出禁のモグラ

登録日:2025/09/20 Sat 03:07:19
更新日:2025/10/10 Fri 00:03:40
所要時間:約 17 分で読めます





俺 あの世から出禁(できん)くらってるから
死なねぇんだ


この世とあの世のはざま!?
世にも不議な物語が幕を開く!


知り合って 御愁傷さん!


『出禁のモグラ』とは、モーニングにて連載中の漫画。
作者は同紙にて『鬼灯の冷徹』を連載した江口夏実。既刊11巻(2025年9月現在)。

~概要~

前作があの世の地獄が舞台でコミカルな描写が多い作品だったのに対して、今作はあの世に「逝けない」仙人、モグラを主人公に霊や怪奇といった直接あの世に関連するものだけでなく現代人間社会の闇に鋭く切り込むダークな作風が特徴。
相変わらずコミカルな話や展開も多いが、それでもどこかしらに闇が付きまとっている。

また『鬼灯の冷徹』が単話形式だったのに対し、今作は十数話のエピソード形式になっているところも対照的。
たまに閑話として、コメディ中心の日常が数話程度で描かれることはある。
登場人物の多くが植物を名前に含んでいるなど、作者としての繋がりは見える。
直接の繋がりがあるかは不明だが…?


以下、原作最新刊までのネタバレ注意!!


~レギュラーメンバー~

  • モグラ/百暗(もぐら) 桃弓木(ももゆき) (CV:中村悠一)
主人公。あの世から出禁を受けている、仙人を自称する男。
けだるそうな雰囲気で30代くらいの見た目や言動だが、性格はお喋り好きで底抜けのお人好し。
都内某所を歩いていた時、空から落ちてきた広辞苑で頭を負傷。
そこを通りすがりの真木と八重子に見つかったことから物語は始まる。

人なら誰しも持っており死後にあの世に導いてくれるはずの鬼火を失っていて、そのせいであの世に逝けない。しかし、出会った幽霊の持つ鬼火をカンテラ一杯に集めれば逝けるらしい。
同時に鬼火は生命力でもあり、負傷しても鬼火の灯を摂取すればケガを回復できるほか沢山摂れば若返ることも可能。生きているとケガをするし病気にもなるうえ空腹も老化も起こるため、定期的に灯を摂らねばならない。
現世で生きるには金もかかる。金を使えば少しマシに生きれるが貯蓄は必要。そんでもって貯蓄は我慢と時間が必要。生きるには灯と金双方必要であるため相互にがんじがらめ…という生き地獄の刑を抽斗(ひきだし)通りで受けている。
お人好しの性格ゆえ他人に灯を分けることも少なくなく、おかげでなかなか灯が貯まらないようだ。

自身の性質というか体質というか、関わった人間は霊などが見えやすくなる。
真木と八重子も霊が見える様になった。

過去に集まったお金を使って身分と戸籍を得たこともあった。
その結果やって来た赤紙で、この世の生き地獄の果ても経験している。

手先は器用で、現在はモノ作りなどでボチボチの生活と稼ぎをしている。江戸時代には春画も描いた経験もある。
弓矢の腕前は神業の域。(漫画だが)漫画の様な離れ業で危機的状況を救い、真木をドン引きさせるレベル。ただ銃はからっきしだったとのこと。
長く生きている為、人の本質を捉えた発言で諭すことも少なくない。

前作主人公の鬼灯とは対象的な面が多い
死んで鬼火を得た鬼灯、生きて鬼火を失ったモグラ。
酒好きで全く酔わない鬼灯に下戸で酒が全く飲めないモグラ、といった具合である。
作者によるとモグラのキャラ設定は鬼灯より前に既にできていたらしい。

