登録日:2025/09/20 Sat 03:07:19
更新日:2025/10/10 Fri 00:03:40
所要時間:約 17 分で読めます
俺 あの世から出禁くらってるから
死なねぇんだ
この世とあの世のはざま!?
世にも不死議な物語が幕を開く!
知り合って 御愁傷さん!
『出禁のモグラ』とは、モーニングにて連載中の漫画。
作者は同紙にて『
鬼灯の冷徹』を連載した江口夏実。既刊11巻(2025年9月現在)。
~概要~
前作があの世の地獄が舞台でコミカルな描写が多い作品だったのに対して、今作はあの世に「逝けない」仙人、モグラを主人公に霊や怪奇といった直接あの世に関連するものだけでなく現代人間社会の闇に鋭く切り込むダークな作風が特徴。
相変わらずコミカルな話や展開も多いが、それでもどこかしらに闇が付きまとっている。
また『鬼灯の冷徹』が単話形式だったのに対し、今作は十数話のエピソード形式になっているところも対照的。
たまに閑話として、コメディ中心の日常が数話程度で描かれることはある。
登場人物の多くが植物を名前に含んでいるなど、作者としての繋がりは見える。
直接の繋がりがあるかは不明だが…?
以下、原作最新刊までのネタバレ注意!!
~レギュラーメンバー~
- モグラ/百暗 桃弓木 (CV:中村悠一)
主人公。あの世から出禁を受けている、仙人を自称する男。
けだるそうな雰囲気で30代くらいの見た目や言動だが、性格はお喋り好きで底抜けのお人好し。
都内某所を歩いていた時、空から落ちてきた広辞苑で頭を負傷。
そこを通りすがりの真木と八重子に見つかったことから物語は始まる。
人なら誰しも持っており死後にあの世に導いてくれるはずの鬼火を失っていて、そのせいであの世に逝けない。しかし、出会った幽霊の持つ鬼火をカンテラ一杯に集めれば逝けるらしい。
同時に鬼火は生命力でもあり、負傷しても鬼火の灯を摂取すればケガを回復できるほか沢山摂れば若返ることも可能。生きているとケガをするし病気にもなるうえ空腹も老化も起こるため、定期的に灯を摂らねばならない。
現世で生きるには金もかかる。金を使えば少しマシに生きれるが貯蓄は必要。そんでもって貯蓄は我慢と時間が必要。生きるには灯と金双方必要であるため相互にがんじがらめ…という生き地獄の刑を抽斗通りで受けている。
お人好しの性格ゆえ他人に灯を分けることも少なくなく、おかげでなかなか灯が貯まらないようだ。
自身の性質というか体質というか、関わった人間は霊などが見えやすくなる。
真木と八重子も霊が見える様になった。
過去に集まったお金を使って身分と戸籍を得たこともあった。
その結果やって来た
赤紙で、
この世の生き地獄の果ても経験している。
手先は器用で、現在はモノ作りなどでボチボチの生活と稼ぎをしている。江戸時代には春画も描いた経験もある。
弓矢の腕前は神業の域。(漫画だが)漫画の様な離れ業で危機的状況を救い、真木をドン引きさせるレベル。ただ銃はからっきしだったとのこと。
長く生きている為、人の本質を捉えた発言で諭すことも少なくない。
前作主人公の
鬼灯とは対象的な面が多い。
死んで鬼火を得た鬼灯、生きて鬼火を失ったモグラ。
酒好きで全く酔わない鬼灯に下戸で酒が全く飲めないモグラ、といった具合である。
作者によるとモグラのキャラ設定は鬼灯より前に既にできていたらしい。
実は身分は仙人どころではない。
元・神。本名もとい神名を「オオカムヅミの弓」という。
下戸な理由は「酒は神へのお供え物」だから堕ちた今は飲めないため。
「オオカムヅミ」とは日本神話に登場する桃の木の神様「オオカムヅミノミコト(意富加牟豆美命)」のこと。
そして桃太郎がわかりやすいが、厄除けの効果があるとされ、桃は縁起の良い食べ物である。
(なお、オオカムヅミの弓はオオカムヅミ本体ではなく、化身とか分霊とか眷属の類と思われる)
一方生き物のモグラは常に土の中。日本神話主神で太陽神アマテラスの対極である。
モグラと桃を組み合わせた名前について、「縁起が良いか悪いかわからない」と自身も認めているが、これも刑の1つだろうか。
で、その刑とは生き続けること。
先述の通りカンテラに灯が溜まればあの世に逝けるが、お人好しの性格故他人に使い消費も激しい。
希望があるが、その希望のためには自身が我慢する必要がある。我慢できず使ってしまう性分故ずっと刑罰の身にいる。
