パワー9(MtG)

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&font(#6495ED){登録日}:2009/05/27 (水) 21:37:35 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- &bold(){パワー9(パワーナイン、Power 9)}は、[[Magic the Gathering]]の黎明期とも言える、 アルファ・ベータ・アンリミテッド環境当時に存在した、&bold(){あまりに強大な力をもった9枚のカード}の総称。 概要 #blockquote(){[[Black Lotus]] (0) アーティファクト Black Lotusを生贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ3点を加える。 } #blockquote(){Time Walk (1)(青) ソーサリー &bold(){あなたはこのターンに続いて追加の1ターンを行う。} } #blockquote(){Timetwister (2)(青) ソーサリー 各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。その後、カードを7枚引く。 } #blockquote(){Ancestral Recall (青) インスタント プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは&bold(){カードを3枚引く}。 } #blockquote(){[[Mox>Mox(MtG)]] Pearl (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(白)を加える } #blockquote(){Mox Sapphire (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(青)を加える } #blockquote(){Mox Jet (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(黒)を加える } #blockquote(){Mox Ruby (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(赤)を加える } #blockquote(){Mox Emerald (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(緑)を加える } 以上の9枚がパワー9と呼ばれるカードである。 その強さに関してはリンク先の項目を見ていただくとして、「パワー9」なんて大層な称号をもらっているのだから圧倒的に強い。 とはいえ「追加ターン」と書いてある《Time Walk》以外の効果は、他TCGのプレイヤーには通じにくいかもしれない。 ざっくばらんとした説明になるが、このゲームは「1ターンに1枚しか土地を出せない=マナを1ターンに1つしか伸ばせない」という根本的な部分があることを留意していただきたい。 ・どのタイミングでも使える1マナ3ドロー(現在の相場だと5マナ) ・非常に軽いコストで追加ターンを得る(現在の相場だと5マナ以上) ・すべてのプレイヤーの消耗した山札と手札を疑似的に初期状態に戻す((遊戯王の禁止カード「ファイバーポッド」あたりが近い。ロックマンエグゼ3でぶっ壊れと名高い「フォルダリターン」なんかもある意味近いか)) ・一時的だが3ターン分のマナ・ジャンプ(1ターン目に4~5マナあたりに手が届く=相手に先んじてパワーカードを展開できる) ・マナ源を追加で展開。土地とは別扱い って感じ。 こう書くとその凶悪さは分かるかもしれない。しかもいずれも[[レアリティ>レアリティ(MtG)]]はレア。 現在のカードとはもちろん、当時からしても次元の違うぶっ飛んだ強さゆえ、誰もが当たり前のようにデッキに投入する。そして少ないコストで多大な効果を得られるこれらのカードは環境を大きく定義する。 「デッキに投入しないと勝てない・入れなければならない」という誤った認識さえ生まれるほど((そもそも「当たり前のようにデッキに投入する」って文章自体がこの誤った認識そのものである。))。 現在はヴィンテージでのみ各種1枚ずつ使用可能で、他のフォーマットでは基本的に[[禁止カード>禁止カード(Mtg)]]かそもそも使用不可カード扱い。 一応《Timetwister》は[[統率者戦>統率者戦/EDH(MtG)]]では使用禁止されていないので使える。むしろ&bold(){統率者需要のせいで下手なパワー9よりも値段が高くなっている}なんて話もあるくらい。 9枚のうち6枚が0マナのマナ・アーティファクトであり、TCGにおいて最上級の汎用性を持つ。 特に《Black Lotus》と色の合うMoxに関しては「本来よりも数ターン早く行動できる」ため、入れない理由がほとんどない。 さすがに色の合わないMoxまで「どんなデッキにも入る」というのは言い過ぎだが、Moxより使いづらいように調整されたものすらスタンダードやモダンでたびたび規制されていることからもカードパワーはずば抜けて高い。 もちろん無色マナでもとにかく加速して重いカードを素早く唱えるデッキや、そもそも0マナのアーティファクトという唱えやすい呪文・揃えやすい頭数という性質を見込んでフル投入するデッキも珍しくない。 残りの3枚はそろいもそろって[[青>青/Blue(MtG)]]の呪文である。青の呪文は簡単に投入出来ないように見えるが、青マナ要求はどれも1マナだけな上に青マナを出せるMoxがあるのでやっぱり簡単にデッキに入る……というよりもこの3枚の存在に加え、青には他の色に比べてドロー、追加ターン、ブロック不可、打ち消し、カードのアンタップ(≒ターン1回制限効果の再利用)やスペルの再利用など、 「システム的に強力なカード」が多いので「&bold(){デッキを青に寄せる}」という理由になってしまう。とはいえ、当然だがそれらの理由を加味しても青に寄せないようなデッキには入らない。 さすがに世界初のTCGであり、「前例やノウハウがない」からこそ生み出されたカードといえるだろう。 最近でも新規TCGは出てくるが、MTGをはじめとしたこれらの前例のせいで「マナ加速、追加ターン、過剰なドロー」の3つに関してはかなり警戒されたデザインになっている。 逆にこの前例があまり重要視されていなかった時代のTCG、特にポケモンカード、デュエルマスターズ、遊戯王などの最初期のぶっ壊れカードの話は今でもオタクたちに好まれる話題である。 