【転生と妖怪・妖鬼(まがもの)】

亡くなった人間のたましいは、子孫らを見まもる霊*1となる他、「むすび」の働きかけによって異なる存在に転生させられる霊も存在する。 それらは悪業衆生のたましいで、幽界で裁かれた後に、その悪の積み具合によって、家畜や虫など霊力を持たない生き物、あるいは妖鬼(まがもの)や「生のない」妖怪として転生させられる。

  • 天に帰らず鳥けだものとなるなり(藤原惺窩『仮名性理』)
  • 刑罰ヲマヌカレテモ、実ニ天地神明ノ冥罰ヲ蒙レバ、天地無窮ノ間、其罰ノガルベカラズ(若林強斎『中臣祓師説』)

【禍日(まがつひ)邪津見(まがつみ)】

悪魔や妖鬼・邪鬼たちのこと。夜見(よみ)から帰った伊邪那岐から生じた大禍津日、八十禍津日などに見られる禍日(まがつひ)は、この象徴である*2


【日少宮】

心の直ぐなるたましいたちは、死後に日少宮(ひのわかみや)に到って「うぶすな」の神々の助けとなる存在になる*3とされる。

最終更新:2024年06月08日 17:38

*1 柳田國男などはこれを「祖霊」と位置づけて、人里に近い位置にある高い山などに宿るとした。

*2 本居宣長『道云事之論』には「万の厄(まが)はみなこの神の所為なり」とある。

*3 吉川惟足『生死落着』