ポケットモンスターに関する都市伝説

登録日:2024/05/07 Tue 15:46:37
更新日:2025/04/12 Sat 11:10:40NEW!
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この項目では都市伝説の中でも、『ポケットモンスター』シリーズに関わるものを紹介する。
多くはただのヨタ話やジョークの類であり公式から否定されているものも多いが、一部真偽不明のものもある。




関連項目

■シリーズ全般やゲームシステムに関するもの

海外で『Pocket Monster』ではなく『Pokémon』のタイトルで売られているのは、『Pocket Monster』という言葉が男性のアレを指すスラングだから

当たり前のように流布している説だが、実際のところそんなスラングは一切無い。
「Pocket」に関しては、日本で「バット」を「股間のバット」などと書くとそういう比喩表現になるように、文脈によっては婉曲的に男性のアレを指すことも全く無くはないようではある。
とはいえメジャーな表現とは全く言えず、敢えて無理矢理探すなら極めて限定的にはあり得る程度で、「Monster」との繋がりに関してはそういったこじつけすら皆無である。
この単語だけ見て、何か卑猥なことを考えてしまうような人物は存在しようがない。

それでも「知名度が低いだけで本当はあるんじゃないの?」などと思うのなら、「dirty words」(淫語)「slang」(スラング)などを付けて実際に検索してみればいい。
英語があまりわからなくても、そんな使われ方がないことは検索結果を見れば分かるだろう。

そもそも当のアメリカでは、このような説は影も形もない。
ポケモンは国内外とも爆発的ヒットを起こした作品であり、そんな話が存在するなら、英語圏で飽きるほど擦られ続けていて然るべきである。
むしろアメリカのYoutuberであるNostalgia Criticでのポケモン映画レビューでは、「なんで『Pokémon』ってタイトルなんだ?ポケットに入るモンスターなんだから(日本と同じ)『Pocket Monster』でいいだろ!」とか言われている。

加えて、「『pocket monster』がスラングなので『Pokémon』にした」というこの話自体もあまり理屈が通らない。
「Pokémon」というよくわからない造語で売ったら「語源はなんなの?」という疑問を当然抱くはずであり、それで「pocket monster」に辿り着かれたらタイトルを変えた意味がない。
丸っきり別のタイトルに変えるのが発想として普通である*1

本当の理由は諸説あるが、
  • 「Monster」と言うとあちらのイメージではリアルな「怪物」になってしまうため、いくら「Pocket」と付けたところで相応しくない
  • 既に『Monster in My Pocket』という比較的名の知られた玩具メディアミックスがあり、そちらと被るのを嫌った
辺りが有力視されている。
特に『Monster in My Pocket』は2000年に販売元のモリソン・エンターテインメント社から「うちのパクリだ」と実際に訴訟を起こされる(敗訴したが)ところまで発展しており、それなりに真実味はある。
そもそも、もし「Pocket」と「Monster」(の組み合わせ)がダメなら、『Monster in My Pocket』はこの世に存在しないはずである。

このような説が出てきたのは、アニメ『サウスパーク』の「チンポコモン」回が原因と思われる。
ポケモンと男性のアレを露骨に掛けたタイトルだが、これは作中に「日本人のモノの大きさコンプレックス」の話が出てくるからこうなっているだけであって、ポケモンというタイトルには全く関係ない。
海外のサウスパーク論評を見てみても、『Pokémon』というタイトル名がどうだなんて話は全く出てこない。
また、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーランと爆笑問題の共著である「爆笑問題・パックンの英語原論」(文庫版のタイトルは「爆笑問題・パックンの読むだけで英語がわかる本)にもこのような記述があり*2、一層デマの普及に一役買ってしまったものと思われる。

実際問題、メインシリーズ以外の展開は日本でも『ポケモン』表記が殆どだし、『Pokémon LEGENDS アルセウス』に至ってはメインシリーズにもかかわらず日本でも『Pokémon』表記で展開しているので、もはや世界的規模の作品には分かりやすさの方が重要なのかもしれない。

一方で、公式で「きんのたま」なる際どいネタが存在したり、穴久保版ポケモン漫画では男の人のアレをモンスターボールやきんのたまと間違えるという下ネタがあり、これが日本でますますこの都市伝説が広まる要因になった可能性もあり得る…かもしれない。

ちなみに『アイシールド21』ではあろうことかこの都市伝説を真に受け、ヒル魔とNASAエイリアンズの監督アポロが英語のスラングで罵り合うシーンでさらっと「Pocket Monster」が使われている。伏せ字付きだが意味が分からないセナが「ポケモン?」と反応していたので間違いあるまい。よく怒られなかったものである……。

また、過去に毎日新聞で記者のライアン・コネルなどがあまりにも低俗な記事を書き問題になったが、中にはこの都市伝説を取り扱ったものもあった。


モンスターボールでポケモンを捕まえる際、ボタンを連打すれば成功率が上がる

シリーズ初期に噂されていたありそうなテクニックだが、残念ながら存在しない
昔はゲームの仕様全てがまだそこまで知られてなかったため、こういったガセネタを信じた人も多かったのだ。まだネットが普及してなかったため容易に情報を調べられなかったのも大きい。
このような噂が広まった理由として、「ボタンを連打してたら偶然ゲットできたのでそのまま勘違いした」「友達や家族が連打してたのでそういう仕様だと思い込んだ」などが考えられる。
この噂を信じてひたすら連打してた子供は多かっただろう。また、頭ではわかってるけど願掛けのために無意味にひたすら連打してた人もいたとか。
派生として、「モンスターボールが揺れるタイミングに合わせて押す」というパターンもある。

現代では捕獲率の計算式も解明されており、捕獲演出中の操作が一切捕獲正否に関係しないことは判明しているが、結局は確率に左右される要素であることは変わらないため、実際には意味はないことは承知の上で捕まえやすくなるジンクスとして現代でも話題に上がることはあり、上記以外にも様々なボタンの押し方の派閥が存在する。


はねる」には隠された効果が存在する

ご存知、初代から存在するポケモン史上最も役立たずな技である「はねる」に関する噂。
ただピチピチはねるだけで何も起こらないという完全なネタ技だが、内容と存在意義があまりにも意味不明なので、昔の子供たちの間では「低確率で何か起こるかも」「特定の状況下なら変化があるのか」と噂が絶えず、試しにひたすらはねてみた子供も多かったらしい。
残念ながらそんなものはなく、ただ無意味にはねるだけで本当に何も起きない。

ただ、使いまくれば変化があるというのはある意味当たっている。
……厳密にはPPを使い切って「わるあがき」が出るようになるだけだが。

第七世代限定だが、「はねる」をZワザ化すれば攻撃が3段階アップするという扱いにくいが強力な使い道を得られた。

似たような技として「おいわい」と「てをつなぐ」が存在するが、登場したのはネットの普及が進んでポケモンの知識が大分広がった第六世代であり、さすがに「はねる」ほど上記の噂は存在しない。こちらもZワザ化で強力な技になる。