生きていれば基本何をしても構わないが、生きていると言えない状態になると看守の浮雲が干渉する(作中では電子世界に閉じ込められそうになった際に起こった)。
死なない・死ねないとは言えど、厳密には「あの世へ逝くことができない」なので、肉体的な死は起こりうる。
灯のおかげで滅多にないが、例えば全身が木っ端微塵になるなどすると、御霊の状態になり他人の死体と大量のカンテラの灯で復活する。
他人の死体を使うことは本人も相当の負い目がある様子。
抽斗通りの裏路地にはかつてのモグラの身体が大量に埋葬されている。
+
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そんなモグラの罪とは…? |
神殺し。
事の始まりはイザナギの黄泉平坂からの生還。
この時、イザナギとイザナミが仲違いし、イザナミは「1日に人間を1000人を殺す」呪詛を人界にかけ、イザナギは「1500人を守る」呪いで対抗した。
イザナミの呪いから疫病神「ヨモツオオカミの剣」が生まれ、イザナギの呪いは厄祓いの神「オオカムヅミの弓」を生んだ。
葬る神と救う神。正反対の二柱は幾度となく衝突しながらも現世は拮抗する。
これを主神アマテラスは是とした。
動物には天敵が必要であり、その方がバランスが良かったため。
だが現世の人々にとっては良くなかった。
そして救っても残った人々が嘆き悲しみ、自身にすがる姿をオオカムヅミの弓は可哀想だと思った。思ってしまった。
斯くして、オオカムヅミの弓はヨモツオオカミの剣を討伐、疫病神を葬った。
しかしアマテラス含め天の神は呆れ果て、人間界は人口増加で争いが起こる。
人間の誰もがオオカムヅミの弓のことを忘れたころ、彼から神の権利を剥奪。混沌と化した「人間道」以外を出禁にした。
名は百暗とされた。
灯を人間を助ける万能薬ではなく、人間を灯を貯めるリソースとして割り切り、それで神の身に戻れる。
それが刑の真意である。
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- 真木 栗顕 (CV:大河元気、吉川りり(幼少期))
都内の大学で児童文学を専攻する大学生。付属のゼミのゼミ長でもある。
ボサボサ髪にメガネ、黒いパーカーと自他共に認める陰キャオタクの21歳。陽キャな弟がいるがそれがコンプレックスになっている。
幽霊などが苦手なビビリであり、モグラと関わり霊やその本質を知ってもそこは変わらない。
行動より言葉で考えて動くタイプだが、優しさや行動力もあり、とっさに考えず動いたり人の心に寄り添うこともできる。
失敗も多いが、損得よりも自分で考えてその上で余計なことに首を突っ込みがちな性格ゆえである。
バイト先の事件以後、マギー君とはある意味一心同体で、彼に救われた回数も多い。
文系オタク故なかなか博識。状況を整理し読者に伝える狂言回し役でもある。
真木のアルバイト先の「100えんHOME 八目店」での心霊現象で登場。
五目動物公園で飼われていたレッサーパンダで、亡くなって幽霊となり人間の霊にビビリながらやって来た。
事件を経て今は真木に取り憑いている。
霊としての能力は強く、現実に物理干渉を起こせるほど。
ただし極度のビビりなので攻撃には使わず、専ら自身や依代の真木の危機の時に力を発揮する。
- 桐原 八重子 (CV:藤井ゆきよ)
真木と同じ大学とゼミに通う女子大生。
明るく素直な性格だが、文系らしく思慮深い面もある。
レッサーパンダガチ勢。真木には少なからず好意はあったが、推しレッサーのマギー君と一体になったことで、好意は推しに昇華した。
そして真木くんはホモ・サピエンスとして見られなくなった。
低身長で童顔だが20歳。
関東平野の部分がコンプレックスで、指摘されるとヤバい顔になる。
田舎の離島が出身地。
曾祖父の桐原雄八は従軍中にモグラに灯を分けられ助けられていて、今でも霊が見えるようだ。
元気の塊の様な15歳の高校1年生。八重子のバイト先の新人。
霊に憑かれやすい体質だが、本人は全く気づかない。ただ、それ故にすぐお腹が減るようだ。
霊感のなさはモグラと関わって霊を知っても霊が見えないほどの筋金入り。
犬飼家は筋肉界隈では有名なフィジカルエリート一族らしく、SP、警察官、格闘家など体力系の超人を数多生んでいる。
末娘の彼女も「親切な狂犬」とあだ名されるフィジカルモンスターで、心霊騒動の際に筋肉で突破口を開いたことも。
ただし詩魚自身はド天然のアホの子で、勉学はダメダメ。
