サイクロップス Cyclops / スコット・サマーズ Scott Summers
初出:The X-men #1(1963年)
種族:
ミュータント、アメリカ・アラスカ州出身
能力:目からオプティックブラスト(破壊光線)を放つ。
サイクロプスという表記もあり
概要と経歴
X-menの初期メンバー(「ファースト・ファイブ」などと呼ばれる)の一人で、初代
リーダー。責任感が非常に強い。
目からオプティックブラストという赤い破壊光線を発する(だけ)。
幼い頃に家族と飛行機事故に遭い、その時に負った脳の障害が原因で能力が制御不能となっている。十代で能力が覚醒して以来、目を開けると放射が止まらない。そのため、常にルビー・クウォーツ・レンズのサングラスやバイザーを着用しなけらばならない(このバイザーが「一つ目」のように見えるので、”サイクロップス”(単眼の巨人)のコードネームを名乗っている)。
初期の重要メンバーだけあって、設定も変更を繰り替えしている。
オプティックブラストのエネルギー源も、太陽光線、宇宙線、異次元からエネルギーが供給されている、などと変遷。
初期は痩せた男で、スリム(やせっぽち)というあだ名がついていた。
(当初の「やせっぽちがリーダー」というのは、
スーパーマンや
ソーなど「ヒーローは筋骨隆々としたもの」というお約束に対するアンチテーゼ)
長い間、ミュータント部隊のリーダー(正確には、
X-MENのリーダーは
プロフェッサーXなので、副リーダー/フィールド・リーダー)として活躍。非常に真面目な優秀なリーダーであり、反抗的な
ウルヴァリンすら即座に命令に従わせてしまうほど。
能力を失った
ストームと、
X-MENのリーダーの座をかけて戦ったことがあるが、(いろいろ不運が重なり)
ストームに敗北(実は
マデリーン・プライヤーが干渉していた)。一度、
X-MENをやめたことがある。
確かにサイクは優秀なリーダーなのだが、いろいろ身内(特にジーン)に不幸が襲いかかるため、冷徹な判断ができない場面も。その意味ではプライベートのことは無視し(例えば、夫の
ブラックパンサーと争っても、ミュータントのリーダーとして行動するなど)し、冷徹に仕事をする
ストームの方が上では、という議論はある。
性格面では、自分に対する評価が低く、感情を人前で見せることが苦手。昔は紅一点の
ジーン・グレイに他のメンバー同様好意を抱いていたが、光線で傷つけるのが恐ろしく、シャイな態度を取っていた。しかし、
エマ・フロストと付き合うようになってから、性格が丸くなったとも言われる。
M-Day~ユートピア建国
M-Dayによってミュータントの人口が激減してからは、ミュータント全体のリーダーとして行動。
サンフランシスコ沖に
ユートピアを建国し、その指導者となった。
絶滅への危機感から徐々に頑迷とも思える行動を取るようになっていく。
マグニートーから「昔の私みたいな事を言う」と言われたほど。
Avengers vs. X-MEN
Avengers vs. X-MENではアクシデントからサイクロップスを含む5人のX-MENがフェニックスフォースの力を手に入れ、
フェニックス・ファイブを名乗る。
その強大な力を使って世界に繁栄と平和をもたらそうとしたが、それは人によってはあまりに急進的且つ独善的で、代償を伴わない安易な行為でもあった。
そのため、
フェニックス・フォースの力を危険視する
アベンジャーズとの対立は激化していく。
他の
フェニックス・ファイブのメンバーからはアベンジャーズ抹殺の意見も出る中、最も理性的に判断していたのはサイクロップスだった。だが他のミュータントたちがアベンジャーズ側に立ち、アベンジャーズが優勢になると、サイクロップスはフェニックスの全ての力を欲し、自らエマ・フロストと
プロフェッサーXを手にかけてしまう。
かくしてサイクロップスは且つての
ジーン・グレイと同じくフェニックスそのものと化す。
この戦いに敗北したサイクロップスは逮捕されてしまう。
Marvel NOW!