  • 真木(まぎ) 栗顕(くりあき) (CV:大河元気、吉川りり(幼少期))
都内の大学で児童文学を専攻する大学生。付属のゼミのゼミ長でもある。
ボサボサ髪にメガネ、黒いパーカーと自他共に認める陰キャオタクの21歳。陽キャな弟がいるがそれがコンプレックスになっている。
幽霊などが苦手なビビリであり、モグラと関わり霊やその本質を知ってもそこは変わらない。
行動より言葉で考えて動くタイプだが、優しさや行動力もあり、とっさに考えず動いたり人の心に寄り添うこともできる。
失敗も多いが、損得よりも自分で考えてその上で余計なことに首を突っ込みがちな性格ゆえである。

バイト先の事件以後、マギー君とはある意味一心同体で、彼に救われた回数も多い。

文系オタク故なかなか博識。状況を整理し読者に伝える狂言回し役でもある。

真木のアルバイト先の「100えんHOME 八目店」での心霊現象で登場。
五目動物公園で飼われていたレッサーパンダで、亡くなって幽霊となり人間の霊にビビリながらやって来た。
事件を経て今は真木に取り憑いている。
霊としての能力は強く、現実に物理干渉を起こせるほど。
ただし極度のビビりなので攻撃には使わず、専ら自身や依代の真木の危機の時に力を発揮する。

  • 桐原(きりはら) 八重子(やえこ) (CV:藤井ゆきよ)
真木と同じ大学とゼミに通う女子大生。
明るく素直な性格だが、文系らしく思慮深い面もある。
レッサーパンダガチ勢。真木には少なからず好意はあったが、推しレッサーのマギー君と一体になったことで、好意は推しに昇華した。
そして真木くんはホモ・サピエンスとして見られなくなった。
低身長で童顔だが20歳。関東平野の部分がコンプレックスで、指摘されるとヤバい顔になる。
田舎の離島が出身地。
曾祖父の桐原雄八は従軍中にモグラに灯を分けられ助けられていて、今でも霊が見えるようだ。

  • 犬飼(いぬかい) 詩魚(しお) (CV:藤田茜)
元気の塊の様な15歳の高校1年生。八重子のバイト先の新人。
霊に憑かれやすい体質だが、本人は全く気づかない。ただ、それ故にすぐお腹が減るようだ。
霊感のなさはモグラと関わって霊を知っても霊が見えないほどの筋金入り。
犬飼家は筋肉界隈では有名なフィジカルエリート一族らしく、SP、警察官、格闘家など体力系の超人を数多生んでいる。
末娘の彼女も「親切な狂犬」とあだ名されるフィジカルモンスターで、心霊騒動の際に筋肉で突破口を開いたことも。
ただし詩魚自身はド天然のアホの子で、勉学はダメダメ。
でも万引き犯の移動先と距離を計算したり、競りの計算ができたりと咄嗟の判断・計算はできるようだ。生活・生存に必要な能力値が高いのかもしれない。
あと八重子と違い、アルプス山脈

  • 猫附(ねこづく) 梗史郎(きょうしろう) (CV:村瀬歩)
化け猫憑きの一族・猫附家の長男。18歳の高校3年生。
本編で会うまで互いに面識がなかったが*1、詩魚と同じ高校に通っている。
ナベシマにエネルギーを持っていかれる都合上たいそうな健啖家でありながら40kgほどしかない痩身で、猫背のうえに目つきが悪く常にクマがある。そんな不健康そうな見た目を愚痴ることもしばしば。
一族の恩人のモグラに支えられる現状を情けなく思っていて、せめて自分でできることは自分で解決したいと思っている。
その一方で、モグラが猫附家に図々しく来る意味では大分面倒そうな目で見ている。
物語の中で起こる事件にも関わりたくないと思うことが多いが、なんだかんだ解決の糸口を探したりと割とお人好しな面もある。

  • ナベシマ (CV:村瀬歩*2)
梗史郎に憑く化け猫。痩せ型の黒猫(オス)。
猫附家のお祓いは化け猫をけしかけて霊を除去する「毒を以て毒を制す」型であり、化け猫憑きの血筋を利益を得る形にしたもの。
「カッコいい」が行動原理。褒めると活躍しやすい。

