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ピーマン(野菜) - (2025/07/21 (月) 15:03:51) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2011/07/11(月) 01:23:49
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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&font(#008000){ピーマン}…それは
大多数の子供達が、苦手とし
食べさせようとする大人達を悪戦苦闘させる
緑のボディの青臭くて苦い
悪魔ッ! ……!!!
の、ような&bold(){野菜}である。
目次
#contents
*概要
----
[[ナス]]科の野菜で、形から分かる通り[[トウガラシ]]の仲間。
緑色で硬い果肉の中はスカスカで種が詰まっており、この果肉を調理して食べる。
生食も可能だが、加熱に強い(後述)ため、火を通して食べるのが一般的。
トウガラシ属であるが&font(#ff0000){カプサイシン(辛みのもと)}は含まれていない。
主に食卓に並ぶ&font(#008000){グリーンのピーマン}は未成熟なもので、青臭さと苦みがある。
*&font(#008000){ピーマン}の評価
----
&bold(){子供からは専ら不人気。}
その不人気さは凄く、
かなり昔から子供の苦手な野菜、といえば&font(#008000){ピーマン}であり
いかにして子供に&font(#008000){ピーマン}を食べさせるかが、お母さん達の永遠の課題であると言っても過言ではない。
実際、ミンチにしようがミキサーに掛けようが、分かる子には分かっちゃうので、結構ごまかすのが難しい。
しかし、それを乗り越えて&font(#008000){ピーマン}を食べさせた時の感動と達成感、料理のレパートリーの増え具合はナカナカのものなので、
是非とも[[お母さん]]達には頑張って頂きたいのだが…道のりの途中で、
「ここまで面倒臭いことして、&font(#008000){ピーマン}を食べさせる必要あるか?」と諦めてしまう人も多々いる。
ぶっちゃけ&font(#008000){ピーマン}1つ食べられないから不健康になるってほど人間の体はもろくはないので、
&font(#008000){ピーマン}&bold(){だけ}の好き嫌いならそれも仕方ないかもしれない。
&font(#008000){ピーマン}食べなくていいから[[ニンジン>ニンジン(野菜)]]を……なんて取引の材料に使われることもある。
それでも美味しい&font(#008000){ピーマン}料理は沢山あるので、頑張ってくださいお母さん方。
因みに大人になって味覚が変われば食べられるようになることもある…というよりこの苦味を好きな人も結構いる。
*&font(#008000){ピーマン}に関する豆知識
----
**&font(#008000){ピーマン}の歴史
元は[[トマト>トマト(野菜)]]と同じ中南米原産のナス科の植物。というか要するに辛くないトウガラシの栽培品種である。
それがハンガリーで品種改良されて現在のものになった。
余談になるが、ハンガリーには色・形・味がそれぞれ異なる130種以上の品種が存在する。
日本に流通するようになったのは第二次世界大戦後。
戦後に厳しい物価統制の規制が敷かれ、野菜を含む物資・食料が庶民の間で不足する事態が発生((闇市で価格高騰を防ぐための政府の勅令。価格の急激な低下により、消費急増でモノ不足になった))。
そんな中、まだ一般的ではなかった&font(#008000){ピーマン}は規制をすり抜けて一般家庭にも多く出回った。
育ちが早く一株から大量に収穫できる&font(#008000){ピーマン}は比較的安価で庶民に出回り、戦後の疲労した日本をビタミン不足から救ったのだ。
そんな頃は[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]の茎を煮て食べたりしていた過酷な時代だったので、苦いだ青臭いだなどとは言っていられず、皆が感謝して&font(#008000){ピーマン}を食べていたのである。
