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ラルフ

名前:Wreck-It Ralph
デビュー:『シュガー・ラッシュ』(2012年)

概要

1982年のレトロ・アーケードゲーム「フィックス・イット・フェリックス」に登場する悪役の大男。

ラルフの「I'm gonna wreck it!(壊してやる!)」という決め台詞と共にゲームが始まり、ラルフがビルを壊し始める。プレイヤーは主人公のフェリックスを操作して壊されたビルを修理しながら、住民たちと協力してラルフをビルから放り投げるのが目的である。

悪役を務め続け、ゲームの30周年記念イベントにすら呼んでもらえないラルフには、いつかフェリックスのように主人公のメダルを貰って仲間から認められたいという密かな夢があった。そして、ゲームの世界の掟を破り、「ヒーローズ・デューティ」や「シュガー・ラッシュ」といった他のゲームへと迷いこんでいく。

ゲーム内では悪役としてプログラミングされているが、ラルフ自身はどちらかというと心優しくおっちょこちょいな一面も持ち合わせており、仕事を失ったゲームキャラクターに仕事を与えたり、フルーツをあげたりしている。

映画『シュガー・ラッシュ』の主人公は当初フェリックスで、ラルフは悪役の予定であった。脚本家のフィル・ジョンストンが「ヒーローになりたいラルフを主人公にしたほうがよりドラマチックになる」と考えて変更した。

ラルフとフェリックスの関係性のモデルは、アーケード版『ドンキーコング』のドンキーとマリオ。作中でラルフがマリオの名前を口にはするが、共演はしていない。

エピソード

シュガー・ラッシュ

フィックス・イット・フェリックス」の30周年記念の日、そのゲームの悪役ラルフは初めて悪役お悩み相談会に出席する。ラルフは悪役を辞めたいと告白するが、他の悪役たちから自分の役割を受け入れるように諭される。そして、「かつて他のゲームへ侵入し、それぞれのゲームを撤去に追い込んでしまったターボ*のようになってはいけない」と忠告される。帰宅したラルフはヒーロー役のフェリックスを中心にゲームのキャラクターたちが自分抜きで30周年記念パーティーをしていることに気付き、不満をぶつける。住民たちのリーダーであるビッグ・ジーンは「ラルフがヒーローのメダルを入手できたら、ゲームの舞台であるアパートの眺めのいい部屋をやろう」とラルフに宣言する。

ラルフはタッパーの店*に向かい、タッパー*に悪役がヒーローのメダルを手に入れる方法がないか訊ねる。店内でたまたま「ヒーローズ・デューティ」のマルコフスキーが気絶したところに居合わせたラルフは彼になりすまし、メダルを手に入れるため「ヒーローズ・デューティ」に向かう。ラルフの役割はプレイヤーのアシストをするNPCだったが、サイ・バグという危険な虫の襲撃でパニックに陥ってプレイヤーを妨害し、ゲームオーバーとなった挙げ句、女軍曹のカルホーンに説教されてしまう。諦めきれないラルフは勝手にプレイヤーのゴールへ向かってメダルを獲得するが、サイ・バグを孵化させてしまい、緊急用シャトルで脱出。サイ・バグもろともお菓子の国のレースゲーム「シュガー・ラッシュ」に迷い込む。

サイ・バグを撃退したラルフはヴァネロペ・フォン・シュウィーツという女の子にメダルを奪われてしまう。ヴァネロペはこのメダルでレースにエントリーするが、警官のウィンチェルダンカンに追い回されてしまう。ヴァネロペを捕まえようとしたラルフは危険なモンスターとして逮捕され、キャンディ大王の住むシュガー・ラッシュの城へと連れて行かれる。ラルフはレースの主催者である大王にヴァネロペが支払ったメダルの返却を懇願するが、収監されてしまう。

脱出したラルフはヴァネロペを見つけるが、彼女はタフィタ・マトンファッジ率いる他のレーサーたちにいじめられていた。ヴァネロペの存在自体がこのゲームのバグであり、レースの出場を大王から禁じられているためであった。30年間除け者にされてきたラルフは彼女の境遇に共感し、彼女に協力を約束する。ヴァネロペはレースで優勝し、ラルフにメダルを取り返すことを宣言。ラルフはカート工場*キャンディ・カートを作り、ダイエット・コーラ火山で練習コースをプレゼントする。二人は練習を通して絆を深めていく。

