SCP-3000-EX

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&font(#6495ED){登録日}: 2017/04/19 Wed 00:44:13 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-3000-EXは、シェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]](SCiP)である。 本家財団世界10番目の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]:ExplainedのSCPであり、非常に特徴的なオブジェクト。 SCP-3000コンテストに触発されて生まれたと原作者は語っている(これ自体はEXである以上、SCP-3000コンテストに関与しないし、原作者は別のオブジェクトで参戦している)。 項目名は『Modified Hospital Beds (改造された医療用ベッド)』。 先に断っておくと、このオブジェクトは[[SCP-014-JP-EX]]や[[SCP-1841-EX]]・[[SCP-1851-EX]]に近い。 また、&font(red,b){グロテスクな描写が含まれているため注意}されたし。 *概要 SCP-3000-EXは以下の物品で構成される一群のオブジェクト。 >医療用ベッド(1975年以前に製造されたもの) × 4。ベッドには改造が施され、サイズや形状の様々な短い金属パイプが取り付けられていました。パイプは金属クランプでベッドのサイドレールに取り付けられているか、その場に不正確に溶接されています。 >IKEAブランドの指向性フロアランプ × 7 (うち2つは電球無し)。延長コードとテーブルタップが付随。 >睡眠薬の瓶 × 12 >手錠 × 9。この他に俄か仕立ての手枷と思しき物も数個発見されている。手錠のうち幾つかは、医療ベッドの金属パイプに接続されていました。 >ステーキナイフ × 6 >ナイフ研ぎ機 × 1 >複数の赤身肉が入った箱型冷凍庫 × 1。肉は後日になって牛肉と判明しました。 >内蔵を摘出された人間の死体 × 3 (全て10代男性)。これらの死体は後日、テキサス州の記録において行方不明者として記録されているガヴィン・スタウブ、ミシェル・クラーク、ジェローム・サイモンと特定されました。 リストを見るだけでもおどろおどろしいものである。 財団は1987年4月4日、タラント郡の警察の通信を傍受していたときに、 >“殺人”、“儀式”、“子供”、“肉”、“舌を這わせるような話し方”、“カルト的”など といった要注意ワードを確認し、その話題になっていたテキサス州アーリントンのカール・フレイザーさんのところを訪れた。 その際、警察は既にこのカールさんを逮捕しており、そのカールさんの自宅地下から出てきたのが上のオブジェクト群。 三人の少年の死体はベッドに手錠で括りつけられており、少年たちは四週間お腹をすかせた後死んだと見られ、 腹部は人間の血と動物の血を混ぜ込んだもので汚れていたという。 死因はステーキナイフで臓器をえぐりだされた際の出血性ショック死とみられ、死体は全てステーキナイフを握った状態だったという。 想像するだけで失神しそうである。 更にガレージの下部に穴があり、生石灰でかぶせてある中には少なくとも10人の死体が眠っていた。 さて、財団としては「ナイフで自分の臓器をえぐって自死したのかな?」と捉え、 ベッドに何らかの異常性があるとみて調査を進めようとした。 そのため、地元警察には記憶処理を施し、全ての物品とカールさんを財団の保護下においた。 *真相 ぶっちゃけEXという時点で出落ちって部分はあるのだが、正直な話を言うと、このカールさんがそもそもの原因である。 もともとカールさんのお宅はカールさんのおばあさんが住んでいた家で、 カールさんはそれを引き継いだ後、ベッドのひとつが気に入ったため、複数同じタイプのベッドを購入した。 ジャクソン古物店という店で同じタイプのベッドを購入したあと、それらに改造を施し、少年を手錠で括りつけられるようにした。 