**&font(#008000){ピーマン}の産地と栽培
主な産地は、[[茨城県]]、[[宮崎県]]、[[高知県]]など。
旬は初夏から秋のはじめ頃まで。ハウス物なら一年中食べられる。
家庭菜園で取り扱う場合、種から育てるのはかなり難易度が高い。
一方、苗からであればプランターでも育てることが出来る。多少は不良な環境でも育ってくれるので庭やベランダの一角などでもちゃんと実をつけてくれる。
畑で育てる場合、ナス科植物同士で連作障害((同じ科の野菜を同じ畑で連続で栽培すると収穫物の品質が下がる現象))が発生する点には注意されたし。
**&font(#008000){ピーマン}の栄養
&font(#008000){ピーマン}に多く含まれるのはビタミンC。
免疫力強化や美肌に効くとされる万能ビタミンである。
その含有量はなんと&font(#ffdc00){レモン}と同等かそれ以上。
ビタミンCは普通、加熱すると熱に負けてしまう為、意外と効率的な摂取が難しかったりする。
が、この&font(#008000){ピーマン}は熱にも強い。
その理由は同時に含まれるビタミンP。
なんとこのビタミンP、身代わりとなってビタミンCが崩壊するのを防ぐ働きを持っているのだ。
さらにビタミンAやKも含んでいる為、積極的に食べたい野菜である。
***&font(#008000){ピーマン}には毒がある?
「&font(#008000){ピーマン}には&color(purple){アルカロイドという[[&color(purple){&bold(){毒}}>毒]]}が含まれているから摂りすぎると危険」という記事をインターネット上で読んだことがある人もいるだろう。
結論から言えば、普通にピーマンを食する分にはその点は&u(){全く気にしなくて良い}。
まず&color(purple){アルカロイド}とは、害虫を寄せ付けないために植物の多くが有する天然毒の一種。これが&font(#008000){ピーマン}に含まれているのは本当である。
ではどのくらい含まれているかというと、含有量は、100μg/kg以下(つまり、1キログラムのなかに100マイクログラム=0.1ミリグラム)と言われている。
一方、人間にとって&color(purple){アルカロイド}の致死量は約5gと言われており、&color(purple){アルカロイド}は肝臓で分解されるので体内に蓄積する事はない。
つまるところ、人間の場合、&bold(){50kgの&font(#008000){ピーマン}を肝臓の解毒代謝を上回るスピードで食べ続ければ致死量になる}という計算になる。
(なお、&font(#008000){ピーマン}の&color(purple){アルカロイド}は油溶性で油調理をすれば半分以下になるというデータもあるので、それが正しければ炒めた&font(#008000){ピーマン}なら&bold(){100kgほど必要となる})
&font(#008000){ピーマン}は大き目のものでも40g程度なので、&font(#008000){ピーマン}を死ぬまで食べるということが&bold(){どれほど簡単であるかは明らか}であろう。
もちろん、致死量まで行かずとも、身体に影響が出る程度まで食べるというだけでも果てしなく生ピーマンを食べ続ける必要がある。
子供の&font(#008000){ピーマン}嫌いの理由は&color(purple){アルカロイド}が過敏な神経に反応するから、という話を聞いたことがある人がいるかもしれないが、この点に関しては、科学的に正誤は証明されていない。
が、&font(#008000){ピーマン}を食べて命にかかわる子供がもしもいたとしたら、&font(#008000){ピーマン}を遠ざけるなどという目先の対策以前にもっと根本的なところに問題を疑ったほうが賢明であろう……。
&font(#008000){ピーマン}の苦みの理由が&color(purple){アルカロイド}の含有量という風説もあったが、これもガセ。
実際には、クエルシトリンというポリフェノールの一種が豊富であることが理由とされている((タキイ種苗と国立大学法人お茶の水女子大学の共同研究によるもの))。毒どころか、高血圧の予防や中性脂肪の吸収抑制などの良い効果が認められている。
**&font(#008000){ピーマン}と&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}
&font(#008000){ピーマン}とよく似た野菜に&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}がある。果肉の厚さや苦みの無さなどの違いはあるが、シルエットはほぼそっくり。
実はこの二種は品種的、もっと言えば遺伝子的には同じ種なのだが、栽培品種的に異なっている。
一般的な&font(#008000){ピーマン}は熟す前の未熟な状態で収穫されるが、これを成熟するまで待つと、苦みが抜けてカラフルな色がついたカラーピーマンになる。これの中でも大型で肉厚な品種が&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}と呼ばれているのだ。
