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国 | 日本 |
メーカー | タカラトミー |
販売開始年 | 1970年 |
製造国 | ベトナム |
価格 | 550円(税込、通常品の場合) |
目次
概要
- 1970年から発売されているタカラトミー(*1)のミニカー。発売当時日本ではあまり見られなかったミニスケールのミニカーとして誕生し、実車に忠実なプロポーションやピアノ線を利用した車軸が実現した高い走行性能が評価され、今日まで続く大ヒット商品となった。そのため、リカちゃん、プラレールと同様にタカラトミーの看板商品となっている。
- 日本での流行に合わせて建機車両、スーパーカーなどが登場しており、近年ではディズニーモータースやドリームトミカの立ち上げなど他社版権とのタイアップも積極的に行われている。また、イオンなど大手小売業とタイアップした商品も2000年代から販売されている。
- 1970年8月の発売当初は6台のみのラインナップであった。しかし、年月を追うことにラインアップは拡大し、1988年には外国車シリーズと統合したことで全120台体制となった。2024年現在はロングトミカやドリームトミカの展開によって全181台体制に拡大している。
特徴
アクション(ギミック)の存在
- トミカの魅力として多く挙げられているのが、車種1台1台が持つアクション(*2)の存在が挙げられる。例えば、開閉アクションはセダンだけでなく、スポーツカーやミニバンなどの一般的な乗用車に多く採用されている。開閉アクション一つをとっても左右ドア開閉、後部ドア開閉、トラックでは荷台の開閉など開閉する部分によって異なるアクションが存在する。開閉アクションに限らず、オープンカーであれば幌の取り外し、建機車両であればアームの可動というように、多くのアクションが存在する。(*3)
- サスペンションは板バネ式のものが発売当初から採用されている。トミカライフでは、板バネ式のサスペンションを採用することによって生じるメリットについてこう書かれている。
「(実車が受ける)ショックを吸収する実車の構造も実体験できます。」
- しかし、2010年代以降はアクションがないあるいはサスペンションのみの車種が増加し、ドア開閉など従来のアクションがある車種は減少傾向にある。その一方で、トミカプレミアムではアクションを持つ車種が増加しており、同シリーズでは新たにリトラクタブルライトの開閉アクションが開発されている。
実車に忠実な造形
- もう1つのトミカの魅力として、小さいスケールかつ低価格ながらも実車に近いクオリティを持つ造形が挙げられる。発売当初からメッキパーツの採用など造形に関しては力が入れられており、価格の安さも相まってトミカの人気を押し上げる要因となった。
- 造形の良さに限らず、細部も実車に近い形で再現されている場合が多い。例えば、ヘッドライトやフロントグリルなどの部分はボディと一体で成形される場合が多かった。しかし、近年ではボディとは別パーツでの再現がされることが多く、4代目フィット※未作成のようにヘッドライトがクリアパーツで、GR86※未作成のようにフロントグリルがプラスチック製のパーツで再現される場合が多い。
- 前述のアクションを持つ車種が減少する一方で、乗用車を中心に窓が全面ガラスパーツで再現されている車種が増加している。
ラインアップの多様さ
- トミカでは以前から、通常品のみならずハイパーレスキュー※未作成に代表されるヒーロー系の商品、ディズニーなどの他社版権を利用した商品が多数ラインナップされている。
- ヒーロー系の商品は1990年代ごろから展開されており、アースコマンダー※未作成以降数年ごとに切り替わる形で展開されるようになった。マグナムレスキュー※未作成はある事故がきっかけで商品展開が打ち切られたものの、後継のハイパーレスキューは商品の入れ替えはありながら、2020年にアースグランナー※未作成が発売されるまでの約15年間商品展開がされていた。(*4)
- 他社版権とのタイアップは古くから行われており、1970年代の時点でマスコミトミカが発売されている。それ以降はギフトセットでの展開が多かったものの、2008年にはディズニーとコラボした専用ブランドとして新たに「ディズニーモータース※未作成」が立ち上げられた。(*5)2012年には様々な作品にちなんだトミカを発売するブランド「ドリームトミカ※未作成」が立ち上げられた。
- 通常のトミカより高めの対象年齢を対象とした商品に関しても同様に発売初期から展開されている。1972年には通常のトミカより大きく、かつ複数のアクションを持つ「トミカダンディ※未作成」が発売されている。トミカダンディは1993年に販売を終了したものの、2002年にトミカリミテッドSとして再発売されている。2001年には、既存の金型をベースに細部のクオリティを上げた(*6)「トミカリミテッド」が発売された。また、2004年からよりリアル志向の「トミカリミテッドヴィンテージ※未作成」が子会社のトミーテックから展開されている。2013年を最後にトミカリミテッドの展開は休止されたものの、2015年から新たに「トミカプレミアム」が展開されている。既存の金型を利用するリミテッドとは異なり、プレミアムでは新車が全て新金型であることが特徴である。
歴史(簡易版)
- 詳細な歴史はトミカの歴史を参照。なお、ここに表示されている価格は全て税抜価格である。
前史
- トミカが発売開始される前年の1969年に、ミニカーワールドシリーズと呼ばれる現在のトミカワールドにつながる商品が発売された。
1970年
- 6月30日 トミーからトミカの発売が発表される。それ以来この日はトミカの日となっている。
- 8月18日 この日からトミカの販売が開始される。最初はトヨタ・2000GT※未作成などの6台が発売された。当初の値段は180円であった。
1974年
- 価格が220円に改定される。
1975年
- ギフトセットの販売が開始される。当初はトミカワールド内の「トミカのまち」シリーズでの展開であった。
1976年
- 外国車シリーズの販売が開始される。
1979年
- 累計販売台数が2億台を突破。
1980年
- 誕生10周年を迎える。また、価格が280円に改定される。
1981年
- 価格が320円に改定される。
1984年
- 外箱のデザインが黒と黄色を基調としたものから現在の赤基調のものに変更される。
1988年
- 国産車シリーズと外国車シリーズが統合され、現在の120番体制になる。
1991年
- 価格が360円に改定される。2014年まではこの価格が維持された。
1994年
- 製造国が日本から中国へ移行される。
2000年
- 30周年を迎える。この年からトミカ博が開催されるようになる。
2001年
- トミカリミテッドの販売が開始される。
2005年
- 35周年を迎える。この年にトミカショップがオープンする。
- トミカリミテッドヴィンテージの販売が開始される。
2006年
- 製造・販売元のトミーがタカラと合併しタカラトミーとなる。
- また、この年にハイパーレスキューの派生シリーズであるハイパーブルーポリスが誕生する。
2008年
- 製造国が中国からベトナムへ移行される。ただし、しばらくの間はトヨタ 86など中国で製造されるモデルも混在していた。
- 12月 ロングトミカの販売が開始される。
2010年
- 40周年を迎える。
2012年
- 12月 ドリームトミカの販売が開始される。
2014年
- 2月 価格が450円に改定される。
2015年
- 45周年を迎える。
- 4月 トミカプレミアムの販売が開始される。
2020年
- 50周年を迎える。
2022年
- 7月 通常品の価格が500円に改定される。また、9月にもトミカプレミアムなど、ほぼ全ての商品で値上げが行われた。
関連項目
外部リンク
参考文献
- 『トミカライフ 1970~2005』(ネコ・パブリッシング、2005年発行)
添付ファイル