【初出】
X巻(登場のみ。名称の詳細は公式ガイドブック『灼眼の
シャナノ全テ』)
【解説】
真名は“架綻の片”(かたんのひら)。
炎の色は薄桃色。
[
とむらいの鐘]の一員。容姿は花弁の真ん中に女性の顔がある妖花。初登場の際は真名も通称も不明で、一貫して「妖花」と書かれており、“徒”なのか“
燐子”なのかも公式ガイドブック『灼眼のシャナノ全テ』で明かされるまで不明だった。
また、会話に際して常に疑問形で語りかけていた。
援護や補助を得意とする優秀な
自在師であり、『
九垓天秤』先手大将
ウルリクムミの副官として[とむらいの鐘]を補佐してきた。
中世の『
大戦』に際してもウルリクムミの副官、もしくは秘書的な役割を果たしていた。
中世の『大戦』の帰趨が決した際、ウルリクムミに撤退を命じられたが拒否した。そして彼とともに最後まで殿軍を守り、
フレイムヘイズ『震威の結い手』
ゾフィー・サバリッシュによって討滅された。
【由来・元ネタ】
名前の元ネタは、絞首台の下に咲く花「マンドラゴラ(mandragora)」のドイツでの別名「アルラウネ(Alraune)」と思われる。人間型の根が特徴。
引き抜く際に致死性の悲鳴を上げるので、犬をマンドレイク(アルラウネ)につないで招き寄せ、自分は耳を塞ぐ。こうして、犬を犠牲にすることで収穫できる。
収穫したアルラウネは、丁寧に世話をすれば、富をもたらしてくれるという。また、精力剤や媚薬となるという伝承もある。
実在するナス科植物マンドレイクには、当然ながらそのような効果はない。ただし、根に数種のアルカロイド成分を含むので、取り扱いは慎重に行われるべきである。
「架」とは、架け渡すこと、また空中に架け渡された棚の意味である。「綻」はほころび、縫い目が解けること、また植物の開花を表す言葉としても使われる。「片」はふたつに分けられたものの一方、薄く小さな切片、僅少などの意味がある。
真名全体で考えれば、「宙に架けられた棚が綻び、そこからこぼれ出す微少な力」という意味だと思われる。
真名に「片」を含むところから、“
存在の力”自体は小さく、効率よく自在法を紡ぐ
リャナンシーのような自在師だと想像できる。「綻」は、彼女の妖花としての本質も表しているのだろう。
最終更新:2024年09月30日 18:22