そのため、NHK公式の2020応援ソング「パプリカ」で歌われている&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}は「花が咲いた時」を歌っているので、&bold(){それはまだ&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}ではなく&font(#008000){ピーマン}である可能性もある}。
*&font(#008000){ピーマン}料理
----
&bold(){◆&font(#008000){ピーマン}の肉詰め}
&font(#008000){ピーマン}料理と言えばこれを思い浮かべた方も多いだろう。
名前の通り、半分に切った&font(#008000){ピーマン}に挽き肉を詰めて、蒸し焼きにしたシンプルな料理。
&font(#008000){ピーマン}の風味と、お肉の肉汁が口の中で混ざり合うその味はまさに絶品。
最近は&font(#008000){ピーマン}専用のヘタ取り器も売っているので、半分に切らずヘタの部分だけをとりその中に肉を詰めた丸ごと&font(#008000){ピーマン}の肉詰めも作れるように。
しかし、シンプルな料理なので&font(#008000){ピーマン}が隠れてない、というか原型留めてる、名前に&font(#008000){ピーマン}って入ってるし。
なので&font(#008000){ピーマン}が嫌いな人は、好んで食べたがらない。
&bold(){◆[[青椒肉絲]]}
細切りにした&font(#008000){ピーマン}等の野菜と、[[豚肉]]もしくは牛肉を炒めた[[中華料理]]。
日本では牛肉が好んで使用されているが、本場中国では[[豚肉]]の方が一般的でまた青唐辛子を使うが、日本では陳建民の考案で手に入りやすい&font(#008000){ピーマン}で代用している。
オイスターソースやごま油、砂糖等の調味料を使い甘辛く調理されているので、
&font(#008000){ピーマン}を含む野菜の青臭さや苦味がちょっとだけ気にならなくなる。
しかし苦手な人の中には
「味なんか関係ねぇ!&font(#008000){ピーマン}という存在が嫌いなんだよ!」
と言う人もいるので、気づいたらお皿の端っこへ……なんてことも。
因みに、お肉が入っていない[[青椒肉絲]]を[[青椒肉絲]]というかはあなた次第。
「金がないときはいうんだよ!!」
&bold(){◆焼き&font(#008000){ピーマン}}
読んで字の如し&font(#008000){ピーマン}を焼いただけの料理。
調味料を使わずに焼くも良し、焼いている途中に[[醤油]]や焼き肉のタレで味付けをするも良し。
そして焦げ目のついた&font(#008000){ピーマン}を、「パリッ」と音を立てて食べるのは正に至福……
しかし……まぁ&font(#008000){ピーマン}を焼いただけなので苦味なんて消えないし、見た目もそのまんま。
なので嫌いな人は絶対に手を付けない。
バーベキューの際に、
「ほれ、肉ばっかり食ってないで野菜も食え。」
と、お節介なおじさんに、焼き&font(#008000){ピーマン}を取り皿へ入れられテンションが下がるのは、&font(#008000){ピーマン}嫌いなら誰でも通る道。
*創作における&font(#008000){ピーマン}嫌い
----
アニメや漫画のキャラクター(主に子供)の嫌いなモノとして設定されることが多い。[[クレヨンしんちゃん>野原しんのすけ]]などは代表と言えるだろう。究極までいくと、&font(#008000){ピーマン}が&bold(){致命的な弱点}として設定されているケースもある((主にギャグ漫画))。
以下、代表的な&font(#008000){ピーマン}嫌いのキャラクター
// 公式設定や苦手描写があるキャラクターについて、よろしければ追記お願いします
|キャラ名等|作品名等|備考|h
|[[野原しんのすけ]]|[[クレヨンしんちゃん]]|時によっては失神するほど苦手で、ゲームや劇場版も含め度々対峙している。&br()「ダメダメのうた」にも出てくる。|
|[[野比のび太]]|[[ドラえもん>ドラえもん(作品)]]|秘密道具で[[ジャイアン>ジャイアン(剛田武)]]と入れ替わり、入れ替わった先で&font(#008000){&bold(){大量のピーマン}}にひぃひぃ言わされるエピソードなどもある&footnote(ジャイアンには「ピーマンが好物」という公式設定がある。)。|
|土間うまる|[[干物妹!うまるちゃん]]||
|[[古谷向日葵]]|[[ゆるゆり]]|妹の前では頑張って食べる。|
|タヌ太郎|[[忍ペンまん丸]]||
|[[瀬川おんぷ]]|[[おジャ魔女どれみ]]||
|[[ゲゲゲの鬼太郎>ゲゲゲの鬼太郎(キャラクター)]]|[[ゲゲゲの鬼太郎(第5シリーズ)]]|第5シリーズのみの設定。|
|[[ボボボーボ・ボーボボ>ボボボーボ・ボーボボ(ボボボーボ・ボーボボ)]]|[[ボボボーボ・ボーボボ>ボボボーボ・ボーボボ(漫画)]]|初登場シーンにて、&font(#008000){ピーマン}が嫌いという理由で関東野菜連合に磔にされ引きずり回されていた。&br()苦手な理由は&bold(){しょっぱいから}。&color(#cccccc){%%この程度の話でツッコミを入れていたら身が持たないぞ!%%}|