ポケモンコロシアム』に登場するダキムのエンテイは高い確率でこっちが何もしなくても味方の「じしん」に巻き込まれて同士討ちで倒されてしまう

エンテイが唯一神としてネタにされるようになったきっかけとして流布されている噂。

シャドーの幹部であるダキムは手持ちを「じしん」と「まもる」を覚えさせたポケモンを多く採用しており、双方のポケモンが交互に「じしん」と「まもる」を放つことで、効率よく範囲攻撃を繰り返してくる強敵なのだが、切り札がダーク化したエンテイ。
貴重な伝説のダークポケモンなのでぜひともスナッチしたいのだが、よりによってこのエンテイは「まもる」を覚えていないため、何も知らないでプレイしているとそのまま相方の「じしん」で戦闘不能となってスナッチできなくなる、というもの。

初期のエンテイのネタ要素として欠かせないエピソードであり、今現在でも多くの攻略サイト等に「スナッチする際にはエンテイが相方の「じしん」で倒されないように注意しよう」等と書かれている。
実際どうなのかというと、エンテイが味方の「じしん」に巻き込まれて大ダメージを負うこと自体は本当なのだが、基本的にダキムに限らずNPCポケモンのAIは味方が「じしん」ダメージを受ける場合は「じしん」は使わず別の技で攻撃するよう調整されている。
一応、切り札として出てきたエンテイにこちらから1ターン目で集中砲火してHPをごっそり削る等すれば後手に回った相方の「じしん」に巻き込まれてダウンすることもあるし、相方の「じしん」がエンテイの急所に当たってそのまま倒れてしまう等、可能性としてはゼロではない。

しかし、前者にしては「貴重な伝説のダークポケモンだけどスナッチせずにとっとと倒してしまおう」などと狙ってやらない限り起こりうることではないため「何もせずとも勝手に倒れた」とは言い難い上に*3
後者に至ってはそれこそ第三世代の急所確率6.25%を引いてしまった運の悪いプレイヤーに限った話である。
つまり可能性としては0ではないが、巷でよく言われる「ダキムのエンテイが相方の「じしん」に巻き込まれて戦闘不能になる」といった現象に遭遇するのはむしろ稀なパターンである。

では「こっちが何もしていなくても勝手に倒れるエンテイ」というのが嘘なのかというとそうでもない。
というのもこのエンテイは主力技が反動ダメージ付きの「ダークラッシュ」なので「相方の「じしん」で大ダメージを負う→ダークラッシュ連発で自分のHPを更に削りまくって自滅という非常に厄介なことをやらかす*4ため、こちらが攻撃する前に倒れかねないのは変わらず、どっちみちスナッチ難度が高いのは同じだったりする。

恐らくネット上で「エンテイはこちらから攻撃しなくても勝手に倒れることがある」という事実を伝える際に「ダークラッシュを連発して反動ダメージで~」の部分が簡略化されて「相方の「じしん」で倒される」という誤った認識で話が広がってしまったものだと思われる。
しかし長い間エンテイ本人の記事でも誤った状態で放置されており、さらにはコメント欄でも未だにこれを信じて貶すような者もいる。

メインシリーズのタイトル

『ポケットモンスター』シリーズのメインシリーズにおいて、第五世代ではナンバリングされることはあったが、全体を通すと各作品にはそれぞれサブタイトルが付けられるのが恒例となっているため、「次回作のタイトルはこれだ!」という噂がまことしやかに囁かれるのが通例となっている。
ただ、ほとんどはガセネタの部類であり、「アクアブルー」や「デルタエメラルド」や異形のビーダルがパッケージになった「ウラン/プルトニウム」などは実際に発売されることはなかった。

とはいえ、いくらか信憑性のあるネタ元もあり、「ポケモンシリーズの登録商標」を確認すると、「トルマリン/ムーンストーン」「ブラウン」「ホワイトゴールド」「トパーズ/アメジスト」などの作品名(候補)がみられる。
「とりあえず押さえてあるだけで発売する気はないんじゃないの?」と思われるかもしれないが、実は「スカーレット」は「バイオレット」発売よりも前に単独で商標登録されていたりもするため、これらの商標の中から最新作が出てくることもある……かもしれない。

『オメガルビー』には色違いボルケニオンを入手できる裏技がある

あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます!
理由はもちろんお分かりですね?

…最早言うまでもないがただのデマである。ボルケニオンの余談参照。



■ストーリーや登場人物に関するもの

グリーン(赤緑ライバル)の手持ちのラッタ死亡している

初代ポケモンである赤緑青ピカチュウ及びリメイク作品であるFRLGで、ライバルが一時手持ちに加入させていたコラッタ→ラッタが途中からパーティから外れてしまうのは死亡してしまったため、という説。

ハナダシティでの戦闘時に初使用するコラッタは次戦のサント・アンヌ号での戦闘時にもラッタに進化して*5続投しているのだが、さらに次のシオンタウンのポケモンタワーでの戦闘時には外れてしまう。この時の手持ちは5体であり、枠には余裕があるはずなのに。
ポケモンタワーというのが言わばポケモンの墓地であること・ライバルがそこにいた理由も不明瞭*6であったことから、「メンバーから外れた理由は死亡したためではないか?」「ライバルがポケモンタワーにいたのはその埋葬または墓参りの為ではないか?」という想像が膨らんだもの。

ここまでであれば僅かな描写から妄想を膨らませた与太話だったのであるが、公式の「ポケモンだいすきクラブ」サイト内の企画「本当は怖い?ポケモン」にて、
「ポケモンタワーでライバルに出会いますが、かれは何をしに来ていたのですか?」という問いに「もしかすると、かれが大事にしていたポケモンに、タワーまで会いに来ていたのかもしれないわね……。」という回答を掲載。
この死亡説を意識している可能性が非常に高いとして話題となった。

この手の都市伝説に公式サイドが触れ、否定するどころか示唆する言及を行ったというのは非常にインパクトの大きな出来事ではある。
しかし、あくまでラッタと明言しているわけではないどころか「ポケモンタワーにグリーンの大事なポケモンが眠っていて、それに会いに来ていた」という部分自体が推測の形式で述べられている点には注意。
「公式がこの都市伝説を明確に肯定した」という認識は誤りと言える。

余談であるが、該当タイトルでライバルが初戦から最終戦まで通してメンバーから外したポケモンはラッタのみである。
また、ピカブイのライバル(シン)はコラッタ・ラッタを加入させておらず、全編通してリストラはない。


金・銀』で「きんのはっぱ」と「ぎんのはっぱ」を持ってウバメのもりの祠に行くとセレビィが出現する

当時の子供達の間で大流行した説。「きんのはっぱ」と「ぎんのはっぱ」とは「赤・緑・青・ピカチュウ」バージョンのポケモンを「金・銀」バージョンに連れていくと所持していることがある道具で、インターネットも普及してないのに多くの子どもたちがこの都市伝説を信じていた。
ホウオウルギアに持たせるというパターンもある。