レース当日、ラルフの前にキャンディ大王が現れる。大王はバグであるヴァネロペをレースに出すと、ゲームが故障していると思われこのゲームのコンセントが抜かれてしまう、と告げる。ヴァネロペはバグであるため、ゲームから脱出することはできないという。大王はヴァネロペの説得をラルフに任せ、彼のメダルを返す。ヴァネロペはラルフに感謝を込めて手作りのメダルをプレゼントする。しかし、ラルフが大王に言われたとおりレースへの棄権を提案すると、ヴァネロペはラルフを裏切り者だと怒る。ラルフはヴァネロペを守るために心を鬼にしてヴァネロペのカートを破壊する。ヴァネロペは泣き崩れ、ラルフは彼女のもとを去る。

「フィックス・イット・フェリックス」に戻ったラルフは、自分がゲームを留守にしたことでゲームセンターの店主スタン・リトワクに故障したと思われ、ゲームのコンセントが抜かれることになることを知って唖然とする。ジーンから約束どおり眺めのいい部屋を与えられ、一人ゲームに取り残されたラルフ。バルコニーからゲーム画面の外を眺めると、「シュガー・ラッシュ」の筐体にヴァネロペが描かれていることに気付く。本来存在してはならないバグのはずのヴァネロペが筐体に描かれているのはおかしいと考えたラルフは大王の部下サワー・ビルに問い詰める。サワー・ビルによると王国民の記憶はキャンディ大王によって封じられており、思い出せないという。ヴァネロペがレースでゴールラインを越えることができれば、ゲームはリセットされ本来の記憶が戻るのだという。

フェリックスが大王の城に捕らえられていることを聞き出したラルフは彼を助け出すと、自分の行いを謝罪し、ヴァネロペのカートを修理してもらう。ラルフはヴァネロペに謝罪し、二人は本来の記憶を取り戻すためにレースに挑むことを決意する。レースに戻ったヴァネロペはトップを走る大王に食らいつく。するとカルホーンから、ラルフが王国に連れ込んだサイ・バグの卵が大量に孵化したという知らせが届く。サイ・バグは「シュガー・ラッシュ」のゴールラインを破壊し始め、カルホーンは国民をゲーム外のゲーム・セントラル・ステーションへ避難させる。デッドヒートの最中、キャンディ大王の正体がターボであることが明らかとなる。ヴァネロペと争う大王はサイ・バグに取り込まれてモンスターと化してしまう。やがてゴールラインが完全に破壊されると、ラルフたちはゲーム外へ避難せえざるを得なくなる。しかし、ヴァネロペはバグのためゲームから出ることができない。ラルフはカルホーンのクルーザーを借り、自分がダイエット・コーラ火山の火口を壊して噴火させれば、火柱が起きてサイ・バグを惹きつけられると考える。サイ・バグと一体化した大王がラルフを妨害しようとするが、ラルフは大王を振り切り自分を犠牲にして火山を噴火させる。サイ・バグたちと大王は火柱へと吸い込まれていく。そこへクランベリーナのカートに乗ったヴァネロペが颯爽とラルフを救出する。

フェリックスがゴールラインを修理しヴァネロペがゴールを切ると、ゲームがリセットされてヴァネロペは本来の王女の姿となる。記憶を失ってヴァネロペをいじめていたタフィタたちの謝罪を受けたヴァネロペは大統領となってこの国を引っ張っていくことを宣言する。ヴァネロペとの出会いを通じて自分の役割に自信を持ったラルフは「フィックス・イット・フェリックス」に戻り、ゲームはコンセントを抜かれずに済む。

ラルフを除け者にしていた「フィックス・イット・フェリックス」の住民たちもラルフの役割の重要性に気づいて彼に優しくなる。ラルフとフェリックスは既に撤去されたゲームキャラクターたちをボーナスステージに誘い、「フィックス・イット・フェリックス」は一躍人気ゲームとなる。フェリックスとカルホーンは結婚式を挙げ、ラルフは仲人を務めた。かつてラルフはアパートの屋上から住民に持ち上げられ落とされることを嫌がっていたが、今は幸せに感じている。それは一番高い位置に持ち上げられた時、向かいにある「シュガー・ラッシュ」の中でヴァネロペが活躍している姿を見ることができるからであった。

シュガー・ラッシュ:オンライン

レースゲーム「シュガー・ラッシュ」の毎日に飽き飽きしていたヴァネロペのためにラルフは新しいコースを作ってあげた。大喜びしたヴァネロペはプレイヤーのナフィサの意思に反して自分で運転をしたため、驚いたナフィサが部品のハンドルを引っこ抜いてしまい、無理に直そうとしたリトワクさんがハンドルを壊してしまった。ハンドルはオークションサイト「eBay」で高値で取引されていたため、リトワクさんは諦めて「シュガー・ラッシュ」を撤去することにした。ラルフとヴァネロペはハンドルを購入するためインターネットを介してeBayに向かうが、オークションのルールを理解していない二人は27,001ドルでハンドルを落札し、24時間以内に支払わなくてはならなくなる。ラルフとヴァネロペはJP・スパムリーのウェブサイトからの紹介で、過激なオンラインゲーム「スローターレース」のシャンクの車を手に入れれば高額な現金が貰えると知り、ゲームに侵入する。