財団のエージェント・カーティスはベッドに異常性があるという前提でまくし立てるのだが、 カールさんは魔法など信じない人で、「お前俺をペテンにかけようとしてない?」と冷静に切り返す。 カールさんは動物の血をつけたのは意図的なものではないと主張(冷蔵庫の牛肉を運んだ時垂れただけ)。 最初の少年は&font(b){ビールで酔っ払って気分良くなってるうちに殺してしまった}が、美しかったので家に残しておいた。 それが腐り始めたので処理をしなくちゃいけなかった、と主張する。 二人目以降についても殺す気はなかった。ただ彼らの美を損ないたくないと思い、そのためにどうすべきか考えた。 編み出した答えはなんと…「&bold(){彼ら自身の肉を食べさせればよい}」というぶっ飛んだものだった。 しかし当然ながら、「お前自身の肉を食え」と言っても少年らはそれを拒否する。 そこで一計を案じ、冷凍庫で凍らせたステーキを横たわる少年の腹の上に置き、とてもよく切れるナイフを持たせて「食べても構わない」と言った。 するとカチカチのステーキでナイフが滑る。手元が狂って自分の腹を傷付けてしまうが、冷凍ステーキの冷たさで腹の感覚が麻痺しているため、すぐには気付かない。&bold(){…後はわかるな?} もっとも、少年らは弱っていたため、実際にはナイフをしっかり持つことができなかった。だから最終的にはカールさんが「手助け」をしたようだが。 エージェント・カーティスは「アディトゥムの目覚め」や「第五教会」を含めいくつかのカルト系[[GoI>要注意団体(SCP Foundation)]]関係のキーワードを出して、それらを知っているかと尋ねたが、彼は知らないと解答、ポリグラフ検査(いわゆる嘘発見器)でも嘘をついていないことがわかった。 これがサーキシズム関係だったらまだ納得行くのだが、ぶっちゃけこの話を見る限り、ただ単に&bold(){カールさんがサイコパスあるいは猟奇殺人鬼だった}としか言いようがない。 さらなる実験でも上記の物品は異常性を持たないと結局結論付けられ、しょうがないのでカールさんは記憶処理後警察に送り返した。 おそらくはカールさんはこの後死刑か終身刑かになるんだろう(テキサス州は死刑制度が存在するため、死刑が妥当か)。 そしたらまた[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]として財団に来るかもしれない… ――ここで「あれ?」って気付いたあなたは素晴らしい。気づかなかった方はもう一度最初から読みなおしていただきたい。 まずいことが起きていることに気が付かないだろうか? >そのため、地元警察には記憶処理を施し、全ての物品とカールさんを財団の保護下においた。 カールさんを裁判に送り込んだ後の顛末が”アーリントン・ボイス”新聞に載っている。 カールさんの家で見つかった陰惨な三人の少年の死体。 それは傍聴席の全員が息を呑む内容であった。 だがカールさんの担当弁護士のリドリーさんがある質問をしたことで急に裁判の流れが変わる。 「ダグラス巡査、あなたはカール・フレイザー氏宅を捜査した時のことを覚えておりますか」 &font(b){ダグラス巡査は思い出せなかった。}当たり前である。&font(b){財団が記憶処理をしちゃったんだから。} リドリーさんはダグラス巡査に続けて質問した。 「なんでカール・フレイザー氏を逮捕した後、そこから物品を回収するのが遅れたのですか」 もちろんダグラス巡査は答えられない。当たり前である。&font(b){財団が記憶処理をしちゃったんだから。} 回収が遅れたのも、財団が調べてたから以上のなんでもない。その間どこにあって、いつ回収できたのかを説明できる人間は、既にどこにもいなかった。 自身の記憶が欠けている事を指摘され、ダグラス巡査は「証拠が改竄された可能性は&font(b){否定できない}」との結論を出してしまった。 この時点で地区検事長は裁判長に告訴撤回の許可を求めた。これではカールさんを有罪になんてできないからだ。 法定は騒ぎになったが、“アーリントンの人喰い”カールさんの裁判はその場で中止、カールさんは釈放された。&font(b){釈放されてしまった}。 財団は酷いミスを犯した。ダグラス巡査の記憶処理後のフォローアップをしなかったせいで、 明らかにサイコパスで独善的な殺人鬼のカールさんをシャバに解き放ってしまったのだ。 