実際には「きんのはっぱ」や「ぎんのはっぱ」もデータ的には「赤・緑・青・ピカチュウ」で使われていたが、「金・銀」では使われていないデータ領域を利用して作られたアイテムでしかなく、使用用途も換金用であり上記を行っても何も起きない。

じゃあなぜこんな意味深な祠やアイテムがあるのかというと、任天堂公式ガイドブック【ポケットモンスター金銀ポケモンずかん】のスタッフインタビューによれば、「ここには何もない、ただ思わせぶりのために作った(意訳)」そうである。
噂話好きなスタッフが初代に関する都市伝説(後述)を気に入り、金銀でも同じようなものが生まれてほしいとからと、このようないかにもな代物を作ったのだそうだ。
ちなみにこの祠のグラフィックは、建物などのマップチップの角部分を組み合わせただけのものであり、本当に「余り物でできたから作っただけ」である。
そしてそのうちでも知名度の高かったセレビィの入手は、後の『クリスタル』においてモバイルアダプタGBとの連携により実際に祠で会う事が出来るようになっている。

また漫画『ポケットモンスターSPECIAL』の「金・銀」編でもラスボスがセレビィを入手する為にウバメの森の祠でラストバトルが行われた為、そちらのイメージも大きい可能性がある(こちらで使用されたアイテムは「にじいろのはね」と「ぎんいろのはね」だが)。
また、リメイク版の『ハートゴールド・ソウルシルバー』ではこの噂を元にセレビィのイベントを作ったという。
似たような都市伝説として『ルビー・サファイア』時代にトクサネシティの白い岩を100回調べるとジラーチが出現するというものもあった。

余談だが、解析によりこの祠は「建物の屋根部分の四隅」と「看板の足」の組み合わせで出来ている事が判明している。専用パーツを描き下ろさずに新たなオブジェクトを作成する、ROM容量の少ない時代ならではの工夫と言えよう。


『金・銀』に登場するレッドは亡霊

出てくる場所が場所であることや、セリフが「・・・・・・」のみであること、実家に全く帰っていないことなどから噂された。
その後『BW2』や『サン・ムーン』においてしれっと登場。セリフが無かったのは「無口な性格だから」という理由付けがされた*7グリーンが同行していなければどうなったことか。
何気にそれ以前から、HGSSのグリーンのセリフを聞けば生きていることは自明だったりするのだが。
また、「服装がグリーンと比べてダサい」(=世俗とは距離を置いている?)という形で「なんでそんなところに一人で…」というのにもフォローが入っている、だろうか。
さらに『ポケモンマスターズ』において登場した際には周囲からも寡黙っぷりを不思議がられた際、遂にその理由を自らの口で説明した。……曰く「言葉は 不要!
なおその後はメインストーリーにも登場し、そちらでは相変わらず寡黙ながらもそれなりに喋っている。

あまりにも有名になってしまったため、現在でも信じる人は一定数いる。
中にはヒガナの提唱したパラレルワールドを持ち出してメガシンカのない世界のレッドは死んでると言い張ることも。
先述の通りHGSSやBW2の時点で否定されている*8
とはいえ金・銀・クリスタルの時点でレッドの家にあったゲーム機がロクヨンに更新されているため、少なくとも全く帰ってないとは考えにくく、やはり『金・銀』当初から生存していたとみるべきであろう。

また、派生パターンとして「ギラティナの正体は死亡したレッド」というものもある。
これはギラティナがゴーストタイプであることと『金・銀』でレッドが出て来る場所がシロガネ山であることに由来し、後者については「シロガネ→白金→プラチナ→ギラティナ」という連想ゲームである。

実際はシロガネ=銀・白銀である。*9


いかりのみずうみの赤いギャラドスが赤いのは血で染まっているから

金・銀(及びHG・SS)のイベントで戦闘することになる赤いギャラドスが赤く染まっているのは、かつて飢饉の際にいかりのみずうみに住んでいたコイキングを食料にしていた人間が、コイキングへの感謝を忘れ乱獲や虐殺を行った結果、コイキングから進化したギャラドスの怒りを買い、復讐され殺された際にギャラドスの体表が人間たちの返り血で染まってしまったからだとするというもの。

作中では赤いギャラドスが発生した理由自体が語られてはいないとはいえ、そんな描写・設定は無い。
ポケモン図鑑に記されているギャラドスが暴れるきっかけは「人同士の争いに呼応して」というもので、同族の危機などについては触れられていない。

そもそも上記の説はゲーム中で訪れた際の怪電波によるギャラドスの大量発生の件を完全に無視しており、赤いギャラドス自身もただの色違いと見るか、アニポケでの設定*10ポケスペでの設定*11で、ある程度公式で答えが用意されている状態である。
そもそもコイキングが骨と皮だけだから食料に向かないって公式(アニポケ)でいわれているじゃねーかというツッコミに関しては、メディアや時期によって違う可能性もあるのであえてスルーする。

「本当は怖いポケモン」として紹介される事が多く、おそらく誰かの考察(妄想)が某大型掲示板などで発表したなどの理由で流布されたものだと思われる。本当も何もギャラドスは元の図鑑説明からして怖いとか言わない。



■ポケモンのデザインや設定に関するもの

御三家には裏モチーフが存在する

最初に貰える3種類のポケモン、通称「御三家」はタイプごとに特定のモチーフに沿ったデザインがなされているとの説。
そこそこ知られているが、あまりにも荒唐無稽なため懐疑的に見られることが多い
身も蓋もないことを言うなら、「そもそも老若男女誰にもわかりやすくそれでいてカッコいいモチーフなんてそう種類もないから、こじつければいくらでも共通点ぐらい見出せてしまう」というのが一番実情に近いと思われる。

  • くさタイプ - 古代生物モチーフ:元々は恐竜モチーフとされていたが、そもそも初代のフシギバナの時点で恐竜かどうか怪しく*12、さらに恐竜ではなく大蛇のジャローダの登場以降は古代生物説に切り替えられている。しかし、その後は古代生物としては無理があるモチーフ*13も度々登場しており、いずれにしても荒唐無稽な説であることを物語る経緯である。
  • ほのおタイプ - 干支モチーフ: 干支ではないものが含まれている (ヤマアラシブタキツネネコワニ)。にもかかわらず、「表向きはキツネだが実は……」といった強引な紐付けがなされる。
    一応キツネはイヌ科だしヤマアラシ(齧歯類)→ネズミ、ブタ→イノシシ、ネコ→トラ、ワニ→龍と無理矢理言えなくもないが……*14。だが、そんな風に言い出したらほぼ無法になる*15
  • みずタイプ - 武器モチーフ: どう見ても武器ではない 。明確にそれらしい見た目なのはカメックス大砲ぐらいで、ダイケンキインテレオン→銃、ゲッコウガ→手裏剣は強弁できなくもないが、この辺はどちらかというと「武器モチーフ」というよりも「侍やスパイ忍者などの特定の職業をモチーフにした結果副次的にそういった要素も含まれた」と考えた方が妥当だろう。
    オーダイル→メリケンサックに至ってはあまりにもこじつけが過ぎる*16ため嘲笑の対象となっている。
    最終的に全く武器要素のないウェーニバルが登場したことで完全に破綻した。尾羽根などを「鉄扇」にたとえようにも先にラグラージで主張してしまったので……