  • 猫附(ねこづく) 藤史郎(とうしろう) (CV:武内駿輔)
猫附家当主。梗史郎の父親。39歳。
祓い屋は宗教法人ではなく、掃除・遺品整理をする個人事業主として登記されている。
副業として(おそらく実体験を基にした)幻想文学を執筆する小説家でもあり、それが高じて大学文学部の教授をしている(真木と八重子のゼミの指導教授)。表向きの顔はこっち。
祓い屋としての腕は一級。たまに出張としてリモート講義になるのは祓い屋の仕事のせい。政府要人のお祓いも行っている為、家の敷地はとてもデカい。
息子同様に痩身だが大食いで、死神面と自虐することもあるが顔立ちは整っており、ゼミ生の中には彼のファンが混ざっている。
感情を全く顔に出さないが、息子を溺愛する親バカ。
モグラを一族の恩人として受け入れているが、彼の図々しさには面倒くさいという感情も持っており、とあるエピソードで「またあの恩人(アホ)が関わっているのか」と言ったりしている。

  • イケブクロさん (CV:武内駿輔*3)
藤史郎に憑く化け猫。丸々とした大きな白猫(メス)。
「食欲」が行動原理。霊は「メシ」、生きてる人間は「やがてメシ」。
お祓いで喰らうほかに藤史郎を通じても食事をしていて、「いいメシ食わせるから活躍しろ」的な使役もする。
猫附教授のリモート講義で起こる霊障の一部はイケブクロさんの悪戯である。

  • 猫附(ねこづく) 杏子(きょうこ) (CV:種﨑敦美)
藤史郎の妻で梗史郎の母。
2人と違い元気で活発な37歳。夫と息子を溺愛している。
人とすぐ打ち解ける性格で、他人の内面を見抜いてその人にとって嫌なことを絶対言わないようにできるという共感性の天才。
時々何か変なものが見える、いわゆる未来視の能力者。その共感性の高さと脳のバグめいた仕様が絡んだ結果、相手の細かな情報を読み取って得られた高精度な予測が未来の可能性らしき映像になって見えていると藤史郎は仮説を立てている。
猫附家やモグラと関わっても霊の類は見えないが、「これ以上見えたら危ないと脳が判断した」とはモグラの談。
梗史郎と詩魚が一緒にいる時何か見えた様だが、「言わない。どうせその未来が来るから」とのこと。

中の人は前作であのウサギの芥子の他、天照大御神と宇迦御魂、茄子の母も演じており、息子を溺愛してるところは茄子の母と共通している。

  • 浮雲(うきぐも) (CV:庄司宇芽香)
抽斗通りにて駄菓子屋「ぎろちん本舗」を営む女性。
駄菓子はかっぱえびせんとブラックサンダーが好み。
立場の問題や金銭的余裕でモグラは彼女に頭が上がらない。
シーマンがプレイしたいからドリームキャストを買うとか、だいぶズレた感性の持ち主。
ぎろちん本舗は抽斗通りでは唯一電話やネット環境がある様で、そこに登場メンバーが集まることも多い。モグラの住居の「もぐら湯」も彼女の管轄下とのこと。

中の人は前作でイワ姫を演じていた。また、八重子の中の人とは某妖怪アニメでも共演している。

  • (もり) 奏芽(かなめ) (CV:寺島惇太)
八重子の高校時代の同級生。人魚島編で初登場。
本編開始6年前に八重子の出身地の島に引っ越してきた。
来島時はルックスの良いイケメンだったが、島を取り仕切る鮫島一族の娘・鮋依の誘いを断ったところ、彼女の策略で根も葉もない噂を流され、それを島民のほぼ全員が信じたために彼らも敵に回す羽目になり、引きこもる程に追い詰められてしまう。
結果、八重子たちが里帰りした際にはかつての面影が無い程に太めの体型の不健康な姿になってしまった。