取引価格もニアミント(美品の最低基準)以上であれば非常に高額になり、プア(非常に傷が多いもの)のものですら取引対象となる。 ちなみに2017年3月現在、一番価値の低い「アンリミテッドのヘビープレイド9枚セット」(印刷枚数が多い+スリーブに入れてないとマークドで反則になるレベルのヨレヨレカード9枚)が&bold(){120万}である((この話を書いたのとは別の筆者だが、2010年前後にあるショップのショーケースで「パワー9セット一式で60万円」というのを見たことがある。状態は覚えていないものの、当然だが60万円でショップじゅうで話題になるほどの高嶺の花扱いだった。))。 なお「パワー9」という言葉は「高いパワーを持つカード上位9枚」の事では無く、マジック史においても重要な意味を持つ上記9枚に対する尊称である。 出現から長い月日が経ち、カード・プールの拡大に従って、これらよりも高いパワーを持つカードも生まれつつある((っていうかすでに《Wheel of Fortune》《悪魔の教示者》《太陽の指輪》あたりは相当強かった。))。 例えば《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》などがそうであるが、それらが上記9枚に取って代わったり、数が加わって新しく「パワー10」「パワー11」を名乗ったりする事は無い。 一応[[ある1枚>Library of Alexandria(MtG)]]が黎明期のプレイヤーに特別に仲間入りを許されたため「パワー10」と言われる事はあるのだがそれはまた別の話だし、&bold(){そもそも現在パワー10なんて言うと大体この話になってめんどくさい}のでまず言われない。とはいえパワー9の末席として参入を許されたという唯一の実績を持つカードではある。 そしてこれらのカードはこの高いカードパワーゆえの需要と初期にしか印刷されなかった希少性、パワー9という名前を付けられたことにより爆上がりした知名度から値段は沸騰した。コレクターの資産価値を保証するため、再録が&bold(){紙媒体では絶対にされない事が保証}されている(再録禁止カード)。 その為今後もこれらのカードの値段は上昇していくと予想されており、実際MTGが始まってから今に至るまで&bold(){ずっと値上がりが続いている}((よく言えば「MTGプレイヤーが高齢化したことで資産に余裕ができたことから「憧れに手を出す」ことができるようになって需要が高まっていること」、悪く言えば「再録禁止が保証されている=絶対に値段が高くなる上に需要があることが明確なのでバイヤーの介入を非常に招きやすいこと」などが要因。))。 MTGでは「カードが欲しいならその時買え」とよく言われるのはこれが理由。つまり&bold(){あなたがこの項目を読んでいる今現在はもっと値段が高いかもしれない}、ということ。言い方を変えれば「&bold(){&color(#F54738){ヴィンテージや統率者戦でさんざん遊んだ後にカードを売るとなぜか買った時より金が増えた}}」なんてことが起こるというわけ。 いつかバブルがはじけるだろうと言われ続けて20年近く、いまだに値段が上がり続けている。 TBSの番組『東京フレンドパーク』のダーツの景品として、格闘家の佐竹雅昭(MtGフリーク)氏が &bold(){「アルファのジェムミントのパワー9全種」}(つまり「初期ロットの最美品」=最も価値の高いカード)を要求した。 だが番組が調べた結果、その合計金額は&bold(){パジェロより高くなる}ことが判明し、 結果、《Black Lotus》《Ancestral Recall》の二枚&bold(){(当時の価値で総額10万円。二枚で)}で妥協した、しかもアルファジェムミントではないもので。 なお佐竹氏はこの放送でダーツを外し、結局後日コレクターから買ったとのこと。 念のため言っておくが、当時でも《Black Lotus》の「リミテッドエディション・アルファ、ニアミント」(初期ロット+パックから出てきたばかりくらいの美品+9枚の中で最高価値)1枚で120万が相場である。現在は驚きの&bold(){2000万円}。 当時のレートでもアルファジェムミントなら、パワー9最安値の《Mox Emerald》でも20万は軽く越えてくる。 このクラスのカード9枚となれば、そりゃパジェロより高くなるのも納得出来るだろう。2021年に同じことやったら果たして買い戻せるかどうか……。 これらは後のマジック界にも影響を与えており、多くのカード・デザインの基礎(と言っても、&bold(){反面教師}的な立場ではあるが)となり、また数多くの調整版・リメイク版の亜種も生まれた。 パワー9そのものも世界大会優勝者に送られる「盾(トロフィー)」代わりのカードに選ばれる事がある。大判カードで公式に使うことはできない(使えてもデカ過ぎて不便)なのでこれは再録禁止には抵触しない。 ぶっ壊れカードの多いTCGの歴史であるが、パワー9はTCG史上初のぶっ壊れカードと名高い。マジックは詳しくないが、パワー9なら知っているというプレイヤーも多い。 特に《Black Lotus》はその名前の憶えやすさと値段から「&bold(){面積だけなら銀座の土地より高い}」「粉末にするとふりかけはパジェロより高くつくらしいが&bold(){ロータスはもっと高い}」「高級車は移動できるだけだが&bold(){ロータスは3マナを出せる}」など、しょっちゅう大喜利のネタにされる。&s(){ここまでくるとヴィンテージワインである} また、MTGひいてはTCGプレイヤー・コレクターにとってパワー9の所持は憧れであり、一種のステータスとしても機能する。 コレクターの中でも印刷された時期で格がついており、できれば高いほうを買いたいと思っているうちにどんどん値段があがっていく。 遊戯王原作の初期には、海場社長が作中でレアカード《青眼の白龍》のためにコレクターを自殺に追い込んだというなかなかロックな話が出てくるが、実は似たような話で2012年に「&bold(){《Black Lotus》をはじめとしたカードコレクションを目当てにした殺人事件}」という話が報道された。これは純粋な窃盗目的だったらしいが、加害者もプレイヤーだった。 また、「息子のコレクションを断捨離する」という名目でヤフオクに出品されたことが「&bold(){こんなの息子自殺するだろ}」と大きな話題を呼んだ(結局偽造カードを売るための話題作りだったようだ)。 当然ここまで高額なカードなので偽造の話も多く、古いカードゆえに印刷技術が悪いこと、状態が悪いものも多いため偽造のハードルもかなり低い((現在は見破るための技術が高まっていることから一概にそうとも言えない。))。 上記のヤフオクの話もそうだし「カナダで捕まったカードの偽造団が一番印刷していたのが《Time Walk》だった」「本国で偽造したカードをトレカ大国の日本に持ってきて売ろうとする。