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12球団合同トライアウト - (2015/01/08 (木) 21:00:39) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2015/01/08 (木) 19:57:27
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
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#center(){&bold(){&font(#ff0000){0.000何%か知らないですけど、諦めなければ可能性は消えない。}}}
#center(){
&sizex(7){&bold(){&color(RED){だから、絶対に諦めません!}}}
}
**概要
12球団合同トライアウトとは、2001年からプロ野球球団全12球団が合同で行う、自由契約選手を対象としたテスト。
毎年多くの戦力外通告を受けた選手たちがここでプロ野球への再挑戦への希望を託すのである。
近年は戦力外選手が番組で特集されるなどの機会も増えたため、開催し始めた当初より注目度が上がっている。
**第一回開催までの経緯
NPBでは、球団が保有する選手との契約を次年度も希望する場合、11月末日までに日本野球機構に契約保留選手として提出する。
この名簿は大体12月の初頭に公示されるという流れが行われるのだ。
逆に言えばここで引退希望選手以外に翌シーズンの契約を結ばない選手がいるわけだ。
残念ながら12月頃の公示から外された選手は、戦力外通告をされた自由契約選手となる訳である。
自由契約となった選手は、他の球団の入団テストを受けに行くだろう。
或いは、野球人生に幕を閉じて第二の人生を歩むかもしれない。
だがよく考えてみてほしい。
12月は来シーズンへの準備があるため、各球団の戦力編成など終了している。
しかし戦力外の選手を12月まで残しておくわけにはいかない。
何故なら、自由移籍や再入団などの選手契約の弊害となってしまう。
そこで各球団はシーズン終了後に先に戦力外通告を行う事がほとんどであった。
ここで問題が発生する。
この場合、戦力外を通知するタイミングは球団側に任しっきりの状態だった。
だが、日本シリーズに出場した球団などは、当然戦力外通告が遅れることが多かった。
そういった遅れの出た球団の戦力外通告を受けた選手は色々と遅れが生じるわけである。
例えば、他球団の入団テストを受けようとしても他球団はほぼ戦力編成を完了してしまったので意味が無い。
ここにおいて、球団の動きの違いによって戦力外通知を受けた選手の間で『不平等』という問題が起きるようになった。
そこで2001年に日本プロ野球選手会は戦力外選手の機会均等を求めて球団側と協議することとなる。そして
#blockquote(){・これまで各球団毎に行っていた球団テストとは別に12球団合同のトライアウトの実施
・入団テストなどが開催される以前に戦力外通告を行うこと
}
が認められた。これがトライアウトの初まりである。
**開催場所のルールとテスト方式
***開催場所
基本的に開催場所は東西1箇所ずつ2箇所でトライアウトが行われる事となっている。
ただし2006年は、以前に起きた球界再編問題の煽りを食らい例外的に仙台と千葉で開催された。
2006年のような事態は、今後起きる可能性もあるかもしれない。
トライアウトの際には一般人もスタンドからその様子を観戦できる。
また、日本のプロ野球球団以外の野球関係者や野球に関係ない別のプロ競技関係者も参加できる。
日本競輪学校は、競輪選手になった元プロ野球選手の松谷秀幸選手などの例もあり、トライアウトに力を入れていたこともある。
ただ当然ではあるが、多くのトライアウト参加者は他競技への転向は嫌っているんだとか。
雨天などで室内練習場で行われる場合は一般人には非公開となる。
室内練習場での様子は、後日ニュース番組などでその様子を確認することとなる。
***ルール
打撃も投球もテストはシート打撃形式で行う。
ただし守備は配置されるので、そこでトライアウト受験者が守備を担当する。
この際の守備もテストに影響するとされている。
なお人数が足りない場合は球団スタッフが守備についたりもすることもあるが、このケースはそこまで多くない。
ルールは厳密に決められていない。
時間の都合上、カウント1-1からスタートしたり3アウト制ではなかったりするなどという事例が見られる。
試合ではないからか、塁審もつかない場合がほとんどである。
走者としての能力を確認したいなどの関係者の要請があれば、打者の打撃の結果に関わらず走者を行ったりする。
室内練習場で行う場合は、このような走者や守備の機会は無い。この状態は、足の速さを自慢にする選手などにとっては残酷である。
また、室内練習場での打撃の場合、ヒットか凡打か判断しにくいという問題点もある。
と上記のようにテストを行う。
1回目のトライアウトで合格にならなかった選手は2回目のトライアウトに参加が出来る。
だが残念なことに、2回目で合格する例は滅多に見られない。
**これまでの開催場所と主な合格者
***2001年
|開催日|場所|
