あるところに、ふわふわのぬいぐるみがいた。
人の子供ほどの大きさをした存在だった。
まるでうさぎのような耳を生やした、全身を毛で覆われた、可愛らしい姿をした者だ。
まるでうさぎのような耳を生やした、全身を毛で覆われた、可愛らしい姿をした者だ。
その周囲には、小さな軍隊のようなものが存在している。
銃を持った歩兵隊や、戦車やミサイルのついたヘリコプターなんかもある。
銃を持った歩兵隊や、戦車やミサイルのついたヘリコプターなんかもある。
そのぬいぐるみは左手に手鏡を、右手にタブレットを持ち、それぞれ交互に眺めていた。
タブレットの画面に映っているのは、ある人物のプロフィールだ。
そのプロフィールに添付されている顔写真は、これを見ているぬいぐるみと同じものだ。
ぬいぐるみは、今の自分の顔とその写真に写っている顔が同じものであることを確かめていた。
タブレットの画面に映っているのは、ある人物のプロフィールだ。
そのプロフィールに添付されている顔写真は、これを見ているぬいぐるみと同じものだ。
ぬいぐるみは、今の自分の顔とその写真に写っている顔が同じものであることを確かめていた。
そのプロフィールが示す、ぬいぐるみのような姿をしたそれの名はナナチ。
そのナナチに宿る人格の名は、虹村形兆。
彼は、この別人の身体で戦うというこの殺し合いの参加者の一人になっていた。
「……なるほどな」
形兆はタブレット内にあったナナチのプロフィール内容を把握していた。
形兆はこのようなタッチパネル式のタブレットが普及している時代の人間ではないが、説明書も確認しながら何とか中にあるファイルの閲覧をしていた。
念のため、警戒するために周囲に自分のスタンドである「バッド・カンパニー」を展開しながらでだ。
思えば、最初の説明にあった身体に慣れるための時間というのは、このタブレットのような、参加者によっては使い慣れていないものを利用できるようにするための時間も兼ねているのかもしれない。
念のため、警戒するために周囲に自分のスタンドである「バッド・カンパニー」を展開しながらでだ。
思えば、最初の説明にあった身体に慣れるための時間というのは、このタブレットのような、参加者によっては使い慣れていないものを利用できるようにするための時間も兼ねているのかもしれない。
(こいつ(ナナチ)は元からこんな生物じゃあなくて、人体実験の結果こうなったという訳か)
形兆は今の自分の身体であるナナチが、なぜ人からかけはなれた姿をしているのかの理由を知る。
このナナチという生物が元は人間で、波瀾万丈な過去の下このような姿になってしまったとのことだ。
このナナチという生物が元は人間で、波瀾万丈な過去の下このような姿になってしまったとのことだ。
そして、その過程に大きく関わっている人物の名も記されている。
人体実験を行った男、ボンドルド。
共に実験にかけられ、ナナチも受けるはずだった『呪い』を引き受けてしまった少女、ミーティ。
ナナチがボンドルドの下からミーティを連れて逃げ出した後、隠れ家で潜伏していた頃に出会ったリコとレグという二人組。
人体実験を行った男、ボンドルド。
共に実験にかけられ、ナナチも受けるはずだった『呪い』を引き受けてしまった少女、ミーティ。
ナナチがボンドルドの下からミーティを連れて逃げ出した後、隠れ家で潜伏していた頃に出会ったリコとレグという二人組。
ナナチのプロフィールに書かれた他の者の名はこの四人だけだ。
彼らがどのような形でナナチに関わったかは書かれているが、それぞれの内面についてや、ナナチが二人に対しどんな感情を抱いていたか等の情報は無い。
一応、書かれている内容からある程度想像は可能だが。
彼らがどのような形でナナチに関わったかは書かれているが、それぞれの内面についてや、ナナチが二人に対しどんな感情を抱いていたか等の情報は無い。
一応、書かれている内容からある程度想像は可能だが。
「…こいつは、殺せたのか」
形兆はナナチのプロフィールの内容の中に気を引かれる箇所があった。
それは、自分との『共通点』と見れるかもしれないことであった。
それは、自分との『共通点』と見れるかもしれないことであった。
ナナチと共に実験にかけられたミーティは、身体が崩れた上に、何をしても死ねない不死身の存在になってしまったとのことだ。
そしてナナチは、このミーティを殺せる方法を探していたとのことだ。
ミーティの魂を、救うために。
