はじめに

AOCは勝敗を争うタイプの戦略ゲームですのでまずは最終的に勝利を得るビジョンを構想し、
そのためにどうすればいいかを、全ての時代をトータルで考えるってのが王道です。
そして一番ネックになってる部分を改善したら次にネックになってる部分を改善ってのの繰り返しが一番よく成長できるんじゃないしょうか。
で、実際初心者の方とやってて僕が最もネックになってるな、と思ってるのが帝王の時代なんです。
というよりも勝利を得る具体的なビジョンをそもそも持ってプレイしてないのかな、とも思います。
よくあるのが、後衛で40分くらいに騎士30程が襲ってきて、おおっ!?っと思わされるんですが、
なんとか対処しきったあと、あれ、後続がこない、というパターン
どういうことかと思ってリプレイで確認してみると、騎士30が貯まった理由ってのが20~30分の間騎士がほとんど動いていない、
ただだらだらと馬小屋から2体ずつ生産し、どんどん貯まっていくだけ、だから損耗もしないってだけなんですね。
上手いひとはこの間もそれなりに損耗させつつも騎士を活躍させ続け、その上でさらに同じ時間に騎士30揃えられます。
最終的に圧倒的な騎士の物量で勝利を得ようというビジョンを持ってプレイしてますのから、後続もどんどん追加され、止まりません。
さまざまな兵種の相性や文明の特性を考慮しつつ、勝利のビジョン描き、実現できるようになることが上達するということです。

暗黒の重要性について

まずはもちろん最も大切と言われる暗黒進化から・・・ではありません!かかったなバカめ!逆だ!
暗黒は比較的どうでもいいので、最初は帝王の時代から書きたいと思います。

・・・どうでもいいってのは完全に言いすぎですけどね
暗黒の時代の重要性を軽視してるわけではないんです。とても重要な時代です。
上級者の方は口を揃えて暗黒の時代の重要性を説いていますね。
なぜなら

①「帝王で抜かれた!どうしてこうなった!→帝王INが遅かったから
→②「なぜ遅くなった?→城主の時代で多数の敵の攻撃に耐えるために内政を犠牲に軍を強化していたから
→③「なぜ兵の数で負けた?→城主INで負けて石弓兵に領主弓で対抗して弓兵を削られたから
→④「なぜ城主IN負けした?→領主の時代で農民を数人殺されて資源収集力が弱まった
→⑤「なぜ農民を殺された→暗黒から進化する速度で負けて自分が兵を出す前に攻撃が始まった

例えばですが、こういうフローを経て、「なんだ最初っから差がついてたのか、暗黒超重要だな」ってことになるんですよね。
しかしこの重要性は「つきつめていけば」という話なんです。
八千代さんがやっているようなゲームでは当然周囲もそれと同等の上級者です。
なので一旦差がついてしまうとその差を維持しようと動く相手に対して、ゲームをひっくり返すのは同レベルのプレイヤーでは困難です。
だから「初期差が重要」ということになるんです。

初心者の場合はどうか

しかし初心者の方相手ならば最初多少の差がつこうともひっくり返すことは可能です。なぜなら色々な部分が尽き詰まってないからです。
具体例を挙げると弓の操作を怠って、たった一台の投石で弓30が一気に壊滅させられた、とかがよくあります。
これだけで初期についた差が一気に帳消しですね。
このように、初心者の場合では、初期差は簡単にひっくり返ってしまう場面が多数あります。
なので、初心者のゲームでは暗黒は比較的どうでもいい、ということになります。

なぜ帝王が重要か

では、どの時代で決定的な差がつくかというと、それが帝王の時代です。
帝王の時代では、遠投や大砲、強化RAM、近衛騎士といったユニットが生産可能になります。
これらのユニットは攻撃力が高く、敵の陣地の大規模な破壊ができます。
城主の時代でも素RAMや騎士がありますが、素RAMは耐久性が低く農民に殴られれば壊れてしまいますし、
騎士で中心を殴ったりして消耗させてしまうと不利になってしまうこともあります。
よって、よほどの実力差がなければ、いわゆる「抜き」にかかるのは帝王からということになります。