|2001年10月30日|ナゴヤ球場|
|2001年11月26日|読売ジャイアンツ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|
|吉田好太|近鉄|横浜|
***2002年
|開催日|場所|
|2002年11月6日|横須賀スタジアム|
|2002年11月26日|阪神甲子園球場|
&bold(){※残念ながらこの年には合格者は出なかった。}
***2003年
|開催日|場所|
|2003年11月5日|広島市民球場|
|2003年11月21日|明治神宮野球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|
|宮地克彦|西武|ダイエー|
***2004年
|開催日|場所|
|2004年11月9日|西武ドーム|
|2004年11月24日|雁の巣球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|井出竜也|巨人|ソフトバンク||
|宇野雅美|社会人・リースキン|ヤクルト||
|河本育之|日本ハム|楽天||
|酒井忠晴|中日|楽天||
|代田建紀|ロッテ|ロッテ|2003年自由契約後に1年の浪人からの復帰|
|富岡久貴|横浜|西武||
|野村克則|巨人|楽天||
|林孝哉|日本ハム|ロッテ||
|福井敬治|巨人|広島||
|三澤興一|巨人|ヤクルト||
|吉井理人|オリックス(合併前)|オリックス(合併後)|戦力外後、オリックスが合併により別球団と化した状態から復帰|
***2005年
|開催日|場所|
|2005年11月7日|ファイターズスタジアム|
|2005年11月25日|神戸総合運動公園サブ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石橋尚至|広島|阪神||
|岩下修一|オリックス|日本ハム|トライアウト後の日本ハムの入団テストに合格|
|上田佳範|日本ハム|中日||
|小倉恒|楽天|楽天|楽天と再契約|
|小島昌也|楽天|オリックス|楽天以前の所属球団が旧オリックスだったため、事実上の復帰|
|佐久本昌広|阪神|横浜|トライアウト後の横浜の入団テストに合格|
|芝草宇宙|日本ハム|ソフトバンク||
|田上秀則|中日|ソフトバンク||
|鳥谷部健一|西武|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|仲澤忠厚|中日|ソフトバンク||
|瑞季|ソフトバンク|ロッテ||
***2006年
|開催日|場所|
|2006年11月6日|フルキャストスタジアム宮城|
|2006年11月27日|千葉マリンスタジアム|
&bold(){※上記でも述べたように、この年は東西1箇所ずつでトライアウトを行うという慣例を破っている。}
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石橋尚到|阪神|西武||
|内田和也|ヤクルト|西武||
|遠藤政隆|中日|ヤクルト||
|大須賀允|巨人|広島|トライアウト後の広島の入団テストに合格|
|川岸強|中日|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|定岡卓摩|ソフトバンク|ロッテ||
|高波文一|西武|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|高橋光信|中日|阪神|トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|坪井智哉|日本ハム|日本ハム|日本ハムと再契約|
|三澤興一|ヤクルト|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|横山道哉|日本ハム|横浜|以前に横浜に所属していため、復帰|
|吉田修司|ソフトバンク|オリックス|トライアウト後のオリックスの入団テストに合格|
|吉崎勝|日本ハム|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
***2007年
|開催日|場所|
|2007年11月7日|読売ジャイアンツ球場|
|2007年11月27日|ナゴヤ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石川賢|中日|楽天||
|小関竜也|巨人|横浜||
|川口容資|ソフトバンク|巨人|育成選手契約/トライアウト後の巨人の入団テストに合格|
|木村一喜|広島|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|斉藤宜之|巨人|ヤクルト||
|斉藤秀光|ソフトバンク|横浜||
|谷中真二|楽天|西武||
|田村領平|阪神|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|萩原淳|日本ハム|ヤクルト||
|三浦貴|巨人|西武||
|吉川元浩|巨人|ソフトバンク|育成選手契約/トライアウト後のソフトバンクの入団テストに合格|
***2008年
|開催日|場所|