言葉が通じないふりをしてボケ通す」など、暗い話題にも事欠かない((というか今更紙のパワー9の話になると、大体話題が暗くなってしまう。レスバトルの定番「再録禁止撤廃論VS買えないお前が貧乏人」とか「コレクターに2EDのアンリコは2枚しか引けないんですよ~と嫌味ったらしい冗談言われた」とか。))。 さて、このパワー9は現在ヴィンテージでしか使えず、そのヴィンテージでは「ほとんど投入されている」と思われがちである。確かに一時期はMox全投入(ついでにアンリコとタイムウォークもほぼ投入((青いってことは《意志の力》や《誤った指図》も使える=めっちゃ強い。特に「FoWとブレスト使える青は強い」は当時のエターナル環境の基本の考え)))のデッキが当然だったため完全に間違った認識ではない。 書いてあることが強いし、特に色の合わないMoxも「重いカードを素早く唱える」という理念に合う。1ターン目に4マナとか5マナのカードが出てきたらゲームにならないのだ。 しかしカードの質が上がり戦略が洗練されるにつれて「1マナ加速しかしない色の合わないMoxより、それらのパワーカードの密度を高めたほうがいい」という理屈から、必要分のMoxしか使わない方向にシフトしていくことになる。 当時はアーティファクト対策が横行しているという環境の事情もあるし、その後も主に白のカードに「1~2マナで使える強力なメタ能力持ちカード」が増えていったので、現在ではMoxをフル投入しないデッキもだいぶ多くなってきた。 特殊な戦略をとるドレッジに1枚も入らないのは有名だが、それ以外ならどんなデッキにも入りそうな《Black Lotus》すら&bold(){ホロウヴァインなどにも入れないレシピがある}。 ヴィンテージのデス&タックス(白ウィニー)では、パワー9のうち青の3枚を入れないことも多い。デッキが青くないんだから当然である。 これらのカードは相当に強力なのだが、使える環境では「&bold(){デッキの方向性にがっちりマッチしてない限り入らない}」って意味では他環境どころか他のTCGと全く同じなのである。その方向性が指す範囲がやたら広いってだけで。 また、これらのカードが中心に存在することを利用した戦略というのも存在する。 最近のプレイヤーにもわかりやすい例を言うと、たとえば&bold(){Moxなんてオーコに鹿にされてオースからエムラを呼ぶための餌にされる}。 非常に極端な例だし、もちろんそのうえでMoxは強いのだが、「パワー9を採用するデッキが多いことを前提にした戦略が組まれ、それらのデッキにもパワー9を入れることができる」という意味では結構バランスはとれているってわけ。 ヴィンテージは&bold(){パワー9をはじめとした他環境の禁止カードが許されているからと言ってよくプレイヤーが想像するような世紀末環境というわけではない}点には留意していただきたい。 やってみると多様性もあって「意外と普通のMTGだな」ってなる…っていうか下手な時期のスタン((オーコ))より全然平和だったり。 まぁこの辺の認識の相違はヴィンテージプレイヤー自体が少ない事もあって実態が伝わり辛いという一面から来るものではあるが。 いくら強いカードでも、どんなデッキにも無条件に入るわけではないのだ((余談となるが、かつて遊戯王の《強欲な壺》をはじめとした「必須カード群」やポケモンカードの《オーキドはかせ》《エネルギー・リムーブ》などはどんなデッキにも入るカードだった。この時期のカードゲームをプレイしたことがあると、「強いならどんなデッキにも入るに違いない」と勘違いしてしまうのかもしれない。実際8枚入ってた時期もあるし。))。 ただしヴィンテージという環境は&s(){減価償却}パワー9をはじめとした古い時代のカードを使ってもらうために制定されているフォーマットだ、ということも忘れてはいけない。 たとえばMox対策として様々なデッキに投入されていた《虚空の杯》が制限カードに指定された時の文言がこちら。 「モックスを使わないことで対応はできますが、このフォーマットの意義の1つがそれらのカードを使える場所を提供することなのです。」 これ自体は環境のトップメタだったワークショップデッキを咎めるための制限改訂だったが、同時にMoxを存分に使えるようにするための配慮でもある、という姿勢を大きく打ちだした文章である。 《Timetwister》に関しては、パワー9の中でも少し事情の異なるカードである。 このカードは他の8枚と違って、&bold(){対戦相手の山札を修復したうえで7枚ドローさせてしまう}というものがある。盤面には一切干渉しない上で相手にドローさせてしまうというのはヴィンテージどころか他の環境でも&bold(){利敵行為につながる}((対戦相手の手札を潤沢にしてしまうのは当然として、さらに《意志の力》をはじめとした手札を犠牲にマナを使わずに唱えられるカード群で相手の妨害を招いてしまう。))ためかなり危険で、そのため格が一段落ちる扱いを受けてしまいがちである。 パワー9の中でも格落ちするカードという印象は多くのプレイヤーの共通認識であり、実際ヴィンテージでも「他の8枚は無条件に投入されるがこいつだけは別」という扱いだった時期も多かった((上述したように現在はさらに投入枚数を絞ったデッキが多い。))。 しかしこのカードは、後の調整版カード《先細りの収益》すらソリティアデッキのMoMAに投入されたことからも分かるように「ソリティアデッキとの相性が極めて良い」。 また3マナと軽量なこと、処理を行った後にこのカードが墓地に残るので再利用が容易である。そのため試しに4枚解禁してみたり、レガシーなどで1枚解禁してみるととたんにわけのわからないコンボデッキが生まれてくる。 強いことが分かりきっているほかの8枚に比べると、こちらはパンドラの箱というポジションなのかもしれない。 統率者戦で使用が許されているのは、&s(){ショップの在庫を掃くため}周囲に7枚をドローさせるという性質が、すべてのプレイヤーの手札が詰まってしまうことでダラダラしがちな倦怠感を軽減するためだろう。 現在では統率者戦の流行で下手なMoxよりも需要があって、そのためよく売れるとのこと。値段も昔に比べてずいぶん上がった。今では格落ちというよりも「別の方向性で活躍」といったニュアンスになってきている。 そもそもヴィンテージよりEDHのほうがやる機会多いからね、しょうがないね。 因みに弟分のデュエル・マスターズにおいてほぼ同じ効果を内蔵した((初期手札枚数が異なるためそこだけは違う))&bold(){クリーチャー}の《サイバー・N・ワールド》が登場し、案の定こちらもソリティアデッキで一時期大暴れしていた。 まぁこいつの場合は相方の《ボルバルザーク・エクス》が壊れすぎていただけなのでマナコスト的には適正なのだが。 