モアナと伝説の海
ストーリー
モトゥヌイに暮らす村長
トゥイの娘
モアナは幼児の頃、
タラおばあちゃんから伝説の神
マウイが命の神
テ・フィティから
テ・フィティの心を盗んだことで、溶岩の魔物
テ・カァが現れて世界に闇が溢れ出た話を聞く。いつかはテ・フィティの心を元の場所へ戻さなければならないという話を聞き、他の幼児たちは怖がるが、モアナは興味津々。しかしトゥイはその伝説を信じようとせず、村人たちに海を渡ることを禁じていた。モアナは海に近寄りウミガメを助けたことで、海に選ばれてテ・フィティの心を託される。トゥイが海に近づくモアナを抱きかかえてその場を去ったため、モアナはそれを落としてしまう。タラおばあちゃんはその様子を陰から見ていた。
16歳になったモアナはますます海を渡りたいと感じていた。ある日、島の食料が尽きてしまったモアナは海を渡って魚を獲ろうと提案し、トゥイの怒りを買う。反抗したモアナは一人で海を渡ろうとするが波に流されて失敗。モアナは村長として身を固める決心をする。この話を聞いたタラおばあちゃんは、モアナを洞窟に案内して大昔に祖先が海をわたるのに使っていたボートを見せる。そしてモアナが幼児の頃に海に選ばれたことを話し、マウイが盗んだテ・フィティの心を返しに行くことを勧める。
決心を固めたモアナがトゥイと言い争っていると、タラおばあちゃんが危篤になったという知らせが入る。タラおばあちゃんは病床でモアナにすべきことを果たせと言い遺す。モアナは母
シーナに背中を押されて、大きな海へと旅立つ。ある島にたどり着いたモアナとたまたま着いてきてしまったニワトリの
ヘイヘイはマウイを見つけ、テ・フィティの心を返しに行くように要求する。こうして三人の奇妙な珍道中が始まる。
概要
新しい技術で描いた海の美しい描写や、徹底したポリネシア文化の考証を踏まえて作られたこの作品は全世界で約6.43億ドルを売り上げた。『
ズートピア』と同じく2016年に公開され、ディズニー・アニメーション・スタジオの長編映画が1年に2本公開されたのは2002年以来14年ぶり。
歴史
2011年、代替の3つのアイディアのひとつにスポットが当てられた。マスカーはポリネシア神話を読み、いたずら好きの神マウイに興味を持った。ポリネシアの豊かな文化は映画化に向いていると感じたマスカーとクレメンツは物語を書き上げた。すると、
ジョン・ラセターは二人に実際に現地へ調査旅行するように勧めた。
2012年、クレメンツとマスカーは
フィジー*、
サモア*、
タヒチ*へ旅立ち、
南太平洋*の人々から彼らの文化を学んだ。この学びによって、映画の主人公はマウイから村長の若い娘に変更することになった。また、二人は東の島へと移住を続けていた島の人々が約3,000年前に突然航海を辞めたという事実を見つけた。彼らはその1,000年後にまた航海を再開しており、航海を辞めた理由や再開した理由は未だに明らかになってないという。クレメンツとマスカーはその理由に着目し、航海が禁止されている約2,000年前の架空の島国を舞台に設定した。
クレメンツとマスカーは5年以上かけて、ポリネシアの文化や神話の専門家を雇って9回にも渡り物語を修正した。また、専門家の指摘でモアナがココナッツを投げるシーンの削除や、
マウイのハゲたヘアスタイルに修正が入った。
脚本
最初の主要脚本は
タイカ・ワイティティが手掛けた。当初、モアナには5~6人の兄弟がいる設定だったが、モアナの成長に焦点を当てるため、一人っ子で冒険に同伴するペットも賢くない者になった。また、モアナの父
トゥイが海で迷子になってモアナに救出される案もあったが、結局彼女の前に立ちはだかって航海に反対する側の立場に変更となった。
パメラ・リボンはモアナを導くキャラクターとして
タラおばあちゃんを考案した。
他のCGアニメ作品と同じく、アニメーターが多く、製作スケジュールが短くなるように組まれていたが、実際の開発工程に移ってから問題が生じることも多かった。監督のマスカーとクレメンツは既に週6日12時間も働いていたので、『
ベイマックス』(2014年)の監督を務めた
ドン・ホール*と
クリス・ウィリアムズがヘルプに加わった。
キャスティング
スタッフは約100人のオーディションの中から14歳の新人
アウリィ・クラヴァーリョにモアナ役として白羽の矢を立てた。この時点で既にモアナのデザインは確定していたが、クラヴァーリョが彼女と容姿が似ていたのは偶然だという。アニメーターはアニメーションを付ける上でクラヴァーリョの動作を参考にしたという。
アニメーション
本作はセルアニメで数々の成功を収めてきたマスカーとクレメンツにとって初めてのCGアニメーションである。当初はセルアニメでの製作案も浮上したが、美しい海やポリネシア人の顔の表情を描写する上でCGの使用は決定的となった。マウイのタトゥーに描かれた
ミニ・マウイだけは伝統的な手描きのアニメーションで描かれており、ベテランの
エリック・ゴールドバーグ*が監督した。
本作は
バーバンク*にあるディズニー・アニメーション・スタジオの本社ビルが改装中であったため、北ハリウッドにある巨大な倉庫で製作された。これはマスカーとクレメンツが監督した『
リトル・マーメイド』(1989年)が
グレンデール*の倉庫で製作されたことと似ている。
本作は2016年10月20日に製作が終了した。
音楽
ローカライズ
ヨーロッパ*の国々では原題の『Moana』が商標登録されていることから主人公の名前をヴァイアナ(Vaiana)に変更するといった処置が取られた。それに加えて、
イタリア*では「モアナというタイトル自体がポルノ女優のモアナ・パッツィを連想させる」という理由で、タイトルも『Oceania』に変更された。
2016年10月25日、
フランス*領ポリネシアの首都
パペーテ*で開かれた記者会見にて、世界初のタヒチ語吹替版を製作することを発表。ディズニーが特別な言語の吹替版を製作するのは、『
ライオン・キング』(1994年)のズールー語版、『
ムーラン』(1998年)の中国語版(中国語版が作られた最初の映画。それまでのディズニー映画は台湾語版しか無かったが、これ以降中国語版も作られるようになった。)に続いて3作目となった。
さらに、2017年6月にはマオリ語版の製作が発表され、9月11日に
オークランド*でプレミア上映された。レイチェル・ハウス(タラおばあちゃん)、ジェマイン・クレメント(タマトア)、テムエラ・モリソン(トゥイ)、オスカー・カイトリー(漁師)の4名が英語版と同じ役を続投し、ハウス自身が監督も務めた。
2017年11月にはハワイ語版の製作を発表。モアナ役を英語版同様、ハワイ出身のアウリィ・クラヴァーリョが担当することになり、2018年6月10日に公開された。
キャスト
- 吹替版:2017年3月10日公開。※Blu-ray・DVD収録
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最終更新:2025年03月25日 22:32