|2008年11月11日|横浜ベイスターズ総合練習場|
|2008年11月26日|広島市民球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|上原厚治郎|ヤクルト|西武||
|大西正樹|ソフトバンク|ソフトバンク|育成選手契約/ソフトバンクと再契約|
|小山桂司|日本ハム|中日||
|加藤康介|オリックス|横浜||
|歌藤達夫|日本ハム|巨人|トライアウト後の巨人の入団テストに合格|
|木興拓哉|ロッテ|阪神|育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|ユウキ|オリックス|ヤクルト|育成選手契約|
|中村泰広|日本ハム|阪神|育成選手契約|
|森岡良介|中日|ヤクルト||
|吉本亮|ソフトバンク|ヤクルト||
***2009年
|開催日|場所|
|2009年11月11日|阪神甲子園球場|
|2009年11月25日|明治神宮野球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|今岡誠|阪神|ロッテ|トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|西谷尚徳|楽天|阪神|育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|的場直樹|ソフトバンク|ロッテ|トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|山田秋親|福岡レッドワーブラーズ(ソフトバンク)|ロッテ|2007年にソフトバンクを戦力外となってから、独立リーグを経てロッテに入団テストで合格。独立リーグからプロ野球に復帰する初めての例となった。|
***2010年
|開催日|場所|
|2010年11月10日|西武ドーム|
|2010年11月24日|ヤフードーム|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|荒川雄太|ソフトバンク|西武||
|大城祐二|阪神|ソフトバンク|育成選手契約|
|大西宏明|横浜|ソフトバンク|育成選手契約|
|木下達生|日本ハム|中日|育成選手契約|
|小林雅英|巨人|オリックス||
|[[多田野数人>多田野数人(プロ野球選手) ]]|日本ハム|日本ハム|日本ハムと再契約|
|松坂健太|西武|日本ハム||
***2011年
|開催日|場所|
|2011年11月24日|ほっともっとフィールド神戸|
|2011年12月5日|QVCマリンフィールド|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|阿部健太|阪神|ヤクルト||
|木下達生|中日|ヤクルト||
|紺田敏正|巨人|日本ハム|巨人所属以前に日本ハムに在籍していたため、復帰|
|加藤大輔|オリックス|楽天||
|中谷仁|楽天|巨人||
|石井義人|西武|巨人||
|小林高也|中日|巨人|育成選手契約|
***2012年
|開催日|場所|
|2012年11月9日|日本製紙クリネックススタジアム宮城|
|2012年11月21日|ファイターズスタジアム|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|星野智樹|西武|楽天||
|大立恭平|巨人|ソフトバンク|育成選手契約|
|蕭一傑|阪神|ソフトバンク|育成選手契約|
|柴田亮輔|オリックス|ソフトバンク|育成選手契約|
|松本幸大|ロッテ|オリックス||
|林啓介|ロッテ|阪神|育成選手契約|
***2013年
|開催日|場所|
|11月10日|静岡県草薙総合運動場硬式野球場|
|11月22日|ナゴヤ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|岸敬祐|巨人|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|金森敬之|愛媛マンダリンパイレーツ|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|工藤隆人|ロッテ|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|細山田武史|DeNA|ソフトバンク|育成選手契約|
|勧野甲輝|楽天|ソフトバンク|育成選手契約|
|有馬翔|ソフトバンク|楽天|育成選手契約|
|松冨倫|巨人|ソフトバンク|育成選手契約|
***2014年
|開催日|場所|
|11月9日|静岡県草薙総合運動場硬式野球場|
|11月20日|読売ジャイアンツ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|佐藤祥万|日本ハム|広島||
|八木智哉|オリックス|中日||
|梅津智弘|広島|楽天|育成選手契約|
|田中大輔|中日|オリックス||
|東野峻|オリックス|DeNA||
|堂上剛裕|中日|巨人育成選手契約||
|矢地健人|中日|ロッテ||
|陳冠宇|DeNA|ロッテ||
|森越祐人|中日|阪神||
|北方悠誠|DeNA|ソフトバンク|育成選手契約|
