ピッチがわずかに異なる2つの音が鳴っている時、各々の基音の周波数の差に相当する周期で音の強弱が聞かれる現象。
この時は2つの音は1つの音であるように聞こえているが、ピッチがある程度まで離れると、両者は別の2音として聞こえる。
最も簡単な場合として、強さも位相も等しい2つのサイン波を考える。
角振動数ωを中心に、前後に幅2αだけ角振動数がずれた2つの音を考えると、合成された音は次のようになる。
sin(ω−α)t + sin(ω+α)t
= (sinωtcosαt−cosωtsinαt) + (sinωtcosαt+cosωtsinαt)
= 2sinωtcosαt
結果は、角振動数ωの音に、角振動数αの波が重なっている。
このため、強度は2αで変動し、これがうなりである。
tは時間であり、角振動数ωと周波数fの関係はω = 2πfなので、周波数で考えても同じである。
例えば、周波数が440Hzの音(音名でいうとA)は、人間には1つ1つの波は聞き分けることはできない。
438Hzと442Hzのうなりの周波数は4Hz(1秒間に4回)であるので容易に聞き分けることができる。
比較的周波数の近い2つの音源を重ねると、その周波数の回数分の音のうねりが毎秒発生する。
複雑な周波数や
フォルマントを多く含む場合は、新たな音色も発生し、聴覚上美しい響きとなる。
最終更新:2009年08月17日 20:58