様々な音の聞こえ方のこと。
楽器はそれぞれに異なった音色を持っている。
音は時間および空間上の波動であり、その波動の波形の違いによる様々な音の聞こえ方の違いが音色となる。
時間および空間上の音をフーリエ変換すると、周波数軸上の信号へと変換でき、これを音のスペクトルと呼ぶ。
スペクトル(音を構成する周波数とその強度の分布)の違いが、様々な音色の違いとして聞かれる。
各周波数成分のうち、最も周波数の低いものを基音、それ以外を上音と呼び、上音の構成の違いが音色の違いである。
上音の周波数が基音の周波数の倍数であればそれを倍音と呼ぶ。
音楽に多く使われる人声や弦楽器・管楽器の音は、主に基音と倍音から成り立っており、このような音を楽音と呼ぶ。
倍音のそれぞれの強度の比が音色を決定している。
意図的に人声や弦楽器、管楽器の音に倍音以外の上音を混ぜ込むことによって、独特の音色を出すこともできる。
実際の音では、同じ音の高さ、同じ音の強さ、同じ音色が持続するということはあまりない。
打ったりはじいたりして音を出した場合、音の出た瞬間が強くてその後は減衰しており、実際には音の高さや音色も特に音の出た直後に急激に変化している。
擦弦楽器や管楽器のように音を持続させるように作られた楽器でも、音の出た瞬間には音が安定しておらず、そもそも音が急速に強くなるという変化がある。
人間の耳は実際にはこういった変化も、音色の一部として聞き取っており、このような変化、特に音の強さの変化をエンベロープと呼ぶ。
ビブラートや、トレモロ、装飾音などは、このことを実際の演奏に古くから応用させたものである。
最終更新:2009年08月13日 07:29