アットウィキロゴ

『カミソリ』





夜中の四時。大雨。
後藤家の前。

ピンポーン。

父「え」
ぼっち「私が出る」

ガチャ。

虹夏「……」

玄関の前には、ずぶ濡れの虹夏が立っていた。
暗い顔でうつむき、手にはカッターを握っている。

ぼっち「おはよう。どうしたの?」
虹夏「……泊めて」
ぼっち「いいよ。ほら、早く入って」
虹夏「……帰る場所がないの」
ぼっち「おかえりなさい。オーケーSiri、お風呂を沸かして」

虹夏「……」

虹夏「……どうして」
ぼっち「ほら、早く入ろう」
虹夏「どうしてそんな私に優しくするわけ!!」
ぼっち「ん?」

虹夏「おかしいって!! 私、やばいでしょ!! 普通、迷惑でしょ!!」
虹夏「絶対そう思ってるくせに!!」
ぼっち「思ってないよ」
虹夏「なんで私と友達でいてくれるの!!! 教えてよ!!!」

雷鳴。
叩きつける雨音。

ぼっち「わからない」
虹夏「なに、それ……」
虹夏「もう……友達、やめてもい──」

ぼっち「わからないから、答えを見つけたいな」

虹夏「……え」

ぼっち「まぁ、我がまま……だけどね」
ぼっち「私の我がままに、これからも付き合ってほしいかな」
ぼっち「友達としてね。虹夏ちゃん」

虹夏「……ぼっちちゃん……」


鋭利な刃先がしんなりと萎えていく。


【伊地知虹夏・本日の依存度】
+96%



前回 次回
ひとりぼっちの夜 日曜日よりの使者
最終更新:2026年01月22日 00:22