頭部伝達関数

  • 頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function,HRTF)とは
 耳殻、人頭および肩までふくめた周辺物によって生じる音の変化を伝達関数として表現したもの。
 HRTFは周波数領域における表現に対して使用される。
 これをフーリエ変換して時間領域において表現したものは、頭部インパルス応答(Head-Related Impulse Response,HRIR)と呼ばれ、1個のインパルスを発生させた時の応答特性である。

  • 両耳間時間差(interaural time difference,ITD)とは
 1つの音源から発する音が左右の耳にとどく時間の差のこと。
 音源が正面より左側にあれば左耳に先に到達し、正面より右側にあれば右耳に先に到達する。
  • 両耳間時間差のモデル
 Kuhnによれば、音速をc,周波数をf,人頭の水平な断面を円形としたときの半径をaとしたとき
 k=2πf/cがka<<1を満たす時は、
 ITD=(3a/c)sinθ [杪]
 ka>>1満たす時は、
 ITD=(2a/c)sinθ [杪]
 である。
 WoodworthとSchlosbergによれば、
 ITD=a(sinθ+θ)/c [杪]
 である。

  • 両耳間強度差(interaural intensity difference,IID)/両耳間レベル差(interaural level difference,ILD)とは
 1つの音源から発する音の左右の耳における強度の差のこと。
 音源が正面より左側にあれば左耳のほうが強く、正面より右側にあれば右耳のほうが強い。
  • 両耳間強度差のモデル
 両耳間時間差が単純な式によって近似できるのに対して、両耳間強度差に関してはそれは困難である。
 両耳間強度差が重要になる2kHz以上の領域においては両耳間強度差は複雑な特性を示す。

最終更新:2009年08月16日 23:03
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