特にオーダイル→メリケンサックはこの都市伝説の象徴的存在となっていて、某大百科では「メリケンサック説」という項目名でこの説が語られており、さらにポケモン界隈の一部では「荒唐無稽な俗説」を指すスラングとして「メリケンサック」が通用することもあるようだ。


伝説のポケモンはだんだん過去へと遡っている

初代のミュウツーが「最新の遺伝子研究で生み出されたポケモン」、金銀の三犬が「歴史上記録されている火災で死んだあと蘇ったポケモン」、ルビー・サファイアのグラードンカイオーガが「陸とを作ったポケモン」とだんだん歴史的に原初の方向へと向かっている、という説。
後発の学説ほど先発の学説より古い時代に起源を求めるという「加上説」が実際の神話にもあり、
一応、『ダイヤモンド・パール』ぐらいまではそれなりに信ぴょう性のあるものだったのが、そのダイパで「ポケモン世界のすべてを作った」創造神にも等しいアルセウスが出ちゃったため、もう極まったところまで行ってしまった感があり、以降はあまりそういったイメージが絡んで語られることはなくなっている。
その次のBWのゼクロムレシラムは金銀に近い「人間が文明を築いて以後の伝承」がルーツとされ、その後もRSEやDPtのような神話クラスの原初を出自とする伝説のポケモンはパッケージを飾るポケモンとしては出ていない。


初代主人公(レッド)やピカチュウのデザインは最初期だけ違う

主に以下のように言われる。
  • レッド:目が赤色で後髪が横にツンツンしてなかったが、目が黒・左右にツンツンした後髪に変更。
  • ピカチュウ:尻尾の先端部に黒もしくは茶色の縞があったが、黄色一色に変更。
変更時期は「ピカチュウ版」「金・銀」「FRLGでリメイクして」といろいろ言われるが、赤・緑の取説イラスト(ピカチュウは本編中の図鑑の画像でも確認可能)の時点でこれである。
レッドの誤解はおそらくポケスペのレッドとの混同。
ポケスペの第1巻表紙絵を見ると分かるが、こちらのレッドは後髪があまり跳ねておらず(前髪はツンツンしているが)赤茶色の目をしている(初期作品の穴久保漫画版やアニメ版はいずれもゲーム版準拠のデザインで後髪がツンツンしている。またリメイク版のレッドは「黒髪→茶髪」という変更はある)。
ピカチュウについては不明だが、尻尾の付け根付近は暗っぽい色になっている。


ユリ・ゲラーはユンゲラーについて裁判を起こしたが、任天堂の法務部に論破されて敗訴した

より詳しく言うと、超能力者のユリ・ゲラーは任天堂相手に「ユンゲラーは自分のパクリだ」と裁判を起こしたが、任天堂側の弁護士に「じゃあ今ここで超能力を使ってスプーンを曲げてください」と言われて応じることができず、敗訴した というものになる。

これについて、前半の「ユリ・ゲラーが任天堂を訴えた」という箇所は本当だが、後半の「超能力云々」はガセ
実際には「ユンゲラーという名称は日本でのみ扱われているので、連邦最高裁判所の管轄ではない」という理由で訴えを退けられた
ユンゲラーの英語名は「Kadabra」であり、ケーシィの英語名「Abra」と併せてアブラカダブラが由来。
ざっくり言うと「いやそのキャラクターはうちの国じゃ「Kadabra」って名前で「ユンゲラー」という名前は日本で使ってるだけなんでしょう?うちの裁判所に言われても困るよ」ということ。
つまり却下に近い扱いで、現実に裁判が行われてゲラーが敗訴したという訳では無い
ちなみにそのユンゲラーの名称を使っている当事国である日本では裁判は起こさなかった様子。

ちなみに、ユンゲラーの進化前のケーシィは予言者のエドガー・ケイシー、進化後のフーディンは奇術師のハリー・フーディーニ*17が元ネタだと思われる。

ただ、この訴訟の件は任天堂としては結構大きな出来事だったようで、ADVシリーズ以降のポケモンカードゲームからユンゲラーの存在が消えた。ちなみに、同族のケーシィ・フーディンも同じくカード化されることがなくなったが、この二種はポケモンカードゲームDPで復帰。それでも、ケーシィはフーディンに直接進化できる「ちょうしんか」を使えるなど、ユンゲラーはポケモンカード界のタブーの如き扱いを長らく受けていた。
原作ゲームにおいても、第4世代以後はユンゲラーにかわらずのいしを持たせて通信交換してもフーディンに進化する例外処理が設けられている。
また、サワムラーエビワラーの同族ポケモンが「カポエラー」になるなど、以降実在の人物モチーフのポケモンはほとんど出なくなっている(ダゲキは見る人が見れば大山倍達がモデルなのは一目瞭然だが、公言していないのでセーフなのだろう…それに、実在の大山倍達じゃなくて『空手バカ一代』の方だし)。

なお、2020年にはユリ・ゲラーがユンゲラーについて認めるツイートをした事で事実上の和解を果たした。
そして2023年には彼自身がツイッターで「ポケカにユンゲラーが復活する」と言う情報をリーク初公開し、実際に6月発売の「ポケモンカード151」で21年振りに収録されている。


バタフリーは本来コンパンから、モルフォンは本来トランセルから進化するはずだった

ゲーム内画像の特徴から初代の開発段階で入れ替わってしまっているのではないかと噂されている。

特にコンパンとバタフリーは触覚、眼、手足、口とほぼすべてのパーツがそっくりであり、コンパンに胴体と羽根を付け足せばそのままバタフリーになると言っていいレベル。
現実世界にはモルフォチョウという種類の蝶が実在しており、当然モルフォンはそのモルフォチョウがモチーフになっている……かと思いきやそんなことはなく、主に羽根の形状からアゲハチョウがモチーフであると考えられ*18、ポケモン名とモチーフになった蝶が一致していないという現象も見られる*19
もう一つ不自然な点として進化過程での体重変化があり、トランセル(9.9kg)→バタフリー(32kg)と激増しているのに対して、コンパン(30kg)→モルフォン(12.5kg)とこちらは激ヤセしており、バタフリーとモルフォンが逆であればしっくりくる変化となる。

ちなみに、金銀以降の作品のドット絵や画像を理由に否定する意見もあるが、「初代の開発段階ですでに入れ替わっているのでは?」という疑惑なのであくまでも初代のドット絵で比較を行わなければ意味がなく、この意見については少々的外れと言わざるをえない。
特にモルフォンのドット絵については赤緑青版→ピカチュウ版の段階でなぜか大幅に差し替えられているのでなおさらである。

