おぞましい顔の月が見下ろす丘の上。
殺し合いの舞台に招かれた一人の少年がいた。
自分の顔をペタペタ触ると、次に借り物の体の性能を確かめるため体を動かし始めた。
さながら新しい人形の動かし方を覚えるがごとく。
殺し合いの舞台に招かれた一人の少年がいた。
自分の顔をペタペタ触ると、次に借り物の体の性能を確かめるため体を動かし始めた。
さながら新しい人形の動かし方を覚えるがごとく。
一通りの運動を終えるとその顔に、ぐにゃりと歪ませ笑顔が作られた。
純粋そうな少年の風貌に似合わない笑みを浮かべるその体には、
本来の持ち主より長い時を生きた精神が宿っていた。
純粋そうな少年の風貌に似合わない笑みを浮かべるその体には、
本来の持ち主より長い時を生きた精神が宿っていた。
「ふーん、こりゃあ手間が省けた。
どうやったかわからないけど、僕は本当に勝の体になってるね。」
どうやったかわからないけど、僕は本当に勝の体になってるね。」
月が見下ろす狂気の舞台で、踊る役者のその一人。
肉体の名前は才賀勝。
精神の名前はフェイスレス――白金。
精神の名前はフェイスレス――白金。
◆
彼はこの殺し合いに招かれる前。
愛しのエレオノールと一緒になるために、世界を巻き込んだ計画を巡らせていた。
計画の集大成、彼女にとって大事な少年――才賀勝の肉体に、自分のすべてをダウンロードして、
宇宙行きのロケットを前に、"悪役"のフェイスレスを"主役"の才賀勝が打ち倒す。
そうしてエレオノールと、才賀勝となった自分のふたりっきりの世界へ旅立つ……というのが彼の筋書きだった。
愛しのエレオノールと一緒になるために、世界を巻き込んだ計画を巡らせていた。
計画の集大成、彼女にとって大事な少年――才賀勝の肉体に、自分のすべてをダウンロードして、
宇宙行きのロケットを前に、"悪役"のフェイスレスを"主役"の才賀勝が打ち倒す。
そうしてエレオノールと、才賀勝となった自分のふたりっきりの世界へ旅立つ……というのが彼の筋書きだった。
しかし計画の最中にこの舞台へと招かれ、
そして何の因果かフェイスレスの精神は、才賀勝の体へ割り当てられた。
つまるところフェイスレスの計画は、すでに半分は達成しているようなものだった。
そして何の因果かフェイスレスの精神は、才賀勝の体へ割り当てられた。
つまるところフェイスレスの計画は、すでに半分は達成しているようなものだった。
「でも……このままじゃ僕の夢は叶わない。
エレオノール……君に会わなきゃ、出会わなきゃ何も始まらないよ。」
エレオノール……君に会わなきゃ、出会わなきゃ何も始まらないよ。」
残念そうに呟くと、フェイスレスは再び、頭上に浮かぶ月を見上げた。
そして、これから自分がどう動くか思考を巡らせる。
そして、これから自分がどう動くか思考を巡らせる。
計画の途中で殺し合いに巻き込まれたのはいただけないが、勝の体になったのは非常に都合がいい。
他の命を奪うことに抵抗はない。ただ帰りたいのなら、他の参加者を殺し尽くし優勝すればいい。
ただ気にかかる事がある。”エレオノールも殺し合いに巻き込まれているのか?”
他の命を奪うことに抵抗はない。ただ帰りたいのなら、他の参加者を殺し尽くし優勝すればいい。
ただ気にかかる事がある。”エレオノールも殺し合いに巻き込まれているのか?”
