狩るし、子供のお守りである奥様達はオークリーダー級に。
増え続ける冒険者たちの戦力化で魔の森や低層迷宮の魔物を間引けるようになり高位の冒険者たちを集中できるようになったが全く問題がないわけではなく冒険者崩れの盗賊が辺境に入り込み始めていたり急増する冒険者に対応しきれずに有り余るほどに溢れていた武器防具が不足し始め貸出制度も限界が近かったり、中層迷宮は押し込んでいるが下層迷宮では階層主が倒せずに現状維持がやっとで深層迷宮に至っては成長すら止めきれていなかったり。ただし主婦層を中心とした女性のユニオンが結成され相互援助と主婦層の情報網で瞬く間に巨大化したり、今まで追いつけなかった巡回警備がようやく機能し始めたりと町や村の治安が恐怖によって安定している。奥様に捕えられた盗賊は領館に引き渡すと罪状に応じて犯罪奴隷として鉱山や開墾に売り飛ばされ、奥様のへそくりになる。
辺境の人は地味にLvが高い、子供ですらLvがそこそこある。訓練も未だの魔物を狩っていない子供までLvがそこそこある。雑草や虫に魔物が混じってる、弱すぎて気づかない程度だが魔物化してる。街中でも「噛みつき草 Lv1」や「チクリ蜂 Lv1」が普通にいて子供や奥様も普通に駆除していたりする、凄まじく弱いから経験値も微々たるものだろうが毎日積もればLvだって上がっていく。
魔素病の問題はLvを上げるか茸を食べれば解決すると判明。年老いると抵抗力が弱まるため辺境では魔素中毒で寿命が短い。
村からの買い物客も増えている。物が無い暮らしだったので棚などは、そもそも文化として辺境にはなかった。一気に豊かになったから棚などが飛ぶように売れている。子供用の防具も需要が増えている。
開墾作業が魔動農器具で機械化されて農地が一挙に広がり魔動農器具は売れるし確実に儲かるから投資して野菜を予約で先物買いしてまわるからお金がいくらあっても足りない。自然堆肥の肥料計画も順調だって言うから儲かるのは確実だけど各種自然農薬まで揃ってもオタの影響で無駄に四輪農法にこだわっている。とにかく家畜が足りない。
王国の腐敗が取り除かれたことで近衛騎士団や
第一師団も辺境に派遣され迷宮攻略を助けてくれるようになった。しかし122日目以前では数が最も多い第一師団は柿崎達の指導についていくのに手間取り、辺境と王都を定期的に入れ替わって駐在している近衛師団は比較的順調だが王女っ娘がいないと攻撃力が激減してしまい、辺境軍は数が少なすぎ、冒険者たちはギルドが制限をかけているからじわじわとしか階層を進めていない状況にある。そこで教国からは辺境に教会を開くことで教会軍の駐留準備が行われ、獣人国からはオムイに報いるために軍が編成され始めている。遥が卸した和槍は冒険者に人気で、ギルドでも頻繁に貸し出されている。
127日目:第1、第2、近衛師団の合同で辺境支援軍となり辺境軍に並んで辺境伯の指揮下に入るようになる。なお支援軍の指揮権は辺境に滞在する名目のため王女っ娘がもぎ取った。
130日目:茸は保険が適用されるため病気や怪我がある場合、雑貨屋、治療院、冒険者ギルドで安く買える。本来の市場価格は高く、個人が買い込むことは難しい。教国から正式に教会の使者が訪れ、辺境や聖女たちを貶める宣言は全面的に撤回されるとともに謝罪と協力の申し出があり、歓迎ムードに沸き立っている。
133日目:獣人国と教国の迷宮討伐部隊の先遣隊が王都まで到着した。
オムイの街を筆頭に、シモムイ村,エトフの町,ソリム村,トボエイの町などの町村が点在している。魔素が豊富なことで魔物が多く発生して畑を荒らすが、魔素が豊富なことで農作物も急速に成長するので何とか食い扶持は繋げている。
辺境軍
王国最強にして生ける伝説と言われる。
一兵卒までその多くが辺境の地を治める貴族。しかも第一師団と較べても爵位も階級も桁違いであり、王都の宴遊会で上座に座るべき上級貴族の集団。本来ならば領地である辺境の街々を治めながら安全で豪奢な暮らしができるのに自ら戦場に立ち「迷宮殺し」の称号を背負い続けている。