そしてナナチは、このミーティを殺せる方法を探していたとのことだ。
ミーティの魂を、救うために。
そう、それはまるで自分と自分の父親と似たような状態であると読み取れた。
ミーティは完全に一方的な被害者らしく、自業自得でもある父と比べるのは差し出がましいかもしれんが。
ミーティは完全に一方的な被害者らしく、自業自得でもある父と比べるのは差し出がましいかもしれんが。
だが、ナナチとミーティ、そして自分と父には、決定的に違う点もあった。
ナナチは自分とは違い、ミーティを殺す方法を見つけることに成功していた。
それを、実行することもできた。
一体どんな手段があったのかについては、書かれていない。
ナナチは自分とは違い、ミーティを殺す方法を見つけることに成功していた。
それを、実行することもできた。
一体どんな手段があったのかについては、書かれていない。
ナナチのプロフィールの経歴に書いてあるのは、ここまでだ。
ミーティを死なせた後どうなったかについたは記されていない。
プロフィールにおいては、それがナナチの最終時系列とされていた。
ミーティを死なせた後どうなったかについたは記されていない。
プロフィールにおいては、それがナナチの最終時系列とされていた。
そして、これらを読み終えた形兆は、考える。
自分は、この殺し合いにおいてどうするのかを。
自分は、この殺し合いにおいてどうするのかを。
◆
DIOという男の部下になったことが原因で、醜くて死ねない化物になった父を、虹村形兆は前述の通り殺してやろうとした。
その手段として、形兆は手に入れた『弓と矢』を使うことで父を殺せる能力を持ったスタンド使いを見つけようとした。
その手段として、形兆は手に入れた『弓と矢』を使うことで父を殺せる能力を持ったスタンド使いを見つけようとした。
その過程において、人を何人も死に追いやってしまった。
そして最後には、自分が作り出したスタンド使いに『弓と矢』を狙われ、殺されてしまった。
そう、虹村形兆は本来、死んでいるはずの人間だった。
そして最後には、自分が作り出したスタンド使いに『弓と矢』を狙われ、殺されてしまった。
そう、虹村形兆は本来、死んでいるはずの人間だった。
ここにおける形兆は、そうして命を落とした直後にこの殺し合いの場に連れてこられた。
そして、死の直前まで共にいた者達について、彼は想起する。
そして、死の直前まで共にいた者達について、彼は想起する。
◇
『「殺す」スタンド使いよりよ―――。「治す」スタンド使いを探すっつーんなら』
『手伝ってもいいぜ』
『手伝ってもいいぜ』
東方仗助…直前まで自分が殺そうとしていたにも関わらず、自分達の事情を知った後に、父に心がまだ残っていることを見抜き、より『優しい』方法での解決の模索を提案してきた男。
『なあ~。こんなことはよ~。もう やめよおぜ なあ~~』
『おやじは治るかもしれねーなあ~。肉体は治んなくともよお~ 心と記憶は昔の父さんに戻るかもなあ~~』
『おやじは治るかもしれねーなあ~。肉体は治んなくともよお~ 心と記憶は昔の父さんに戻るかもなあ~~』
虹村億康…形兆の実の弟であり、自分とは違いまだ手を汚しておらず、『希望』をまだ捨てていない男。
そして、形兆が最期の時に庇って、その命を救った者だ。
そして、形兆が最期の時に庇って、その命を救った者だ。
もし彼らがここにいるならば、きっと殺し合いに乗らずに、事態の解決法を模索する道を選ぶのだろう。
◇
「………悪いな。俺はよお…乗らせてもらうことにするぜ」
だが、形兆はそう呟いた。
殺し合いに乗ることを、決意していた。
殺し合いに乗ることを、決意していた。
この殺し合いにおいて最後に生き残った者が得られるというどんな願いでも叶えられる権利、そんなものが本当にあるのかどうかが疑わしいのは確かだ。
しかしながら、主催はおそらく、少なくとも自分の望みを実現することができるだけの力がある可能性はあると、形兆は考えていた。
しかしながら、主催はおそらく、少なくとも自分の望みを実現することができるだけの力がある可能性はあると、形兆は考えていた。
この殺し合いの主催は、人の精神を別人の身体に移すなんて芸当を実現している。
そして、形兆は考えてた。
主催の力があれば、精神…もしくは魂を抜き取るという形で、父を殺すことができるのではないかと。
形兆はその力を利用したいという考えが浮かんだ。