|井野卓|巨人|ヤクルト||
**トライアウトの難点
この合同トライアウト、問題点も多い。
ここ最近で批判対象となっている問題点は『&bold(){出来レース}』と化しているという部分である。
元選手や球団関係者の証言によると、球団側との繋がりなどがないと合格は厳しいとしている。その証言などで推測するには
#blockquote(){戦力外通告予定選手は夏頃から球団側にリストアップされる
↓
その時に他球団と話し合いをし、相手球団側から該当選手を2軍戦に出すよう要請される
↓
そこで高評価を得れば、戦力外通告を受けた際にトライアウトへの出場要請を選手は受ける
}
という流れが行われているようである。
この流れは『戦力外選手の実力をお披露目する』というよりも『選手の状態を確認する』という状態になってしまっている。
トライアウトは『テスト場』というよりも『最終チェック場』と化してしまったという反発も多い。
まあ、獲得しようとしている選手の状態をチェックするという行為はある意味『テスト』ではあるが…
これで一番批判される部分は『戦力外告知前にチェックしていた選手以外は最初から調査する気が無いのでは?』という所だろう。
とにかく、このことに関しては今後も議論する必要性があるかもしれない。
後挙げられている問題点としては『トライアウト前から獲得しようとする動き』に関してか。
そもそもトライアウト実施以前から、トライアウト以外の入団テストを実施させないという決まりは存在しなかった。
つまりトライアウト以前に個別に入団テストを実施する球団も多かったのである。
2004年に起こったプロ野球再編問題において、選手会側はこの問題にも触れる。
この時期は12球団合同トライアウト実施前に各球団が独自の入団テストを行わないことを申し合わせた。
ただし、選手会と球団側の間でこの問題は解決されなかった。
再編問題以降も、トライアウト前に秋季キャンプに練習参加させるなどの実質上のテストが行われていった。
そして2006年の横山道哉選手の、トライアウト開始以前の獲得報道の際にはこの問題が本格的に表面化した。
この獲得報道の時に「合同トライアウト前に、各球団が独自で入団テストを行わない」という決まりに反するという意見が選手会から出た。
結果的に、選手会と球団側で激しい議論が行われたのだった。
上記で述べた『トライアウトの出来レース化』はこの問題を避ける面もあるものだと思われる。
他にトライアウトで批判される面としては
・雨の際の振り替え日が無い(室内練習場でのテストは特定の選手には不利)
・短いシート打撃などでその選手の実力が確認できるのか
といったテスト方法に関しての批判もある。
追記・修正はトライアウトに合格してからお願いします。
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
}
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#openclose(show=▷ コメント欄){
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#comment
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}
**概要
12球団合同トライアウトとは、2001年からプロ野球球団全12球団が合同で行う、自由契約選手を対象としたテスト。
毎年多くの戦力外通告を受けた選手たちがここでプロ野球への再挑戦への希望を託すのである。
近年は戦力外選手が番組で特集されるなどの機会も増えたため、開催し始めた当初より注目度が上がっている。
**第一回開催までの経緯
NPBでは、球団が保有する選手との契約を次年度も希望する場合、11月末日までに日本野球機構に契約保留選手として提出する。
この名簿は大体12月の初頭に公示されるという流れが行われるのだ。
逆に言えばここで引退希望選手以外に翌シーズンの契約を結ばない選手がいるわけだ。
残念ながら12月頃の公示から外された選手は、戦力外通告をされた自由契約選手となる訳である。
自由契約となった選手は、他の球団の入団テストを受けに行くだろう。
或いは、野球人生に幕を閉じて第二の人生を歩むかもしれない。
だがよく考えてみてほしい。
12月は来シーズンへの準備があるため、各球団の戦力編成など終了している。
しかし戦力外の選手を12月まで残しておくわけにはいかない。
何故なら、自由移籍や再入団などの選手契約の弊害となってしまう。
そこで各球団はシーズン終了後に先に戦力外通告を行う事がほとんどであった。
ここで問題が発生する。
この場合、戦力外を通知するタイミングは球団側に任しっきりの状態だった。
だが、日本シリーズに出場した球団などは、当然戦力外通告が遅れることが多かった。
そういった遅れの出た球団の戦力外通告を受けた選手は色々と遅れが生じるわけである。
例えば、他球団の入団テストを受けようとしても他球団はほぼ戦力編成を完了してしまったので意味が無い。
ここにおいて、球団の動きの違いによって戦力外通知を受けた選手の間で『不平等』という問題が起きるようになった。
そこで2001年に日本プロ野球選手会は戦力外選手の機会均等を求めて球団側と協議することとなる。そして
