「どうして、こんな事をするんですか!?」
言葉と共に、一迅の雷鳴が落ちる。
常人ならば即死は免れない雷光を、間一髪避けた女の姿があった。
桜色の髪と豊満な肉体を持った、可憐で力強い女性。
鬼殺隊恋柱・甘露寺蜜璃の身体で、『美食殿』のギルドマスター・ペコリーヌは目の前の『彼女』にそう尋ねる。
常人ならば即死は免れない雷光を、間一髪避けた女の姿があった。
桜色の髪と豊満な肉体を持った、可憐で力強い女性。
鬼殺隊恋柱・甘露寺蜜璃の身体で、『美食殿』のギルドマスター・ペコリーヌは目の前の『彼女』にそう尋ねる。
「忘れない為に。」
そして、そんな彼女に雷光を打ち下ろした張本人であり、淡白に返答したのもまた少女。
籠手を付けた、如何にも普通そうに見える少女。
だが、その中身は――れっきとした男性。ペコリーヌ同様、別の身体に魂を入れ替えられた。
籠手を付けた、如何にも普通そうに見える少女。
だが、その中身は――れっきとした男性。ペコリーヌ同様、別の身体に魂を入れ替えられた。
「忘れない、為?」
「オレはな、分かりやすく言えば、俺は一度覚えたものを絶対に忘れない体質でな。」
「オレはな、分かりやすく言えば、俺は一度覚えたものを絶対に忘れない体質でな。」
『彼女』が語るのは、自らの在り方。見たもの、記憶したものをずっと忘れること無く覚えておくことが出来る異能。
『彼』の世界において、否定能力と称される神からの祝福(のろい)。
『彼』の世界において、否定能力と称される神からの祝福(のろい)。
「だったらどうして――」
「だが、だからといって全てを覚えてられるわけじゃない。」
「だが、だからといって全てを覚えてられるわけじゃない。」
それだけで、ペコリーヌは『彼』の心の痛みを理解する。
ペコリーヌだからこそ、忘却という恐怖を身に沁みて知っている。
誰かから忘れられる痛み、大切なことを忘れる痛み。何より、忘れた事すら忘れてしまうと言う恐怖にも近いものを。
ペコリーヌだからこそ、忘却という恐怖を身に沁みて知っている。
誰かから忘れられる痛み、大切なことを忘れる痛み。何より、忘れた事すら忘れてしまうと言う恐怖にも近いものを。
「――オレの能力は、妻の死の直前に発現した。」
「……ッ?!」
「……ッ?!」
思わず、絶句する。
前置きされた『全てを覚えてられるわけじゃない』その意味を。
能力の発現が、『妻の死の直前』だったことを。
前置きされた『全てを覚えてられるわけじゃない』その意味を。
能力の発現が、『妻の死の直前』だったことを。
「分かるだろ? 潰されていくんだよ。忘れられない情報に。アイツとの記憶が。」
不忘―Unforgettable―
文字通り忘れることが無くなる否定能力。だが、能力発現前の記憶は、忘れることが無い情報の積み重ねによって押し潰され、消滅する。
『彼』の妻との思い出は、殆ど残っておらず。不忘で鮮明に焼き付いている記憶は。
文字通り忘れることが無くなる否定能力。だが、能力発現前の記憶は、忘れることが無い情報の積み重ねによって押し潰され、消滅する。
『彼』の妻との思い出は、殆ど残っておらず。不忘で鮮明に焼き付いている記憶は。
「残ったのは、妻(あいつ)の死に顔だけだ。――耐えられるわけ、ないだろ。」
思い出は消え続け、ただ死に顔だけが永遠に脳に刻まれたまま残り続ける。
幸せの残響は時期に塗りつぶされる。死の冷たさと虚空を見つめる伽藍堂の瞳孔だけが残る。
幸せの残響は時期に塗りつぶされる。死の冷たさと虚空を見つめる伽藍堂の瞳孔だけが残る。
「会いたいんだよ。また、アイツに。」
『彼』が、再び手を翳す。迸る輝き、再びの放電の合図。
赤い刀身の日本刀。炎柱・煉獄杏寿郎の日輪刀をペコリーヌは構え、直後に降り注ぐ雷撃に対し咄嗟に対応しようとして。
赤い刀身の日本刀。炎柱・煉獄杏寿郎の日輪刀をペコリーヌは構え、直後に降り注ぐ雷撃に対し咄嗟に対応しようとして。
「――かすかに残る、この気持ちを。忘れる前に。」
その言葉を最後に、二人の姿は輝きに呑まれた。
◯ ◯ ◯
「あ、危なかったです……!」
二度目の雷が落ちた場所より離れた場所で、ペコリーヌは黒煙を上げる身体で安堵した。
咄嗟に弾くように雷を防いだが、それで防げるなら無理はない。反動で吹き飛ばされ、少なくとも黒煙が上がるほどの火傷を負う程には。
咄嗟に弾くように雷を防いだが、それで防げるなら無理はない。反動で吹き飛ばされ、少なくとも黒煙が上がるほどの火傷を負う程には。
『忘れない為に。』
「わかります、その気持ち。忘れることって、辛いですよね。」