現にエクス規制後は6コストという重さと《Timetwister》と同様のデメリットから殆ど使われていない。 Magic Onlineにおいては、Vintage Mastersにのみ特殊レアリティ「スペシャル」(53パックに1枚の確率)で収録されている。 再録に見えるが紙媒体では無いので別にルール違反ではない。そもそもこの環境にはこのセットが発売されるまでパワー9そのものが存在しなかった。 現在ではヴィンテージのデイリーイベントなどが行われており、日々様々なデッキがしのぎを削っている。紙でそろえるよりは断然安いので、もし興味があるならMOでプレイしてみることを&bold(){強く強く強くお勧めする}((紙でそろえるよりは断然安いと言ったが、MOの中だとぶっちゃけかなり高い。))。 やってみると多様性もあって「意外と普通のMTGだな」ってなる。 また年末年始などに開催される「キューブ・ドラフト」の大会ではこれらのカードも入ったキューブが作られ、運が良ければ使用できる。 大会が終わったら消滅するので資産になることは無いと判断したのだろう。データカードだからこそ出来る技である。 さて、これらの話から「MTGのカードの中でも最高峰の価値を持つカード」と思われがち。 だが実はコレクターに言わせると、&bold(){この程度だと「金を出すだけで入手できる」ためまだまだザコの部類}らしい。&s(){ハンターハンターのヨークシン編にそんな話あったな} というのも、世の中には&bold(){超特殊なプロモカードやエラーカードの流出品}というものがある。つまり「そもそも希少価値そのものがばかげて高い」カード。 ・エラーカードがやたら多く本来廃棄される予定だったものがうっかり出荷されてしまった「サマーマジック」版のエラーカード ・本来Foil版が存在しないはずのエキスパンション「エクソダス」のFoil版カード(テストカードが流出したものと言われている) ・リチャード・ガーフィールド氏に子息が生まれたことを記念し関係者にのみ配布された《Splendid Genesis》《Fraternal Exaltation》 ・有名なプロポーズ用のカード《Proposal》 (ただしこちらは現物の絵を知っている人がまずいないし、いたとしても言わないだろうからそういう意味では真贋の判断すらできない) ・&bold(){そもそも現時点で現物が存在するかどうかも分からない記念品カード}《1996 World Champion》《Shichifukujin Dragon》 ここまでくると&bold(){単にマニアックな品物}となる。MOなどのデジタルゲームでも使用できないカードが含まれており、まさに高嶺の花。 ウィザーズ側もこういった「お宝」が社員から流出することを防ぐために、最近社員に配られる特殊カードはデュエマからイラストを流用した上で「MTGとは裏面が違う(裏面のデザインは非公開)」と公言されている。 真贋が判断できないから、マニアになるほど高い値段がつけられないのだ。 あなたはこの1ターンに続いて追加の追記、修正を行う。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,8) } #center(){&link_toppage(-アニヲタWiki-)} #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - MTGの象徴みたいな神格化されたカード群。もし今の時代にこんなの出したら、顰蹙と恨み以外沸かないだろうな -- 名無しさん (2014-04-29 23:01:26) - カードパワーもそうだが資産価値の側面が大きいため絶対に再録出来ないカード(再録禁止カードの基準) もし再録すると信用失墜でマジで会社潰れるだろうな -- 名無しさん (2015-03-20 10:29:36) - ジェムミント二枚でたったの10万円なんてもはや夢のまた夢…今ではジェムミントのBlack Lotus1枚に200万円出しても手に入るかはわからないとか。 -- 名無しさん (2015-05-04 06:21:55) - しかし、世の中にはPSA10(パッケージから出したばかりの状態に限りなく近い美品)のBlack Lotusに10円の査定を下したカードショップがあったりする -- 名無しさん (2015-10-07 17:11:52) - どういう効果なのか説明がないから、いまいち凄さが伝わらん -- 名無しさん (2016-07-10 00:58:58) - ↑Moxは個別ページも作ったので、そっちも見てやってください。 -- 名無しさん (2016-07-14 06:30:19) - ↑×3嘘だろ…?その人は売ったんだろうか -- 名無しさん (2016-07-17 16:28:40) - ↑あながち嘘とも言えん、敷居が高いと思われてるのかヴァンガードや遊戯王バトスピなんかを扱っててもMtGは範囲外だったりする店舗もあるから。まぁぶっちゃけPSAなんて用語が出てる時点でその持ち主はカードの価値を正しく認識している筈だから売るわけがないと思うぞ。 -- 名無しさん (2016-07-17 16:55:47) - 美しい効果を広めたいので追記しました。ルール整備があまい初期のカードですが画像検索してもシンプルなテキストが美しいです -- 名無しさん (2016-07-17 19:35:45) - 9枚でパジェロ買えるのか、そりゃアニメの中で揃えたら世界征服とかできるわけだ -- 名無しさん (2017-03-14 14:42:50) - ロータス含むパワー9が3枚混ざったカード群が、断捨離()目的でヤ○オクにたったの1000円で出品されるという騒動が起こった模様。物の価値の分からない人間の傍にカードを置いてはいけない(戒め) -- 名無しさん (2017-04-12 02:35:38) - 人の物勝手に売るっていうのはもちろんダメだけど、持ち主も管理甘過ぎだろとは思った。家庭崩壊寸前なんて書かれてたが、息子が出て行ったあとの部屋から出てきた数枚のカードなんて燃えるごみにポイーでおかしくない。 -- 名無しさん (2017-04-12 10:22:28) - 実際は粗悪なコピー品で本物じゃないの売る気なのかもよ。その事を追及されても息子がやった事ですので詳しい事は知らぬ存ぜぬで押し通すつもりとか。 -- 名無しさん (2017-04-12 10:39:37) - Twitterじゃ殆どの人が偽造品だって言ってただろ。