【四天】

世界の生成と崩壊を示すもので、空天・開天・盛天・喪天の四つがある。ひとつの段階は約九万歳の年月が過ぎることで移り進んでゆくとされる。喪天で崩壊をした世界はその後に再び空天へと循環してゆくという。万物すべてが太一から生み出される以前の無為の空間は、太虚(たいきょ、おおみそら)と呼ばれる。この状態は寂然不動であり「無」である。

  • 空天  無為の世界。何も存在しないが、次第に元気や宗源から世界が生じて行く動きが発生する。
  • 開天  造化の世界。天地が開闢して万物が生じる。
  • 盛天  世常の世界。万物が栄えてゆく。
  • 喪天  不住の世界。天地が崩壊してすべてが滅亡する。

四天の移り変わりと十二支の動きは連動しており、「子」に天が発生し、「丑」に地が始まるとされる。つまり天地がはじまるのは陰陽が太一で破壊と生成を終えて次に進んだ「丑」の状態*1であり、「丑」が十二月で「子」は十一月に充てられているのと斉しい。そして正月・春のはじまりだとされる「寅」に人が生まれるとされ、天・地・人(天地人)の発生順は定められている。


「寅」を動き出すはじまりと考えているのは、時刻十幹などと連動している。

不生と不化

無(不生)からのみ天地(不化)は生まれる。天地が滅びてなくなるのは、形を持って生まれる存在だからである。「無」であるは太虚は形を持たず、生じることがないため滅びることはない*2

最終更新:2023年12月09日 03:08

*1 『和漢三才図会』巻4

*2 『列子』天瑞篇