『彼』の言葉が反響する。「忘れない為」に殺し合いに乗った、彼の思いの丈を
忘れることの辛さを知っている。大切な記憶が抜け落ちていく辛さを実感している。
"絆"を奪われる痛みを、彼女は知っている。
忘れることの辛さを知っている。大切な記憶が抜け落ちていく辛さを実感している。
"絆"を奪われる痛みを、彼女は知っている。
「でも、だからって……!」
だからといって、そのやり方は間違っている。
例えどれだけ甘い考えだと言われても、それだけは譲れない。
失いたくない気持ちは分かるけれど、だからといって誰かから大切なものを奪ってでもという考えは止めないといけない。
例えどれだけ甘い考えだと言われても、それだけは譲れない。
失いたくない気持ちは分かるけれど、だからといって誰かから大切なものを奪ってでもという考えは止めないといけない。
「――止めてみせます。あの人のことは。」
忘却の痛みを知っているからこそ。
忘れ去られる苦しみを知っているからこそ。
思い出に縋らなければならない彼を、止めなければならないと。
かつて全てから忘れ去られ、絆によって掬われた王女はふたたび立ち上がった。
忘れ去られる苦しみを知っているからこそ。
思い出に縋らなければならない彼を、止めなければならないと。
かつて全てから忘れ去られ、絆によって掬われた王女はふたたび立ち上がった。
【ペコリーヌ@プリンセスコネクトRe:Dive】
[身体]:甘露寺蜜璃@鬼滅の刃
[状態]:体中に火傷(小)
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない
1:あの女(?)の人は止めたい。大切な人のことを忘れてしまうなんて悲しいことだけど、だからって殺し合いに乗るのは間違ってます!
[備考]
※参戦時期は第一部以降
[身体]:甘露寺蜜璃@鬼滅の刃
[状態]:体中に火傷(小)
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない
1:あの女(?)の人は止めたい。大切な人のことを忘れてしまうなんて悲しいことだけど、だからって殺し合いに乗るのは間違ってます!
[備考]
※参戦時期は第一部以降
【煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃】
煉獄杏寿郎の保有する日輪刀。他の一般的な日輪刀と違い、赤い刀身に加え、拵は鍔は炎の様な意匠の鍔と縁頭を備えており、白い片手巻の柄と白色と灰色の檜垣紋様の鞘を持つ。
煉獄杏寿郎の保有する日輪刀。他の一般的な日輪刀と違い、赤い刀身に加え、拵は鍔は炎の様な意匠の鍔と縁頭を備えており、白い片手巻の柄と白色と灰色の檜垣紋様の鞘を持つ。
◯ ◯ ◯
突きつけられた選択肢は二つ。
妻か、神殺し(ユメ)か。
妻か、神殺し(ユメ)か。
オレは、妻を選んだ。
その為に、組織(ユニオン)を裏切って、同僚(なかま)を殺した。
オレの発明と、霊(ゴースト)の理さえあれば。
その為に、組織(ユニオン)を裏切って、同僚(なかま)を殺した。
オレの発明と、霊(ゴースト)の理さえあれば。
「逃げられたか。この身体だと、追いかけるのは困難だな。」
地面に残る焦げ跡と、不自然な足跡を見下ろして。
咄嗟の機転で防いだのは兎も角、その反動で吹き飛んで見失うとは。
己の、『蒼井えりか』という少女の身体にその魂を押し込めらた、ニコ=フォーゲイルという否定能力者は。ペコリーヌと名乗った女の、同情し憐れむような視線が、その記憶に焼き付いたまま、思考する。
咄嗟の機転で防いだのは兎も角、その反動で吹き飛んで見失うとは。
己の、『蒼井えりか』という少女の身体にその魂を押し込めらた、ニコ=フォーゲイルという否定能力者は。ペコリーヌと名乗った女の、同情し憐れむような視線が、その記憶に焼き付いたまま、思考する。
身体は変わったが、否定能力はそのままだ。それは別に都合がいいので構わなかったが。
どうにも、この体は扱いづらい。勝手が違うから近接格闘も難しいし、サイコポッドもない。
だが、それを補うように支給された籠手は役に立つ。
「雷神憤怒アドラメレク」。雷を発生させる帝具、と言うものらしい。
要するに、古代遺物(アーティファクト)と似たようなものだ。
どうにも、この体は扱いづらい。勝手が違うから近接格闘も難しいし、サイコポッドもない。
だが、それを補うように支給された籠手は役に立つ。
「雷神憤怒アドラメレク」。雷を発生させる帝具、と言うものらしい。
要するに、古代遺物(アーティファクト)と似たようなものだ。
「……オレに充てがわれたのが、超記憶症候群(ハイパーサイメシア)持ちの身体とはな。」