モグラたちの人魚島事件解決後はダイエットに励んで成功し、ゲーム編で上京しレギュラー入りを果たした。
上京資金貯めとダイエットの間に遊んでいたプーギークラッシュでランキング上位に入り、その際に夢の中で怪奇現象に巻き込まれる。
しかし、長年の島生活が寝ても覚めても地獄だった反動なのか、「この世界で果てても最高じゃん」と真逆のテンションでプーギークラッシュの怪を制覇。
彼の助言がなければゲーム編の解決はできなかっただろう。

その後事故物件(部屋の霊はモグラが説得したとのこと)で推しVTuberかつ霊のアケさんと同居。「推しの依代になるって新しくない?」とのこと。
八重子と同じ喫茶店で女装(しかも結構可愛い!)でアルバイトしたりと、人生をエンジョイしてはっちゃけだす。

  • 毒繭(どくまゆ)アケロンティア
森くん推しのVTuber。通称アケさん。
アケロンティア・スチュクス(和名∶メンガタスズメ)モチーフの妖精みたいな姿をしている。
中性的な声で、ゲーム実況や怪談と何故かすぐ固まる脆弱回線などがひそかに人気らしい。
霊体であり、生前はホワイトハッカーを目指していたとか。
人を楽しませたい。人の役に立ちたいと生前から思っていて今の霊体VTuberの状態を気に入っている。
そして、ゲーム編で「霊が楽しみのために生者を弄ぶのが嫌」「できれば止めたい」と協力する。

  • (ぜぜ)
夏祭り編に登場。妖狐の少女。終盤にモグラと管狐の契約を交わし、モグラを兄様と慕う。
本名は不明。夏祭り編が金銭に関わることだったためその場で愛称を決めた。
見た目やしゃべり方は幼い女の子。しかしオバケや妖怪として見ると才能の塊。
幻術が非常に得意で、次のアリス編では状況の鋭い指摘と共に事態解決の糸口を作り出す。

なお、モグラとの契約内容は「モグラの死後の亡骸を人間標本にする。その代わりモグラを傷つけないようにサポートする」というもの。
モグラは自分が死なないのを隠して契約した。

ちなみに容姿を少し詳しく言及すると、「黒髪、二つ結びのおさげ、やや鋭い目つき」と前作のミキに似ている点が多い。
彼女の保護責任者のことを考えるともしかしたら…*4


〜準レギュラーメンバー〜

  • 藤村(ふじむら) 優一(ゆういち) (CV:中村源太)
真木、八重子と同じゼミに通うキンニク系陽キャ。気のいいジャイアンとも呼ばれた。
男のテンプレ陽キャで真木は苦手意識が強い。それでいて本を読みながら広辞苑を持ち上げ鍛えるとかいうぶっ飛んだ発想もしている。
んでもってその広辞苑をマンションから落としたまたま下にいたモグラの頭にクリーンヒットさせてしまった。物語が始まった功労者にして元凶。

何故彼が文系ゼミに通うかはある意味本作最大の謎。たぶん明かされない謎。

真木のアルバイト先「100えんHOME 八目店」の店長。ハゲ頭から「スケキヨ店長」と呼ばれる。
100円ショップ店長としての立場の嘆きがひしひしと伝えるエピソード多し。
気付いたらラッコの南無ちゃんの霊に取り憑かれた。
同期ながら本社にいる金田とは犬猿の仲。

  • 金田(かねだ)
で、そのスケキヨ因縁の本社社員。
長らく電話越しの登場だったが、10巻で本人が登場。
クリスマス当日に1人で勤務しているスケキヨ店長の元に現れて、ちょっとヒラ時代の話をしたらその流れで店の手伝いを始めた。
意外と金田自身は嫌ってなかったのかもしれない。