反論としては、解析により内部コードでは*20キャタピー・トランセル・バタフリーのナンバーは綺麗に三匹並んでいるため、それだけ見るとキャタピー・トランセル・バタフリーの三匹は最初から3段進化のポケモンとして作られたという事がわかる。
後から進化後や進化前を継ぎ足し継ぎ足しするようにナンバーが並んでいるパターンも多いので、キャタピー~バタフリーも偶然並んでいただけという可能性も完全に0とまでは言えないのだが*21
コンパンにせよモルフォンにせよ、キャタピー系列3匹より大分ナンバーが若く、特にコンパンは前後の並びを見るとそもそも進化のシステムができる前に作られた可能性が高い。

つまりモルフォンもコンパンもキャタピー~バタフリーの進化系列が成り立つ前にポケモンとして完成しているのである。
仮にバタフリーとモルフォンのデザインが何らかの拍子に入れ違っていたとしても、この内部データの状況で「バグか何かでお互いのグラフィックが入れ替わってしまったのを修正できず、そのままお出ししてしまった」と言うのはかなり苦しいため、少なくともマスターアップの段階ではこの進化系列は正しいものとしてスタッフの間で認識されていたのだろう。

要するに製作段階でのミスとは思えないのだが……それにしたって似すぎているため「逆に何故スタッフはここまで似ている二匹を何ら関係のないポケモンにしてしまったのか」という疑問が残る。

どう見ても全く関係がないとは思えないデザインの二匹だが、公式側からは何のコメントもなく現時点ではやはり都市伝説の域は出ていない。
また、初代ポケモンの開発から2023年現在で実に30年近い時が経過しており、当時の開発状況を正確に記した資料、記憶している関係者等が果たして残っているのかどうかというレベルの話になるため、公式側としてももはや真相は闇の中でコメントのしようがない、というのが実際のところかもしれない。

ちなみに、発売前のコロコロコミックにはコクーンはチョウやガに進化するというとんでもないことがサラッと書かれているが、単なるチェックミスなのか、ビードル/コクーン/スピアーまでこの謎に関わっているのかは不明。


パラセクトの下の虫は既に死んでいる

パラセクトは冬虫夏草をモデルとしたポケモンであり、その生態は言わずもがな虫に寄生したキノコ。
ならポケモンのパラセクトもそうなのではないか…という説。少なくとも図鑑説明では初期の頃から「キノコが体を操っている」としており、
ポケモン超不思議のダンジョン』では思いっきりキノコが自己紹介をしていた。

なお『クリスタル』の図鑑では「ムシから エキスが すえなくなると せなかのキノコは ムシの タマゴを みつけて ほうしを うえつける。」とあるため、
エキスを吸える=キノコが寄生しているパラセクトは生きてはいることの証左になっていた。
しかしその後『ウルトラサン』の図鑑で「ムシの部分はほぼ死んでいる」と紹介されている。
死んで”は”いないというだけでほぼ死んでいるようなものであった。寄生獣みたいなものか。


ゲンガーピクシーにゴーストが憑りついた姿

ゴーストがゲンガーに進化すると爆増する重さがピクシーの重さとほぼ等しいこと、フェアリータイプの技であるマジカルシャインをどく・ゴーストタイプのゲンガーが覚えること、そして何よりゲンガーとピクシーのシルエットがどことなく似ていることなどが根拠とされる。
実際のところ、ゲンガーの重さが40.5kgなのに対しピクシーの重さ+ゴーストの重さは40.1kgと微妙にずれがあったり、マジカルシャインを覚えるゴーストタイプのポケモンは他にもいたり*22するため根拠とするには若干弱い。
少なくともポケモンミリしらの人でも一目でこの可能性を思いつく程度にはシルエットが似ているのは事実だが。
そもそもゲンガー自体が恐ろしい図鑑記述が満載のポケモンであるためこんな都市伝説が生まれたのかもしれない。


ラッキーの色違いの配色は『ポケットモンスター4コママンガ劇場』の藤凪かおるが描いたラッキーを逆輸入したもの

ピカチュウをつねっていじめるコイルで一部有名な4コママンガ劇場だが、その中に藤凪かおるが描いた「釣りをすればコイキングばかり釣りまくるレッドと彼を支える相棒のラッキー」という漫画シリーズがあった。

藤凪は一部カラーページも担当していたのだが、その中で描かれたラッキーは「黄色い胴体に緑色の耳」という本来のラッキーとはまるで異なる体色をしていたのである。
これ自体は単純に資料不足が原因だったようで、次の巻からは本来のピンク色で描かれている。

ポケモンのメディアミックスの初期も初期の頃の話であり、当時のポケモンの漫画作品とゲームのイメージの食い違いは決して珍しくないので特にツッコまれもしなかったのだが、
後に全てのポケモンに色違いが実装された続編『金・銀』における色違いのラッキーは「黄色の胴体と緑色の耳」という上記の4コマそっくりの姿だったのである。

余りにも似すぎているため「ゲームフリークのスタッフの中に4コママンガ劇場ファンがいて逆輸入したんじゃないか」と長年言われ続けていたのだが、
藤凪かおるが自身のTwitterで「未だに『その後にできた色違いラッキーは藤凪さんの黄色いラッキーからですか』とか聞かれるんですが私にそんな力ないよ!100%偶然だよ!!」と否定している。

これだけだと「作者に伝えずこっそりスタッフが4コマを参考にしたのでは?」という疑惑も残るが、そもそも当時のポケモンの色違いはカラーパレットを一律でズラすというシンプルな手法で作っていたため、狙って4コマの配色にするのは難しかったと思われる。

資料不足からか媒体によって作画を勘違いされたポケモンはこのラッキー以外にも初期にちらほらおり、マリルのような白塗りのお腹になったピカチュウが有名*23
他にも一本ヅノのリザードン三つ目のペルシアン、顔を出す穴をクラゲのような足と解釈されスクラビングバブルと化したディグダ、ナタモーンなどなど。


ミュウツーのデザインは初代MOTHERラスボスが元ネタ

ポケットモンスターは元々、『MOTHER』シリーズの影響を受けて作られたゲームである。主人公のデザインやフィールドのつくりなど共通点も多い。
初代ポケモンの裏ボス的存在であるミュウツーは初代MOTHERのラスボス「ギーグ」にデザインや超能力を使用する点などの共通点がある。
そのため、ギーグをモデルにしたのではないかと噂されたことがあるが、これについてはグラフィッカーの杉森建氏がX(Twitter)で否定している。


レジ系のポケモンのモチーフは被爆者

詳しくは項目参照。
レジエレキレジドラゴが登場した第八世代以降の作品では完全に否定されたと言える。


ミカルゲの裏モチーフは網走刑務所の囚人

『ダイヤモンド・パール』の舞台となっているシンオウ地方の地形は現実の北海道に当てはめることができると言われているが、本作においてミカルゲの出現するズイタウンは、北海道の地図でいうと北見市のあたりに該当する。