脱走したサイクロップス指名手配の身でありながらミュータント・レボリューションを名乗り、
マグニートー、
マジック、
エマ・フロストらと共に新たな隠れ家(元ウェポンXの研究所)に立て篭る。
ミュータントの革命を訴えつつ、新たに発生したミュータントたちをスカウトし、
新チャールズ・エグゼビア学園を開いた。コスチュームは覆面にXをあしらったものに変更。アメリカ政府及び世間からはミュータント・テロリストと看做されていた。
この頃はエグゼビアを殺してしまったことで人知れず自分を責め続けていた。一方で教授が理想としていた方法ではミュータントと人類の共存は有り得ないと考えるようになっていく。
ヤング・サイクロップス
ビーストがタイムスリップにより過去から若い頃のサイクロップスを連れて来たためサイクロップスが二人いる状態になった。若いサイクは変わり果ててしまった自分を見て愕然としている。
テリジェン・ボムと死
地球を
テリジェン・ミスト(
インヒューマンズの秘宝で、インヒューマンの遺伝子を持つものが初めて吸引すると能力を発現する)が覆ったときにはその拡散した地の
ミューア島に駆け付け、
マルチプルマンの死を看取る。この出来事でテリジェン・ミストがミュータントにとっては危険な毒物になることを知ると、
エマ・フロストたちの
テレパシー能力を通して全世界にインヒューマンズへの宣戦布告を行う。
サイクロップスは物質変換能力を持つミュータントの
アルケミーをスカウトするとスペインのマドリッドに広まりつつあったテリジェン・ミストを無害なものに変換。
さらにインヒューマンズの王
ブラックボルトと対峙し、その破壊力を持つ「声」の能力で死亡した…かに見えた。
しかし実はミューア島での宣戦布告以降のサイクロップスは全てエマ・フロストが作り上げた幻影で、本当のサイクロップスはミューア島にたどり着いた時点でテリジェン・ミストの毒により死亡していた。
その後の行動の全てはサイクロップスの死を意味あるものにするためのエマの計画だった。
ヤング・サイクロップスの帰還と現代のサイクロップス復活
若かりし頃の
ケーブル(キッド・ケーブル)が未来から現れ、ミュータントを狩る
アハブとの戦いの末に過去世界のサイクロップスたち5人を元の時代に返すことに成功した。
("
Extermination"#1〜5, 2018年)
家族
活躍が長いため後づけ設定が多く、また遺伝子に目をつける
ヴィランが多いため、血縁関係はネタにされるほど複雑になっている。
未来や異次元から彼の子供が現れることも。
父親が事故で死んだはずだったが、
シーアー帝国を支援する海賊"
スタージャマーズ"のリーダーになっていた(「父さん、恥ずかしいからその格好だけはやめてくれよ!」)
弟に
ハボック、
ヴァルカン(後からいたことになった)、
アダム-X(途中からなかったことになったが最近また設定が復活したらしい)
特に、
ハボックと互いに光線を打ち合っても、互いにダメージを受けない。このため周りは両方の光線で破壊されるが、二人はピンピンしており、最後は殴り合いになるという、はた迷惑な兄弟ゲンカを起こす。そして大抵は
ハボックが洗脳されている。
なお、
ヴァルカンの光線に対しては、やや減衰した程度で、ダメージを受けるようだ。
実写映画
- この映画版でのあまりに不遇な扱いから、主にネットでスットコさんという愛称をつけられた。
トリビア
- X-MENの社会的立場は学生。なのでジーン・グレイとは学生結婚であり、結婚式も「恵まれし子らの学園」の中で執り行った。
- 結婚式では、ガータートス(男が、花嫁に靴下止めを穿かせておいて、それを式の最中に外し、独身の男性に向かって投げ、取った男が次に結婚するというおまじないをする余興。結婚式の最中に花嫁の足をスカートから出させて、時には口で外すというエロチックな行為であり、時には品のない行為とみられる)をやった。ジーンが「どうして考え直さなかったの?」と非難がましく聞くと、サイクは「ハンクがいうにはグイドが一週間すねてたそうだよ」と答えた。
- 実は働いたことがないのではないか、という疑惑がある(初代X-MENが解散してみんなが仕事に就いたときに、サイクロップスだけがDJをやっていた)。
- 体毛が薄そうに見えるが、(描き手によるが)乳首とへその周りなど、そこそこ生えている。
- オプティックブラストを放射するため、目はゼリー状になっているとされる。
- 実はオプティックブラストがルビー・クォーツで遮ることができるのは、精神的なもの(目の前にルビー・クォーツがあると安心して放射しない)とする説もある。
- ジーン・グレイなどは、サイクロップスがオプティックブラストを出さないように操作することができる。
- TRPG「MARVELヒロイックRPG」では、特殊能力がビームしかない「ビームバカ一代」である。なおリプレイでは、ブラックウィドウ(金髪の方)に早々にバイザーを取られてリングアウトしている(みんな気を遣って見逃しているんだろうな。目立つよ、アレは)。
- 意外なことだが彼の発するオプティックブラストは熱を伴っていない(後付け設定。初期は着弾したところに炎を発生させることもあった)。
最終更新:2025年04月22日 07:37