|ぽろり・カジリアッチ3世|[[にこにこぷん]]||
|ライリー・アンダーソン|[[インサイド・ヘッド]]|アメリカ版では[[ブロッコリー>ブロッコリー(野菜)]]とされているが、日本版では&font(#008000){ピーマン}と設定されており、&bold(){映像もブロッコリーから&font(#008000){ピーマン}に差し代わっている}&footnote(劇中、ライリーのトラウマの具現化として「ブロッコリーの林」というものが出てくるのだが、日本語版ではここも差し替えられて「ピーマンの林」になっている。そのおかげで「ただバカでかいピーマンが並んでいるだけ」という非常にシュールな画に。)。|
|デュース・スペード|[[ディズニー ツイステッドワンダーランド]]||
|[[聖あげは/キュアバタフライ]]|[[ひろがるスカイ!プリキュア]]||
|桃月心也|ももくり||
|[[氷室幻徳/ナイトローグ/仮面ライダーローグ]]|[[仮面ライダービルド]]||
|[[アカニンジャー/伊賀崎天晴]]|[[手裏剣戦隊ニンニンジャー]]|[[青椒肉絲]]のように調理した物なら平気。|
|西片|[[からかい上手の高木さん]]|好き嫌いが娘のちーに遺伝しており、スピンオフ『からかい上手の(元)高木さん』では娘の教育兼「からかい」として頻繁にピーマン料理を食わされている。&br()アニメ版では20数年後と現代のエピソードが交互に描かれ、父娘揃ってピーマンで「からかわれる」姿が描かれた。|
|イヴ|[[Ib>Ib(フリーゲーム)]]||
|[[高坂穂乃果]]|[[ラブライブ!]]|[[スクフェス>ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル]]のホーム画面で度々&font(#008000){ピーマン}が苦手であることを呟いている。|
|[[桜内梨子]]|[[ラブライブ!サンシャイン!!]]||
|[[西住みほ>西住みほ(ガールズ&パンツァー)]]|[[ガールズ&パンツァー]]||
|[[コレット・ブルーネル]]|[[テイルズ オブ シンフォニア]]|本作にはピーマン型の敵キャラが登場する。|
|[[リオン・マグナス]]|[[テイルズ オブ デスティニー]]|ニンジンも嫌い。大人ぶってはいるが味覚がお子様なのである。|
|[[ジューダス]]|[[テイルズ オブ デスティニー2]]|同じくニンジンも嫌い。基本的に真面目な彼の珍しいギャグシーンであるが、同時に&s(){バレバレの}正体の伏線でもある。|
|[[桐生一馬]]|龍が如くシリーズ|こっそり残していることが同居している少女にバレている。|
|[[ワリオ]]|ワリオシリーズ|ピーマン以外にもピーナッツチョコレート、マロングラッセ、スーパーキノコも嫌い。|
*余談
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-『タネなっピー』という種のない&font(#008000){ピーマン}も登場した。&br()横浜植木株式会社が品種改良を行った種で、苦くないことも売りであるという。
-『[[アンパンマン]]』には多くの擬人化野菜が登場する。では&font(#008000){ピーマン}はどうかというと&font(#008000){ピーマン}トリオという3兄弟で登場。&font(#008000){ピーマン}・&font(#ff0000){あかピーマン}・&font(#ffdc00){きいろピーマン}の3兄弟で、アンパンマンキャラの例に漏れず&font(#008000){ピーマン}料理を子供たちに広めるために活躍しているとか。ちなみに&color(#ff0000){あかピーマン}のみ女の子。&color(#cccccc){%%さすがにピーマンマンは無理があったようだ%%}
-絵本において擬人化された食べ物が登場するのは定番だが、ピーマンのキャラクターが登場する作品も数多い。&br()特に有名どころの『グリーンマントのピーマンマン』は子供に嫌われながらもバイキンから子供たちを守るヒーローの中のヒーローである。
-近年、品種改良により苦くない&font(#008000){ピーマン}…「&font(#008000){こどもピーマン}」なるものが出回るようになった。&br()食べた大人曰く「確かに苦くはないけど&font(#008000){ピーマン}としていまいち」&br()&br()&font(#008000){ピーマン}の明日はどっちだ。
おじさん「ほれ、肉ばっかり食ってないで、&font(#008000){ピーマン}もしっかり食え。でないと追記・修正できないぞ?ハッハッハ…」
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#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
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&font(#008000){ピーマン}…それは
大多数の子供達が、苦手とし
食べさせようとする大人達を悪戦苦闘させる
緑のボディの青臭くて苦い
悪魔ッ! ……!!!