豊かになってなおその収益を街や村に投資しているので貧乏であり、階級に分け隔てなく戦友と呼び合う様子は無骨で粗野ですら有るが、平和の尊さを知っているからこそ、屈託なく笑い、裏表など無く、戦いと酒を歓べるのかもしれない。
老齢になって爵位を後継に譲っても戦い続け、隠居して領地の町へ戻ろうとも有事の際には前線に立つが故に老齢の死者も多い。
主要施設
偽迷宮
ナローギ領と繋がる峡谷に屋根を付けただけの洞窟で、迷宮ではない。両岸にそびえる岩山がゴーレムとなっていて、「ゴーレム・メーカーの指輪」によってストーン・ゴーレムを操って入り口を阻む。洞窟の中には腐食などを用いた装備破壊の罠が張り巡らされていて殺さない代わりに挑戦者の心を折る。挑戦者の落とし物など、ある程度の収入もあげている。
その罠の多さから小田達は風雲SASUKE城と呼んでいる。触手,腐食,装備破壊効果をもつラフレシアが配置されたことで更に凶悪化しているが、襲う相手を選んでいるのでおっさんには無関係。偽迷宮株式会社の社員証,通行証,通行手形などいずれもマスター・ゴーレムが識別したうえで静止するのか案内するのか指示を与えている。
教国による辺境平定において、辺境を目指す魔物の氾濫を抑えるため爆破されて瓦解した。
跡地は池となっていて、そこから潜水することで王国方面に通じる地下水脈に乗ることができる。
新偽迷宮
すぐに新設された。基本的には旧偽迷宮と同様でマスター・ストーンゴーレムのもとで運営されている。王国内が平和となったので関門としての役割は終えている。「千古不易の罠」によるトラップ迷宮として、これまた大人気となり挑戦者は後を絶たない。
土産屋(偽迷宮前支店)
辺境平定軍との戦争に際してつくられた。三角型や茸型のペナント,辺境饅頭,辺境木刀,辺♥境Tシャツ,私♥辺境Tシャツ,低品質の装備,一定時間ストーン・ゴーレムを退ける通行手形,ストーン・ゴーレムが案内してくれるようになる通行証などを販売。
偽迷宮が新しくなるにあたって自動販売機が設置されて、買い食いができるようになった。茸型のペナントだけがずっと売れ残っている。
ムリムリ城
偽迷宮の手前にある城塞。遥がメロトーサムに押し付けるようにあげたもので、ムリムールに任せれば難攻不落となるだろうという意味でムリムリ城と名付けられた。対軍隊を想定して罠が大量に仕掛けられていて教国軍との戦争時に活躍、最期は爆破されることによって敵兵の多くを葬った。爆破によって地盤沈下したため、そこに水を引いてきて現在は池となっている。
新ムリムリ城
旧ムリムリ城跡地の裏に、対軍隊・対魔物を想定して築かれた堅牢強固な城塞。教国が人為的に起こした魔物の襲撃にあたって、ムリムールを筆頭にオムイ領の勇者が立ち向かったこともあって最後の砦としての役割を果たした。
街、村
2桁以上の村々。
辺境の地を魔物から守らんとする城塞都市。周囲は2m強の壁で囲まれている。
村A,B
オムイの街に近い2つの村。史上最大のスタンピードによって壊滅。79人の勇気ある住民が身を挺して魔物を食い止めたことで残り半数は生き残った。
雑貨屋からの依頼で黒マントの少年が再建した。オークキングすら阻む厚さかつ迎撃用の魔石が埋め込まれた城壁を巡らせ、物見櫓も建てて二度と同じ悲劇が起きないように対策されている。
村の片隅には、『眠れる戦士の墓、村の英雄に万感の感謝を込めて。』という言葉とともに79人の英雄の名前が刻まれた墓苑がある。
シモムイ村
オムイの街より下流にある小さく貧しくも親切な農村で、芋が特産品。
魔の森に近く、木の柵を設置したところですぐ魔物に壊されて農地が荒らされてしまう。そのため数年かけて柵の代わりに壁をつくっていたが、それも数年前に洪水によって壊された。最近には近くに迷宮もできてしまった。
黒マントの少年によって壁と堀がつくられ、迷宮も死亡し、なかなか売れない芋も買い取ってもらえて、コロッケの作り方も教わった。この一連の流れから黒マントの少年とその相棒に感謝していて、毎日朝晩には黒衣の大魔導師と白銀の騎士に祈っている。村人の一人はオムイの街において行列ができる「黒マント印のコロッケ屋台」として営業中。
採掘村