  • 真木(まぎ) 梅晴(うめはる) (CV:永野由祐、塙真奈美(幼少期))
整った容姿の真木の弟。詩魚、梗史郎と同じ高校に通う。
巨乳好きの陽キャで巨乳さえあればわりと問題ないと豪語する。八重子の天敵。
要領がよく兄以外の家族から慕われていて、逆にその兄たる栗顕からはだいぶ嫌われている。
ただし梅晴の方は相手を損得感情抜きで助けようとする兄をバカと思いつつも、どこか羨ましく思ってもいる。
また、幼いころ兄と共にモグラに会ったことがあるようだが、3人とも覚えていない。

~用語~

  • 抽斗(ひきだし)通り
モグラの住んでいる不思議な通り。いわく、「厄介なものをしまっておくための引き出し」。
一般人では見つけられず、「いつも存在しているが意識しないと見えない場所」のようだ。
(あそこまでいわくつきではないが、杜王町の「あの小道」みたいなもんである)
モグラの刑務所でもあるが、出るも帰るも自由。警察の目も無く最低限の住居もあるため戸籍も身分もない身であれば出たくなくなるはずだが、それこそ檻ではないかと真木は推測している。
でもモグラが壊れたTVを直したら受信料の徴収は来た。モグラは今まで生きてた上で怖かったことの1つに挙げているが、ストレッチマンが観たくて払ったとのこと。

モグラと浮雲以外にも住民はいるようだが未登場。
モグラの住む「もぐら湯」や浮雲の「ぎろちん本舗」の他、「河童」「パノラマ島」「細雪」「山猫軒」なる建物が確認できる*5

  • 鬼火
人の魂に宿る、あの世への道しるべとなる火。
幽霊の周りに浮いている人魂はここから漏れ出たカス火である。
刑のために鬼火を剥奪されたモグラは、出会った霊のカス火をカンテラに規定量まで貯めることであの世へ還ることを目標としている。

一方で鬼火は魂のエネルギーのようなものでもあり、摂取すれば病や負傷をたちどころに治す万能薬としての側面を持つ。
その生まれのために戸籍を持たない=保険がないため病院にかかるわけにはいかないモグラにとっては健康維持のための生命線であり、さらには困った人を助ける切り札でもある(そして人のために使った結果刑期がどんどん延びる)。

  • 猫附(ねこづく)
代々の当主が化け猫に憑かれている化け猫憑きの一族。
化け猫を活用した祓い屋稼業を営んでいる(少なくとも本編の50年前にはすでに祓い屋だったことが確認できる)。

モグラとの縁は藤史郎の曾祖父(梗史郎の高祖父)・桜史郎(おうしろう)(CV:堀江瞬)から。
モグラの上官(上等兵)だった桜史郎は、戦地で桐原雄八を救う場面に居合わせ、そして周りの霊や背後の猫に気づいているモグラを見て只人ではないと確信。
憑き猫に栄養を取られ家系は短命、今は明日があるかもわからぬ状況。
「10歳まで持つかわからぬ体質の倅だけでも救ってくれ、代わりに一族にできることは何でもする」とモグラに土下座する。
だが、「何でもする」という曖昧な契約のため、猫附家はモグラにたかられる様に……。
――尤も、救う手段を鑑みれば多少うざったくともモグラが一族の恩人なのは間違いない。
モグラ自体も早く帰るためならば約束を反故にして鬼火をさっさと溜めて帰ればいいのに見方によっては律儀に約束を守り続けている。
このため、複雑に見てしまうところはあるのだろう。

〜エピソード解説〜

  • 人形編 (第2巻13話〜17話)
真木梅晴が女友達の家での怖い出来事を兄に相談する。
物語最初の中編エピソード。良好だけど歪な家族関係が物語の肝。

  • 占いマダム編 (第3巻18話〜21話)
猫附杏子は未来が見えるのだと信じ込んでしまい、以降彼女に強くすがるようになってしまった夫人の話。
どんなに良い人でもすがる場所を間違えると危険。