#blockquote(){・これまで各球団毎に行っていた球団テストとは別に12球団合同のトライアウトの実施
・入団テストなどが開催される以前に戦力外通告を行うこと
}
が認められた。これがトライアウトの初まりである。
**開催場所のルールとテスト方式
***開催場所
基本的に開催場所は東西1箇所ずつ2箇所でトライアウトが行われる事となっている。
ただし2006年は、以前に起きた球界再編問題の煽りを食らい例外的に仙台と千葉で開催された。
2006年のような事態は、今後起きる可能性もあるかもしれない。
トライアウトの際には一般人もスタンドからその様子を観戦できる。
また、日本のプロ野球球団以外の野球関係者や野球に関係ない別のプロ競技関係者も参加できる。
日本競輪学校は、競輪選手になった元プロ野球選手の松谷秀幸選手などの例もあり、トライアウトに力を入れていたこともある。
ただ当然ではあるが、多くのトライアウト参加者は他競技への転向は嫌っているんだとか。
雨天などで室内練習場で行われる場合は一般人には非公開となる。
室内練習場での様子は、後日ニュース番組などでその様子を確認することとなる。
***ルール
打撃も投球もテストはシート打撃形式で行う。
ただし守備は配置されるので、そこでトライアウト受験者が守備を担当する。
この際の守備もテストに影響するとされている。
なお人数が足りない場合は球団スタッフが守備についたりもすることもあるが、このケースはそこまで多くない。
ルールは厳密に決められていない。
時間の都合上、カウント1-1からスタートしたり3アウト制ではなかったりするなどという事例が見られる。
試合ではないからか、塁審もつかない場合がほとんどである。
走者としての能力を確認したいなどの関係者の要請があれば、打者の打撃の結果に関わらず走者を行ったりする。
室内練習場で行う場合は、このような走者や守備の機会は無い。この状態は、足の速さを自慢にする選手などにとっては残酷である。
また、室内練習場での打撃の場合、ヒットか凡打か判断しにくいという問題点もある。
と上記のようにテストを行う。
1回目のトライアウトで合格にならなかった選手は2回目のトライアウトに参加が出来る。
だが残念なことに、2回目で合格する例は滅多に見られない。
**これまでの開催場所と主な合格者
***2001年
|開催日|場所|
|2001年10月30日|ナゴヤ球場|
|2001年11月26日|読売ジャイアンツ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|
|吉田好太|近鉄|横浜|
***2002年
|開催日|場所|
|2002年11月6日|横須賀スタジアム|
|2002年11月26日|阪神甲子園球場|
&bold(){※残念ながらこの年には合格者は出なかった。}
***2003年
|開催日|場所|
|2003年11月5日|広島市民球場|
|2003年11月21日|明治神宮野球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|
|宮地克彦|西武|ダイエー|
***2004年
|開催日|場所|
|2004年11月9日|西武ドーム|
|2004年11月24日|雁の巣球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|井出竜也|巨人|ソフトバンク||
|宇野雅美|社会人・リースキン|ヤクルト||
|河本育之|日本ハム|楽天||
|酒井忠晴|中日|楽天||
|代田建紀|ロッテ|ロッテ|2003年自由契約後に1年の浪人からの復帰|
|富岡久貴|横浜|西武||
|野村克則|巨人|楽天||
|林孝哉|日本ハム|ロッテ||
|福井敬治|巨人|広島||
|三澤興一|巨人|ヤクルト||
|吉井理人|オリックス(合併前)|オリックス(合併後)|戦力外後、オリックスが合併により別球団と化した状態から復帰|
***2005年
|開催日|場所|
|2005年11月7日|ファイターズスタジアム|
|2005年11月25日|神戸総合運動公園サブ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石橋尚至|広島|阪神||
|岩下修一|オリックス|日本ハム|トライアウト後の日本ハムの入団テストに合格|
|上田佳範|日本ハム|中日||
|小倉恒|楽天|楽天|楽天と再契約|
|小島昌也|楽天|オリックス|楽天以前の所属球団が旧オリックスだったため、事実上の復帰|
|佐久本昌広|阪神|横浜|トライアウト後の横浜の入団テストに合格|
|芝草宇宙|日本ハム|ソフトバンク||
|田上秀則|中日|ソフトバンク||
|鳥谷部健一|西武|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|仲澤忠厚|中日|ソフトバンク||
|瑞季|ソフトバンク|ロッテ||
***2006年
|開催日|場所|
|2006年11月6日|フルキャストスタジアム宮城|
|2006年11月27日|千葉マリンスタジアム|
&bold(){※上記でも述べたように、この年は東西1箇所ずつでトライアウトを行うという慣例を破っている。}