カード知らんはずなのにP9の青一番前にするとか色々おかしい -- 名無しさん (2017-04-12 10:59:51) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2009/05/27 (水) 21:37:35 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- &bold(){パワー9(パワーナイン、Power 9)}は、[[Magic the Gathering]]の黎明期とも言える、 アルファ・ベータ・アンリミテッド環境当時に存在した、&bold(){あまりに強大な力をもった9枚のカード}の総称。 概要 #blockquote(){[[Black Lotus]] (0) アーティファクト Black Lotusを生贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ3点を加える。 } #blockquote(){Time Walk (1)(青) ソーサリー &bold(){あなたはこのターンに続いて追加の1ターンを行う。} } #blockquote(){Timetwister (2)(青) ソーサリー 各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。その後、カードを7枚引く。 } #blockquote(){Ancestral Recall (青) インスタント プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは&bold(){カードを3枚引く}。 } #blockquote(){[[Mox>Mox(MtG)]] Pearl (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(白)を加える } #blockquote(){Mox Sapphire (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(青)を加える } #blockquote(){Mox Jet (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(黒)を加える } #blockquote(){Mox Ruby (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(赤)を加える } #blockquote(){Mox Emerald (0) アーティファクト T:あなたのマナプールに(緑)を加える } 以上の9枚がパワー9と呼ばれるカードである。 その強さに関してはリンク先の項目を見ていただくとして、「パワー9」なんて大層な称号をもらっているのだから圧倒的に強い。 とはいえ「追加ターン」と書いてある《Time Walk》以外の効果は、他TCGのプレイヤーには通じにくいかもしれない。 ざっくばらんとした説明になるが、このゲームは「1ターンに1枚しか土地を出せない=マナを1ターンに1つしか伸ばせない」という根本的な部分があることを留意していただきたい。 ・どのタイミングでも使える1マナ3ドロー(現在の相場だと5マナ) ・非常に軽いコストで追加ターンを得る(現在の相場だと5マナ以上) ・すべてのプレイヤーの消耗した山札と手札を疑似的に初期状態に戻す((遊戯王の禁止カード「ファイバーポッド」あたりが近い。ロックマンエグゼ3でぶっ壊れと名高い「フォルダリターン」なんかもある意味近いか)) ・一時的だが3ターン分のマナ・ジャンプ(1ターン目に4~5マナあたりに手が届く=相手に先んじてパワーカードを展開できる) ・マナ源を追加で展開。土地とは別扱い って感じ。 こう書くとその凶悪さは分かるかもしれない。しかもいずれも[[レアリティ>レアリティ(MtG)]]はレア。 現在のカードとはもちろん、当時からしても次元の違うぶっ飛んだ強さゆえ、誰もが当たり前のようにデッキに投入する。そして少ないコストで多大な効果を得られるこれらのカードは環境を大きく定義する。 「デッキに投入しないと勝てない・入れなければならない」という誤った認識さえ生まれるほど((そもそも「当たり前のようにデッキに投入する」って文章自体がこの誤った認識そのものである。))。 現在はヴィンテージでのみ各種1枚ずつ使用可能で、他のフォーマットでは基本的に[[禁止カード>禁止カード(Mtg)]]かそもそも使用不可カード扱い。 一応《Timetwister》は[[統率者戦>統率者戦/EDH(MtG)]]では使用禁止されていないので使える。むしろ&bold(){統率者需要のせいで下手なパワー9よりも値段が高くなっている}なんて話もあるくらい。 9枚のうち6枚が0マナのマナ・アーティファクトであり、TCGにおいて最上級の汎用性を持つ。 特に《Black Lotus》と色の合うMoxに関しては「本来よりも数ターン早く行動できる」ため、入れない理由がほとんどない。 さすがに色の合わないMoxまで「どんなデッキにも入る」というのは言い過ぎだが、Moxより使いづらいように調整されたものすらスタンダードやモダンでたびたび規制されていることからもカードパワーはずば抜けて高い。 もちろん無色マナでもとにかく加速して重いカードを素早く唱えるデッキや、そもそも0マナのアーティファクトという唱えやすい呪文・揃えやすい頭数という性質を見込んでフル投入するデッキも珍しくない。 残りの3枚はそろいもそろって[[青>青/Blue(MtG)]]の呪文である。青の呪文は簡単に投入出来ないように見えるが、青マナ要求はどれも1マナだけな上に青マナを出せるMoxがあるのでやっぱり簡単にデッキに入る……というよりもこの3枚の存在に加え、青には他の色に比べてドロー、追加ターン、ブロック不可、打ち消し、カードのアンタップ(≒ターン1回制限効果の再利用)やスペルの再利用など、 「システム的に強力なカード」が多いので「&bold(){デッキを青に寄せる}」という理由になってしまう。とはいえ、当然だがそれらの理由を加味しても青に寄せないようなデッキには入らない。 さすがに世界初のTCGであり、「前例やノウハウがない」からこそ生み出されたカードといえるだろう。 最近でも新規TCGは出てくるが、MTGをはじめとしたこれらの前例のせいで「マナ加速、追加ターン、過剰なドロー」の3つに関してはかなり警戒されたデザインになっている。 逆にこの前例があまり重要視されていなかった時代のTCG、特にポケモンカード、デュエルマスターズ、遊戯王などの最初期のぶっ壊れカードの話は今でもオタクたちに好まれる話題である。 取引価格もニアミント(美品の最低基準)以上であれば非常に高額になり、プア(非常に傷が多いもの)のものですら取引対象となる。 