この殺し合いの首謀者は、フェイスレスの目的や人間関係をある程度把握している。
現に少なくともフェイスレスと、勝の体はこの殺し合いに放り込まれているのだ。
互いの大事な人である彼女が招かれていても何もおかしくは無い。
現に少なくともフェイスレスと、勝の体はこの殺し合いに放り込まれているのだ。
互いの大事な人である彼女が招かれていても何もおかしくは無い。
フェイスレスの目的はただ一つ。エレオノールと愛し合うこと。
だから、エレオノールがいないのならば会いに行かなければいけないし。
エレオノールが殺し合いに巻き込まれているのであれば、殺されないよう守らなければならない。
だから、エレオノールがいないのならば会いに行かなければいけないし。
エレオノールが殺し合いに巻き込まれているのであれば、殺されないよう守らなければならない。
「なのに優勝できるのは生き残った一人だけ?なら、言われたルールなんかに縛られる必要は無いよね。
僕は僕の思うとおりに動かせてもらうよ。」
僕は僕の思うとおりに動かせてもらうよ。」
フェイスレスがめざす先は優勝ではなく、殺し合いからの≪脱出≫である。
(ま、かといって今の僕には何にしても、手数も情報も足りない。
他の参加者に接触するか。材料を集めて新しく自動人形(オートマタ)を作るか……
まずは少しでも状況を把握しないと。)
他の参加者に接触するか。材料を集めて新しく自動人形(オートマタ)を作るか……
まずは少しでも状況を把握しないと。)
僕の役に立たないヤツはいらないけどね。そう心の中で呟く。
例えばここから脱出するためのロケットを作れたとして、定員が2人だけならば、
エレオノール以外の全ては見捨てるか殺害を選ぶ。
≪脱出≫を志すとは言えその心中は、いわゆる正義とはほど遠いものだった
例えばここから脱出するためのロケットを作れたとして、定員が2人だけならば、
エレオノール以外の全ては見捨てるか殺害を選ぶ。
≪脱出≫を志すとは言えその心中は、いわゆる正義とはほど遠いものだった
ひとまず情報収集に方針を固めると、デイパックからカボチャのお化けを模した人形を取り出す。
その名をジャック・オー・ランターンという人形は、かつてフェイスレスが作成した懸糸傀儡(マリオネット)であり、
糸を操ることで空を飛ぶことも出来る。
その名をジャック・オー・ランターンという人形は、かつてフェイスレスが作成した懸糸傀儡(マリオネット)であり、
糸を操ることで空を飛ぶことも出来る。
使い慣れた移動手段が支給されていたのは運がよかったと考える。
単に使い慣れた道具が支給されたのかも知れないが。
単に使い慣れた道具が支給されたのかも知れないが。
◆
偽りの月が見下ろす空を、望みの顔を手に入れた人形遣いが飛ぶ。
目指すは愛しのエレオノールと愛し合うこと。
エレオノールが舞台にいるのなら、騎士となり守りぬくこと。
目指すは愛しのエレオノールと愛し合うこと。
エレオノールが舞台にいるのなら、騎士となり守りぬくこと。
いるかも分からぬ女性のために目標を決めるのか?
しかしフェイスレスは、エレオノールがいようがいまいが、
もとよりこの舞台におけるルールに盲目的に従うつもりは無かった。
しかしフェイスレスは、エレオノールがいようがいまいが、
もとよりこの舞台におけるルールに盲目的に従うつもりは無かった。
それは、魘夢と名乗った舞台の首謀者の一言からはじまった。
「優勝すればどんな願いでも叶えられる権利、か。
大層なことを言っていたけど、そんな甘言に乗るヤツの気が知れないぜ。
誰かに夢を"叶えてもらう"なんてまっぴらごめんだね。
この夢は僕のものだ。僕だけで夢を叶えて見せる!」
大層なことを言っていたけど、そんな甘言に乗るヤツの気が知れないぜ。
誰かに夢を"叶えてもらう"なんてまっぴらごめんだね。
この夢は僕のものだ。僕だけで夢を叶えて見せる!」
◆
嘘つき男が 心入れ替え 恋した娘と 結ばれたいと
狂気の舞台で 役者をそろえ 目指すは脱出 夢の世界へ
狂気の舞台で 役者をそろえ 目指すは脱出 夢の世界へ
【白金(フェイスレス)@からくりサーカス】
[身体]:才賀勝@からくりサーカス
[状態]:健康
[装備]:ジャック・オー・ランターン@からくりサーカス
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:殺し合いの舞台からの≪脱出≫
1:この肉体のまま脱出して夢を叶える。
2:脱出するための情報を集める。
3:エレオノールがこの場にいないか知りたい。
4:使えないヤツは邪魔だし殺しておきたいなあ。
[備考]
参戦時期は宇宙ステーション行きのロケットを乗っ取ったあたりです、
[身体]:才賀勝@からくりサーカス
[状態]:健康
[装備]:ジャック・オー・ランターン@からくりサーカス
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:殺し合いの舞台からの≪脱出≫
1:この肉体のまま脱出して夢を叶える。
2:脱出するための情報を集める。
3:エレオノールがこの場にいないか知りたい。
4:使えないヤツは邪魔だし殺しておきたいなあ。
[備考]
参戦時期は宇宙ステーション行きのロケットを乗っ取ったあたりです、
【ジャック・オー・ランターン@からくりサーカス】
カボチャ頭のお化けのような風貌をした懸糸傀儡(マリオネット)。
手にした巨大な鎌で切りつけたり、空を飛ぶことができる。
他の懸糸傀儡同様、全ての指を使う特殊な人形操作の技術が必要なため、
訓練を積んだ者で無ければ扱うのは難しい。
カボチャ頭のお化けのような風貌をした懸糸傀儡(マリオネット)。
手にした巨大な鎌で切りつけたり、空を飛ぶことができる。
他の懸糸傀儡同様、全ての指を使う特殊な人形操作の技術が必要なため、
訓練を積んだ者で無ければ扱うのは難しい。
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