審判の木

【名前】 審判の木
【読み方】 しんぱんのき
【登場作品】 『6』

【詳細】

グリーンタウンにある裁判所のみ採用されている独自の裁判システム。

「人間に審判をさせると間違いを起こす。それならば、いっそ人間以外に裁判権を委ねてはどうか」という発想のもと考案されたシステムで、大学時代の六方悟によって考案された。

ネットワークに繋がれて電子制御されており、これまで一度も誤審をしたことがなかった。
しかし、「6」でジャッジマンのハッキングを受けて光祐一朗を有罪とした上、お仕置きロボットのコントロールを奪って暴走してしまう。

なんとかプラグインに成功した光熱斗ロックマンの活躍によってジャッジマンはデリートされ、システムは復旧したが、後の調査で六方によってかなりの改造が加えられていたことが判明した。

物語の終盤では、復活した電脳獣たちの雄叫びによって各所が破壊される災害が発生、同時にこの審判の木も破壊されてしまった。

「人間に審判をさせると間違いを起こす」とは六方悟による前述の通りだが、別にプログラムとて間違えないわけではない。
そもそもプログラムというのは仮に完璧な設計通りで動いてたとしても何らかの外部要因によっていくらでも変質してしまうためである。
ましてやエグゼ世界のネットワークは原因不明のバグが自然発生し、トラブルを起こす天災のようなものすら存在する。
なのでプログラムに任せていても、いつまでも間違いや問題が発生しないというのはありえないのである。
作中でもこれについて言及するナビが存在しており、曰く「穴を作らないことではなく見せないことが肝心」とのこと。
……まあ、審判の木のセキュリティには複数のナビが遠隔で侵入できるぐらいの大穴が開いているわけだが。
これは六方が改造した事で大穴が開いたと見るべきか、それとも大穴が開いて侵入されたところで何もできないといった風によっぽどプログラムが過信されていたのか、判断のつかないところである。

一応、「公正さ」という点については何らかの意思といったバイアスが存在しないプログラムの方が向いているのも事実。
その点、正常化した審判の木がその創造主に対してもきっちり有罪判決を下しているのは評価に値するのではないだろうか。
ストーリーの流れからしたら皮肉としか言いようがないが。

もっとも、間違い以前に祐一朗の裁判では「被害者・証人・裁判官全て審判の木」という異常な裁判体制がまかり通っている(現実では勿論除斥されて担当出来ない)わけだが……
また、判決後の刑の執行は「判決の1時間後」であり、現実の司法よりかなり迅速(現実での控訴期間は2週間であり、その間は判決が確定しない)。
それだけ審判の木による判決の信頼性が絶対的なものであるという事なのだろうか…?

また、その罰則が「おしおきロボによる電気ショック100時間」というのもそのエグさからよくネタにされる。
息子の熱斗が高圧電流にも耐えられる身体だし、祐一朗本人もそれなりに身体が頑強であるため、もしかしたら作中世界の人間基準ではそこまで問題の無い刑なのかもしれないが、現実で考えたら意識が飛ばない程度に身体に電流を100時間流し続けることは(食事や睡眠も挟まない可能性も考慮するならば、)死刑よりも惨い立派な拷問刑に値する。

しかし、「六方の手によって改造が施されていた」とあれば、上記の異常体制が通ったことに関しても、グリーンタウン条例も含めて全てが「六方による策略」の一面だった可能性もあるが、これに関してはなんとも言えない。
そもそもロックマンエグゼの世界の法制度が審判の木を抜きにしても現実のものとは大きく異なると思われるので、あまり現実の法制度を引き合いに出すべきではないのかもしれない。

ちなみに、キャプテン・クロヒゲの裁判の時は「弁護人席」にクロヒゲがおり、証人の熱斗が中央にいたが、被告人が中央にいないこの形は「民事事件」の位置関係になっている。
(祐一朗と六方の時は被告人が中央にいるため、「刑事事件」の位置関係になっている。)

自動運転インターネットに接続されている家電など「未来の技術」としてエグゼ作品内で描かれた技術が現実のものとなりつつある昨今だが、
実は「AIによる裁判」もまた現実に研究をされている技術で、2023年5月に東京大学で行われた「五月祭」にて、ChatGPTによる模擬裁判が行われ、その様子がニュース等でも報じられた。
とはいえ今のところはあくまで学園祭の「企画」に留まるレベルのようで、やはり実務において採用出来るレベルには未だ課題が多いようだ。
参考サイト

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最終更新:2025年02月24日 09:41