の、ような&bold(){野菜}である。
目次
#contents
*概要
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[[ナス]]科の野菜で、形から分かる通り[[トウガラシ]]の仲間。
緑色で硬い果肉の中はスカスカで種が詰まっており、この果肉を調理して食べる。
生食も可能だが、加熱に強い(後述)ため、火を通して食べるのが一般的。
トウガラシ属であるが&font(#ff0000){カプサイシン(辛みのもと)}は含まれていない。
主に食卓に並ぶ&font(#008000){グリーンのピーマン}は未成熟なもので、青臭さと苦みがある。
*&font(#008000){ピーマン}の評価
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&bold(){子供からは専ら不人気。}
その不人気さは凄く、
かなり昔から子供の苦手な野菜、といえば&font(#008000){ピーマン}であり
いかにして子供に&font(#008000){ピーマン}を食べさせるかが、お母さん達の永遠の課題であると言っても過言ではない。
実際、ミンチにしようがミキサーに掛けようが、分かる子には分かっちゃうので、結構ごまかすのが難しい。
しかし、それを乗り越えて&font(#008000){ピーマン}を食べさせた時の感動と達成感、料理のレパートリーの増え具合はナカナカのものなので、
是非とも[[お母さん]]達には頑張って頂きたいのだが…道のりの途中で、
「ここまで面倒臭いことして、&font(#008000){ピーマン}を食べさせる必要あるか?」と諦めてしまう人も多々いる。
ぶっちゃけ&font(#008000){ピーマン}1つ食べられないから不健康になるってほど人間の体はもろくはないので、
&font(#008000){ピーマン}&bold(){だけ}の好き嫌いならそれも仕方ないかもしれない。
&font(#008000){ピーマン}食べなくていいから[[ニンジン>ニンジン(野菜)]]を……なんて取引の材料に使われることもある。
それでも美味しい&font(#008000){ピーマン}料理は沢山あるので、頑張ってくださいお母さん方。
因みに大人になって味覚が変われば食べられるようになることもある…というよりこの苦味を好きな人も結構いる。
*&font(#008000){ピーマン}に関する豆知識
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**&font(#008000){ピーマン}の歴史
元は[[トマト>トマト(野菜)]]と同じ中南米原産のナス科の植物。というか要するに辛くないトウガラシの栽培品種である。
それがハンガリーで品種改良されて現在のものになった。
余談になるが、ハンガリーには色・形・味がそれぞれ異なる130種以上の品種が存在する。
日本に流通するようになったのは第二次世界大戦後。
戦後に厳しい物価統制の規制が敷かれ、野菜を含む物資・食料が庶民の間で不足する事態が発生((闇市で価格高騰を防ぐための政府の勅令。価格の急激な低下により、消費急増でモノ不足になった))。
そんな中、まだ一般的ではなかった&font(#008000){ピーマン}は規制をすり抜けて一般家庭にも多く出回った。
育ちが早く一株から大量に収穫できる&font(#008000){ピーマン}は比較的安価で庶民に出回り、戦後の疲労した日本をビタミン不足から救ったのだ。
そんな頃は[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]の茎を煮て食べたりしていた過酷な時代だったので、苦いだ青臭いだなどとは言っていられず、皆が感謝して&font(#008000){ピーマン}を食べていたのである。
