―――こいつは馬鹿なんだな。
殺し合いに巻き込まれたルインが最初に思ったことは、魘夢への怒りでもなければ巻き込まれたことによる恐怖でもない。
自分に与えられた体…野性味溢れる長身の盗賊に対する、忌避感と嫌悪だ。
自分に与えられた体…野性味溢れる長身の盗賊に対する、忌避感と嫌悪だ。
プロフィールを見る限り、バンという名のこの男は、「生命の泉」なるものを飲んだことで、一度は不老不死の体を手に入れたらしい。
だが、その際に死なせてしまった少女のことを思い続け。挙句の果てにその少女を生き返らせるという滑稽極まる動機でその不死性を捨てたという。
だが、その際に死なせてしまった少女のことを思い続け。挙句の果てにその少女を生き返らせるという滑稽極まる動機でその不死性を捨てたという。
「お前。何考えてるんだ?」
返事など無いことは分かっていながらも、そんな疑問を溢してしまう。
酷似した能力を持ちながら、この男の人生観はルインのそれとは微塵も合わない。
返事など無いことは分かっていながらも、そんな疑問を溢してしまう。
酷似した能力を持ちながら、この男の人生観はルインのそれとは微塵も合わない。
不滅(UNRUIN)
滅びを否定する能力。ルインが持つそれはかつてのバンと同様、あらゆるダメージから完全に回復する無敵の能力。
バンとの違いをあげるなら。その力を与えてくれた「神」に、ルインが心酔しているということだ。
彼にとって、バンのしたことは寵愛を捨てる行いであり、理解する価値もない愚行である。
虫唾が走る。とさえ思っている。
心も想いも、願いも罪も、絆も愛も。ルインにとっては等しく無価値だ。
そんなものをまざまざと見せつけられたルインは、はっきり言って不快の絶頂だった。
滅びを否定する能力。ルインが持つそれはかつてのバンと同様、あらゆるダメージから完全に回復する無敵の能力。
バンとの違いをあげるなら。その力を与えてくれた「神」に、ルインが心酔しているということだ。
彼にとって、バンのしたことは寵愛を捨てる行いであり、理解する価値もない愚行である。
虫唾が走る。とさえ思っている。
心も想いも、願いも罪も、絆も愛も。ルインにとっては等しく無価値だ。
そんなものをまざまざと見せつけられたルインは、はっきり言って不快の絶頂だった。
ルインにとって唯一のいいニュースは、魘夢の整えた舞台が皆殺し上等のバトルロイヤルであること。
彼は元の世界で、敵対する組織(ユニオン)を全員殺し、「神」を迎えることを目的に動いている。
その前にこの舞台の人間を皆殺しにして脱出しよう。そう方針を固めるのに時間はかからない。
彼は元の世界で、敵対する組織(ユニオン)を全員殺し、「神」を迎えることを目的に動いている。
その前にこの舞台の人間を皆殺しにして脱出しよう。そう方針を固めるのに時間はかからない。
「……見つけた」
獲物を探すルインは一人の少女を視界に収め。駆ける。
バンの体は本来のルインのものより、ずっと速い。
兎を狩る狐のように、ルインは目の前のウサミミをした女に狙いを定めた。
獲物を探すルインは一人の少女を視界に収め。駆ける。
バンの体は本来のルインのものより、ずっと速い。
兎を狩る狐のように、ルインは目の前のウサミミをした女に狙いを定めた。
「…誰か来た。速い。」
ルインの標的に選ばれたウサミミ少女。
彼女はいち早く自分に真っ直ぐ突っ込んでくる赤いジャケットの男に気づき、支給品のチェーンソーを構える。
迫るルインに備えることが出来たのは、身体である兎人族の少女……シア・ハウリアの持つ「未来視」の能力の賜物だ。
ルインの標的に選ばれたウサミミ少女。
彼女はいち早く自分に真っ直ぐ突っ込んでくる赤いジャケットの男に気づき、支給品のチェーンソーを構える。
迫るルインに備えることが出来たのは、身体である兎人族の少女……シア・ハウリアの持つ「未来視」の能力の賜物だ。
「ウサちゃんありがとう……」