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石橋尚到|阪神|西武||
|内田和也|ヤクルト|西武||
|遠藤政隆|中日|ヤクルト||
|大須賀允|巨人|広島|トライアウト後の広島の入団テストに合格|
|川岸強|中日|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|定岡卓摩|ソフトバンク|ロッテ||
|高波文一|西武|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|高橋光信|中日|阪神|トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|坪井智哉|日本ハム|日本ハム|日本ハムと再契約|
|三澤興一|ヤクルト|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|横山道哉|日本ハム|横浜|以前に横浜に所属していため、復帰|
|吉田修司|ソフトバンク|オリックス|トライアウト後のオリックスの入団テストに合格|
|吉崎勝|日本ハム|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
***2007年
|開催日|場所|
|2007年11月7日|読売ジャイアンツ球場|
|2007年11月27日|ナゴヤ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|石川賢|中日|楽天||
|小関竜也|巨人|横浜||
|川口容資|ソフトバンク|巨人|育成選手契約/トライアウト後の巨人の入団テストに合格|
|木村一喜|広島|楽天|トライアウト後の楽天の入団テストに合格|
|斉藤宜之|巨人|ヤクルト||
|斉藤秀光|ソフトバンク|横浜||
|谷中真二|楽天|西武||
|田村領平|阪神|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|萩原淳|日本ハム|ヤクルト||
|三浦貴|巨人|西武||
|吉川元浩|巨人|ソフトバンク|育成選手契約/トライアウト後のソフトバンクの入団テストに合格|
***2008年
|開催日|場所|
|2008年11月11日|横浜ベイスターズ総合練習場|
|2008年11月26日|広島市民球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|上原厚治郎|ヤクルト|西武||
|大西正樹|ソフトバンク|ソフトバンク|育成選手契約/ソフトバンクと再契約|
|小山桂司|日本ハム|中日||
|加藤康介|オリックス|横浜||
|歌藤達夫|日本ハム|巨人|トライアウト後の巨人の入団テストに合格|
|木興拓哉|ロッテ|阪神|育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|ユウキ|オリックス|ヤクルト|育成選手契約|
|中村泰広|日本ハム|阪神|育成選手契約|
|森岡良介|中日|ヤクルト||
|吉本亮|ソフトバンク|ヤクルト||
***2009年
|開催日|場所|
|2009年11月11日|阪神甲子園球場|
|2009年11月25日|明治神宮野球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|今岡誠|阪神|ロッテ|トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|西谷尚徳|楽天|阪神|育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格|
|的場直樹|ソフトバンク|ロッテ|トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|山田秋親|福岡レッドワーブラーズ(ソフトバンク)|ロッテ|2007年にソフトバンクを戦力外となってから、独立リーグを経てロッテに入団テストで合格。独立リーグからプロ野球に復帰する初めての例となった。|
***2010年
|開催日|場所|
|2010年11月10日|西武ドーム|
|2010年11月24日|ヤフードーム|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|荒川雄太|ソフトバンク|西武||
|大城祐二|阪神|ソフトバンク|育成選手契約|
|大西宏明|横浜|ソフトバンク|育成選手契約|
|木下達生|日本ハム|中日|育成選手契約|
|小林雅英|巨人|オリックス||
|[[多田野数人>多田野数人(プロ野球選手) ]]|日本ハム|日本ハム|日本ハムと再契約|
|松坂健太|西武|日本ハム||
***2011年
|開催日|場所|
|2011年11月24日|ほっともっとフィールド神戸|
|2011年12月5日|QVCマリンフィールド|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|阿部健太|阪神|ヤクルト||
|木下達生|中日|ヤクルト||
|紺田敏正|巨人|日本ハム|巨人所属以前に日本ハムに在籍していたため、復帰|
|加藤大輔|オリックス|楽天||
|中谷仁|楽天|巨人||