**&font(#008000){ピーマン}の産地と栽培
主な産地は、[[茨城県]]、[[宮崎県]]、[[高知県]]など。
旬は初夏から秋のはじめ頃まで。ハウス物なら一年中食べられる。
家庭菜園で取り扱う場合、種から育てるのはかなり難易度が高い。
一方、苗からであればプランターでも育てることが出来る。多少は不良な環境でも育ってくれるので庭やベランダの一角などでもちゃんと実をつけてくれる。
畑で育てる場合、ナス科植物同士で連作障害((同じ科の野菜を同じ畑で連続で栽培すると収穫物の品質が下がる現象))が発生する点には注意されたし。
**&font(#008000){ピーマン}の栄養
&font(#008000){ピーマン}に多く含まれるのはビタミンC。
免疫力強化や美肌に効くとされる万能ビタミンである。
その含有量はなんと&font(#ffdc00){レモン}と同等かそれ以上。
ビタミンCは普通、加熱すると熱に負けてしまう為、意外と効率的な摂取が難しかったりする。
が、この&font(#008000){ピーマン}は熱にも強い。
その理由は同時に含まれるビタミンP。
なんとこのビタミンP、身代わりとなってビタミンCが崩壊するのを防ぐ働きを持っているのだ。
さらにビタミンAやKも含んでいる為、積極的に食べたい野菜である。
***&font(#008000){ピーマン}には毒がある?
「&font(#008000){ピーマン}には&color(purple){アルカロイドという[[&color(purple){&bold(){毒}}>毒]]}が含まれているから摂りすぎると危険」という記事をインターネット上で読んだことがある人もいるだろう。
結論から言えば、普通にピーマンを食する分にはその点は&u(){全く気にしなくて良い}。
まず&color(purple){アルカロイド}とは、害虫を寄せ付けないために植物の多くが有する天然毒の一種。これが&font(#008000){ピーマン}に含まれているのは本当である。
ではどのくらい含まれているかというと、含有量は、100μg/kg以下(つまり、1キログラムのなかに100マイクログラム=0.1ミリグラム)と言われている。
一方、人間にとって&color(purple){アルカロイド}の致死量は約5gと言われており、&color(purple){アルカロイド}は肝臓で分解されるので体内に蓄積する事はない。
つまるところ、人間の場合、&bold(){50kgの&font(#008000){ピーマン}を肝臓の解毒代謝を上回るスピードで食べ続ければ致死量になる}という計算になる。
(なお、&font(#008000){ピーマン}の&color(purple){アルカロイド}は油溶性で油調理をすれば半分以下になるというデータもあるので、それが正しければ炒めた&font(#008000){ピーマン}なら&bold(){100kgほど必要となる})
&font(#008000){ピーマン}は大き目のものでも40g程度なので、&font(#008000){ピーマン}を死ぬまで食べるということが&bold(){どれほど簡単であるかは明らか}であろう。
もちろん、致死量まで行かずとも、身体に影響が出る程度まで食べるというだけでも果てしなく生ピーマンを食べ続ける必要がある。
子供の&font(#008000){ピーマン}嫌いの理由は&color(purple){アルカロイド}が過敏な神経に反応するから、という話を聞いたことがある人がいるかもしれないが、この点に関しては、科学的に正誤は証明されていない。
が、&font(#008000){ピーマン}を食べて命にかかわる子供がもしもいたとしたら、&font(#008000){ピーマン}を遠ざけるなどという目先の対策以前にもっと根本的なところに問題を疑ったほうが賢明であろう……。
&font(#008000){ピーマン}の苦みの理由が&color(purple){アルカロイド}の含有量という風説もあったが、これもガセ。
実際には、クエルシトリンというポリフェノールの一種が豊富であることが理由とされている((タキイ種苗と国立大学法人お茶の水女子大学の共同研究によるもの))。毒どころか、高血圧の予防や中性脂肪の吸収抑制などの良い効果が認められている。
**&font(#008000){ピーマン}と&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}
&font(#008000){ピーマン}とよく似た野菜に&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}がある。果肉の厚さや苦みの無さなどの違いはあるが、シルエットはほぼそっくり。
実はこの二種は品種的、もっと言えば遺伝子的には同じ種なのだが、栽培品種的に異なっている。
一般的な&font(#008000){ピーマン}は熟す前の未熟な状態で収穫されるが、これを成熟するまで待つと、苦みが抜けてカラフルな色がついたカラーピーマンになる。これの中でも大型で肉厚な品種が&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}と呼ばれているのだ。
