(もうなにも感じることができない、記憶だって薄れていく。)
五感が徐々に消えかけ縁壱の中で全て黒色に、
真っ暗になっていく。眠くもなってきた。
疲れだって出てくる、継国家を出奔して
赴くままに走っていても疲れは感じなかったのに。
真っ暗になっていく。眠くもなってきた。
疲れだって出てくる、継国家を出奔して
赴くままに走っていても疲れは感じなかったのに。
思考も薄れてきた、今の自分はどうして戦っていたのか
そんな単純な理由だってわからない。
そんな単純な理由だってわからない。
縁壱はもう死体も同然だった、
勇ましくそびえ立っていた肉根も今は常識の範囲内のサイズに収まり
丸太のように太く強靱な見る者を圧倒させる大きさが嘘のようであった。
勇ましくそびえ立っていた肉根も今は常識の範囲内のサイズに収まり
丸太のように太く強靱な見る者を圧倒させる大きさが嘘のようであった。
忌子の自分にできることなど元から何にも無かったのだろう
なんの価値もなくこの生になんの意味も無かった。
なんの価値もなくこの生になんの意味も無かった。
疎まれ蔑まれる忌子の自分が誰かの役に立ち助けて、
誰かの希望となり穢れのない命と守り抜く。
そんなことを思い戦ってきたが単なる傲りだった、
身の程をわきまえずできないことを無理に実行しようとした一人の愚か者、
それが継国縁壱という子どもの全てだった。
誰かの希望となり穢れのない命と守り抜く。
そんなことを思い戦ってきたが単なる傲りだった、
身の程をわきまえずできないことを無理に実行しようとした一人の愚か者、
それが継国縁壱という子どもの全てだった。
当然の失意とまぎれもない絶望に引きずられながら幼い少年の命は死へ堕ちた。
『落ちこぼれのどこが悪い!?世の中ウルトラマンやゴジラばっかりじゃないわい!』
この声は誰の声なんだろう、死んだ自分にはもうなにもきこえないはずなのに
とっても熱く大きくて快活な叫びだ、
自分には芯の強さと揺るがない自信と決意が秘められている。
それでおいてなんだか無邪気にも思えた。
日本一の侍を目指したあにうえのような純粋なあこがれ…、
これらの声には相手を何が何でも助けたいという慈悲も感じた。
自分には芯の強さと揺るがない自信と決意が秘められている。
それでおいてなんだか無邪気にも思えた。
日本一の侍を目指したあにうえのような純粋なあこがれ…、
これらの声には相手を何が何でも助けたいという慈悲も感じた。
その声を耳にすると勇気が芽生えてくる。
自分ではない誰かのために力を使わなければ
この男を絶対に止めなくちゃいけない。
この男を絶対に止めなくちゃいけない。
大魔王の氷塊と吹雪に凍てつき傷ついた
極低温のからだに太陽のような熱気が宿りはじめた。
死にかけていたとは思えない温かさ縁壱を再び動かす。
極低温のからだに太陽のような熱気が宿りはじめた。
死にかけていたとは思えない温かさ縁壱を再び動かす。
これは友情パワーまたは火事場のクソ力と呼ばれる力であった。
このキンターマンもキン肉スグルとバトルロワイヤルという形式で一戦交えた経験がある。
このキンターマンもキン肉スグルとバトルロワイヤルという形式で一戦交えた経験がある。
火事場のクソ力はその力を持って戦えば対戦相手にも移り
その移った者がさらに他の相手と戦えば火事場のクソ力もまた移る。
このようにキン肉スグルが編み出した火事場のクソ力はとめどなく広大化していたった。
その力が今継国縁壱にも渡った。
その移った者がさらに他の相手と戦えば火事場のクソ力もまた移る。
このようにキン肉スグルが編み出した火事場のクソ力はとめどなく広大化していたった。
その力が今継国縁壱にも渡った。
冬の凍てつきと積雪を緩やかに溶かす春の穏やかな陽光の如く静かに輝くと
輝きが縁壱を覆った段階で、夏の太陽も同然に縁壱はまばゆくも鮮烈な光を放った。
輝きが縁壱を覆った段階で、夏の太陽も同然に縁壱はまばゆくも鮮烈な光を放った。
その光はまさしく夜明け、日の出だった。
「し、死体がなぜおきあがるのだ!」
こいつは不死身とでもいうのか、
なんの理由で物言わぬ骸が足を地に着け再び動くというのだ。
なんの理由で物言わぬ骸が足を地に着け再び動くというのだ。
心臓を確かにとめたはずだ。
なのにまた立ち上がるのおかしい、明らかな理不尽。
なのにまた立ち上がるのおかしい、明らかな理不尽。
急所の箇所を削られはかいされて生き延びる人間などありえない。この男はいったい何者だ、いやそもそも本当に人間なのか?