ちなみに2017年3月現在、一番価値の低い「アンリミテッドのヘビープレイド9枚セット」(印刷枚数が多い+スリーブに入れてないとマークドで反則になるレベルのヨレヨレカード9枚)が&bold(){120万}である((この話を書いたのとは別の筆者だが、2010年前後にあるショップのショーケースで「パワー9セット一式で60万円」というのを見たことがある。状態は覚えていないものの、当然だが60万円でショップじゅうで話題になるほどの高嶺の花扱いだった。))。 なお「パワー9」という言葉は「高いパワーを持つカード上位9枚」の事では無く、マジック史においても重要な意味を持つ上記9枚に対する尊称である。 出現から長い月日が経ち、カード・プールの拡大に従って、これらよりも高いパワーを持つカードも生まれつつある((っていうかすでに《Wheel of Fortune》《悪魔の教示者》《太陽の指輪》あたりは相当強かった。))。 例えば《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》などがそうであるが、それらが上記9枚に取って代わったり、数が加わって新しく「パワー10」「パワー11」を名乗ったりする事は無い。 一応[[ある1枚>Library of Alexandria(MtG)]]が黎明期のプレイヤーに特別に仲間入りを許されたため「パワー10」と言われる事はあるのだがそれはまた別の話だし、&bold(){そもそも現在パワー10なんて言うと大体この話になってめんどくさい}のでまず言われない。とはいえパワー9の末席として参入を許されたという唯一の実績を持つカードではある。 そしてこれらのカードはこの高いカードパワーゆえの需要と初期にしか印刷されなかった希少性、パワー9という名前を付けられたことにより爆上がりした知名度から値段は沸騰した。コレクターの資産価値を保証するため、再録が&bold(){紙媒体では絶対にされない事が保証}されている(再録禁止カード)。 その為今後もこれらのカードの値段は上昇していくと予想されており、実際MTGが始まってから今に至るまで&bold(){ずっと値上がりが続いている}((よく言えば「MTGプレイヤーが高齢化したことで資産に余裕ができたことから「憧れに手を出す」ことができるようになって需要が高まっていること」、悪く言えば「再録禁止が保証されている=絶対に値段が高くなる上に需要があることが明確なのでバイヤーの介入を非常に招きやすいこと」などが要因。))。 MTGでは「カードが欲しいならその時買え」とよく言われるのはこれが理由。つまり&bold(){あなたがこの項目を読んでいる今現在はもっと値段が高いかもしれない}、ということ。言い方を変えれば「&bold(){&color(#F54738){ヴィンテージや統率者戦でさんざん遊んだ後にカードを売るとなぜか買った時より金が増えた}}」なんてことが起こるというわけ。 いつかバブルがはじけるだろうと言われ続けて20年近く、いまだに値段が上がり続けている。 TBSの番組『東京フレンドパーク』のダーツの景品として、格闘家の佐竹雅昭(MtGフリーク)氏が &bold(){「アルファのジェムミントのパワー9全種」}(つまり「初期ロットの最美品」=最も価値の高いカード)を要求した。 だが番組が調べた結果、その合計金額は&bold(){パジェロより高くなる}ことが判明し、 結果、《Black Lotus》《Ancestral Recall》の二枚&bold(){(当時の価値で総額10万円。二枚で)}で妥協した、しかもアルファジェムミントではないもので。 なお佐竹氏はこの放送でダーツを外し、結局後日コレクターから買ったとのこと。 念のため言っておくが、当時でも《Black Lotus》の「リミテッドエディション・アルファ、ニアミント」(初期ロット+パックから出てきたばかりくらいの美品+9枚の中で最高価値)1枚で120万が相場である。現在は驚きの&bold(){2000万円}。 当時のレートでもアルファジェムミントなら、パワー9最安値の《Mox Emerald》でも20万は軽く越えてくる。 このクラスのカード9枚となれば、そりゃパジェロより高くなるのも納得出来るだろう。2021年に同じことやったら果たして買い戻せるかどうか……。 これらは後のマジック界にも影響を与えており、多くのカード・デザインの基礎(と言っても、&bold(){反面教師}的な立場ではあるが)となり、また数多くの調整版・リメイク版の亜種も生まれた。 パワー9そのものも世界大会優勝者に送られる「盾(トロフィー)」代わりのカードに選ばれる事がある。大判カードで公式に使うことはできない(使えてもデカ過ぎて不便)なのでこれは再録禁止には抵触しない。 ぶっ壊れカードの多いTCGの歴史であるが、パワー9はTCG史上初のぶっ壊れカードと名高い。マジックは詳しくないが、パワー9なら知っているというプレイヤーも多い。 特に《Black Lotus》はその名前の憶えやすさと値段から「&bold(){面積だけなら銀座の土地より高い}」「粉末にするとふりかけはパジェロより高くつくらしいが&bold(){ロータスはもっと高い}」「高級車は移動できるだけだが&bold(){ロータスは3マナを出せる}」など、しょっちゅう大喜利のネタにされる。&s(){ここまでくるとヴィンテージワインである} また、MTGひいてはTCGプレイヤー・コレクターにとってパワー9の所持は憧れであり、一種のステータスとしても機能する。 コレクターの中でも印刷された時期で格がついており、できれば高いほうを買いたいと思っているうちにどんどん値段があがっていく。 遊戯王原作の初期には、海場社長が作中でレアカード《青眼の白龍》のためにコレクターを自殺に追い込んだというなかなかロックな話が出てくるが、実は似たような話で2012年に「&bold(){《Black Lotus》をはじめとしたカードコレクションを目当てにした殺人事件}」という話が報道された。これは純粋な窃盗目的だったらしいが、加害者もプレイヤーだった。 また、「息子のコレクションを断捨離する」という名目でヤフオクに出品されたことが「&bold(){こんなの息子自殺するだろ}」と大きな話題を呼んだ(結局偽造カードを売るための話題作りだったようだ)。 当然ここまで高額なカードなので偽造の話も多く、古いカードゆえに印刷技術が悪いこと、状態が悪いものも多いため偽造のハードルもかなり低い((現在は見破るための技術が高まっていることから一概にそうとも言えない。))。 上記のヤフオクの話もそうだし「カナダで捕まったカードの偽造団が一番印刷していたのが《Time Walk》だった」「本国で偽造したカードをトレカ大国の日本に持ってきて売ろうとする。言葉が通じないふりをしてボケ通す」など、暗い話題にも事欠かない((というか今更紙のパワー9の話になると、大体話題が暗くなってしまう。