「スローターレース」で騒音取締局に扮したラルフがシャンクの一味の気を引いている隙にヴァネロペはシャンクの車を盗み出した。ヴァネロペは自身の不具合を利用して炎を突破し、車をゲーム外に持ち出そうとするが、シャンクの運転テクニックはヴァネロペの遥か上を行っていた。シャンクは二人の事情を知り、動画投稿サイト「バズチューブ」で稼ぐことを薦め、バズチューブのアルゴリズムである友人のイエスを紹介する。ラルフは面白動画を大量に製作し、ヴァネロペは動画を宣伝するために「Oh My Disney」へと向かう。

ラルフは動画の広告収入で3万ドルを稼ぐことに成功し、ヴァネロペに連絡して「eBay」で落ち合おうと約束。喜ぶヴァネロペだが、刺激的なスローターレースの世界のことが忘れられない。ラルフは約束の時間に現れないヴァネロペがシャンクと出会い、スローターレースの世界で生きたがっていることを知ってしまう。冷静さを欠いたラルフはスローターレースをつまらなくするため、スパムリーのいとこのダブル・ダンに不具合探知ウイルス「アーサー」を譲り受けて放つ。アーサーはヴァネロペの不具合を探知し、彼女の不具合をスローターレース中に拡散してしまう。スローターレースのサーバが再起動され、ヴァネロペはラルフがウイルスをばらまいたことに激怒し、彼にプレゼントしたメダルを投げ捨てる。ヴァネロペに嫌われたラルフは精神的に不安定となり、アーサーは不安定なラルフをインターネット上にコピーしまくり、壊し屋ラルフのクローンがインターネット上に蔓延した。

ラルフとヴァネロペは検索エンジン「ノウズモア」のアドバイスで、ウイルス駆除エリアにクローンを誘導するためイエスの力を借りる。ラルフのクローンの集合体は巨大なラルフの形をしたモンスター「ラルフジラ*」となり、ヴァネロペを誘拐し、Googleへ逃げた。ラルフはヴァネロペの夢を奪ってはいけないとラルフジラを説得した。浄化したラルフジラが消滅しラルフは真っ逆さまに落ちていくが、ヴァネロペの新しい友達であるディズニープリンセス*たちに救出される。

ラルフは壊れたメダルの半分をヴァネロペに渡し、彼女をスローターレースへと送り出した。二人は別々の世界で過ごし、ネット通話でお互いの近況を知らせるようになった。ラルフはスローターレースの大型メンテナンスにヴァネロペに会える日を心待ちにしていた。

その他

ベイマックス』では、サンフランソウキョウの夜景の中に「フィックス・イット・フェリックス」のゲーム画面を投影したヴィジョンがある。

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』では、スタジオのドアに激突し外のゴミ箱に突っ込み、スカーから馬鹿にされていた。その後、フェアリー・ゴッドマザーグーフィーの写真撮影をサポートする様子を見守っていた。

ディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』では、エンド・クレジットに登場する。

ゲーム

映画にゲスト出演したソニック・ザ・ヘッジホッグのレースゲーム『ソニック&オールスターレーシング トランスフォームド*』には、ラルフがディズニーキャラクターとしては異例のゲスト出演を果たしている。

ディズニー スピードストーム

2024年4月18日に開始したシーズン7から登場する「シュガー・ラッシュ」のレーサー。タイプはファイターで、レアリティは「エピック」。所有スキルは「ファイア」「ブースト」「ボム」「シールド」。そのうち「ファイア」と「シールド」はレーサーがスターアップすると強化される。

ユニークスキル「ベアハンドブースト」の効果は下表の通り。専用クルー「スタン・リトワク」によって強化することができる。

ノーマル ラルフが地面を一定時間たたきつける。
1回たたくごとにわずかにダッシュし、狭い範囲内のライバルをスタンする。
チャージ ラルフが地面を3回強くたたきつける。
1回たたくごとに一定量ダッシュし、中程度の範囲内のライバルをスタンする。

登場作品

2010年代


2013年
ディズニーインフィニティ(追加キャラクター)






2020年代



2024年
ディズニー スピードストーム ※シーズン7(2024年4月)



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キャラクター
最終更新:2024年09月08日 18:47