どのように戦えばいいか

では、どのように帝王の時代を戦えばいいのでしょうか。
領主・城主の時代は相手より早く進化することを、とりあえずの目的として戦えばいいです。
しかし、帝王の時代は文明の最終段階なので、本格的に相手を倒すために戦わなければいけません。
この相手を倒すというのは、相手の兵を倒すことではなく、相手の内政を破壊するということです。
相手の内政を破壊しない限り、相手の兵は生産され続け勝負は決まりません。

内政を破壊するというのはつまり
  • 建物を壊す
  • 農民を殺す
この2点です。
建物を壊して相手の兵の生産を止め、農民を殺して資源の生産を止めることによって、決定的な差をつけることができます。
そのために重要なのが、軍量と包囲攻撃兵器です。
たまに槍三はかなりの数を生産してるけれど包囲攻撃兵器をほとんど作ってない人を見ますが、
槍三では建物を壊すことができないので、一時は押していても相手の兵が追加されて押し返されてしまいます。
また、近衛騎士なら中心どころか城も割れるので近衛騎士だけで攻めるのはもちろんいいんですが、
相手の陣がしっかりしている時や抜き速度が必要な時はやはり、包囲攻撃兵器が必要になってきます。

軍を量産するには


初心者の練習の方針として、帝王での「完成された内政」を構想しながらやるといいです。
完成された内政というのはこれ以上農民数を増やす意味がない、というところまで育ちきった内政のことです。
というのもAOCではシステムの都合上同時に運用できるユニット数上限が設定されていますので極論すれば200人農民がいてもどうしようもないですね
最高に内政は強いですがどうやっても軍は出ませんから。
農民100軍100、農民120軍80、農民140軍60、農民160軍40。こういった感じで内政と軍のバランスをPOP200の枠内で考えることになるわけです。
んで、そこに至ったらもう町の人をつくるのはやめて、ひたすら兵!兵!兵!です。

実際に帝王でスムーズに大量の兵士を出すときのポイントです
①農民数は足りているか?
②農民の各資源への割り当ては適切か?
③小屋の数は足りているか?:
④生産予約はちゃんと入っているか?:

①、②についてはまとめて説明します
僕はフン厨なのでまたもユニットは騎士のみ、を前提に
騎士を騎兵育成所8個からひたすら出す場合を考えてみます

お手本ってほど上手くもありませんがCPU戦で帝王大量の重騎士で殺す、というリプを作ってみました参考にしてみてください

騎士の生産時間:35秒
騎士の必要資源:肉60 金75
騎士小屋ひとつを過不足なくフル稼働させるのに必要な資源量:肉103 金130
畑農民一人の収集資源量24/分
金農民一人の収集資源量30/分
騎士小屋ひとつを過不足なくフル稼働させるのに必要な農民の配分:肉4.3人 金4.3人

ということらしいです
つまり
馬小屋8個を回し続けたいなら肉金各35人計70人の農民が揃ったところで農民生産中止してひたすら馬小屋で生産キー連打すると毎分15体の重騎士が追加でどんどん生産される感じになりますね。

まあ正直ここまでかっちりやる必要はないです。内政の実際の効率ははいろんな事情で変動しますし。
でも大体の農民の配分を覚えておくだけでも瞬間的に出せる軍の量が全然変わってきますので。
めんどくせーぞクソが!ってひとは、木20肉50金50、き10にく50きん60、きじゅーにくごじゅーきんろくじゅー
これだけ覚えて後は騎士生産するだけでも全然違います。お試しくださいな。
あ、畑直したり、小屋建てたりに、きこり農民もそれなりに必要ではあるのと、金農民が混雑したり畑がTCから離れたりで効率の悪化とかも考慮してこの数字にしました。最終的には市場で微調整するといいです。余り始めたらdelしてもらってもいいです