この北見市には、心霊スポットとして有名な「常紋トンネル」という鉄道トンネルが存在している。
本トンネルの建設時には、網走刑務所の囚人達が労働のため強制的に駆り出され、事故や病気などで多くの死者が出た。
そして、犠牲者はトンネルが無事に開通することを祈り、人柱として地中に埋められたという話も残っている(実際、常紋トンネルの壁からは白骨化した遺体が発見されている)。

『パール』におけるミカルゲの図鑑の説明文には、「500ねんまえに わるさをしたため かなめいしの ひびわれに からだを つなぎとめられてしまった。」とあり、ゲーム中でも「みたまのとう(御霊の塔)」という場所に封印されている。

また、ミカルゲの覚える技には「ふいうち」「わるだくみ」「うらみ」など、悪人や犯罪者を連想させるものが多い。
そのため、「ミカルゲは常紋トンネルに生き埋めにされた強制労働者の囚人がモデルではないか?」という説が一部のプレイヤーの間で囁かれるようになった。


『ダイヤモンド・パール』の伝説のポケモンは日本神話の神々がモデル

『ダイヤモンド・パール』にて初登場した4体の伝説のポケモン*24は、日本神話に登場する神々がモデルになっているのではないかとする噂。
ポケモンとモデルとされる神々は以下の通り。
  • アルセウス→国を生み出したイザナギとイザナミ
  • ディアルガ→アマテラスの弟スサノオ
  • パルキア→太陽の神アマテラス
  • ギラティナ→アマテラスの弟である月の神ツクヨミ

また、日本神話と類似点の多いことで知られるギリシア神話がモデルとする意見もある。
  • アルセウス→ギリシア神話の最高神ゼウス
  • ディアルガ→スサノオと同じく海の神であるポセイドン。また、ディアルガと同じ時の神であるクロノスとする説も
  • パルキア→アマテラスと同じく太陽の神であるヘリオス
  • ギラティナ→ツクヨミと同一視されることが多い冥府の神ハデス。また、見た目が蛇に似ていることから、原初の蛇オピーオンとする説も

この4人の神には何かしらの支配者という共通点が存在する。
また、ギラティナのモデルとされるオピーオンの伝承では、世界は巨大な卵から産まれたとされており、シンオウ神話の世界観とも酷似している。

さらに同じく『ダイアモンド・パール』に登場するレジギガスも
  • 日本神話→縄を使って大陸を動かした伝説から八束水臣津野命やアマテラスをはじめとする天津神と戦い葦原中国を譲った国津神の主宰神オオクニヌシ
  • ギリシャ神話→ゼウス達オリュンポス神のティーターンに対する扱いに憤りギガントマキアを引き起こし敗れたギガース
がモデルと噂されることも。
特に名前の元ネタと噂されるギガースを根拠にプレートに登場するとは巨人はレジギガスの仲間で、彼らと共にアルセウスと戦い、敗れた後に神殿に封印されたのではないかと考察されることも多い。


ダークライのデザインは死亡した子供が描いたものが元になっている

『ダイヤモンド・パール』で登場した幻のポケモン・ダークライにまつわる都市伝説。
何らかの事情で死亡したポケモンファンの子供が生前考えたオリジナルポケモンを親がゲーフリに持ち込み、若くして亡くなった命を不憫に思ったゲーフリがそのデザインを元にダークライを生み出したのだという。

死亡した子供については「悪夢にうなされ亡くなった少年の夢に出てきた」「自殺した少女が生前に描いた」など複数説存在する。
また、その子供自体も『ダイヤモンド・パール』のミオシティで悪夢にうなされている少年や『BW』のストレンジャーハウスにいる少女のモデルとなっているという尤もらしい話が添えられることもある。

実際のところ、ダークライは普通にゲーフリ内部のデザイナーによってデザインされたポケモンであるためこの話はガセである。
そもそも、いくら不憫だったとしても所詮は素人が考えたデザインである。「偉大なる戦士タイラー」のように専門の仲介者がいるならともかく、親(を名乗る人物)から持ち込まれたくらいでそうやすやすと採用するわけにもいかないだろう。


プルリルの裏モチーフは水子

プルリルはメノクラゲやドククラゲ同様、クラゲをモチーフとしたポケモンであるが、手足らしき部位が4本しか生えておらず、そのシルエットはどこか人間の子どもに近い。
また、タイプは「みず・ゴースト」であり、分類も「ふゆうポケモン」とされている。

さらに『ブラック2・ホワイト2』の図鑑説明には、「ベールの ような てあしを まきつけ しびれさせると 8000メートルの しんかいに つれこんで ころすのだ。」と書かれている。
このことから、プルリルの裏モチーフは人工妊娠中絶などにより亡くなってしまった胎児…つまり水子の怨念だという都市伝説が生まれた。

しかし、現在では単にユウレイクラゲをモチーフにしているという説が有力視され、さらに公式から当初はみず単タイプの予定だったものの、バランスの都合でゴーストタイプがつき、それに合わせて図鑑説明も怖さを強調する内容となったことが語られたため、次第にこの都市伝説は鳴りを潜めるようになった。


ミミッキュの正体はポリゴン

『サン・ムーン』で初登場したピカチュウに擬態しているポケモン・ミミッキュ。
ピカチュウ柄の布の中身は依然として不明であるがその中身は初代に登場したポリゴンなのではないか…という説である。
この都市伝説を理解するには「ポケモンショック」について一通り把握する必要があるのでまずはそちらを参照のこと。

その上で根拠として、
  • ミミッキュがピカチュウの擬態をするきっかけとなったのは20年ほど前だと設定されているが、これはポケモンショックの起きた時期、並びにポリゴンがアニメに出れなくなってしまった時期と大体一致する。
  • ミミッキュの図鑑説明で度々言及されている「正体を見た者は苦しみながら死んでしまう」という特徴はポケモンショックによって体調不良に見舞われた視聴者を暗示している。
  • 『サン・ムーン』におけるピカチュウの図鑑ナンバーとポリゴンの図鑑ナンバーを足すとミミッキュの図鑑ナンバーになる。
  • アニメに登場したミミッキュがピカチュウを恨んでいるのはポケモンショックによって濡れ衣を着せられたから。
などが挙げられている。

一方
  • 高さも重さも圧倒的にミミッキュの方が小さいのでポリゴンが布を被っているのだとすると辻褄が合わない。
  • ミミッキュとポリゴンでは性別の有無、タマゴグループが違う。
  • 「20年前というのは単に『赤・緑』が発売された時期を指しているだけ。*25
  • ポケモンショックで死者は出ていない。*26
  • アニメに登場したミミッキュと言ってもピカチュウを恨んでいたのはムサシがゲットした個体のみで、別に登場したミミッキュは普通にピカチュウと仲が良かった。*27
などといった反論もある。



