『沙都子vs沙都子②』
一週間後。
沙都子は肉まんを片手に下校中だった。
沙都子(今日の肉まん、ちょっと皮パサいな)
(まぁいいか)
ぼーっと歩いていた、そのとき。
「おい、無視すんなって」
沙都子「え?」
次の瞬間、
肩を痛いくらい強く掴まれる。
振り返る。
――イケメン。
背高い。
顔いい。
声低い。
沙都子(やば。メロドラマ)
一瞬で脳内が少女漫画モードに切り替わる。
ドギマギしている沙都子に、イケメンが吐き捨てる。
謎男「二宮……。
てめぇ、どんな面してここ歩いてるわけ?」
沙都子「……え? は?」
沙都子(うわ、マジ?)
沙都子(こんな展開ある?!)
謎男「無視すんなよ。やべぇから」
沙都子「あー……よく言われるんすけど、私別人で〜」
謎男「いや、マジでそういうの求めてねぇから」
沙都子「……え」
空気が、一気に凍る。
謎男「……お前さあ、反省してんの?」
沙都子「……へ?」
謎男「お前のせいでさ」
「あれから後輩みんな泣いて、金集めたんだけど」
沙都子「……は?」
謎男「1900円」
沙都子(1900円)
沙都子(……割と安くね?)
(いや何かは知らんけどさぁ……)
謎男「あーあ、しらばっくれる?」
謎男「やべぇな」
謎男「自分じゃ本性上手く隠してるつもりだろ」
謎男「……でもな」
謎男「俺は分かってっからな?」
沙都子「は、はぁっす……」
(本性……?!)
(ニノちゃん、なにしたん……?つかなにこいつ?!)
(怖い怖い怖い怖い!!)
(いや待て。“俺だけはお前を分かってる”ってメロドラマすぎん?w)
謎男「調子乗んなよ?」
謎男「お前、一日200本も出来てねぇじゃん」
沙都子「……それは、へい……」
(何の200か知らんけどノルマ狂ってね?)
謎男「……みんなの気持ち考えろ」
謎男「騙されてんだよ、周りは」
謎男「……俺だけは分かってるけどな」
沙都子「はあ……」
(メロドラマ二回目……)
(なんか私が恥ずかしくなるんだが)
謎男「これ、あんま言いたくないんだけどさ、お前正直……」
沙都子「え?」
謎男「……はぁ。まぁいいわ」
沙都子「……うす」
(勝手に言えや効かねぇよ)
謎男「分かった?」
謎男「明日、まじ2組来んなよ」
沙都子「はあ」
「1組とかはいいんすか?」
(こいつが2組という誰得情報ゲッツ)
謎男「は?」
「……マジ死ねって」
謎男「来たらまじ終わらせっからな」
沙都子「……人生をっすか?」
謎男「ィイイッ!!」
「ダム建設をだよッ!!!!!!」
(大声)
沙都子「」
沙都子「……はぁ、はは……。……で、では……」(ドン引き)
(やばいやばいやばいやばいやばいやばい!!)
(ガチモンじゃん!!ほんとやばいって!!)
(無理無理無理無理無理!!!!)
その夜。
LINE。
沙都子「ニノ」
二宮「お?」
「どしたどした〜!」
「我が妹😂🫶」
沙都子「超やばい」
「超鳥肌」
「超恐怖映像だった」
二宮「?」
沙都子「明日、ガッコ来ん方ええで……」
二宮「了解〜🙂↕️」
終
最終更新:2025年12月27日 02:12