でも万引き犯の移動先と距離を計算したり、競りの計算ができたりと咄嗟の判断・計算はできるようだ。生活・生存に必要な能力値が高いのかもしれない。
あと八重子と違い、
アルプス山脈。
- 猫附 梗史郎 (CV:村瀬歩)
化け猫憑きの一族・猫附家の長男。18歳の高校3年生。
本編で会うまで互いに面識がなかったが、詩魚と同じ高校に通っている。
ナベシマにエネルギーを持っていかれる都合上たいそうな健啖家でありながら40kgほどしかない痩身で、猫背のうえに目つきが悪く常にクマがある。そんな不健康そうな見た目を愚痴ることもしばしば。
一族の恩人のモグラに支えられる現状を情けなく思っていて、せめて自分でできることは自分で解決したいと思っている。
その一方で、モグラが猫附家に図々しく来る意味では大分面倒そうな目で見ている。
物語の中で起こる事件にも関わりたくないと思うことが多いが、なんだかんだ解決の糸口を探したりと割とお人好しな面もある。
梗史郎に憑く化け猫。痩せ型の黒猫(オス)。
猫附家のお祓いは化け猫をけしかけて霊を除去する「毒を以て毒を制す」型であり、化け猫憑きの血筋を利益を得る形にしたもの。
「カッコいい」が行動原理。褒めると活躍しやすい。
- 猫附 藤史郎 (CV:武内駿輔)
猫附家当主。梗史郎の父親。39歳。
祓い屋は宗教法人ではなく、掃除・遺品整理をする個人事業主として登記されている。
副業として(おそらく実体験を基にした)幻想文学を執筆する小説家でもあり、それが高じて大学文学部の教授をしている(真木と八重子のゼミの指導教授)。表向きの顔はこっち。
祓い屋としての腕は一級。たまに出張としてリモート講義になるのは祓い屋の仕事のせい。政府要人のお祓いも行っている為、家の敷地はとてもデカい。
息子同様に痩身だが大食いで、死神面と自虐することもあるが顔立ちは整っており、ゼミ生の中には彼のファンが混ざっている。
感情を全く顔に出さないが、息子を溺愛する親バカ。
モグラを一族の恩人として受け入れているが、彼の図々しさには面倒くさいという感情も持っており、とあるエピソードで「またあの恩人が関わっているのか」と言ったりしている。
藤史郎に憑く化け猫。丸々とした大きな白猫(メス)。
「食欲」が行動原理。霊は「メシ」、生きてる人間は「やがてメシ」。
お祓いで喰らうほかに藤史郎を通じても食事をしていて、「いいメシ食わせるから活躍しろ」的な使役もする。
猫附教授のリモート講義で起こる霊障の一部はイケブクロさんの悪戯である。
- 猫附 杏子 (CV:種﨑敦美)
藤史郎の妻で梗史郎の母。
2人と違い元気で活発な37歳。夫と息子を溺愛している。
人とすぐ打ち解ける性格で、他人の内面を見抜いてその人にとって嫌なことを絶対言わないようにできるという共感性の天才。
時々何か変なものが見える、いわゆる未来視の能力者。その共感性の高さと脳のバグめいた仕様が絡んだ結果、相手の細かな情報を読み取って得られた高精度な予測が未来の可能性らしき映像になって見えていると藤史郎は仮説を立てている。
猫附家やモグラと関わっても霊の類は見えないが、「これ以上見えたら危ないと脳が判断した」とはモグラの談。
梗史郎と詩魚が一緒にいる時何か見えた様だが、「言わない。どうせその未来が来るから」とのこと。
中の人は前作であのウサギの芥子の他、天照大御神と宇迦御魂、茄子の母も演じており、息子を溺愛してるところは茄子の母と共通している。
抽斗通りにて駄菓子屋「ぎろちん本舗」を営む女性。
駄菓子はかっぱえびせんとブラックサンダーが好み。
立場の問題や金銭的余裕でモグラは彼女に頭が上がらない。
シーマンがプレイしたいから
ドリームキャストを買うとか、だいぶズレた感性の持ち主。
ぎろちん本舗は抽斗通りでは唯一電話やネット環境がある様で、そこに登場メンバーが集まることも多い。モグラの住居の「もぐら湯」も彼女の管轄下とのこと。
役割はモグラの看守。ゆえにモグラの呼び方も「囚人様」。
そして看守は囚人の味方を自負している。
「囚人は世間的に弱くなる立場故、看守は囚人を守る」と語る。
基本的にモグラの行動に口出ししないが、モグラの身体が死ぬ、もしくは生きていると言えない状態になると即座に動き、状況によってはチート級の能力を行使する。
モグラを守りながらも、モグラには一切肩入れしない。
彼女は神でも元・神でも人間でもないようだが、元・神のモグラの看守をずっと続けているため、やはり相応の身分だと思われる。