消費が大きく、日に数度しか使えない能力。だが、確定した未来が見えるその力は、あると無いとでは大違い。
チェーンソーを構えたシアの体の人物...大佛という名の殺し屋はそう思った。
消費が大きく、日に数度しか使えない能力。だが、確定した未来が見えるその力は、あると無いとでは大違い。
チェーンソーを構えたシアの体の人物...大佛という名の殺し屋はそう思った。
俊敏な動きで、迫りくる男のナイフを躱す。大佛の元居た場所には、深々とナイフが突き刺さっていた。
「よく躱したね!」
「見えたから…」
「見えたから…」
ナイフを抜いたルインの攻撃を、大佛は紙一重でかわし続ける。
バンもシアも、白兵に長けた肉体であり。
ルインも大佛も、戦闘に手慣れた精神だ。
だが、技術的には大佛に若干の分があり。ルインの攻撃はなかなか当たらない。
バンもシアも、白兵に長けた肉体であり。
ルインも大佛も、戦闘に手慣れた精神だ。
だが、技術的には大佛に若干の分があり。ルインの攻撃はなかなか当たらない。
「神の為に、君の命を捧げろよ!」
「神様の為?」
若干のいら立ちを込め、狂ったような笑顔で叫ぶルイン。彼の言葉に、無表情のまま大佛が返す。
「神様の為?」
若干のいら立ちを込め、狂ったような笑顔で叫ぶルイン。彼の言葉に、無表情のまま大佛が返す。
「そう、ボクが元の世界に戻って。神の意志を果たすために!ここで死んで!」
「それって...何するの?」
「ラグナロク!」
「それって...何するの?」
「ラグナロク!」
ルインの語るラグナロク。それは文字通り神が地球に降り立つ地獄。
その手で世界を破壊し、作り直す最大の罰(ペナルティ)。
その手で世界を破壊し、作り直す最大の罰(ペナルティ)。
「それって...生きてる人たちはどうなるの?」
「全員死ぬ。ループを超えられるボクともう一人以外はね」
「全員死ぬ。ループを超えられるボクともう一人以外はね」
その理不尽な終わりを聞いて、大佛の目の色が。少し変わった。
大佛は本来、神に対して肯定的なスタンスだ。
自分達のような人殺しを受け入れてくれる神は、きっと優しいのだと考える。
自分が神だったら、大佛が相手する殺人者は....大佛のような人殺しは。つくらないと思うから。
自分が神だったら、大佛が相手する殺人者は....大佛のような人殺しは。つくらないと思うから。
でも、ルインの神様は優しくない。
人を殺すことを肯定し、自分の手で世界を滅ぼす神は。優しくない。
人を殺すことを肯定し、自分の手で世界を滅ぼす神は。優しくない。
「それ...本当に神様?」
「は?」
ルインの言葉を....ルインという狂信者の全てを否定する発言。
ルインの額に青筋が浮かぶ。
「は?」
ルインの言葉を....ルインという狂信者の全てを否定する発言。
ルインの額に青筋が浮かぶ。
「神様が本当に優しいのなら。自分で人を殺したりなんかしない。」
――私たちみたいな人殺しじゃない。
そういう意味合いを、明確に込めた否定だった。
顔をゆがめるルインに対し、大佛は「それに...」と続ける。
――私たちみたいな人殺しじゃない。
そういう意味合いを、明確に込めた否定だった。
顔をゆがめるルインに対し、大佛は「それに...」と続ける。
「このウサちゃんは...そういう酷い神様は嫌いだって。書いてあったから。」
大佛が見たのは、自身の体、シアという兎人族の経歴。
狙われた自身の部族を助けるために、命がけで動いた少女。
愛する人と出会い、道を同じくする友達と出会い。旅を続ける中で、世界を弄ぶ神との戦いの最前線に立った少女。
狙われた自身の部族を助けるために、命がけで動いた少女。
愛する人と出会い、道を同じくする友達と出会い。旅を続ける中で、世界を弄ぶ神との戦いの最前線に立った少女。
シアの記録の中の神と、ルインの語る神。どちらも同じような神(クソヤロー)だと。大佛は結論付ける。
そして、ルインやその神どものような秩序を乱すクソヤローを殺すのが、大佛たちORDERの使命だ。
