アナキオール - NIKKEぺでぃあ | ニケペディア

アナキオール

概要

人類軍が創造したニケ、シンデレラがヘレティックへと変貌した姿。
中央政府の公式記録において、最初に確認されたヘレティックである。
現在、アナキオールに関する情報は散逸しており、中央政府のデータベースでさえ「存在を知らなければ検索できない」状態にある。
ニケ時代の極めて高いスペックも相まって、当時最強とされたゴッデス部隊ですら接近を許さぬ戦闘能力を示した。

恐怖の象徴

アナキオール――すなわちシンデレラは、エリシオン第3ニケ研究所にて製造され、本来は軌道エレベーター攻略作戦においてゴッデス部隊と共に出撃する予定であった。
しかし、合流のためにゴッデスが研究所を訪れた時、施設は既にラプチャーの襲撃によって壊滅していた。
シンデレラの姿はなく、ゴッデスは彼女抜きで作戦を敢行することになる。

やがて軌道エレベーター上空に突如出現したシンデレラは、殲滅用兵装「ガラスの靴」により、ラプチャーではなくゴッデス部隊を強襲。
リーダー・リリーバイスの決断によりゴッデスは撤退を余儀なくされ、人類軍の反攻作戦はシンデレラの一撃によって潰えた。
この作戦の失敗が、人類軍の実質的な敗北を決定づけたとされる。

その後、アナキオールは各地で人類軍を殲滅しつつも、必ず一人だけニケまたは人間の生存者を残すという不可解な行動を繰り返した。
リリーバイスはこれを「自らの功績を知らしめるため」と推測している。
この頃には「シンデレラ」のコードネームは抹消され、新たに「アナキオール」と呼称されるようになり、以後同様の存在を「ヘレティック」と総称するようになった。
アナキオールが戦闘を行った地域はことごとく焦土と化し、彼女は人類の勝利の象徴であるゴッデスの対極――すなわちラプチャーの象徴として恐怖の存在となっていった。
後に開発者のエイブは「あのままでは人類は精神から崩壊していた」と述懐しており、アナキオールがもたらした心理的損害の深刻さを示している。
彼女の脅威はその後、約2ヶ月にわたり続いた。

割れたガラスの靴

2ヶ月後、アークガーディアン作戦に従事していたゴッデス部隊の前に再び姿を現す。
指揮官とリリーバイス、そして部隊を離れたレッドフードを欠いた状態での戦闘となり、ゴッデスは窮地に追い込まれた。
しかし、レッドフードの合流によって形勢は逆転し、アナキオールはついに撃破される。
その後、中央政府の手によりヘレティック研究所へと搬送された。

研究所内でのアナキオールは終始無抵抗であり、その身体を用いた「研究」と称する実験が繰り返された。
これらの実験は、アンチェインド投与によってシンデレラとしての意識が回復した後も継続された。

侵食の真相

当初、エリシオン第3ニケ研究所はラプチャーの襲撃を受け、その中にウルトラが3体存在していたことから、「ラプチャーによる侵食」が原因と考えられていた。
しかし、実際にはV.T.C.上級司祭にしてフェアリーテイルモデル第2世代であるレッドシューズが、出撃直前の整備中に侵食コードをシンデレラへ埋め込んでいた。
これにより、彼女は一度も実戦を経験しないまま侵食されていたことが判明。
その結果、人類連合軍の疑念は開発責任者であるエイブへと向けられることとなった。

アナキオールの中のシンデレラ

アナキオールとなった後も、シンデレラは心象世界の中で必死に抗い続けていた。
侵食に呑まれかけた意識は、オールドテイルズ部隊の仲間とエイブの必死の抵抗により一時的に覚醒する。
やがて彼女は侵食の意思「ミラー」と取引を交わし、「仲間の命を奪わない」ことを条件に、自らの意識を完全に明け渡す代わりにゴッデス部隊との決戦を提案する。
それはシンデレラにとって最後の賭けであり、憧れであり、最強と信じて疑わなかったゴッデス部隊との戦いを通して、自らの凶行に終止符を打つための選択だった。