八重子の高校時代の同級生。人魚島編で初登場。
本編開始6年前に八重子の出身地の島に引っ越してきた。
来島時はルックスの良いイケメンだったが、島を取り仕切る鮫島一族の娘・鮋依の誘いを断ったところ、彼女の策略で根も葉もない噂を流され、それを島民のほぼ全員が信じたために彼らも敵に回す羽目になり、引きこもる程に追い詰められてしまう。
結果、八重子たちが里帰りした際にはかつての面影が無い程に太めの体型の不健康な姿になってしまった。
モグラたちの人魚島事件解決後はダイエットに励んで成功し、ゲーム編で上京しレギュラー入りを果たした。
上京資金貯めとダイエットの間に遊んでいたプーギークラッシュでランキング上位に入り、その際に夢の中で怪奇現象に巻き込まれる。
しかし、長年の島生活が寝ても覚めても地獄だった反動なのか、「この世界で果てても最高じゃん」と真逆のテンションでプーギークラッシュの怪を制覇。
彼の助言がなければゲーム編の解決はできなかっただろう。
その後事故物件(部屋の霊はモグラが説得したとのこと)で推しVTuberかつ霊のアケさんと同居。「推しの依代になるって新しくない?」とのこと。
八重子と同じ喫茶店で女装(しかも結構可愛い!)でアルバイトしたりと、人生をエンジョイしてはっちゃけだす。
森くん推しのVTuber。通称アケさん。
アケロンティア・スチュクス(和名∶メンガタスズメ)モチーフの妖精みたいな姿をしている。
中性的な声で、ゲーム実況や怪談と何故かすぐ固まる脆弱回線などがひそかに人気らしい。
霊体であり、生前はホワイトハッカーを目指していたとか。
人を楽しませたい。人の役に立ちたいと生前から思っていて今の霊体VTuberの状態を気に入っている。
そして、ゲーム編で「霊が楽しみのために生者を弄ぶのが嫌」「できれば止めたい」と協力する。
アケさんの中の霊。享年48。見た目は年齢相応のおじさん。
生前には結婚して息子もいた。病気で早世したが、妻と息子に看取られながら逝けたためか「恵まれていた」と語る。
死後にVTuberとして活動中、息子が自身のチャンネルを観ていることとプーギークラッシュをプレイしていることを知り、息子がプーギークラッシュの怪に巻き込まれるのを防ぐため調査を始めたようだ。
元々高い声だったらしく、VTuber業は地声でやっていた可能性が高い。
ゲーム編終盤に毒繭アケロンティアとして夢の中のゲーム内に居られなくなり、弾き出された後本体の霊の姿となる。
その後身バレ覚悟でモグラ一行に合流。事件の元凶の行動に正当な物言いで収めてゲーム編を収束させる。
その後も毒繭アケロンティアの活動は続けつつ、モグラたちには熊谷誠司として姿を出すこともしばしば。
彼のプログラミング&ハッキング技術は後にも役立つ。
夏祭り編に登場。妖狐の少女。終盤にモグラと管狐の契約を交わし、モグラを兄様と慕う。
本名は不明。夏祭り編が金銭に関わることだったためその場で愛称を決めた。
見た目やしゃべり方は幼い女の子。しかしオバケや妖怪として見ると才能の塊。
幻術が非常に得意で、次のアリス編では状況の鋭い指摘と共に事態解決の糸口を作り出す。
なお、モグラとの契約内容は「モグラの死後の亡骸を人間標本にする。その代わりモグラを傷つけないようにサポートする」というもの。
モグラは自分が死なないのを隠して契約した。
ちなみに容姿を少し詳しく言及すると、「黒髪、二つ結びのおさげ、やや鋭い目つき」と前作のミキに似ている点が多い。
彼女の保護責任者のことを考えるともしかしたら…
抽斗通りの夏祭りで、ボッタクるから気を付けろと言われるオバケの類の男。
狐の妖怪で幻術が使え、マギー君経由で真木のスマホをハッキング。口座の中身をスッた。
ギャンブル好きの借金持ちで、モグラの賭け勝負に負けて払える金がないところで銭が名乗り出る。
お面に隠れて素顔は不明だが、「カンカン帽に黒い羽織と林檎柄の着物」「人間にも名の知られた
伝説の女妖狐が上司」と…
作者の前作の登場人物、檎にあまりによく似ている。
同一人物かは明言されていないが、作者がインタビューで「狐面の男が鬼灯の読者のよく知る彼だとしたら」と話している事から、意識して描かれた人物ではあると思われる。
〜準レギュラーメンバー〜
- 藤村 優一 (CV:中村源太)
真木、八重子と同じゼミに通うキンニク系陽キャ。気のいいジャイアンとも呼ばれた。