そして、形兆は考えてた。
主催の力があれば、精神…もしくは魂を抜き取るという形で、父を殺すことができるのではないかと。
形兆はその力を利用したいという考えが浮かんだ。
結局のところ、仗助が言った治すスタンド使いを探すにしても、その方法も確実性は無い。
それに仗助は弓と矢を壊したがっていたが、あれを使ってスタンド使いを増やすこともしないで治す能力を見つけることは余計に難しいという考えも浮かぶ。
もしこのまま殺すことも治すこともできなければ、自分どころか億康がいずれ寿命で死んだ後も、父はあの体のまま永遠に苦しみ続ける可能性だって考えられる。
ならばこそ、この殺し合いの優勝の報酬という、他よりも可能性がまだ考えられる方法にすがりたいという気持ちが出てきていた。
それに仗助は弓と矢を壊したがっていたが、あれを使ってスタンド使いを増やすこともしないで治す能力を見つけることは余計に難しいという考えも浮かぶ。
もしこのまま殺すことも治すこともできなければ、自分どころか億康がいずれ寿命で死んだ後も、父はあの体のまま永遠に苦しみ続ける可能性だって考えられる。
ならばこそ、この殺し合いの優勝の報酬という、他よりも可能性がまだ考えられる方法にすがりたいという気持ちが出てきていた。
◇
また、几帳面な性格の形兆は、殺し合いに乗るかどうかといった点で迷いを持ちたくなかった。
中途半端な気持ちを抱いたままになるくらいならきっちりと決めておきたかった。
中途半端な気持ちを抱いたままになるくらいならきっちりと決めておきたかった。
だからこそ、先に億康達のことを想起しておいた。
もし彼らがこの殺し合いのような状況にいたとしたら、乗らずに主催を打倒しようなんて考える可能性は高い。
東方仗助ならば特にそうであろう。
もし彼らがこの殺し合いのような状況にいたとしたら、乗らずに主催を打倒しようなんて考える可能性は高い。
東方仗助ならば特にそうであろう。
先に思い起こしておくことで、彼らとは決別するという意志を、より深い決意としておきたかった。
もしここで出会うことがあったとした時に、目的のため、迷いを振り払えるようにするために。
………その心の奥底には、できるならばそんなことには望まない感情もあった。
もしここで出会うことがあったとした時に、目的のため、迷いを振り払えるようにするために。
………その心の奥底には、できるならばそんなことには望まない感情もあった。
形兆に与えられた身体が、もしナナチではなかったら、彼がこのような決意をしたかどうかは分からない。
しかしどちらにせよ、『ナナチは形兆とは違い、魂が不死身の体に捕らわれた者を解放することができた』という事実は、形兆の心に少なからず影響を与えているようだった。
しかしどちらにせよ、『ナナチは形兆とは違い、魂が不死身の体に捕らわれた者を解放することができた』という事実は、形兆の心に少なからず影響を与えているようだった。
どうせ既に何人も殺してしまっている、もはや後戻りはできない。
親父が箱で探っていた写真に写っていたような光景は、戻らない、取り戻してはいけない。
親父が箱で探っていた写真に写っていたような光景は、戻らない、取り戻してはいけない。
水道の蛇口をしっかりと閉めるが如く、その決意は固められた。
…けれどもその目には、僅かばかりだが涙が出ているようにも見えた。
…けれどもその目には、僅かばかりだが涙が出ているようにも見えた。
【虹村形兆@ジョジョの奇妙な冒険】
[身体]:ナナチ@メイドインアビス
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:優勝し、おやじの魂を解放する
1:まずは名簿と地図が来るまで待つか…
[備考]
※死亡後から参戦です。
※ナナチのプロフィールの経歴欄の情報は、ナナチハウスでのミーティ死亡までのものとします。
[身体]:ナナチ@メイドインアビス
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:優勝し、おやじの魂を解放する
1:まずは名簿と地図が来るまで待つか…
[備考]
※死亡後から参戦です。
※ナナチのプロフィールの経歴欄の情報は、ナナチハウスでのミーティ死亡までのものとします。
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