■その他

『赤・緑』の開発に参加しながら名前を消された「なかはしこうよう」というスタッフがいる

『ポケモン赤・緑』の開発に参加しゲンガーのデザインなどを担当したが、何らかの事情*28によりスタッフロールに名前を載せられなかった「なかはしこうよう」というスタッフが存在する…というもの。
ゲンガーの鳴き声をスロー再生*29すると「なかはしこうよう」と聞こえることや、
クチバシティのサント・アンヌ号が停泊している場所で特定の操作を行った後で特殊反転と21色彩度に設定することで表示される「GENGA HA NAKAHASHIKOUYOU」という謎の文字列がその根拠である*30

という都市伝説なのだが、これは完全なるデマである。
特にサント・アンヌ号の部分は全てがおかしく、ゲームボーイではどう頑張っても21色表示をすることが不可能*31であるため、この手順に沿うこと自体ができない。
鳴き声に関してもぶっちゃけ明確な表記がない以上どうこじつけることも可能である。
そして、そもそもゲンガーのデザインを担当した人物は杉森建氏であると分かっている

この都市伝説は珍しく出所がハッキリしており、2007年頃のポケモンに関するまとめサイトのコメント欄に投稿されたものが初出である。
その際の文体や矛盾を指摘された際の態度*32から、低年齢層のイタズラではないか?(もしくは最初からマネーロンダリング目的)と推測されている。
ただ、その時点ではゲンガーの鳴き声については触れられていなかったため、噂が伝播していく過程で尾鰭がついたものと思われる。


不気味な文章が書かれた中古の『ポケットモンスター ピカチュウ』が存在した

ある人物が中古で入手した初代ポケモン(ピカチュウ版)のパッケージ裏に、赤字で恐ろしい文章が書かれていたというもの。
都市伝説というよりは怪談の類である。

内容は、不登校と思われる「ぼく」が、ピカチュウに「旅は終わりだ」「友達を倒せばいい」などと告げるもの。
2chで流行り初めたものらしく、ログの検証によれば、創作されたこの文章に「中古のピカチュウ版のパッケージ裏に書いてあった」と”別人が尾ヒレを付け足した”可能性が高い模様。

元の文章は150字を越える長いもので、よくよく考えればさほど大きくもないGBのパッケージに書ききれるはずがない。それも子供の字で、画像や文章が敷き詰められたパッケージ裏では読めたものではないだろう。
そもそもそんな状態のパッケージを中古屋が扱うかという問題もある*33

ただし「何者かがピカチュウに向けた怪文書」というものは実在していたとも取れる。発信した媒体がパッケージ裏ではなく2chだったというだけの話。
文章そのものは微妙に韻を踏もうとしてたり、何故か「ぴかちゅう」と名前をひらがなにしてたりと不自然なので、単に怖がらせるための創作とも取れる。
もしかしたら本当に当時の子供が何らかの恨み節をピカチュウに投げかけていたのかもしれない。今となってはその真相が明らかになる事はないだろう。


タケシのパラダイスはPTAの苦情によって打ち切られた

アニメからも1つ。
アニメ『ポケットモンスター』の金銀編のED曲の1つ「タケシのパラダイス」が、タケシのお姉さん好きな面をありのままに歌った歌詞や、わずか6週というアニポケにしては異常なほどに使用期間が短かった事から生まれた説。
2017年7月に発売された雑誌「ポケモンぴあ」で、タケシ役のうえだゆうじが「元々夏季限定の予定だった」と否定している*34
むしろその後も本編内でちょくちょく披露している方が「予定外」であった、可能性もあるだろうか。

『ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説』は本来サトシの主人公交代を狙って作った作品だったが、評判が今一つだったのでサトシが続投することになった

アニメから更にもう1つ。
『ライコウ雷の伝説』は珍しく『金・銀・クリスタル』の男主人公と同じデザインの少年ケンタを主人公にした外伝作品で、スイクン・エンテイと違い映画未登場だったライコウを巡るロケット団との攻防を描いている。
「せっかく登場したのにライコウ自身の活躍に乏しくないか」という声もあったものの*35、サトシ以上に猪突猛進でありながら幼馴染のマリナに思いを寄せる面を持つケンタや、悪人ながら本人なりの哲学を持ちつつトレーナーとしての実力も高いロケット団員のバショウとブソン達等、サトシ達とはまた違った魅力のあるキャラクター達が織りなす物語は決して悪い出来ではない。
しかしながら、この作品以後、原作の男主人公デザインのキャラクターがアニメシリーズに登場することはなかったことと、結局その後のアニメシリーズは作品タイトルを変えながらサトシがピカチュウ以外の手持ちと仲間をリセットして各地方を延々と回るスタイルが定着したことから、上記の説が産まれた。
ネット上ではまことしやかに語られている説だが、特にソースはない。
少なくとも、同作は2001年年末に放送されたTVスペシャルで、当時のアニメはジョウト編のリーグ真っ最中という『金・銀』編の末期なので、まず金・銀主人公デザインのケンタに変えるつもりだったというのは考え難い。

なんでこんなに都市伝説が多いのか

ポケモンシリーズには他にも、

ダークトリニティの正体だの*36
もりのようかんやらシーキンセツやらの各地の施設関連だの、
「ポケモン赤・緑の企画を立ち上げた田尻智は高機能自閉症で、ポケモンたちそのものや捕まえ・集めるアイデアも幼少期にそういったことを想像したのがアイデア元」*37だの
到底ここには書ききれないほどの都市伝説が存在する。

そもそもポケモン自体がゲームボーイの通信機能を活かしたコミュニケーションツールとして製作された側面を持つゲーム。
そのこともあって通常のゲームよりも遥かに都市伝説が発生しやすい環境にあった。

そして生みの親である田尻を始めとした開発スタッフも「『ゼビウス』に前身となったベトナム戦争を題材としたゲームのヘリコプターが登場する」などといった、
1980年代のゲームセンターなどで囁かれていたゲームに纏わる様々な都市伝説を意識し、ポケモンにも都市伝説的な要素を組み込んでいたことを後のインタビューで語っている。



そして、それらの都市伝説の元祖にしてある意味元凶、最大の騒ぎを巻き起こしたのが……


★『ポケットモンスター 赤・緑』には151匹目の幻のポケモンが存在する


ご存知、ミュウの存在である。


そもそも『赤・緑』開発時にはポケモンは150種類で全てであり、ミュウはゲーム中のテキストに設定のみが存在するポケモンになる予定だった。
しかし、開発終了時にデバッグプログラムが削除されたことで空いた僅かな容量を利用して、「いつか何かの形で使えたらいいね」とゲームフリークの森本茂樹氏が、当時の開発リーダーである田尻智にのみ話を通してミュウのデータを仕込んでいた。
そして、これが発売後にバグで発見されたことを機に全国的に都市伝説として当時の子ども達の間で広まっていったのはご存知の通り。
ミュウの存在は森本と田尻、一部のゲーフリ社員を除いて把握しておらず、発売元である任天堂にすら一切知らされていなかった
もちろんこうなるとは夢にも思っていなかった森本氏や田尻氏は大慌て