カールさんはもしかしたら、また同じことをやらかすかもしれない。 彼にとっては&font(b){「法の裁きを受けるような行いではなかった」というお墨付きを貰った}に等しいのだから。 これを受けて財団は記憶処理の標準プロトコルの改訂を決定したようだが……。 *余談 原作者・psul氏がこのオブジェクトを書いた背景には、 SCP-3000コンテストのテーマが「ホラー」であることを元に、 「恐怖を呼び起こすのに異常性は必ずしも必要ではない」ということを示すためだったとか。 もちろん、psul氏は別のオブジェクトでコンテストに参戦しているため、3000コンテストを否定しているわけではない。 ちなみに2017年の2月には[[SCP-3000-J]]が投稿されている。 こっちはホラーとか微塵も関係ないが、一応こっちはちゃんと(?)サーキシズム絡みではある。 財団はケロッグ®の新しい財団フレーク™をグランドカルキスト・イオン™爺さんから守れるのか? 不死のトカゲイグナッツ™を迷路から、好きなだけ財団フレーク™を食べれられるアラガッダ・シティのパーティーに連れて行ってあげよう! 追記・修正は記憶処理後のフォローをしっかりやってからお願いします。 ---- #right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-3000-EX - Modified Hospital Beds by psul http://www.scp-wiki.net/scp-3000-ex http://ja.scp-wiki.net/scp-3000-ex SCP-3000-J - Kellogg's® Foundation Flakes™! by LordStonefish http://www.scp-wiki.net/scp-3000-j http://ja.scp-wiki.net/scp-3000-j この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,19) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 規模と権力が大きい組織程、不祥事が発生した時大変なことになる。財団不祥事はその典型例だよな -- 名無しさん (2017-04-19 00:51:58) - 正直財団やらかし系は食傷気味 -- 名無しさん (2017-04-19 01:06:12) - 3000コンテストやってたのか -- 名無しさん (2017-04-19 01:19:37) - ちょいちょい記憶処理絡みのミステイクあるよな -- 名無しさん (2017-04-19 03:42:11) - 異常性に翻弄されたのですらない、純粋なやらかし系か…見てて気持ちいもんじゃないな。何より前線メンバーが軽率すぎた -- 名無しさん (2017-04-19 10:59:06) - これってSCP報告書の禁忌「財団は軽率な行動によるミスを犯さない」に抵触しないのか? 異常物品の扱いではなくそれとは違う所でのミスだから容認されたのか -- 名無しさん (2017-04-19 21:55:22) - ↑時間軸がちょっと昔の時代に設定されてるので逆に「昔こういうことをやらかしたから禁忌になったんだよ」っていう感じかなあとは あと禁忌つっても「面白ければタブーなんてない」のがSCPなのでなので「やってはいけないリスト」ではなくて「やるとハードルが上がるリスト」だと思うといいと思うよ -- 名無しさん (2017-04-19 22:33:56) - 財団をマヌケにしない方策として「かつて未熟だった時代」として描くパターンはいくつかあるよね。しかし、この事件は1987年だから「たった30年前」とも取れる。ヘッドカノンだからバッティングしないとは言えリストマニアやドラペトマニアよりだいぶ後にこのザマとも言えなくはないか。 -- 名無しさん (2017-04-19 22:57:09) - ネタバレまでが早すぎない? -- 名無しさん (2017-04-20 08:14:30) - 元の記事もネタバレ結構早いから…引き伸ばすよりこっちのほうがいいかなって思った -- 名無しさん (2017-04-22 22:43:42) - 記憶処理という3000に共通して関わる重要ワード -- 名無しさん (2017-04-24 17:50:22) - こういうの好き -- 名無しの財団職員 (2017-09-15 14:08:47) - カールさんは「少年の美しさを損なわないためには少年自身の体の肉を食べさせるのが最善」と考えていて、そうさせようと行動したが、当然拒否されたので、冷凍した牛肉をおなかにのせて食べさせれば、間違えてそのうち自分の肉も食べるのでは?と考えた(実際は無理だろうが)。その頃には少年たちは衰弱してナイフもうまく持てない状態だったので、手を添えて牛肉と腹の肉を切った(カールさんが)という流れ。 -- 名無しさん (2018-04-14 15:30:09) - アメリカのステーキナイフは切れ味抜群ですね どんだけ硬いんだ向こうの肉…… -- 名無しさん (2018-09-09 17:24:40) - これって、財団のやらかし部分のほうがメインなのか? SCPオブジェクト絡みの事件じゃなかったことが逆におぞましい、ってとこを楽しむ作品だと思ってた。死体に非ずみたいな。 -- 名無しさん (2018-10-22 01:30:56) - ↑「恐怖を呼び起こすのに異常性は必ずしも必要ではない」って作者が言ってるんだから、それも間違いなく意図の内ではあると思うよ -- 名無しさん (2018-12-24 05:00:03) - その「恐怖を呼び起こすのに異常性は必ずしも必要ではない」だが、カールさんは間違いなく異常者なのだから、異常性ではなく超常現象とかの方が訳としてしっくりくるんじゃなかろうか。アニヲタ報告員じゃなく本家の訳者様の問題かもしれないが -- 名無しさん (2019-01-24 20:34:30) - 財団世界において「異常性」って語が「非科学」や「超常現象」を指すのは言わずもがなやろ。 -- 名無しさん (2019-07-07 16:32:02) - 別にやたかしたって拉致してDクラスに落とせば良いんじゃねぇの?法律とか気にしないでしょ。 -- 名無しさん (2019-08-11 02:43:25) - 無論のこと怖さも感じたけど、巡査が気の毒だなと思った -- 名無しさん (2019-12-09 02:47:04) - カールさんのやったことを具体的に追記して、ついでに冒頭にグロ注意と書いておきました -- 名無しさん (2020-06-28 00:47:01) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}: 2017/04/19 Wed 00:44:13 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-3000-EXは、シェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]](SCiP)である。 本家財団世界10番目の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]:ExplainedのSCPであり、非常に特徴的なオブジェクト。 SCP-3000コンテストに触発されて生まれたと原作者は語っている(これ自体はEXである以上、SCP-3000コンテストに関与しないし、原作者は別のオブジェクトで参戦している)。 項目名は『Modified Hospital Beds (改造された医療用ベッド)』。 先に断っておくと、このオブジェクトは[[SCP-014-JP-EX]]や[[SCP-1841-EX]]・[[SCP-1851-EX]]に近い。 また、&font(red,b){グロテスクな描写が含まれているため注意}されたし。 *概要 SCP-3000-EXは以下の物品で構成される一群のオブジェクト。 >医療用ベッド(1975年以前に製造されたもの) × 4。ベッドには改造が施され、サイズや形状の様々な短い金属パイプが取り付けられていました。パイプは金属クランプでベッドのサイドレールに取り付けられているか、その場に不正確に溶接されています。 >IKEAブランドの指向性フロアランプ × 7 (うち2つは電球無し)。延長コードとテーブルタップが付随。 >睡眠薬の瓶 × 12 >手錠 × 9。この他に俄か仕立ての手枷と思しき物も数個発見されている。手錠のうち幾つかは、医療ベッドの金属パイプに接続されていました。 >ステーキナイフ × 6 >ナイフ研ぎ機 × 1 >複数の赤身肉が入った箱型冷凍庫 × 1。肉は後日になって牛肉と判明しました。 >内蔵を摘出された人間の死体 × 3 (全て10代男性)。これらの死体は後日、テキサス州の記録において行方不明者として記録されているガヴィン・スタウブ、ミシェル・クラーク、ジェローム・サイモンと特定されました。 リストを見るだけでもおどろおどろしいものである。 財団は1987年4月4日、タラント郡の警察の通信を傍受していたときに、 >“殺人”、“儀式”、“子供”、“肉”、“舌を這わせるような話し方”、“カルト的”など といった要注意ワードを確認し、その話題になっていたテキサス州アーリントンのカール・フレイザーさんのところを訪れた。 その際、警察は既にこのカールさんを逮捕しており、そのカールさんの自宅地下から出てきたのが上のオブジェクト群。 三人の少年の死体はベッドに手錠で括りつけられており、少年たちは四週間お腹をすかせた後死んだと見られ、 腹部は人間の血と動物の血を混ぜ込んだもので汚れていたという。 死因はステーキナイフで臓器をえぐりだされた際の出血性ショック死とみられ、死体は全てステーキナイフを握った状態だったという。 想像するだけで失神しそうである。 更にガレージの下部に穴があり、生石灰でかぶせてある中には少なくとも10人の死体が眠っていた。 さて、財団としては「ナイフで自分の臓器をえぐって自死したのかな?」と捉え、 ベッドに何らかの異常性があるとみて調査を進めようとした。 そのため、地元警察には記憶処理を施し、全ての物品とカールさんを財団の保護下においた。 *真相 ぶっちゃけEXという時点で出落ちって部分はあるのだが、正直な話を言うと、このカールさんがそもそもの原因である。 もともとカールさんのお宅はカールさんのおばあさんが住んでいた家で、 カールさんはそれを引き継いだ後、ベッドのひとつが気に入ったため、複数同じタイプのベッドを購入した。 ジャクソン古物店という店で同じタイプのベッドを購入したあと、それらに改造を施し、少年を手錠で括りつけられるようにした。 財団のエージェント・カーティスはベッドに異常性があるという前提でまくし立てるのだが、 カールさんは魔法など信じない人で、「お前俺をペテンにかけようとしてない?」と冷静に切り返す。 カールさんは動物の血をつけたのは意図的なものではないと主張(冷蔵庫の牛肉を運んだ時垂れただけ)。 最初の少年は&font(b){ビールで酔っ払って気分良くなってるうちに殺してしまった}が、美しかったので家に残しておいた。 それが腐り始めたので処理をしなくちゃいけなかった、と主張する。 二人目以降についても殺す気はなかった。ただ彼らの美を損ないたくないと思い、そのためにどうすべきか考えた。 編み出した答えはなんと…「&bold(){彼ら自身の肉を食べさせればよい}」というぶっ飛んだものだった。 しかし当然ながら、「お前自身の肉を食え」と言っても少年らはそれを拒否する。 そこで一計を案じ、冷凍庫で凍らせたステーキを横たわる少年の腹の上に置き、とてもよく切れるナイフを持たせて「食べても構わない」と言った。 するとカチカチのステーキでナイフが滑る。手元が狂って自分の腹を傷付けてしまうが、冷凍ステーキの冷たさで腹の感覚が麻痺しているため、すぐには気付かない。&bold(){…後はわかるな?} もっとも、少年らは弱っていたため、実際にはナイフをしっかり持つことができなかった。だから最終的にはカールさんが「手助け」をしたようだが。 エージェント・カーティスは「アディトゥムの目覚め」や「第五教会」を含めいくつかのカルト系[[GoI>要注意団体(SCP Foundation)]]関係のキーワードを出して、それらを知っているかと尋ねたが、彼は知らないと解答、ポリグラフ検査(いわゆる嘘発見器)でも嘘をついていないことがわかった。 これがサーキシズム関係だったらまだ納得行くのだが、ぶっちゃけこの話を見る限り、ただ単に&bold(){カールさんがサイコパスあるいは猟奇殺人鬼だった}としか言いようがない。 