レスバトルの定番「再録禁止撤廃論VS買えないお前が貧乏人」とか「コレクターに2EDのアンリコは2枚しか引けないんですよ~と嫌味ったらしい冗談言われた」とか。))。 さて、このパワー9は現在ヴィンテージでしか使えず、そのヴィンテージでは「ほとんど投入されている」と思われがちである。確かに一時期はMox全投入(ついでにアンリコとタイムウォークもほぼ投入((青いってことは《意志の力》や《誤った指図》も使える=めっちゃ強い。特に「FoWとブレスト使える青は強い」は当時のエターナル環境の基本の考え)))のデッキが当然だったため完全に間違った認識ではない。 書いてあることが強いし、特に色の合わないMoxも「重いカードを素早く唱える」という理念に合う。1ターン目に4マナとか5マナのカードが出てきたらゲームにならないのだ。 しかしカードの質が上がり戦略が洗練されるにつれて「1マナ加速しかしない色の合わないMoxより、それらのパワーカードの密度を高めたほうがいい」という理屈から、必要分のMoxしか使わない方向にシフトしていくことになる。 当時はアーティファクト対策が横行しているという環境の事情もあるし、その後も主に白のカードに「1~2マナで使える強力なメタ能力持ちカード」が増えていったので、現在ではMoxをフル投入しないデッキもだいぶ多くなってきた。 特殊な戦略をとるドレッジに1枚も入らないのは有名だが、それ以外ならどんなデッキにも入りそうな《Black Lotus》すら&bold(){ホロウヴァインなどにも入れないレシピがある}。 ヴィンテージのデス&タックス(白ウィニー)では、パワー9のうち青の3枚を入れないことも多い。デッキが青くないんだから当然である。 これらのカードは相当に強力なのだが、使える環境では「&bold(){デッキの方向性にがっちりマッチしてない限り入らない}」って意味では他環境どころか他のTCGと全く同じなのである。その方向性が指す範囲がやたら広いってだけで。 また、これらのカードが中心に存在することを利用した戦略というのも存在する。 最近のプレイヤーにもわかりやすい例を言うと、たとえば&bold(){Moxなんてオーコに鹿にされてオースからエムラを呼ぶための餌にされる}。 非常に極端な例だし、もちろんそのうえでMoxは強いのだが、「パワー9を採用するデッキが多いことを前提にした戦略が組まれ、それらのデッキにもパワー9を入れることができる」という意味では結構バランスはとれているってわけ。 ヴィンテージは&bold(){パワー9をはじめとした他環境の禁止カードが許されているからと言ってよくプレイヤーが想像するような世紀末環境というわけではない}点には留意していただきたい。 やってみると多様性もあって「意外と普通のMTGだな」ってなる…っていうか下手な時期のスタン((オーコ))より全然平和だったり。 まぁこの辺の認識の相違はヴィンテージプレイヤー自体が少ない事もあって実態が伝わり辛いという一面から来るものではあるが。 いくら強いカードでも、どんなデッキにも無条件に入るわけではないのだ((余談となるが、かつて遊戯王の《強欲な壺》をはじめとした「必須カード群」やポケモンカードの《オーキドはかせ》《エネルギー・リムーブ》などはどんなデッキにも入るカードだった。この時期のカードゲームをプレイしたことがあると、「強いならどんなデッキにも入るに違いない」と勘違いしてしまうのかもしれない。実際8枚入ってた時期もあるし。))。 ただしヴィンテージという環境は&s(){減価償却}パワー9をはじめとした古い時代のカードを使ってもらうために制定されているフォーマットだ、ということも忘れてはいけない。 たとえばMox対策として様々なデッキに投入されていた《虚空の杯》が制限カードに指定された時の文言がこちら。 「モックスを使わないことで対応はできますが、このフォーマットの意義の1つがそれらのカードを使える場所を提供することなのです。」 これ自体は環境のトップメタだったワークショップデッキを咎めるための制限改訂だったが、同時にMoxを存分に使えるようにするための配慮でもある、という姿勢を大きく打ちだした文章である。 《Timetwister》に関しては、パワー9の中でも少し事情の異なるカードである。 このカードは他の8枚と違って、&bold(){対戦相手の山札を修復したうえで7枚ドローさせてしまう}というものがある。盤面には一切干渉しない上で相手にドローさせてしまうというのはヴィンテージどころか他の環境でも&bold(){利敵行為につながる}((対戦相手の手札を潤沢にしてしまうのは当然として、さらに《意志の力》をはじめとした手札を犠牲にマナを使わずに唱えられるカード群で相手の妨害を招いてしまう。))ためかなり危険で、そのため格が一段落ちる扱いを受けてしまいがちである。 パワー9の中でも格落ちするカードという印象は多くのプレイヤーの共通認識であり、実際ヴィンテージでも「他の8枚は無条件に投入されるがこいつだけは別」という扱いだった時期も多かった((上述したように現在はさらに投入枚数を絞ったデッキが多い。))。 しかしこのカードは、後の調整版カード《先細りの収益》すらソリティアデッキのMoMAに投入されたことからも分かるように「ソリティアデッキとの相性が極めて良い」。 また3マナと軽量なこと、処理を行った後にこのカードが墓地に残るので再利用が容易である。そのため試しに4枚解禁してみたり、レガシーなどで1枚解禁してみるととたんにわけのわからないコンボデッキが生まれてくる。 強いことが分かりきっているほかの8枚に比べると、こちらはパンドラの箱というポジションなのかもしれない。 統率者戦で使用が許されているのは、&s(){ショップの在庫を掃くため}周囲に7枚をドローさせるという性質が、すべてのプレイヤーの手札が詰まってしまうことでダラダラしがちな倦怠感を軽減するためだろう。 現在では統率者戦の流行で下手なMoxよりも需要があって、そのためよく売れるとのこと。値段も昔に比べてずいぶん上がった。今では格落ちというよりも「別の方向性で活躍」といったニュアンスになってきている。 そもそもヴィンテージよりEDHのほうがやる機会多いからね、しょうがないね。 因みに弟分のデュエル・マスターズにおいてほぼ同じ効果を内蔵した((初期手札枚数が異なるためそこだけは違う))&bold(){クリーチャー}の《サイバー・N・ワールド》が登場し、案の定こちらもソリティアデッキで一時期大暴れしていた。 まぁこいつの場合は相方の《ボルバルザーク・エクス》が壊れすぎていただけな感じもあり、実際エクス規制後は6コストという重さと《Timetwister》と同様のデメリットから素のカードパワーには期待されず、一部のループデッキが迂遠なフィニッシュコンボのパーツとして使うことが稀にある程度の立位置に落ち着いている。 