やがてミュウの登場するバグが修正されたバージョンが発売されると、市場にはミュウの出るソフトと出ないソフトが混在するようになり、噂は更にヒートアップ
最終的にはミュウを公式に151匹目のポケモンとして認定した上で、コロコロコミックなどで正式に発表。懸賞やイベントでの特典として配布が開始された。

そう、初めて“配布”…全国のポケモントレーナーたる子供たちにプレゼントされた*38ポケモンはミュウなのだ。
その熱狂は凄まじく、コロコロコミックで最初に行われた懸賞では20名の当選枠に対し、全国から78,000通もの応募葉書が寄せられたという。




追記・修正はロトムの鳴き声が「タスケテ」と聞こえた方にお願いします。


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最終更新:2025年04月12日 11:10

*1 似た例としてフロムソフトウェアの『ダークソウル』がある。当初は『ダークリング』というタイトルを予定していたが、それがイギリスでは「肛門」のスラングだった事が判明したためタイトルを「ダークソウル」に、アイテムとしてのダークリングも英語では「ダークサイン」に変更となった。こちらは4Gamerのインタビューで宮崎ディレクターが証言している。

*2 爆笑問題はともかくパックンは生粋のアメリカ人だが、まあ日本人だって日本のスラングを全て知っている訳ではないので…

*3 特にポケモンコロシアムは野生ポケモンが登場しない都合上、本編に比べて使用可能ポケモンの幅が狭く育成も難しいため「ついうっかりお目当てのポケモンを倒してしまった」と言えるほど余裕のある手持ちになりづらい

*4 反動ダメージで自滅の可能性があるのは、ダークポケモン全般にいえること

*5 ピカチュウ版ではコラッタのまま

*6 最上階で起きているロケット団とフジ老人の諍いや、その手前で人を追い返しているガラガラの幽霊にも言及しない

*7 実際は赤緑の時点で出てきている設定ではある

*8 そのため、さらに切り離されている『金・銀・クリスタル』の世界くらいでしか適用できない説である。

*9 英語名はMt.Silverのように、他言語でも「銀」を意味する名前が与えられている。

*10 怪電波によって強制的に進化させられたコイキングの色素が残ってしまった

*11 怪電波のアンテナとしてロケット団が用意した個体で、おそらく特別感を出すための色違いの個体が利用されているものだと思われる

*12 一応英語名は「Venusaur」で、恐竜を意味する「saur」が入っている。

*13 第6世代のブリガロンが太古のアルマジロの仲間であるグリプトドン、第8世代のゴリランダーがギガントピテクスという見方もできなくはないが第7世代のジュナイパー(フクロウ)、第9世代のマスカーニャ(イエネコ)は古代生物と見做すのは苦しい。無理矢理こじつければコンドルの仲間のアルゲンタヴィスとサーベルタイガーという解釈もできるが。

*14 ヒノアラシの分類はひねずみポケモンである。またニャビー系統はタイガーマスクと絡めてトラモチーフと言えない事はない。またイノシシが十二支にいるのは実は日本だけで、諸外国だとイノシシのポジションにはずばりブタがついている事が多い。またアラビアではワニが干支に含まれている

*15 極端な話、イヌやクマやアザラシ(既にモチーフに用いられている)に対しても「食肉目だからネコ」という解釈ができてしまう。

*16 一応オーダイルはパンチ技を覚える他、手の指は5本な上、メリケンサックを付けられそうな形状だが。

*17 彼は事実上、超能力を否定する立場だったが。

*18 ちなみにキャタピーは特徴的な臭角らしきデザインが見てとれる事から明らかにアゲハチョウの幼虫がモチーフ。トランセルも同じ。

*19 バタフリーに関しては諸説あるが、初期作品の怪獣リスペクトの流れからモスラがモチーフでは?という説が有力か

*20 「最初に作られたポケモンはサイドン」等公式インタビューの発言と照らし合わせると、ポケモンが作られた順番に並んでいる可能性が高い。

*21 ただし、綺麗に3匹並んでいるのが珍しいだけで、コードナンバーの後半部分は概ね進化系列を意識するように並んでいるため、ナンバーの並びと正式採用された進化系列が無関係というのも考え難い。キャタピーの少し前のナンバーでもビードル系列3種、イーブイ系列4種が綺麗に並んでいるたりする。

*22 ムウマ、ヤミラミなど。

*23 赤緑青のピカチュウのドット絵はお腹に色がつけられており、影の表現であろうがここで勘違いされたと思われる。

*24 アルセウスは正確には幻のポケモンだが。

*25 実際、『サン・ムーン』の発表日は『赤・緑』の発売から丁度20周年に当たる2016/2/27だったのでそれを意識した設定が盛り込まれていても不思議ではないだろう。ちなみに問題の回は1997年12月16日放映なので20年ほど前という記述に入るかは微妙なところ

*26 ゴーストタイプのポケモンの図鑑説明が死を絡めた恐怖を煽るパターンなのは珍しいことではない。それを実際には死んでいない、現実の被害者と重ねるのはさすがに不謹慎であるし、ゲーフリもその様な暗示はしないと思われる。

*27 そもそも、ポケモンショック当該話で事件の発端となったポリゴンの能力の悪用を行ったのはロケット団である。仮に濡れ衣を恨むというならロケット団の方に矛先が向くではないか?

*28 大体の場合死亡したとされる。

*29 逆再生説もある

*30 単にGENGA=原画で原画スタッフとされることもある。

*31 GBで表現可能な色は白・薄いグレー・濃いグレー・黒の4色

*32 前述のゲームボーイの表現色以外にも「開発を任天堂と思い込む」「「親が開発者の1人だから聞けた」という年代と開発者の人数の少なさからあり得ない設定」などポケモンに詳しいのかすら怪しい部分がある

*33 パッケージが汚れているため「パッケージ無しの中身だけの品」として扱う可能性が高い。

*34 似たような夏季限定のED曲はAG編の「いっぱいサマー!!」がある。

*35 まぁせっかくの伝説のポケモンが大して活躍していないというのはこの作品に限った話ではないが……

*36 BW2で否定された。詳しくは項目参照。

*37 現状田尻氏がカミングアウトしたことがないため根拠がない。また伝記漫画などへの振り返りでは「幼少期に自然豊かな地域に住んでいたことから文字通りの虫取り少年だった。これで動物を野外で集めていた体験から「草むらでポケモンを見つけ、捕まえる」のを着想した」と説明しており、仮に自閉症が事実だったとしてもあまり関係がない。

*38 子供たちにとっては「本当にいる動物」だろう、という配慮から絶対に「ミュウのデータをプレゼント」ではなく「ミュウをプレゼント」と表現させた、とする逸話もある