|石井義人|西武|巨人||
|小林高也|中日|巨人|育成選手契約|
***2012年
|開催日|場所|
|2012年11月9日|日本製紙クリネックススタジアム宮城|
|2012年11月21日|ファイターズスタジアム|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|星野智樹|西武|楽天||
|大立恭平|巨人|ソフトバンク|育成選手契約|
|蕭一傑|阪神|ソフトバンク|育成選手契約|
|柴田亮輔|オリックス|ソフトバンク|育成選手契約|
|松本幸大|ロッテ|オリックス||
|林啓介|ロッテ|阪神|育成選手契約|
***2013年
|開催日|場所|
|11月10日|静岡県草薙総合運動場硬式野球場|
|11月22日|ナゴヤ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|岸敬祐|巨人|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|金森敬之|愛媛マンダリンパイレーツ|ロッテ|育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格|
|工藤隆人|ロッテ|中日|トライアウト後の中日の入団テストに合格|
|細山田武史|DeNA|ソフトバンク|育成選手契約|
|勧野甲輝|楽天|ソフトバンク|育成選手契約|
|有馬翔|ソフトバンク|楽天|育成選手契約|
|松冨倫|巨人|ソフトバンク|育成選手契約|
***2014年
|開催日|場所|
|11月9日|静岡県草薙総合運動場硬式野球場|
|11月20日|読売ジャイアンツ球場|
|合格者|トライアウト前|トライアウト後|備考|
|佐藤祥万|日本ハム|広島||
|八木智哉|オリックス|中日||
|梅津智弘|広島|楽天|育成選手契約|
|田中大輔|中日|オリックス||
|東野峻|オリックス|DeNA||
|堂上剛裕|中日|巨人育成選手契約||
|矢地健人|中日|ロッテ||
|陳冠宇|DeNA|ロッテ||
|森越祐人|中日|阪神||
|北方悠誠|DeNA|ソフトバンク|育成選手契約|
|井野卓|巨人|ヤクルト||
**トライアウトの難点
この合同トライアウト、問題点も多い。
ここ最近で批判対象となっている問題点は『&bold(){出来レース}』と化しているという部分である。
元選手や球団関係者の証言によると、球団側との繋がりなどがないと合格は厳しいとしている。その証言などで推測するには
#blockquote(){戦力外通告予定選手は夏頃から球団側にリストアップされる
↓
その時に他球団と話し合いをし、相手球団側から該当選手を2軍戦に出すよう要請される
↓
そこで高評価を得れば、戦力外通告を受けた際にトライアウトへの出場要請を選手は受ける
}
という流れが行われているようである。
この流れは『戦力外選手の実力をお披露目する』というよりも『選手の状態を確認する』という状態になってしまっている。
トライアウトは『テスト場』というよりも『最終チェック場』と化してしまったという反発も多い。
まあ、獲得しようとしている選手の状態をチェックするという行為はある意味『テスト』ではあるが…
これで一番批判される部分は『戦力外告知前にチェックしていた選手以外は最初から調査する気が無いのでは?』という所だろう。
とにかく、このことに関しては今後も議論する必要性があるかもしれない。
後挙げられている問題点としては『トライアウト前から獲得しようとする動き』に関してか。
そもそもトライアウト実施以前から、トライアウト以外の入団テストを実施させないという決まりは存在しなかった。
つまりトライアウト以前に個別に入団テストを実施する球団も多かったのである。
2004年に起こったプロ野球再編問題において、選手会側はこの問題にも触れる。
この時期は12球団合同トライアウト実施前に各球団が独自の入団テストを行わないことを申し合わせた。
ただし、選手会と球団側の間でこの問題は解決されなかった。
再編問題以降も、トライアウト前に秋季キャンプに練習参加させるなどの実質上のテストが行われていった。
そして2006年の横山道哉選手の、トライアウト開始以前の獲得報道の際にはこの問題が本格的に表面化した。
この獲得報道の時に「合同トライアウト前に、各球団が独自で入団テストを行わない」という決まりに反するという意見が選手会から出た。
結果的に、選手会と球団側で激しい議論が行われたのだった。
上記で述べた『トライアウトの出来レース化』はこの問題を避ける面もあるものだと思われる。
他にトライアウトで批判される面としては
・雨の際の振り替え日が無い(室内練習場でのテストは特定の選手には不利)
・短いシート打撃などでその選手の実力が確認できるのか
といったテスト方法に関しての批判もある。
追記・修正はトライアウトに合格してからお願いします。
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- ほんと、プロ野球選手は大変だな… -- 名無しさん (2015-01-08 21:00:39)
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