Magic Onlineにおいては、Vintage Mastersにのみ特殊レアリティ「スペシャル」(53パックに1枚の確率)で収録されている。 再録に見えるが紙媒体では無いので別にルール違反ではない。そもそもこの環境にはこのセットが発売されるまでパワー9そのものが存在しなかった。 現在ではヴィンテージのデイリーイベントなどが行われており、日々様々なデッキがしのぎを削っている。紙でそろえるよりは断然安いので、もし興味があるならMOでプレイしてみることを&bold(){強く強く強くお勧めする}((紙でそろえるよりは断然安いと言ったが、MOの中だとぶっちゃけかなり高い。))。 やってみると多様性もあって「意外と普通のMTGだな」ってなる。 また年末年始などに開催される「キューブ・ドラフト」の大会ではこれらのカードも入ったキューブが作られ、運が良ければ使用できる。 大会が終わったら消滅するので資産になることは無いと判断したのだろう。データカードだからこそ出来る技である。 さて、これらの話から「MTGのカードの中でも最高峰の価値を持つカード」と思われがち。 だが実はコレクターに言わせると、&bold(){この程度だと「金を出すだけで入手できる」ためまだまだザコの部類}らしい。&s(){ハンターハンターのヨークシン編にそんな話あったな} というのも、世の中には&bold(){超特殊なプロモカードやエラーカードの流出品}というものがある。つまり「そもそも希少価値そのものがばかげて高い」カード。 ・エラーカードがやたら多く本来廃棄される予定だったものがうっかり出荷されてしまった「サマーマジック」版のエラーカード ・本来Foil版が存在しないはずのエキスパンション「エクソダス」のFoil版カード(テストカードが流出したものと言われている) ・リチャード・ガーフィールド氏に子息が生まれたことを記念し関係者にのみ配布された《Splendid Genesis》《Fraternal Exaltation》 ・有名なプロポーズ用のカード《Proposal》 (ただしこちらは現物の絵を知っている人がまずいないし、いたとしても言わないだろうからそういう意味では真贋の判断すらできない) ・&bold(){そもそも現時点で現物が存在するかどうかも分からない記念品カード}《1996 World Champion》《Shichifukujin Dragon》 ここまでくると&bold(){単にマニアックな品物}となる。MOなどのデジタルゲームでも使用できないカードが含まれており、まさに高嶺の花。 ウィザーズ側もこういった「お宝」が社員から流出することを防ぐために、最近社員に配られる特殊カードはデュエマからイラストを流用した上で「MTGとは裏面が違う(裏面のデザインは非公開)」と公言されている。 真贋が判断できないから、マニアになるほど高い値段がつけられないのだ。 あなたはこの1ターンに続いて追加の追記、修正を行う。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,8) } #center(){&link_toppage(-アニヲタWiki-)} #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - MTGの象徴みたいな神格化されたカード群。もし今の時代にこんなの出したら、顰蹙と恨み以外沸かないだろうな -- 名無しさん (2014-04-29 23:01:26) - カードパワーもそうだが資産価値の側面が大きいため絶対に再録出来ないカード(再録禁止カードの基準) もし再録すると信用失墜でマジで会社潰れるだろうな -- 名無しさん (2015-03-20 10:29:36) - ジェムミント二枚でたったの10万円なんてもはや夢のまた夢…今ではジェムミントのBlack Lotus1枚に200万円出しても手に入るかはわからないとか。 -- 名無しさん (2015-05-04 06:21:55) - しかし、世の中にはPSA10(パッケージから出したばかりの状態に限りなく近い美品)のBlack Lotusに10円の査定を下したカードショップがあったりする -- 名無しさん (2015-10-07 17:11:52) - どういう効果なのか説明がないから、いまいち凄さが伝わらん -- 名無しさん (2016-07-10 00:58:58) - ↑Moxは個別ページも作ったので、そっちも見てやってください。 -- 名無しさん (2016-07-14 06:30:19) - ↑×3嘘だろ…?その人は売ったんだろうか -- 名無しさん (2016-07-17 16:28:40) - ↑あながち嘘とも言えん、敷居が高いと思われてるのかヴァンガードや遊戯王バトスピなんかを扱っててもMtGは範囲外だったりする店舗もあるから。まぁぶっちゃけPSAなんて用語が出てる時点でその持ち主はカードの価値を正しく認識している筈だから売るわけがないと思うぞ。 -- 名無しさん (2016-07-17 16:55:47) - 美しい効果を広めたいので追記しました。ルール整備があまい初期のカードですが画像検索してもシンプルなテキストが美しいです -- 名無しさん (2016-07-17 19:35:45) - 9枚でパジェロ買えるのか、そりゃアニメの中で揃えたら世界征服とかできるわけだ -- 名無しさん (2017-03-14 14:42:50) - ロータス含むパワー9が3枚混ざったカード群が、断捨離()目的でヤ○オクにたったの1000円で出品されるという騒動が起こった模様。物の価値の分からない人間の傍にカードを置いてはいけない(戒め) -- 名無しさん (2017-04-12 02:35:38) - 人の物勝手に売るっていうのはもちろんダメだけど、持ち主も管理甘過ぎだろとは思った。家庭崩壊寸前なんて書かれてたが、息子が出て行ったあとの部屋から出てきた数枚のカードなんて燃えるごみにポイーでおかしくない。 -- 名無しさん (2017-04-12 10:22:28) - 実際は粗悪なコピー品で本物じゃないの売る気なのかもよ。その事を追及されても息子がやった事ですので詳しい事は知らぬ存ぜぬで押し通すつもりとか。 -- 名無しさん (2017-04-12 10:39:37) - Twitterじゃ殆どの人が偽造品だって言ってただろ。カード知らんはずなのにP9の青一番前にするとか色々おかしい -- 名無しさん (2017-04-12 10:59:51) #comment #areaedit(end) }

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