ただやっぱ理屈多少知っておいてもらうと、8回し完成する以前、5回しくらいでケリをつける、とかそういうこと意識してできるようになるのが良いですね

③について
これは水道で言えば水を送るポンプは超強力なのに、蛇口が詰まってるような状態。勿論改善策は小屋を増やすことです。
小屋を作る木が不足することがあります。実際に騎士をつくり始める前に木への割り振りを増やすというのもひとつの手ですが
この木材は恒常的に必要になるものでは無いので市場で購入してしますというのもいいですね

④について
これも蛇口詰まりのようなもんですがこっちは操作量の足りなさが原因ですね。
改善策としてはホットキーや小屋ナンバリングがあります。
なかなか実際の操作感を掴めない、という方も結構いるかと思いますのでこれは八千代さんに実演動画を作っていただきました。
カーソルの動きとホットキーの利用(押したタイミングで字幕を入れてます)に注目してください

完成形を覚えたところで、ここに至る道がわかんなきゃ絵に描いた餅ですね。じゃあこの状態にすばやく到達するにはどうしましょうか。
素早いTCの増設&農民の連続生産!これ!ミもフタもないですね!スイヤセン!
ぶっちゃけこの原稿長くなりすぎまして!これはまたあとで領主城主についても書くつもりなんでそこで一緒に!多分!
で、まあ目標としては帝王40分以内ならまあそこそこで、帝王戦でも戦力として十分にチームに貢献できます。
35分ならかなり綺麗にぬくれていて相当な無双ができるはずです。

完成形をつくってから一気に決着を付けに行く、完成形の完成を早めるために軍を作るよりはどちらかというと内政への資源投資を重視する
という姿勢をぬくり、ということがあります。
勝利へのビジョンとしてもうひとつ、このぬくりに対する概念として攻めっていうのがあります
攻め続けてどんどん軍を貯めて相手の軍を潰す、これを繰り返してどんどん軍事力の格差を拡げていって
最終的に相手の町の中心を「悠々と(これが結構重要です)」破壊できるようになったころに破城槌や投石も繰り出して倒す
という考え方ですね。人口が増えた分はすぐに軍小屋の稼動数を増やして軍拡を推し進めます
もしかしたらこっちの方がコンセプトとしてはわかりやすいかも知れないですね
じゃあどっちがいいんでしょうか?

ぬくり、攻め、双方の利点
どちらを選択すべきか?と言われたら正直状況次第としか言い様がないです。
あ、この「状況次第」ってのは戦術的な質問に対するテンプレ回答みたいなもんですが、役に立たないので僕がこれを言ったらめろんさんを罵倒しましょう。
状況ってのが具体的にどういう状況を指すのかはここでは割愛します、というか非常に難しいんですよね、この判断は。実際には完全に内政オミットしてのガチ先軍政治から、
一兵どころか兵産施設すらケチって内政に注力するガチぬくりだけでなく、その間に無数に選択肢が存在してますし。
勿論僕にはできませんs、八千代クラスでもこのバランスの完璧な判断ってのは難しいんじゃないでしょうか。
なのでぬくりのメリットだけを説明すると
自分は対面に競り勝ってる、だけど前衛が即死&爆抜きされて敵前衛の弓&槍が大挙して押し寄せて来て死んだ、とか
逆からいきなり大量の騎士がおそいかかって来て死んだ、とか
自分サイドは前衛後衛ともに勝ってる、だけど逆サイドが爆抜きされてゲームは負けた
こんなことありますよね
ぬくりならばこんな状況も自分が一国抜いてもう一国と拮抗、二国分の働きをしてどうにかできることが結構あります
まあ実際にはそもそもの前衛が死んだ原因が自分のぬくりすぎ、ってことは多々あるにはあるんですが。