われらと同じ魔族のような正真正銘の怪物だったのか?
われらと同じ魔族のような正真正銘の怪物だったのか?
「だれかの温かく大きな声が聞こえた」
「声だと、わしにはなにもきこえんかったぞ…
きさま頭がおかしくなり幻聴でもきこえたか?」
きさま頭がおかしくなり幻聴でもきこえたか?」
「その声が倒れて弱い俺を支え動かしてくれた」
「起き上がってくる体のみならず頭も意味不明な奴め…!
事実なんぞもはやどうでも良い!今度こそ貴様を地獄に叩き落としてくれる!」
事実なんぞもはやどうでも良い!今度こそ貴様を地獄に叩き落としてくれる!」
次は確実に息の根を止める、心臓を停止ではなくその肉体を消し飛ばすくらいの気概で行かねばこいつはくたばらない。
自らの口に片手を突っ込み、体内にためられたこごえるふぶきで凍結させる。
凍てついた手は氷結の剣と化かした。
凍てついた手は氷結の剣と化かした。
真っ二つに泣き別れろ!
バラバラの刺し身にしてやることで即死を目論む。
大魔王の凍てつく魔刃が超人の肉体を引き裂かんと牙をむいた。
バラバラの刺し身にしてやることで即死を目論む。
大魔王の凍てつく魔刃が超人の肉体を引き裂かんと牙をむいた。
唐突に嵐のような風が吹き腕にとてつもない衝撃が巡ったかと思えば
凍った手が腕もろとも宙を舞っていた。
凍った手が腕もろとも宙を舞っていた。
「こ、これは…?」
下人の姿に目を向けると
巨根のスイングで腕を凍った手刀もろとも弾き飛ばし
そのスイングで大風が放たれたのは疑う余地もなかった。
巨根のスイングで腕を凍った手刀もろとも弾き飛ばし
そのスイングで大風が放たれたのは疑う余地もなかった。
「ご、おおおおおぉぉぉぉ…」
胴体から右腕が根元から跳ばされ欠損の苦痛に包まれる。
ピッコロ大魔王の元々の肉体は一応自己再生力を有する
ナメック星人であり、体力を消耗するが
おそらく欠損などトカゲの尻尾の如くすぐさま復活できるはずだ。
ピッコロ大魔王の元々の肉体は一応自己再生力を有する
ナメック星人であり、体力を消耗するが
おそらく欠損などトカゲの尻尾の如くすぐさま復活できるはずだ。
だが大魔王ゾーマの肉体に再生能力や回復の手段は特にない。
本来ならば即再生できた重傷を治癒することは今はできなかった。
何より蔑んでいる人間如きにここまで追い込まれるのはとんでもない屈辱であった。
本来ならば即再生できた重傷を治癒することは今はできなかった。
何より蔑んでいる人間如きにここまで追い込まれるのはとんでもない屈辱であった。
(やはりこいつは…ただの人間とは違う…!人外以外にはありえん!)
