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2分の1の魔法

原題:Onward
公開:2020年3月6日
時間:102分
監督:ダン・スキャンロン*



  • 目次

ストーリー

昔々、神話上の生き物が住む世界においても魔法は習得が難しいものであった。時代が進み文明が発展すると魔法は時代遅れとなり、便利な科学が優先されるようになった。

そして現代、エルフの兄弟が母親と三人で暮らしていた。弟は自信のないティーンエイジャーのイアン・ライトフット、兄はロールプレイングゲーム愛好家のバーリー・ライトフット、母親はローレル・ライトフット。二人の父ウィルデン・ライトフットはイアンが生まれる前に亡くなり、ローレルはケンタウロスの警察官コルト・ブロンコと交際していた。

イアンの16歳の誕生日、ローレルは生前ウィルデンから託された魔法の杖不死鳥の石をイアンとバーリーに渡した。イアンが復活の呪文を唱えてみるとウィルデンの下半身のみが復活した。復活の呪文を完成させるため、タイムリミットの日没までにイアンとバーリーは別の不死鳥の石を探すために旅に出る。

概要


モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)の監督ダン・スキャンロン*が兄と亡き父との個人的な経験をベースに制作したストーリーがベースとなっている。

開発には6年間が費やされ、予算は約1億7500万~2億ドル。音楽はマイケル・ダナ*ジェフ・ダナ*が担当し、ブランディ・カーライル*がオリジナル楽曲を提供した。

イアンとバーリーの兄弟はマーベル・シネマティック・ユニバース*でも共演しているトム・ホランドクリス・プラットが担当。二人はほとんどの台詞を個別に収録したが、仲が良かったため一部の録音は一緒に行われ、二人が録音中に即興で台詞を追加した場面もあったという。ピクサー長編映画の全作品に出演している常連のジョン・ラッツェンバーガーも出演しており、本作を最後に連続出演記録はストップとなった。(次作『ソウルフル・ワールド』には声の出演はしていないが、ラッツェンバーガーをモデルにしたキャラクターがモブで登場している)

本作は2020年2月21日に第70回ベルリン国際映画祭でプレミア上映され、同年3月6日にアメリカで劇場公開された。一般公開のわずか二週間後である3月20日の夜にはデジタル配信が開始され、さらに4月3日にはDisney+での配信が開始された。批評家からは概ね好意的な評価を受けたものの、新型コロナウイルスのパンデミックによる劇場閉鎖により世界興行収入は1億4200万ドルにとどまり、製作費(1億7500万~2億ドル)を下回る結果となった。本作はデジタル配信という形で成功を収めることとなった。

本作に続く『ソウルフル・ワールド』、『私ときどきレッサーパンダ』、『あの夏のルカ』は配信のみの公開となり、『バズ・ライトイヤー』(2022年)が2年ぶりのピクサーの劇場公開作品となった。

北米における同時上映作品は『マギー・シンプソンの初恋大奮闘*』。

警察官のスペクターがレズビアンであることを示唆する短いシーンがあり、クウェート*オマーン*カタール*サウジアラビア*のアラブ諸国で上映禁止となった。上映はしたが吹替の台詞の変更によって同性愛の設定を排除した国や地域もある。

第78回ゴールデン・グローブ賞および第93回アカデミー長編アニメ映画賞*にノミネートされた。

歴史

モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)の監督を務めたダン・スキャンロン*はより個人的なストーリーを発展させるよう勧められていた。彼はこの映画について兄と話すことはなかった。なぜなら、映画の制作には長い時間がかかるため、兄には何も知られないようにしておきたかったからである。

2017年7月、ピクサー・アニメーション・スタジオの責任者であったジョン・ラセターは、D23 Expoにて「郊外のファンタジー世界」を舞台にした映画が開発中であることを発表した。監督はスキャンロン、プロデューサーはコーリー・レイ*が務めることが明かされた。