男のテンプレ陽キャで真木は苦手意識が強い。それでいて本を読みながら広辞苑を持ち上げ鍛えるとかいうぶっ飛んだ発想もしている。
んでもってその広辞苑をマンションから落としたまたま下にいたモグラの頭にクリーンヒットさせてしまった。物語が始まった功労者にして元凶。
何故彼が文系ゼミに通うかはある意味本作最大の謎。たぶん明かされない謎。
真木のアルバイト先「100えんHOME 八目店」の店長。ハゲ頭から「
スケキヨ店長」と呼ばれる。
100円ショップ店長としての立場の嘆きがひしひしと伝えるエピソード多し。
気付いたらラッコの南無ちゃんの霊に取り憑かれた。
同期ながら本社にいる金田とは犬猿の仲。
で、そのスケキヨ因縁の本社社員。
長らく電話越しの登場だったが、10巻で本人が登場。
クリスマス当日に1人で勤務しているスケキヨ店長の元に現れて、ちょっとヒラ時代の話をしたらその流れで店の手伝いを始めた。
意外と金田自身は嫌ってなかったのかもしれない。
- 真木 梅晴 (CV:永野由祐、塙真奈美(幼少期))
整った容姿の真木の弟。詩魚、梗史郎と同じ高校に通う。
巨乳好きの陽キャで巨乳さえあればわりと問題ないと豪語する。八重子の天敵。
要領がよく兄以外の家族から慕われていて、逆にその兄たる栗顕からはだいぶ嫌われている。
ただし梅晴の方は相手を損得感情抜きで助けようとする兄をバカと思いつつも、どこか羨ましく思ってもいる。
また、幼いころ兄と共にモグラに会ったことがあるようだが、3人とも覚えていない。
~用語~
モグラの住んでいる不思議な通り。いわく、「厄介なものをしまっておくための引き出し」。
一般人では見つけられず、「いつも存在しているが意識しないと見えない場所」のようだ。
(あそこまでいわくつきではないが、
杜王町の「あの小道」みたいなもんである)
モグラの刑務所でもあるが、出るも帰るも自由。警察の目も無く最低限の住居もあるため戸籍も身分もない身であれば出たくなくなるはずだが、それこそ檻ではないかと真木は推測している。
でもモグラが壊れたTVを直したら受信料の徴収は来た。モグラは今まで生きてた上で怖かったことの1つに挙げているが、ストレッチマンが観たくて払ったとのこと。
モグラと浮雲以外にも住民はいるようだが未登場。
モグラの住む「もぐら湯」や浮雲の「ぎろちん本舗」の他、「河童」「パノラマ島」「細雪」「山猫軒」なる建物が確認できる。
人の魂に宿る、あの世への道しるべとなる火。
幽霊の周りに浮いている人魂はここから漏れ出たカス火である。
刑のために鬼火を剥奪されたモグラは、出会った霊のカス火をカンテラに規定量まで貯めることであの世へ還ることを目標としている。
一方で鬼火は魂のエネルギーのようなものでもあり、摂取すれば病や負傷をたちどころに治す万能薬としての側面を持つ。
その生まれのために戸籍を持たない=保険がないため病院にかかるわけにはいかないモグラにとっては健康維持のための生命線であり、さらには困った人を助ける切り札でもある(そして人のために使った結果刑期がどんどん延びる)。
代々の当主が化け猫に憑かれている化け猫憑きの一族。
化け猫を活用した祓い屋稼業を営んでいる(少なくとも本編の50年前にはすでに祓い屋だったことが確認できる)。
モグラとの縁は藤史郎の曾祖父(梗史郎の高祖父)・桜史郎(CV:堀江瞬)から。
モグラの上官(上等兵)だった桜史郎は、戦地で桐原雄八を救う場面に居合わせ、そして周りの霊や背後の猫に気づいているモグラを見て只人ではないと確信。
憑き猫に栄養を取られ家系は短命、今は明日があるかもわからぬ状況。
「10歳まで持つかわからぬ体質の倅だけでも救ってくれ、代わりに一族にできることは何でもする」とモグラに土下座する。
だが、「何でもする」という曖昧な契約のため、猫附家はモグラにたかられる様に……。
――尤も、救う手段を鑑みれば多少うざったくともモグラが一族の恩人なのは間違いない。
モグラ自体も早く帰るためならば約束を反故にして鬼火をさっさと溜めて帰ればいいのに見方によっては律儀に約束を守り続けている。
このため、複雑に見てしまうところはあるのだろう。
〜エピソード解説〜
真木梅晴が女友達の家での怖い出来事を兄に相談する。
物語最初の中編エピソード。良好だけど歪な家族関係が物語の肝。
猫附杏子は未来が見えるのだと信じ込んでしまい、以降彼女に強くすがるようになってしまった夫人の話。