一般的に言って初心者の方ほどぬくるメリットが大きいように思えます。
というのも4vs4では必ずしも自分の対面を攻めるわけではなく、参加者間の実力差のあるゲームでは最強プレイヤーが多人数から集中砲火をくらい、その一方実力が低く見られているプレイヤーはあまり攻められない、という状況になることが多いです。その隙をついてぬくってしまえば一気に複数の敵プレイヤーを殺し、ゲームを決定することも可能になってくるでしょう。
ぬくり、というか完成形の内政について知らない、知っていても実践できないってプレイヤーはフルタイムのグッドゲームになった場合、必ず空気化します。帝王で周囲が総勢80体の軍を動かし、さらに消耗した端からものの数十秒で補充できる体制を構築している中で、5分かけて40体の軍を用意しました!これが全滅してもまた5分で同規模の軍隊が再編できます!とか言われてもどうしましょうね、完全に空気ですよね、そんな規模の軍出しても。というか下手したら相手にとっては得点稼ぎの餌としか見られないかもしれません。
さらに、ぬくりの上手なプレイヤーになると、おそらくですが復帰も同時に上達しますね。どんなレベルのプレイヤーになろうとも全く遷都技術がいらないってことはないんです、いやごめんしらんけど、多分、ね。あの淫獣八千代ですらIRSJというところで行われるゲームでは遷都してることがちょいちょいあります。遷都はAOCで勝率上げるために必須の技術であると言っていいです。
最後に個人的に一番大事な理由を書くとですね。ゲーム内での勝敗に関係のない理由ではあるんですが、AOCやってて僕が一番気持ちいい場面ってのはやっぱり抜くときなんですよね。2国抜いてゲームの決着を自分でつけたときなんて最高に気持ちいいですよ。
初心者の方にこそ、この一番気持ちのいい思いをしてもらいたいです。
実際のところ、確かに八千代が言うように「領主から散兵を出し続けて格上の相手を泥沼に巻き込む戦術」ってのはそのゲームに勝つ上では有効な戦術であることはその通りなんですがね。楽しいですかね、それ。
勝って「よく耐えたなー。」「陰のMVPだわー」とか褒めた称えられたところで自分がやってたことはひたすら耐えゲーだったりするわけで。褒めてくれるとそりゃまあ嬉しいですし、耐えゲーならではの楽しみだってあるでしょう。でもやっぱり自分で抜きたいじゃないの。やっぱそれが一番気持ちいいと思いますよ、そりゃ。
まああんまりそれで無双連発してるとそのうち自分も領主城主で集中砲火を食らうようになるでしょう、その時こそ領主ラッシュ、城主ラッシュを覚え、暗黒進化のブラッシュアップをすればいいんですよ、そんなもんです。

今までも戦術論ってよりは心得って感じの話になってる感じはありますが!最後に!戦術とはかけらほども関係のない話をするぞ!これが最後だ!
自分が初心者だったころがそうなんですけど、自分よりも上手なプレイヤーの邪魔にならないように、足を引っ張らないように、という意識でプレイしてる方が結構いるんじゃないかな、と。
赤さんや葉っぱさんなんかは甲斐甲斐しく槍や散兵を攻められてる僕の陣地に送ってくれたりしますよね。こうふんします。ですが
ぶっちゃけ気にせんでいいです
。自分より上手な人間が前衛で2国耐えてるような状況では、はわわ!はやく助けないと!とは考えずに、ブヒヒw肉壁ごくろうw
あとは俺が無双してメシウマだわw成仏しろよ駄犬wとか考えるくらいでちょうどいいですよ、初心者さんは。
なにが僕らとしては辛いって、そういう申し訳なさとか不甲斐なさに包まれてプレイしてると楽しくないですから、
結構いるんです、足ばっか引っ張って申し訳無いからAOC引退するおー・・・って初心者の方。
楽園AOC古参()としてはそうやって折角来てくれた新参さんがすぐに辞めてくほうが切ないです。だから気にせんで下さい。好き勝手やってください。
そんで自分が中級くらいに成れた頃にやってきた新参に同じようにしてやってください。そうやって人が多くなっていっぱいゲームが立つのが一番嬉しいです。
とまあ心得的なことを長々と書いて肝心の技術論とかは全然なんで時間の無駄だったよクソァ!って思ってるでしょうけど、
技術どうのこうのは僕が書くよりめろんぱん太さんや八千代さんに要求したほうがいいです、確実に。
それでも気が向いたら戦術・戦略的な記事もまとめて書きたい思ってますんで、期待せずにお待ちください。

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最終更新:2010年07月02日 17:51