そのため、NHK公式の2020応援ソング「パプリカ」で歌われている&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}は「花が咲いた時」を歌っているので、&bold(){それはまだ&font(#ff0000){パ}&font(#ffdc00){プ}&font(#ff0000){リ}&font(#ffdc00){カ}ではなく&font(#008000){ピーマン}である可能性もある}。
*&font(#008000){ピーマン}料理
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&bold(){◆&font(#008000){ピーマン}の肉詰め}
&font(#008000){ピーマン}料理と言えばこれを思い浮かべた方も多いだろう。
名前の通り、半分に切った&font(#008000){ピーマン}に挽き肉を詰めて、蒸し焼きにしたシンプルな料理。
&font(#008000){ピーマン}の風味と、お肉の肉汁が口の中で混ざり合うその味はまさに絶品。
最近は&font(#008000){ピーマン}専用のヘタ取り器も売っているので、半分に切らずヘタの部分だけをとりその中に肉を詰めた丸ごと&font(#008000){ピーマン}の肉詰めも作れるように。
しかし、シンプルな料理なので&font(#008000){ピーマン}が隠れてない、というか原型留めてる、名前に&font(#008000){ピーマン}って入ってるし。
なので&font(#008000){ピーマン}が嫌いな人は、好んで食べたがらない。
&bold(){◆[[青椒肉絲]]}
細切りにした&font(#008000){ピーマン}等の野菜と、[[豚肉]]もしくは牛肉を炒めた[[中華料理]]。
日本では牛肉が好んで使用されているが、本場中国では[[豚肉]]の方が一般的でまた青唐辛子を使うが、日本では陳建民の考案で手に入りやすい&font(#008000){ピーマン}で代用している。
オイスターソースやごま油、砂糖等の調味料を使い甘辛く調理されているので、
&font(#008000){ピーマン}を含む野菜の青臭さや苦味がちょっとだけ気にならなくなる。
しかし苦手な人の中には
「味なんか関係ねぇ!&font(#008000){ピーマン}という存在が嫌いなんだよ!」
と言う人もいるので、気づいたらお皿の端っこへ……なんてことも。
因みに、お肉が入っていない[[青椒肉絲]]を[[青椒肉絲]]というかはあなた次第。
「金がないときはいうんだよ!!」
&bold(){◆焼き&font(#008000){ピーマン}}
読んで字の如し&font(#008000){ピーマン}を焼いただけの料理。
調味料を使わずに焼くも良し、焼いている途中に[[醤油]]や焼き肉のタレで味付けをするも良し。
そして焦げ目のついた&font(#008000){ピーマン}を、「パリッ」と音を立てて食べるのは正に至福……
しかし……まぁ&font(#008000){ピーマン}を焼いただけなので苦味なんて消えないし、見た目もそのまんま。
なので嫌いな人は絶対に手を付けない。
バーベキューの際に、
「ほれ、肉ばっかり食ってないで野菜も食え。」
と、お節介なおじさんに、焼き&font(#008000){ピーマン}を取り皿へ入れられテンションが下がるのは、&font(#008000){ピーマン}嫌いなら誰でも通る道。
*創作における&font(#008000){ピーマン}嫌い
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アニメや漫画のキャラクター(主に子供)の嫌いなモノとして設定されることが多い。[[クレヨンしんちゃん>野原しんのすけ]]などは代表と言えるだろう。究極までいくと、&font(#008000){ピーマン}が&bold(){致命的な弱点}として設定されているケースもある((主にギャグ漫画))。
以下、代表的な&font(#008000){ピーマン}嫌いのキャラクター
// 公式設定や苦手描写があるキャラクターについて、よろしければ追記お願いします
|キャラ名等|作品名等|備考|h
|[[野原しんのすけ]]|[[クレヨンしんちゃん]]|時によっては失神するほど苦手で、ゲームや劇場版も含め度々対峙している。&br()「ダメダメのうた」にも出てくる。|
|[[野比のび太]]|[[ドラえもん>ドラえもん(作品)]]|秘密道具で[[ジャイアン>ジャイアン(剛田武)]]と入れ替わり、入れ替わった先で&font(#008000){&bold(){大量のピーマン}}にひぃひぃ言わされるエピソードなどもある&footnote(ジャイアンには「ピーマンが好物」という公式設定がある。)。|
|土間うまる|[[干物妹!うまるちゃん]]||
|[[古谷向日葵]]|[[ゆるゆり]]|妹の前では頑張って食べる。|
|タヌ太郎|[[忍ペンまん丸]]||
|[[瀬川おんぷ]]|[[おジャ魔女どれみ]]||
|[[ゲゲゲの鬼太郎>ゲゲゲの鬼太郎(キャラクター)]]|[[ゲゲゲの鬼太郎(第5シリーズ)]]|第5シリーズのみの設定。|