どんなに良い人でもすがる場所を間違えると危険。
真木のレポートの祭りの取材のため、八重子の実家がある離島に行く。2巻に跨がる長編エピソード初弾。
早い話が因習島編。島の支配者一家が島民を傀儡にしようとしている。
情報の即伝達と噂からの無意識のイジメはSNSという因習村で貴方も私もやっているかもしれない。
現在この話までがアニメ化されている。
ゲーム「プーギークラッシュ」にて、ランキング上位のプレイヤーが気づけば衰弱や失踪している「プーギークラッシュの怪」に巻き込まれる。
霊体VTuber毒繭アケロンティアも登場する現代ならではの心霊エピソード。
抽斗通りの夏祭り。人間もオバケもお面を被って無礼講。
危ない狐面の男に少し関わってしまったが故に……
銭の初登場エピソード。モグラと狐の化かし合い。
危険な少女霊が犬飼家のビルを占領。童話『
不思議の国のアリス』の世界風にしてしまう。
霊による干渉での被害は今までで一番大きい。そして銭が大活躍。
一番のホラーは
少女の生前がほとんど作者の実体験なことだろうか。
絶賛連載中!
今までのエピソードの集大成なので過去の話を全て読んでから読むように。
〜アニメ版〜
アニメーション制作はブレインズ・ベース、監督は石踊宏。2025年7月から9月にかけて放映(全12話)。
ナレーターはバロン山崎氏。原作をそのままアニメにしたと言い切れるリスペクトの良さが魅力。
他にも単行本巻末の漫画や原作者描き下ろしのボイスドラマもYouTubeのチャンネルで公開されている。
作詞・作曲:syudou、編曲:木内 友軌・花井 諒
- ED「喧騒 feat. Aile The Shota」
作詞・作曲:椎乃味醂、編曲:椎乃味醂・Aile The Shota
OPとEDの両曲とも、原作を読み進めるほど歌詞の意味が伝わってくる。
〜余談〜
上記の抽斗通りの店舗の様に、文学作品が元ネタのオマージュが多数ある。
他にも映画の話も多く、ゲームや漫画の名前もそのまま多数言及される。
ストレッチマンや
鬼太郎など、著作権健在の作品も多数。これらはアニメでも伏字なしで放映された。
これらは公式ファンブック「百暗現世道標」に10巻までの元ネタ全てが載っている。
作者インタビューやかなり多くの解説が載っていて本項目の作成にも多大な助力を頂いた。
興味のある方は是非手にとって貰いたい。
追記修正はあの世を出禁になってもこのWikiをアク禁にならない方にお願いします。
- ついに項目できたか。アニメが初見の人達の「モグラって何者!?」って反応が毎週楽しみなんだよね。 -- 名無しさん (2025-09-20 09:30:55)
- 種崎敦美の健在ぶりが分かる作品。藤井ゆきよさんは相変わらずお元気で何より -- 名無しさん (2025-09-20 11:18:55)
- アニメに天照大御神が登場した場合、声は種崎敦美嬢が担当するのだろうか?別の人にチェンジだろうか?そこも気になる。 -- 名無しさん (2025-09-20 11:30:19)
- マ マ は ド M で す ッ ! !←これをはっきり言える杏子さんすごい -- 名無しさん (2025-09-20 17:54:42)
- アニメ2期やってほしい。銭ちゃんの声がだれになるのか気になる。 -- 名無しさん (2025-09-20 21:41:36)
- 鬼灯ロスを解消してくれた作品。世界観繋がってそうなのが良い。そのうち鬼灯出てくるんだろーなーと思ってみてる。 -- 名無しさん (2025-09-20 21:46:35)
- 隔号連載なのだが割と休載多し 作画的にも内容的にも負荷が仕方ないのか -- 名無しさん (2025-09-20 21:51:06)
- 犬飼家の血が入れば、猫附家の虚弱体質治らないかな。怪異をねじ伏せるフィジカルなら化け猫にも負けないと思うんだが。 -- 名無しさん (2025-09-20 22:28:25)
- イケブクロさんにとってのモグラは「食品サンプル」なんだろうか。 -- 名無しさん (2025-09-20 22:48:13)
- 作者の年が分かる巻末ネタが大好き。「じゃじゃまる!ピッコロ!」「…ぽーろりー」で腹がよじれるくらい笑った -- 名無しさん (2025-09-20 23:19:15)
- 浮雲役の庄司さん、前作では醜女を気にしてるイワ姫様役やって、今作随一の美女やってるのおもろい -- 名無しさん (2025-09-21 06:15:28)
