キョン(動物)

登録日:2024/05/06 Mon 17:23:59
更新日:2025/04/24 Thu 22:53:37
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ハ〇ヒ『キョン!! アニヲタwikiに項目を立てるわよ!!』


キ○ン『キョーン!!』


!!この項目はシカの一種である、実在の動物のキョンについて解説する項目です!!
『涼宮ハルヒ』シリーズの登場人物については「キョン(涼宮ハルヒシリーズ)」の項目を参照してください。あと、某女優のアイドル時代のあだ名でもありません。
以降、特に断りを入れない限り、以降の“キョン”とは、シカの一種の方の指します。


【概要】

キョンとは、偶蹄目シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種。漢字ではと書く。
原産国は台湾、中国南部。タイワンキョンとも呼ばれる。

シカの一種と書いた通り、オスの頭には短いが角が生えており、全体的なシルエットはシカに近い。
体長は40~70cm程度で小型のシカといった感じ。
シカとの違いとして、体は茶色っぽく、目の上から頭部にかけて黒い線があるのが特徴。
目の下方に臭腺という器官の開口部があり、これがつぶった眼のように見えるため、四目鹿(ヨツメジカ)という呼び名もある。

キョンの鳴き声は独特で、少し高い人の悲鳴の様な、「キャー」とも、「キョーン」とも聞こえる鳴き声である。まんまやな
群れを作ることはなく、概ね単独行動をする。

中国南部や台湾の料理では肉は結構な高級品として扱われている。
肉質は柔らかく、脂肪も少なくおいしいらしい。
また、なめした皮も高級品になるそうである。


【特性外来生物】

このキョンであるが、日本国では特定外来生物として指定されている。
主な国内の生息域は千葉県の房総半島や東京都島しょ部に属する伊豆大島で、動物園*1で飼育された個体が逃げ出し、1960~80年代に野生化したという。そして特に天敵もいないため大繁殖している。
2022年では、千葉県では約7万頭、伊豆大島では1万7千頭ほどいるらしい。
一方台湾の原種は数が減り保護動物にしているとか……上手くいかないものである。

生態環境への影響だけでなく、農家の農作物を食い荒らす食害の被害が大きい。
千葉県は対策をしているものの、天敵の不在や折からのハンターの不足などもあってか生息数はどんどん増えており、被害は拡大している。
2023年の6月頃には利根川を超えた茨城県でも確認されており、生息域は広がっている様である。
利根川があるため広がらないはずだが、掛かる橋を渡ったか、人為的に誰かが移動させたかと見られている。

上記の通り肉がおいしい、皮が高級品ということからジビエ(商品化)になりそうだが、千葉県ではジビエにはしていない。
理由としては、あくまで駆除すべき特定外来種であることに加え、商品化してしまうと飼育して個体数を維持する人が出てくる可能性があるため。
キョンの肉を扱う業者もいるにはいるが、駆除されるまでの間だけ扱うという。(駆除可能なのだろうかという疑問はさておいて)

また、なまじ可愛らしい姿と悲鳴みたいな鳴き声をしているために駆除を躊躇うという人も多い模様。
本業の猟師でも躊躇う人が出るほどで、担当の役所の人曰く「何頭か駆除しているうちに悲鳴が嫌になってくる」とか。
普通のシカだって可愛いといえば可愛いので、こればかりは例えキョンでもシカたないのだが。

ちなみに、日本国内の動物園で飼育されており、見るならそちらの方が良い。
飼育されているのは旭山動物園、大森山動物園、大島公園動物園、富士サファリパーク、池田動物園、安佐動物公園、福岡市動物園。
また、都立八丈島植物園でも飼育されている。ただし檻が結構奥まったところにあるので、徒歩でたどり着くのは少し骨が折れるが……。
山上たつひこの漫画作品『がきデカ』のギャグ「八丈島のきょん」はおそらくこれが由来。


【余談】

『涼宮ハルヒ』シリーズ同名の人物との関係について。
あちらのキョンのあだ名の由来は本名を捩ったもので、生物としてのキョンが直接の由来とは考えにくい。
ただし、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』では、動物のキョンと思われる姿が書かれた紙を顔に貼ったキョンの会議シーンがある。
また、鹿っぽい、動物のキョンのかぶり物をして子供向け番組のアシスタントをしたこともある。


追記・修正は、『涼宮ハルヒ』シリーズのキョンとの区別が出来てからお願いします。

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最終更新:2025年04月24日 22:53

*1 千葉の場合、2001年に閉園した観光施設「行川アイランド」で飼育下にあったキョンが逃亡、野生化し繁殖してしまった。