そして、ルインやその神どものような秩序を乱すクソヤローを殺すのが、大佛たちORDERの使命だ。
「優しい子が悪い神様と戦ったんだから...、悪い私たちはもっと頑張らないと...」
不公平(アンフェア)だ。
その意志を込め、大佛が大きく武器を...手にしたチェーンソーを振るう。
不公平(アンフェア)だ。
その意志を込め、大佛が大きく武器を...手にしたチェーンソーを振るう。
ブゥンと、森の中に一際大きい駆動音が響き。同時に、2人の視界が赤で溢れる。
その赤は、ルインの右手があった場所から、吹き出していた。。
その赤は、ルインの右手があった場所から、吹き出していた。。
「は?」
ルインが驚いたことは、自身の右手が吹き飛んだこと...ではない。
不滅のルインにとって、戦いは死に覚えが基本。全身ズタズタになるなど良くある話だ。
だが、普段ならば数秒とかからず治るはずの右腕が、一向に戻らない。
止血までの速度こそ通常より早いが、普段と比べれば亀の歩みだ。
ルインが驚いたことは、自身の右手が吹き飛んだこと...ではない。
不滅のルインにとって、戦いは死に覚えが基本。全身ズタズタになるなど良くある話だ。
だが、普段ならば数秒とかからず治るはずの右腕が、一向に戻らない。
止血までの速度こそ通常より早いが、普段と比べれば亀の歩みだ。
「あああああああああああああああああああ!!!!!」
「...すごい切れ味。」
「...すごい切れ味。」
悲痛の叫びをあげるルイン。対して、自身の振るったチェーンソーの性能に、大佛は少しだけ嬉しそうに呟く。
そのチェンーンソーがある世界の死神が所有している「死神の鎌(デスサイズ)」であることを、彼女はまだ知らない。
そのチェンーンソーがある世界の死神が所有している「死神の鎌(デスサイズ)」であることを、彼女はまだ知らない。
少しほほ笑んだ大佛が、右手を抑えるルインに向き直る。
「貴方みたいな危ない人は、ここで殺しておかなきゃ。」
「どういうつもりだ!殺人鬼が!」
「.....貴方や私みたいな人のせいで、普通の人が悲しんだら。ダメだから....」
「貴方みたいな危ない人は、ここで殺しておかなきゃ。」
「どういうつもりだ!殺人鬼が!」
「.....貴方や私みたいな人のせいで、普通の人が悲しんだら。ダメだから....」
ふざけるな!といつになくルインは感情をさらけ出す。
物理的に右腕を失ったルインは自身の治らない右腕を見て、この場での敗北を確信する。
不滅の否定者は生まれてはじめて「死」を...「滅び」実感する。
「クソっ!!」
大佛から背を向け、何処へとも知れず逃げた。
敗走。という他ない。不服な選択だった。
物理的に右腕を失ったルインは自身の治らない右腕を見て、この場での敗北を確信する。
不滅の否定者は生まれてはじめて「死」を...「滅び」実感する。
「クソっ!!」
大佛から背を向け、何処へとも知れず逃げた。
敗走。という他ない。不服な選択だった。
「逃げちゃった……」
ぽつんと一人残される大佛。
追いかけようとも考えたが、ルインの速度を考えれば追いつくのは難しい。
未来視を使った疲労もあって、追いかけることを断念した。
「…これ、任務じゃないからお給料でないし。」
打算的な理由もあった。
ぽつんと一人残される大佛。
追いかけようとも考えたが、ルインの速度を考えれば追いつくのは難しい。
未来視を使った疲労もあって、追いかけることを断念した。
「…これ、任務じゃないからお給料でないし。」
打算的な理由もあった。
ガチャリとチェーンソーを背負い、どこへなく歩き出す。
大佛は殺し屋だ。人を殺すことには抵抗はない。
だが、殺し合いとは無縁な人は平和で幸せに生きるべきだと考えている。
対して、平気で人を殺す人は殺さなきゃいけないとも考える。
シアの世界の神や、ルインの妄信する神のように。悪い神様なら、殺さなきゃと。ぼんやりながら考える。