自分の現在の身体。蒼井えりかという少女は超記憶症候群(ハイパーサイメシア)持ち。
どんな些細なものであろうと、見たもの全てを記憶出来てしまうらしい。
羨ましく思った。"それ"以前は忘れてしまう自分とは違って。
能力発現前の記憶であるがゆえに、それ以降の記憶しか残ることが出来ない自分を比べて。
悲劇だろうと喜劇だろうと、関係ない。妻の思い出を失いたくないからと。
なんて滑稽で、笑える話だろう。
どんな些細なものであろうと、見たもの全てを記憶出来てしまうらしい。
羨ましく思った。"それ"以前は忘れてしまう自分とは違って。
能力発現前の記憶であるがゆえに、それ以降の記憶しか残ることが出来ない自分を比べて。
悲劇だろうと喜劇だろうと、関係ない。妻の思い出を失いたくないからと。
なんて滑稽で、笑える話だろう。
「笑えねぇ。」
笑えるわけがないだろ。ここは自分の研究所ではない。
妻に関する微かな記憶は徐々に綻んでいく。
研究所にいなければ、その記憶は保てない。
だが、このピンチはチャンスでもある。
優勝すれば、元の体に戻るだけでなく、何でも願いを叶えることが出来る。
UMAの連中より信用はならないが、これを逃すつもりはない。
例え藁にでも縋ってでも、一片でも可能性があるなら、それに望みを賭ける。
妻に関する微かな記憶は徐々に綻んでいく。
研究所にいなければ、その記憶は保てない。
だが、このピンチはチャンスでもある。
優勝すれば、元の体に戻るだけでなく、何でも願いを叶えることが出来る。
UMAの連中より信用はならないが、これを逃すつもりはない。
例え藁にでも縋ってでも、一片でも可能性があるなら、それに望みを賭ける。
「ああ。待っててくれ、イチコ。もう忘れたりなんかしない。もう、忘れてなるものか。」
二度と、忘れたくない。
二度と、忘れてなるものか。
オレからその記憶が無くなる前に。
妻の死で抜け落ちた穴は、妻でしか埋めることが出来ない。
やるしか無い。殺すしか無い。優勝するしか無い。
だから。
二度と、忘れてなるものか。
オレからその記憶が無くなる前に。
妻の死で抜け落ちた穴は、妻でしか埋めることが出来ない。
やるしか無い。殺すしか無い。優勝するしか無い。
だから。
「早く、お前との、忘れない思い出をくれ。」
【ニコ=フォーゲイル@アンデッドアンラック】
[身体]:蒼井えりか@ヘブンズバーンレッド
[状態]:健康、焦燥
[装備]:雷神憤怒アドラメレク@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:優勝して、妻を取り戻す
1:あの女(ペコリーヌ)は、見つけ次第始末する
2:忘れない思い出をくれ。
[備考]
※参戦時期は組織(ユニオン)を裏切った直後
※不忘の否定能力は問題なく機能しています
[身体]:蒼井えりか@ヘブンズバーンレッド
[状態]:健康、焦燥
[装備]:雷神憤怒アドラメレク@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:優勝して、妻を取り戻す
1:あの女(ペコリーヌ)は、見つけ次第始末する
2:忘れない思い出をくれ。
[備考]
※参戦時期は組織(ユニオン)を裏切った直後
※不忘の否定能力は問題なく機能しています
【雷神憤怒アドラメレク@アカメが斬る!】
帝国の大将軍ブドーが保有する、籠手型の帝具。
籠手型の帝具。籠手に仕込まれた鉄芯(電磁誘導などで使われる)を利用して雷撃を操ることができる。威力が高く、雷撃を円状にして攻撃を防ぐなど攻防に優れている。しかし籠手の中に電気エネルギーを帯電させておく必要があり、撃ち尽くしてしまうと雷が使用不能となりただの籠手になってしまう。空から雷を落としたり、空を飛んだりすることもできる。
奥の手は、巨大な雷球を作り出して、それを飛ばして攻撃をおこなう「ソリッドシューター」
帝国の大将軍ブドーが保有する、籠手型の帝具。
籠手型の帝具。籠手に仕込まれた鉄芯(電磁誘導などで使われる)を利用して雷撃を操ることができる。威力が高く、雷撃を円状にして攻撃を防ぐなど攻防に優れている。しかし籠手の中に電気エネルギーを帯電させておく必要があり、撃ち尽くしてしまうと雷が使用不能となりただの籠手になってしまう。空から雷を落としたり、空を飛んだりすることもできる。
奥の手は、巨大な雷球を作り出して、それを飛ばして攻撃をおこなう「ソリッドシューター」
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