本作のインスピレーションとなったのは、スキャンロンの父が彼が1歳の時に亡くなったことと、彼と2歳上の兄との関係であった。二人は父のホームビデオを見たことがあったが、そこには音声がなかった。ある日、父の声が録音された古いカセットテープが発見された。スキャンロンは母と兄と共にそのテープを聴き、最後の部分で父が発したわずか二言、「Hi」と「Goodbye」を耳にした。

2018年12月12日、映画のタイトルが正式に発表された。

アニメーション

VFXスーパーバイザーのヴィンセント・セリテッラ*によると、アニメーターたちは魔法を抽象的なものにしつつ、視覚的に具現化させることを目指した。まず魔法のイメージを決定し、それをストーリーの基本レベルに落とし込み、どの程度の複雑さを持たせるか、環境にどう影響を与えるかを考えたという。

監督のスキャンロンは、イアンの成長の過程が「魔法のデザインにおいて重要な指針となった」と述べている。アニメーターたちは魔法を扱うアニメ映画を研究して本作独自の魔法表現を作り上げており、参考にした作品として『ファンタジア』、『アラジン』、『ヘラクレス』といった作品を挙げている。本作の魔法表現は最初に手描きアニメーションでデザインされ、それをコンピューターアニメーションに変換する方法で制作された。セリテッラは「2D環境で起こっていることをうまく表現するために、図形やグラフィック要素を作り出した」と説明している。手描きとCGアニメーションのバランスを取ることが鍵となった。最終的には「手描きのグラフィックを光のオブジェクトとして表現し、奥行きのある発光効果を加える」という手法を採用した。

復活の呪文のシーンの振り付けは手描きアニメーションから直接取り入れられ、CGIアニメーションとライティングによって奥行きのある映像に仕上げられた。

音楽

2019年4月16日、『アーロと少年*』(2015年)でピクサー作品に参加したマイケル・ダナ*ジェフ・ダナ*が本作の作曲を担当することが発表された。2020年2月12日にはブランディ・カーライル*フィル・ハンセロス*ティム・ハンセロス*と共作した楽曲「君が支えてくれた」をエンドクレジット用に録音したことを明かした。本作のサウンドトラックは映画公開の7日前である2020年2月28日にリリースされた。

キャスト

イアン・ライトフット トム・ホランド 志尊淳
バーリー・ライトフット クリス・プラット 城田優
ローレル・ライトフット ジュリア・ルイス=ドレイファス 近藤春菜
コーリー オクタヴィア・スペンサー 浦嶋りんこ
コルト・ブロンコ メル・ロドリゲス 村治学
ウィルデン・ライトフット カイル・ボーンハイマー 宗矢樹頼
ブレイジー - -
スペクター リナ・ウェイス 斉藤貴美子
ゴア アリ・ウォン 大井麻利衣
デュードロップ グレイ・デリスル 林真里花
マスタードシード
コブウェブ 喜多田悠
グレックリン トレイシー・ウルマン 新谷真弓
ガクストン ウィルマー・バルデラマ 丸山壮史
ガクストンの息子 上西哲平
アヴェル ジョージ・プサラス 魚建
フェンウィック ジョン・ラッツェンバーガー 立木文彦
ゴーガモン
サダリア・ブラッシュソーン 合田絵利
サンドラ
ケイラ
アドルファス
呪いのドラゴン - -
シャンブルフット - -
ペピータ -(カメオ出演) -
教官 くじら
サテュロスの魔法使い 田村千恵
勇者 上住谷崇
年老いた魔法使い 枝元萌
魔法使いの弟子 白石兼斗
サブトレーナー 望田ひまり
ずぼらなエルフ 中務貴幸
ガーシ こばたけまさふみ
アルテア 馬渡絢子
スタンドの犠牲者 堀総士郎
イェルダ 石井未紗
インストラクター 常田真太郎
ウェイター 大橋卓弥
その他 カリ・ウォールグレン


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長編映画
最終更新:2025年03月26日 00:55