- ↑また藤井さんと組んでるよ -- 名無しさん (2025-09-21 08:38:34)
- モグラの「基本的にお人よしで気のいいあんちゃんだけど明らかに判断の価値基準や死生観が人間じゃねぇ」って側面がぽろっと出るところが好き。外見は完全に人だけど、いわゆる人外バディものとしてみてもかなり面白いキャラクターだと思う。 -- 名無しさん (2025-09-21 16:05:21)
- 「ケモナーホイホイ」のタグがついているけど、その手の人にはそう見える作品なの?出てくる動物は多いけどケモナーを引きつける感じの動物が出てるとは思わない。異論が無ければ削除したいが意見は聞きたい。 -- 名無しさん (2025-09-21 20:39:27)
- 疫病神編がラストになるのかねぇ まだまだ続くのかもしれないけど -- 名無しさん (2025-09-21 21:15:43)
- 異界が舞台の日常コメディ・基本1話完結の鬼徹に対し、日常が舞台の伝奇ホラー・基本連続モノ、とはっきり毛色を分けてるのが印象的 人の闇の描き方が生々しくてリアル -- 名無しさん (2025-09-22 00:08:59)
- 今後もアニメやって欲しいけど、アリス編が人によっては見れないレベルのガチガチDV話だから事前警告とか入れないと厳しそうではある -- 名無しさん (2025-09-22 02:03:25)
- ↑わかる。銭がチラ見してた絵日記にガチの性犯罪被害まで含まれてたし、ピエロコンビが漫才のノリでガチDV描写するのトラウマなったわ。鬼灯とは路線変えてきたなって感じ -- 名無しさん (2025-09-22 09:32:05)
- ↑そのDV描写がほぼ作者の実体験と知ってガチで恐怖で鳥肌立った -- 名無しさん (2025-09-22 12:27:12)
- 家族間のいざこざとか閉塞的なコミュニティの闇とか複雑な家庭環境とか、本気でしんどい描写も多いんだよな -- 名無しさん (2025-09-22 12:41:54)
- ↑「ケモナーホイホイ」の件だけど、ゲーム編で全員が動物に変身するからその辺りを指してだったりするんじゃない? -- 名無しさん (2025-09-22 13:52:00)
- 「夏祭り編」をアニメで見たいわ~。あのキツネ面が「彼」なのか、声優さんを確認したい。 -- 名無しさん (2025-09-22 13:54:02)
- 「ケモナーホイホイ」のタグを付加した人間です、マギーくんの愛らしい魅力にドはまりして「ケモナーホイホイ」タグを付加してしまいました。ない方が良いなら後でカットします… -- 名無しさん (2025-09-22 13:55:46)
- ↑確か鬼灯の時もおまけで閉店寸前の凄まじい人間模様とか書いていたな。フユミちゃんはチェシャ猫がイッキ見みたいに銭に絵日記などの資料を見せていて、かなり小さい字だが、ガチの性犯罪被害にもあってて警察も相手にしてくれなくてDV父は世間体気にしてる感じだったがこれは流石に実体験だとは思いたくないな -- 名無しさん (2025-09-22 17:29:45)
- また因習村が出てる -- 名無しさん (2025-09-22 17:55:53)
- ↑10 もし疫病神編が最終章なら、終わった後にエピローグ的な回があって終わりかな。ところで本作が『鬼灯』と同じ世界線なら、モグラと「奴」って生みの親(イザナギとイザナミ)から存在忘れられてる可能性ある?イザナミ様は絶賛隠居中だし。 -- 名無しさん (2025-09-22 19:14:54)
- アニメは人魚島編までだけでも原作の1/3やってたんだな。 -- 名無しさん (2025-09-22 19:28:35)
- 厄病神は本格的な活動開始を記念すべき100話目に調整して「さぁ始まりです」とメタ的なタイトル、奴のやり口からして第二部開始的な感じだと思う。今までは主に霊が問題だったけど、これからはより生きている人間の方にフォーカス当てる的な。ホラあれよなんか幹部を手作りしだしたラスボス的な感じよ -- 名無しさん (2025-09-23 14:53:29)
- 作者直々のショートストーリー(声付き)に加々知さん登場 あ、いいんだ出して -- 名無しさん (2025-09-23 23:02:36)