不足しているものはあれど余っているのは金属と石のみで、それで作った置物が特産品と言える。岩山の傍で魔の森からも距離があるものの、川からも離れているため農業には向いていない。
おっさんが経営する小さい商店がある。
かぼちゃだらけの村
かぼちゃ以外の農産品が病気で全滅して困っていたところ、黒マントの少年が大量の小麦と薬用の茸、その他食材と有り金でかぼちゃを買ってくれたことで救われた。
魔境の森/魔の森
辺境にある森であり、遥達が異世界で初めに降り立った地。
ゴブリン,コボルト,オークが群れを成し、時に大発生をしては街や村を滅ぼす大森林。川辺から離れて森の奥に行くほど魔物の生息数が増え、個体のLvも上がっていき、上記の魔物の上位種が出現する。ウサギ,シカ,イノシシ,トリ.サカナなどの動物も生息してい他、茸が多く自生していて、なかにはポテン茸という貴重な素材もある。薬草や毒消し草、木の実などもある。
魔素が溜まり木が魔力を吸収して硬化してしまい魔力の乗った斬撃でなければ切り倒せなくなり、伐採しなければ魔素が溜まってしまうという悪循環で拡大していた。また魔素が溜まれば魔物も発生するので、伐採に向かうだけで命がけとなる。こうした理由から重要危険地帯に指定されていて近づくだけでも届け出が必要で、入る時は審査を受け許可がいる。許可証が貰えるようになれば冒険者として一人前と言われている。
稀に魔物の大発生を起こして小規模ながら被害を及ぼしてきた。
現在は森の主であるゴブリンエンペラーも討伐され、かつ定期的に間引かれ、森の伐採も進んでいるため魔物の生息数が極端に減少している。もはや大発生が起こることはないと言えるだろう。
棍棒も魔石も茸も森林(木材)もすべてがオムイ領の特産として経済を回している。
以上は主に遥から見た印象であり。辺境外の冒険者から見たとき大きく様相を変える。
森林の視界の悪さと足場の悪さに加え樹木が硬く、普通ならば多少引っかかろうが上級者なら木に掠めた程度なら振り切れるはずが弾かれる。
総じて狭く見通しが悪い最悪の環境。
魔素が濃すぎて、魔素酔い用の茸まで支給されてなお濃厚な魔素は感覚を狂わせ魔物の気配が感じられない。
重たい風にざわめく森の騒々しさで音も気配も掴めない魔境。それ故に「帰れずの森」とか「死の森」と呼んで大陸全体で恐れられている。
坑道
街から一番近い岩山の岸壁から鉱山の村まで繋がっている。基本は壁自体の張力で支えるアーチ型だが要所要所で石の柱や梁で補強もされている。鉄、銅、銀、ミスリル以外にも希少な鉱石が眠っている。
入り口までの木が伐採されているので街からの交通の便もいい。
遥の自宅
森の深い位置にある、洞窟。木が伐採されて森の外まで道が通った。
小川が近くに流れているため湿り気が多い。
元々は20畳程度の広さだったが、改築を重ねた結果として50畳以上の居間に加えて、キッチンやトイレ、大浴場や12畳の部屋8つとそれらを結ぶ廊下が広がっている。また水晶をつかった天窓や石灰石をつかった白壁によって洞窟とは思えない内装になっている。木製家具も充実している。風呂は風魔法によるジャグジー付き。
使役組にはそれぞれの要望に合わせて個室が用意されている。
アンジェリカの部屋はヨーロピアンでアールデコな天蓋ベッドに猫脚家具。スライムさんの部屋はアールデコなドールハウス風な絡繰り猫ハウス。
ネフェルティリの部屋はオリエンタルでエジプシャンなファブリックと エジプシャンキャットな置物満載。
洞窟前には庭園が広がり、果物の樹が植わっている。洞窟の部屋に繋がるテラスもある。川から水を引いてきた池があり、その周りにテーブルやベンチが置かれている。河原には石畳を敷き、川にはアーチ橋を架け、対岸にもベンチが置いてある。
プール
遥の自宅前にある施設。遥組が建設。
子供が100人いても遊べる広く浅いプール、ウォータースライダー、流れるプール、競泳用の500m8レーンのプールなど。
森林公園
同級生の仮拠点
森の中でも、遥の洞窟より上流かつ見晴らしの良い河原にある。
主に小田達が設置・作成し、不良達の襲撃によって半壊し、誰かが直すこともなく放置されている。
最終更新:2025年04月25日 13:06