|[[ボボボーボ・ボーボボ>ボボボーボ・ボーボボ(ボボボーボ・ボーボボ)]]|[[ボボボーボ・ボーボボ>ボボボーボ・ボーボボ(漫画)]]|初登場シーンにて、&font(#008000){ピーマン}が嫌いという理由で関東野菜連合に磔にされ引きずり回されていた。&br()苦手な理由は&bold(){しょっぱいから}。&color(#cccccc){%%この程度の話でツッコミを入れていたら身が持たないぞ!%%}|
|ぽろり・カジリアッチ3世|[[にこにこぷん]]||
|ライリー・アンダーソン|[[インサイド・ヘッド]]|アメリカ版では[[ブロッコリー>ブロッコリー(野菜)]]とされているが、日本版では&font(#008000){ピーマン}と設定されており、&bold(){映像もブロッコリーから&font(#008000){ピーマン}に差し代わっている}&footnote(劇中、ライリーのトラウマの具現化として「ブロッコリーの林」というものが出てくるのだが、日本語版ではここも差し替えられて「ピーマンの林」になっている。そのおかげで「ただバカでかいピーマンが並んでいるだけ」という非常にシュールな画に。)。|
|デュース・スペード|[[ディズニー ツイステッドワンダーランド]]||
|[[聖あげは/キュアバタフライ]]|[[ひろがるスカイ!プリキュア]]||
|桃月心也|ももくり||
|[[氷室幻徳/ナイトローグ/仮面ライダーローグ]]|[[仮面ライダービルド]]||
|[[アカニンジャー/伊賀崎天晴]]|[[手裏剣戦隊ニンニンジャー]]|[[青椒肉絲]]のように調理した物なら平気。|
|西片|[[からかい上手の高木さん]]|好き嫌いが娘のちーに遺伝しており、スピンオフ『からかい上手の(元)高木さん』では娘の教育兼「からかい」として頻繁にピーマン料理を食わされている。&br()アニメ版では20数年後と現代のエピソードが交互に描かれ、父娘揃ってピーマンで「からかわれる」姿が描かれた。|
|イヴ|[[Ib>Ib(フリーゲーム)]]||
|[[高坂穂乃果]]|[[ラブライブ!]]|[[スクフェス>ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル]]のホーム画面で度々&font(#008000){ピーマン}が苦手であることを呟いている。|
|[[桜内梨子]]|[[ラブライブ!サンシャイン!!]]||
|[[西住みほ>西住みほ(ガールズ&パンツァー)]]|[[ガールズ&パンツァー]]||
|[[コレット・ブルーネル]]|[[テイルズ オブ シンフォニア]]|本作にはピーマン型の敵キャラが登場する。|
|[[リオン・マグナス]]|[[テイルズ オブ デスティニー]]|ニンジンも嫌い。大人ぶってはいるが味覚がお子様なのである。|
|[[ジューダス]]|[[テイルズ オブ デスティニー2]]|同じくニンジンも嫌い。基本的に真面目な彼の珍しいギャグシーンであるが、同時に&s(){バレバレの}正体の伏線でもある。|
|[[桐生一馬>桐生一馬(龍が如く)]]|龍が如くシリーズ|こっそり残していることが同居している少女にバレている。|
|[[ワリオ]]|ワリオシリーズ|ピーマン以外にもピーナッツチョコレート、マロングラッセ、スーパーキノコも嫌い。|
*余談
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-『タネなっピー』という種のない&font(#008000){ピーマン}も登場した。&br()横浜植木株式会社が品種改良を行った種で、苦くないことも売りであるという。
-『[[アンパンマン]]』には多くの擬人化野菜が登場する。では&font(#008000){ピーマン}はどうかというと&font(#008000){ピーマン}トリオという3兄弟で登場。&font(#008000){ピーマン}・&font(#ff0000){あかピーマン}・&font(#ffdc00){きいろピーマン}の3兄弟で、アンパンマンキャラの例に漏れず&font(#008000){ピーマン}料理を子供たちに広めるために活躍しているとか。ちなみに&color(#ff0000){あかピーマン}のみ女の子。&color(#cccccc){%%さすがにピーマンマンは無理があったようだ%%}
-絵本において擬人化された食べ物が登場するのは定番だが、ピーマンのキャラクターが登場する作品も数多い。&br()特に有名どころの『グリーンマントのピーマンマン』は子供に嫌われながらもバイキンから子供たちを守るヒーローの中のヒーローである。
-近年、品種改良により苦くない&font(#008000){ピーマン}…「&font(#008000){こどもピーマン}」なるものが出回るようになった。&br()食べた大人曰く「確かに苦くはないけど&font(#008000){ピーマン}としていまいち」&br()&br()&font(#008000){ピーマン}の明日はどっちだ。
おじさん「ほれ、肉ばっかり食ってないで、&font(#008000){ピーマン}もしっかり食え。でないと追記・修正できないぞ?ハッハッハ…」
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