  • 人魚島編 (第3巻22話〜第4巻35話)
真木のレポートの祭りの取材のため、八重子の実家がある離島に行く。2巻に跨がる長編エピソード初弾。
早い話が因習島編。島の支配者一家が島民を傀儡にしようとしている。
情報の即伝達と噂からの無意識のイジメはSNSという因習村で貴方も私もやっているかもしれない

現在この話までがアニメ化されている。


  • ゲーム編 (5巻37話〜6巻50話)
ゲーム「プーギークラッシュ」にて、ランキング上位のプレイヤーが気づけば衰弱や失踪している「プーギークラッシュの怪」に巻き込まれる。
霊体VTuber毒繭アケロンティアも登場する現代ならではの心霊エピソード。

  • 夏祭り編 (7巻56話〜8巻66話)
抽斗通りの夏祭り。人間もオバケもお面を被って無礼講。
危ない狐面の男に少し関わってしまったが故に……
銭の初登場エピソード。モグラと狐の化かし合い。

  • アリス編 (8巻69話〜10巻86話)
危険な少女霊が犬飼家のビルを占領。童話『不思議の国のアリス』の世界風にしてしまう。
霊による干渉での被害は今までで一番大きい。そして銭が大活躍。
一番のホラーは少女の生前がほとんど作者の実体験なことだろうか。

  • 疫病神編(仮) (11巻90話〜)
絶賛連載中!
今までのエピソードの集大成なので過去の話を全て読んでから読むように。


〜アニメ版〜

アニメーション制作はブレインズ・ベース、監督は石踊宏。2025年7月から9月にかけて放映(全12話)。
ナレーターはバロン山崎氏。原作をそのままアニメにしたと言い切れるリスペクトの良さが魅力。
他にも単行本巻末の漫画や原作者描き下ろしのボイスドラマもYouTubeのチャンネルで公開されている。

  • OP「神頼み」
作詞・作曲:syudou、編曲:木内 友軌・花井 諒

  • ED「喧騒 feat. Aile The Shota」
作詞・作曲:椎乃味醂、編曲:椎乃味醂・Aile The Shota

OPとEDの両曲とも、原作を読み進めるほど歌詞の意味が伝わってくる。


〜余談〜

  • モチーフ、オマージュ
上記の抽斗通りの店舗の様に、文学作品が元ネタのオマージュが多数ある。
他にも映画の話も多く、ゲームや漫画の名前もそのまま多数言及される。
ストレッチマン鬼太郎など、著作権健在の作品も多数。これらはアニメでも伏字なしで放映された*6

これらは公式ファンブック「百暗(モグラ)現世(ウツシヨ)道標(ミチシルベ)」に10巻までの元ネタ全てが載っている。
作者インタビューやかなり多くの解説が載っていて本項目の作成にも多大な助力を頂いた。
興味のある方は是非手にとって貰いたい。


追記修正はあの世を出禁になってもこのWikiをアク禁にならない方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\オッペケペー/

最終更新:2025年10月10日 00:03

*1 正確には校内の有名人でかつ霊にわんさと憑かれている詩魚のことを梗史郎が自然と認識する形で一方的に知っていた。

*2 公式サイト等ではCV:???表記。

*3 こちらもナベシマと同じく公式サイトではCV:???表記。

*4 だが「両親に全く会ってない」「次に生まれた子が良い子だったようだから捨てられたような状態」といった旨の発言もあり、血縁と言い切れるかは怪しい。

*5 余談の通り、これらの名前は文学作品が元ネタ。順に、芥川龍之介の「河童」、江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」、谷崎潤一郎の「細雪」、宮沢賢治の「注文の多い料理店」。

*6 ただし、東京ディズニーランドは「某ランド」とぼかされていた。