大魔王は確信した、こいつは人間を超えた生き物なのだ。
その推論は見事的中している。
その推論は見事的中している。
遙か古の時代に神々が想像した種族の超人、
キンターマンもその超人の一人なのだ。
月まで往復できる異次元のスタミナ、
男根を丸太のように巨大化できる力、
こんなことはただの人間には間違いなく不可能な芸当。
キンターマンもその超人の一人なのだ。
月まで往復できる異次元のスタミナ、
男根を丸太のように巨大化できる力、
こんなことはただの人間には間違いなく不可能な芸当。
まさに人類を超越した優秀な種族、それが超人。
この世を安寧に導くために
強く勇ましく造られただけにあり伊達ではない。
この世を安寧に導くために
強く勇ましく造られただけにあり伊達ではない。
そして火事場のクソ力、縁壱はいまに
オメガケンタウルスの海賊超人が言うところの第二段階のパワー、
己のためではなく他人のために戦う際に発揮される力とともに戦っていた。
オメガケンタウルスの海賊超人が言うところの第二段階のパワー、
己のためではなく他人のために戦う際に発揮される力とともに戦っていた。
「もう一度言ってみる、もう引いて欲しい。」
新たな力を手に入れ格段に実力が増しても
戦いを嫌い、平穏な形での決着がつくことを臨まずにはいられない。
ものわかりの良い大人であれば説得で
ピッコロ大魔王という根っからの極悪人は応じないと断言できる。
戦いを嫌い、平穏な形での決着がつくことを臨まずにはいられない。
ものわかりの良い大人であれば説得で
ピッコロ大魔王という根っからの極悪人は応じないと断言できる。
こんな状況でも対話を試みるのは縁壱に宿る確かな善性ゆえか
または子ども特有の単なるわがままかもしれない。
または子ども特有の単なるわがままかもしれない。
「二度と口を開くなああ!」
激昂するままに残った手で殴りかかるも
迫力や力強さはアルもノン動きが単調で拳の軌道は読まれ回避される。
対照的に縁壱の動きには一切の無駄がなく、避けたのとほぼ同時に背後へ回り
重い男根の一発を背へ向けてたたき込んだ。
迫力や力強さはアルもノン動きが単調で拳の軌道は読まれ回避される。
対照的に縁壱の動きには一切の無駄がなく、避けたのとほぼ同時に背後へ回り
重い男根の一発を背へ向けてたたき込んだ。
血反吐を口部から爆発させたようにぶちまけ
仰向けにピッコロは倒れこむ。
仰向けにピッコロは倒れこむ。
(こ、このままでは…ダメだ!!勝てぬ!!)
凍てつく冷気の呪文やブレスは通じず
膂力を活かした暴力と気光弾で黙らせるのには一度は成功した。
しかし死体となった状態から復活し、おまけにさらなる強さとパワーを発揮して
再度向かい完膚なきまでに打ちのめしてくるなど
ピッコロ大魔王からすれば理不尽な苦痛を思い知らされたようなものだ。
膂力を活かした暴力と気光弾で黙らせるのには一度は成功した。
しかし死体となった状態から復活し、おまけにさらなる強さとパワーを発揮して
再度向かい完膚なきまでに打ちのめしてくるなど
ピッコロ大魔王からすれば理不尽な苦痛を思い知らされたようなものだ。
屈辱を晴らす以前にこのままでは殺される。
なにか打開する方法はないのか、
デイバック内にある支給品をたよってみるか、
それもだめだろう役に立つ道具を使っても
使うわずかな時間が隙となり、
使用を許さず一方的に蹂躙されてしまう。
なにか打開する方法はないのか、
デイバック内にある支給品をたよってみるか、
それもだめだろう役に立つ道具を使っても
使うわずかな時間が隙となり、
使用を許さず一方的に蹂躙されてしまう。
氷のブレス、呪文が通じず肉弾戦で挑み有利に立ち回り
ついぞこの男を地獄へ葬ったと思いきや
突如やつの全身が閃光のように輝き
見たこともない力を見せつけてきた。
ついぞこの男を地獄へ葬ったと思いきや
突如やつの全身が閃光のように輝き
見たこともない力を見せつけてきた。
奴の表情からして今までこの能力を使えていたのではなく
この絶体絶命の土壇場で新たなる能力か謎のパワーに目覚めたらしい。
この絶体絶命の土壇場で新たなる能力か謎のパワーに目覚めたらしい。
にわかにはありえぬ話だが強大な力に追い込まれれば追い込まれるほど
ヤツは壁を乗り越え未知の領域にまで進化するというのか。
ヤツは壁を乗り越え未知の領域にまで進化するというのか。
(ま、まさか…わしがここで終わるというのか…
まだ全然恐怖も絶望も振りまけておらんというのに…!)
まだ全然恐怖も絶望も振りまけておらんというのに…!)
もちろんピッコロ大魔王にとって、引けなど言われても降参の勧めにしか聞こえない。
下等な人間と思っていた敵に降参せよと言われても後退はなにがあってもしない。
こいつの存在だけはなんとしてでも消し飛ばす。
欠損しようとも大魔王の憎悪と戦意が薄らがない。
下等な人間と思っていた敵に降参せよと言われても後退はなにがあってもしない。
こいつの存在だけはなんとしてでも消し飛ばす。
欠損しようとも大魔王の憎悪と戦意が薄らがない。
だが度し難い力の差を埋めて勝たなくては打開は不可、
バトルロワイヤルの舞台を恐怖と悪で包み込む野望など夢幻と散る。
バトルロワイヤルの舞台を恐怖と悪で包み込む野望など夢幻と散る。