曲全体の調を変えて演奏すること。
楽曲の全体を異なる高さに移動するため、個々の音は変化しても、相互の音程関係は変わらない。
人の声は体格などによって音域が違い、同じ作品を調性を変えて演奏するため、歌曲では移調が頻繁に行われる。
ただし、クラシック音楽では歌手の都合に合わせてそのたびに移調することは通常行われない。
多くの歌曲では様々に移調された楽譜が出版されているが、なければ移調した楽譜を作製するか、移調していない楽譜を見ながら移調奏しなければならない。
ある楽器の楽譜を他の楽器に編曲するときには、楽器の音域や特性に合わせて移調することが多い。
オクターブ単位で音を変えるときには、調が変わるわけでないので「移調」とは呼ばない。
移調を行っても、全体が同じように音の高さを変えているので、音楽の本質が変化するわけではない。
一部の楽器は、譜面に記された音と実際に演奏する音が一定の音程をもってずれており、移調楽器と呼ばれる。
伴奏ピアニストやバー・クラブなどで演奏するピアニスト、ジャズの演奏を職業とする器楽奏者は、覚えている曲をいつでも任意の調に移調して演奏する能力が求められる。
移調楽器の奏者は、奏者が用いている楽器とは別の調で楽譜が書かれていることがしばしばあり、目の前の楽譜を即座に別の調に移調して読んで演奏する能力が求められる。
長調を短調に、短調を長調に、変化させること。
最終更新:2009年08月22日 00:47