【初出】
外伝『ジャグル』
【解説】
“
紅世の王”。
真名は“瘴煙の鉦”(しょうえんのかね)。
炎の色は露草色。
『露刃の巻き手』
劉陽と契約し、
フレイムヘイズとしての力を与えていた。豪壮な拵えの大刀型の
神器『
羽淵』に意思を表出させていた。
しとやかな声で話す女性の“王”。
本編開始の二年前に劉陽が
サブラクに敗れて戦死したことで、“
紅世”へ帰還した。
後に、創造された新世界『
無何有鏡』へ渡り来て、
秩序派の“王”の一人として活動している。
新世界が創造されてから二年弱までの間に、[
仮装舞踏会]の軍勢が妄りに世情を騒がす二百余の新参の“徒”たちを殲滅する際、
捜索猟兵ハボリムに情報提供を条件に観戦武官待遇での従軍を要求するなどの接近を図り、ハボリムもこれを承諾している。
【由来・元ネタ】
古代中国神話に登場する怪物の一つ、相柳と思われる。九つの人間の頭を持つ大蛇の姿をしているとされ、共工に仕えており、体から毒水を出し、周囲の大地を汚染していく。 また、その血も毒であるため、英雄「禹」に退治された時に大量の血を流し、広範囲の土地を汚染したという。
「瘴」は風土病、特に華南で頻発した熱病のこと。マラリアだと解されている。「煙」は、この場合「けむる」「煙が立つ」という字義が当てはまるだろう。
「鉦」は金属製の楽器である銅鑼の一種で、休戦の合図として叩かれた(逆に進軍の合図は「鼓」。“殊寵の鼓”
トラロックの真名解釈は一考を要するかもしれない)。
真名全体では、「有毒な煙を撒き散らして相手の戦意を奪う鉦」という意味だと思われる。
自在法『
巴字奔瀑』にはそのような効果は見られないが、他に何らかの毒煙を操る
自在法を契約者にもたらすのかもしれないと思われる。
最終更新:2025年04月09日 18:51