ウルヴァリン:X-MEN ZERO(実写映画)


公開:2009年
監督:ギャヴィン・フッド
原題:X-MEN ORIGINS:WOLVERINE
続編:『ウルヴァリン:SAMURAI

概要

映画「X-MEN」3部作のスピンオフ作品でありその前日譚でもあり、ウルヴァリン3部作の1作目となった。
ウルヴァリンの出生からアダマンチウムの合成など改造手術、そして記憶を失うまでが描かれた。

あらすじ

1845年、カナダ北西部。とある夜。
病弱な少年ジェームズ・ハウレットは、年上の少年ビクターに看病されていた。
ジェームズの父が彼を元気づけていると、階下で激しく扉を叩く音がする。ビクターの父トーマス・ローガンだ。ジェイムズの父は扉に向うが、ショットガンで撃たれ絶命してしまう。
ジェイムズが怒り心頭に達すると、その拳から尖った爪のような骨が突き出した。昂る感情のままにビクターの父を刺し殺してしまう。
そのとき、ジェームズは本当の父が彼トーマスだということを知らされる。

邸宅を飛び出したジェームズは追いついたビクターと共に2人で逃亡するのだった。

時が流れ、ジェームズとビクターは兵士になっていた。ジェームズは素性を隠し「ローガン」を名乗ってた。
超人的な戦闘能力と不滅の肉体を持つミュータントである二人は、南北戦争、第一次世界対戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争と戦地を渡り歩く。
やがてジェームズは戦いに取り憑かれていくビクターに疑問を感じるのだった。

ある日、ビクターがベトナムで軍規を犯し、庇ったジェームズと共に銃殺となった。しかし二人とも蘇ったためウィリアム・ストライカー少佐は彼らが「特別な存在」であると気づき、特殊部隊「チームX」のメンバーにスカウトされるのだった。

ナイジェリア、ラゴス。チームXは武装集団が支配するダイアモンドの精製施設を襲撃。大勢の守備兵たちを殺害し謎の岩石を奪う。岩石の出元を求めて部隊はナイジェリアの奥地へと進むが住人たちを脅しても岩石の在処を明かさない。ストライカーの命令で一同は住人たちを皆殺しにしようとするが、これに耐えきれず、ジェームズは部隊を抜けることを決意した。
6年後、カナディアンロッキー。ジェームズは素性を隠しケイラという女性と二人で暮らしていた。

平和に暮らすジェームズの元に、チームXの元同僚エージェント・ゼロを引き連れたストライカーが現れる。昔のメンバーが一人ずつ殺されているというのだ。
ストライカーは問題を解決するためジェームズを勧誘するが、彼はそれを断り、イラとの平和な生活を選んだ。
しかしビクターの手にかかり、ケイラは殺されてしまう。復讐心に駆られたジェームズはストライカー少佐の誘いに乗り、改造手術を受けることになった。

ジェームズは激痛を伴う手術に耐え、骨格をナイジェリアで発見されたアダマンチウム合金と結合。無敵の肉体を手に入れた。これを契機にジェイムズは古い名を捨て、ケイラが語っていた御伽噺にちなんで「ウルヴァリン」を名乗ることを決める。しかしストライカーの目的は指示に従う生きた兵器”ウェポンX”を生み出すことであり、研究員に「記憶を消せ」と指示。これを聞いたウルヴァリンは大暴れをして研究所を脱出する。

かつてのチームXの仲間を訪ね、フレッド(ブロブ)の証言からストライカーとビクターが裏でつながっていたことを知ったウルヴァリンは、大勢のミュータントが監禁されているというストライカーの研究施設から脱出したレミー・ルボー(ガンビット)の協力を得て、施設のあるスリーマイル島に侵入。
そこで知ったのは殺されたはずのケイラは実は生きていて、ミュータントでありストライカーの部下としてローガンを監視していたという事実だった。復讐の意味がなくなったウルヴァリンは一度は研究所を立ち去るが、ビクターがケイラを殺そうとしたため舞い戻り、戦闘となる。
ビクターを倒し、ケイラから彼女の妹が監禁されていたために脅迫されてストライカーに従っていたことを知らされると監禁されていた全てのミュータントを解放。

するとストライカーはもう一人”ウェポンXI”として改造していた元チームXのウェイド・ウィルソン、またの名をデッドプールを起動させ、ウルヴァリンを攻撃させる。
危機一髪のところでウルヴァリンはビクターに救われ、共闘してデッドプールの首を切り落として倒すことに成功した。

脱出中に負傷したケイラを抱えてスリーマイル島を去ろうとしたウルヴァリンだったがウィリアムが放ったアダマンチウムの弾丸を受けて倒れる。頭部に受けた弾丸のため記憶を失ったウルヴァリンは一人スリーマイル島を立ち去るのだった。

キャスト

キャラ名 俳優 概要
ジェームズ・ハウレット / ローガン / ウルヴァリン ヒュー・ジャックマン 超回復能力と拳からかぎ爪を出す能力を持つミュータント。
ビクター・クリード / セイバートゥース リーヴ・シュレイバー ウルヴァリンと同じ超回復能力とあらゆる物を切り裂く爪を持つ。
ウィリアム・ストライカー ダニー・ヒューストン 特殊部隊チームXの指揮官にしてウェポンX計画の首謀者。
ウェイド・ウィルソン / デッドプール / ウェポンXI ライアン・レイノルズ 口の減らない男で刀の達人。後に改造されてデッドプールになる。
エージェント・ゼロ ダニエル・ヘニー 超人的な敏捷性と身体能力を持ち、銃での戦闘を好む。
クリス・ブラッドリー / ボルト ドミニク・モナハン 機械を操る能力を持つミュータント。
フレッド・デュークス / ブロブ ケヴィン・デュランド 強靭な肉体と怪力を持つ。太ってからは脂肪で打撃を吸収する。
ジョン・ライス / ケストレル ウィル・アイ・アム テレポート能力を持つミュータント。
ケイラ / シルバーフォックス リン・コリンズ 部隊を抜けたジェームズと暮らす女性。実は接触催眠能力を持つミュータント
レミー・ルボー / ガンビット テイラー・キッチュ 物体にエネルギーを注入し、爆発させる能力を持つ。
スコット・サマーズ / サイクロップス ティム・ポーコック 目から破壊光線を放つミュータントの少年。ビクターに誘拐され、ストライカーの実験材料にされる。
エマ・フロスト ターニャ・トッティ 皮膚をダイヤモンドにするミュータント。ケイラの妹(コミックには無い設定)。
チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX パトリック・スチュワート 世界最強のテレパス。後にX-MENを組織する。


他作品との関連性

その後3部作となり、『ウルヴァリン:SAMURAI』、『LOGAN/ローガン』が公開された。
また本作の未公開シーンではエンディングでウルヴァリンが日本のバーにいる姿が描かれており、続編は日本が舞台であると発表された。

ミッドクレジットシーンではウィリアム・ストライカーが軍に救出される様子が描かれ、X-MEN2への繋がりを示唆している。
またポストクレジットシーンでは首を切られたデッドプールが口を開き画面に向かって「シーッ」とするシーンが描かれ、本来のデッドプールとしての作品制作を予測させるが、現在のデッドプールを主人公として映画作品はここから直接つながりのあるものではない。



最終更新:2024年07月07日 20:52