あの魘夢というのも、同じような人だったら。殺さなきゃなと考える。
大佛は殺し屋だ。人を殺すことには抵抗はない。
だが、殺し合いとは無縁な人は平和で幸せに生きるべきだと考えている。
対して、平気で人を殺す人は殺さなきゃいけないとも考える。
シアの世界の神や、ルインの妄信する神のように。悪い神様なら、殺さなきゃと。ぼんやりながら考える。
あの魘夢というのも、同じような人だったら。殺さなきゃなと考える。
いつも通りに穏やかな、しかし鋭い殺意を胸に、殺し屋は歩く。
【大佛@SAKAMOTO DAYS】
[身体]:シア・ハウリア@ありふれた職業で世界最強
[状態]:疲労(小)
[装備]:チェーンソー型の死神の鎌(デスサイズ)@黒執事
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:放浪しながら悪い人は殺したり。
1:ウサちゃんありがとう。「未来視」便利....
2:あの魘夢っていうのが悪い神様なら、殺したほうがいいよね
3:ルインを危険人物だと判断
[備考]
※参戦時期はダンプ戦以降
※シアの能力がどの程度使えるかは、後続の書き手様にお任せします
[身体]:シア・ハウリア@ありふれた職業で世界最強
[状態]:疲労(小)
[装備]:チェーンソー型の死神の鎌(デスサイズ)@黒執事
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:放浪しながら悪い人は殺したり。
1:ウサちゃんありがとう。「未来視」便利....
2:あの魘夢っていうのが悪い神様なら、殺したほうがいいよね
3:ルインを危険人物だと判断
[備考]
※参戦時期はダンプ戦以降
※シアの能力がどの程度使えるかは、後続の書き手様にお任せします
「あの女ァ!!」
大佛から離れた場所で、ルインは吠える。
止血こそされたが、右手はもう戻らないだろう。思えば、殺し合いのゲームで不滅の能力にデメリットも無いことの方が不自然だ。そこはいい。
憎悪の対象はチェーンソーを振るったウサギ女...大佛。
恨みを....憎悪を個人に向けるのは、まだ不公平の否定者と相対していないルインにとって、初めての経験だった。
止血こそされたが、右手はもう戻らないだろう。思えば、殺し合いのゲームで不滅の能力にデメリットも無いことの方が不自然だ。そこはいい。
憎悪の対象はチェーンソーを振るったウサギ女...大佛。
恨みを....憎悪を個人に向けるのは、まだ不公平の否定者と相対していないルインにとって、初めての経験だった。
「あのウサギ女は、ボクが殺す!」
太陽(かみ)のいない世界に、狂信者の叫びが響いた。
【ルイン@アンデッドアンラック】
[身体]:バン@七つの大罪
[状態]:右手欠損 疲労(大)
[装備]:ナイフ@出典不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:元の世界に帰る。邪魔する奴は全員殺す
1:大佛は絶対に殺す
[備考]「不滅(UNRUIN)」の能力は大きく弱体化。傷の治りが早くなる程度。
※参戦時期はシールとの合流~組織(ユニオン)襲撃の間
※使用しているナイフの正体・出典は、後続の書き手様にお任せします
[身体]:バン@七つの大罪
[状態]:右手欠損 疲労(大)
[装備]:ナイフ@出典不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:元の世界に帰る。邪魔する奴は全員殺す
1:大佛は絶対に殺す
[備考]「不滅(UNRUIN)」の能力は大きく弱体化。傷の治りが早くなる程度。
※参戦時期はシールとの合流~組織(ユニオン)襲撃の間
※使用しているナイフの正体・出典は、後続の書き手様にお任せします
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