- 鬼灯さんが軽くぶちのめしたような連中が、現世では猫附家が出動してなお簡単に祓えないレベルだったりする。 -- 名無しさん (2025-09-24 07:07:31)
- ↑そりゃあ、作中で今のとこ一番の大物は疫病神除けば怨霊になりかけたフユミだけど、地獄に行けばゴロゴロって訳じゃないけど間違いなく一定数居て、そんな連中を総括しなきゃいけないわけだし。 -- 名無しさん (2025-09-24 07:46:47)
- さてモグラの背景が明らかになったところで改めてアニメの主題歌のタイトルを確認してみよう。…皮肉か嫌がらせである。 -- 名無しさん (2025-09-24 12:45:20)
- あの二柱は、いわば「終わった夫婦喧嘩の代理戦争を延々やらされてる」状況だからな…。イザナミは吹っ切っちゃってるし、イザナキが何してるか分からないし。 -- 名無しさん (2025-09-24 13:16:57)
- 疫病神が「一日一億殺することも きっと夢では ありません」 -- 名無しさん (2025-09-24 16:34:36)
- ↑途中送信失礼 って言ったコマを見て、鬼灯様が「あ゛ぁ゛ん゛?!(一日一億人裁判処理しろってのかぶっ飛ばすぞ)」って切れてる姿を幻視したのは、自分だけではないと信じたい。 -- 名無しさん (2025-09-24 16:36:28)
- ただアイツが善い悪いじゃなくて、環境とか色んな原因でネジ曲って行って、世の中オッペケペーだね -- 名無しさん (2025-09-24 20:12:56)
- 浮雲さんがブーギークラッシュ一蹴してたけど、あれくらい地獄の極卒なら出来て当たり前くらいのことなんだろうな。 -- 名無しさん (2025-09-25 07:36:11)
- 機能不全崩壊家庭を描くのがうますぎると思ったけど、まさか「フユミの話はほぼ実体験」と明かされた時は鳥肌たった。後、他の描写も周りの人から聞いたとかあったし、おそらく「そういう場所」で生活されてたんだろうな……。機能不全家族ってのはポツンとあるんじゃなくて、地域全体でそうって場合が多いし。 -- 名無しさん (2025-09-25 16:14:52)
- 書き下ろしボイスドラマにてモグラとカガチ(鬼灯)が会話してしまったな。やはりツッコミとボケになったか。 -- 名無しさん (2025-09-25 16:18:18)
- 「産みの親から放置されて、延々と不毛な方をやらされている」という点においてみれば、モグラと厄病神もネグレクトの被害者と言えるのか -- 名無しさん (2025-09-25 18:21:08)
- そも本邦の神は最初の子を文字通り流したり(ヒルコ)、嫁さんバックドラフト出産でぶっ焼き殺した我が子をぶっ叩き斬り殺したり、そういうもんよ。京極作品の京極の台詞を借りれば「神の行いを人の尺度で測ることはできない」 -- 名無しさん (2025-09-29 18:16:45)
- イケブクロさんはレディである。一瞬しか映らないけど、占いマダムの回の扉絵見てみよう。アニメにもあるよ。 -- 名無しさん (2025-10-01 07:00:30)
- 鬼灯の頃より主人公チームの戦闘力(除霊力?)弱まってるしなんかバトル漫画のインフレ前のスピンオフ過去編見せられてるみたいな感じ。あとレッサーパンダがマスコット化してるのはうれしい。本来パンダはこっちなんだよ。 -- 名無しさん (2025-10-02 19:06:52)
- モグラの正体を踏まえても...鬼灯さまの世界観と繋がってるのかな?鬼灯様のイザナミさまのことを思うと....。因みに檎と共に記者猫「小判」らしき猫もいる。 -- 名無しさん (2025-10-03 09:15:03)
- 「人間の誰もがオオカムヅミの弓のことを忘れたころ、彼から神の権利を剥奪」ってことは「モグラを『オオカムヅミの弓』として参考する人間」が現れたら、神性を取り戻したりするんだろうか? -- 名無しさん (2025-10-03 19:51:47)
- ↑❌参考・⭕️信仰。なんでそんな誤字をしたんだ…… -- 名無しさん (2025-10-03 19:54:27)
- 人魚島編限定のナレーションに能登麻美子女史を起用した理由が気になる・・・ -- 名無しさん (2025-10-03 21:32:06)
- ↑体内細菌アニメのオマージュ -- 名無しさん (2025-10-10 00:03:40)
最終更新:2025年10月10日 00:03