さらなる実験でも上記の物品は異常性を持たないと結局結論付けられ、しょうがないのでカールさんは記憶処理後警察に送り返した。 おそらくはカールさんはこの後死刑か終身刑かになるんだろう(テキサス州は死刑制度が存在するため、死刑が妥当か)。 そしたらまた[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]として財団に来るかもしれない… ――ここで「あれ?」って気付いたあなたは素晴らしい。気づかなかった方はもう一度最初から読みなおしていただきたい。 まずいことが起きていることに気が付かないだろうか? >そのため、地元警察には記憶処理を施し、全ての物品とカールさんを財団の保護下においた。 カールさんを裁判に送り込んだ後の顛末が”アーリントン・ボイス”新聞に載っている。 カールさんの家で見つかった陰惨な三人の少年の死体。 それは傍聴席の全員が息を呑む内容であった。 だがカールさんの担当弁護士のリドリーさんがある質問をしたことで急に裁判の流れが変わる。 「ダグラス巡査、あなたはカール・フレイザー氏宅を捜査した時のことを覚えておりますか」 &font(b){ダグラス巡査は思い出せなかった。}当たり前である。&font(b){財団が記憶処理をしちゃったんだから。} リドリーさんはダグラス巡査に続けて質問した。 「なんでカール・フレイザー氏を逮捕した後、そこから物品を回収するのが遅れたのですか」 もちろんダグラス巡査は答えられない。当たり前である。&font(b){財団が記憶処理をしちゃったんだから。} 回収が遅れたのも、財団が調べてたから以上のなんでもない。その間どこにあって、いつ回収できたのかを説明できる人間は、既にどこにもいなかった。 自身の記憶が欠けている事を指摘され、ダグラス巡査は「証拠が改竄された可能性は&font(b){否定できない}」との結論を出してしまった。 この時点で地区検事長は裁判長に告訴撤回の許可を求めた。これではカールさんを有罪になんてできないからだ。 法定は騒ぎになったが、“アーリントンの人喰い”カールさんの裁判はその場で中止、カールさんは釈放された。&font(b){釈放されてしまった}。 財団は酷いミスを犯した。ダグラス巡査の記憶処理後のフォローアップをしなかったせいで、 明らかにサイコパスで独善的な殺人鬼のカールさんをシャバに解き放ってしまったのだ。 カールさんはもしかしたら、また同じことをやらかすかもしれない。 彼にとっては&font(b){「法の裁きを受けるような行いではなかった」というお墨付きを貰った}に等しいのだから。 これを受けて財団は記憶処理の標準プロトコルの改訂を決定したようだが……。 *余談 原作者・psul氏がこのオブジェクトを書いた背景には、 SCP-3000コンテストのテーマが「ホラー」であることを元に、 「恐怖を呼び起こすのに異常性は必ずしも必要ではない」ということを示すためだったとか。 もちろん、psul氏は別のオブジェクトでコンテストに参戦しているため、3000コンテストを否定しているわけではない。 ちなみに2017年の2月には[[SCP-3000-J]]が投稿されている。 こっちはホラーとか微塵も関係ないが、一応こっちはちゃんと(?)サーキシズム絡みではある。 財団はケロッグ®の新しい財団フレーク™をグランドカルキスト・イオン™爺さんから守れるのか? 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-- 名無しさん (2017-04-20 08:14:30) - 元の記事もネタバレ結構早いから…引き伸ばすよりこっちのほうがいいかなって思った -- 名無しさん (2017-04-22 22:43:42) - 記憶処理という3000に共通して関わる重要ワード -- 名無しさん (2017-04-24 17:50:22) - こういうの好き -- 名無しの財団職員 (2017-09-15 14:08:47) - カールさんは「少年の美しさを損なわないためには少年自身の体の肉を食べさせるのが最善」と考えていて、そうさせようと行動したが、当然拒否されたので、冷凍した牛肉をおなかにのせて食べさせれば、間違えてそのうち自分の肉も食べるのでは?と考えた(実際は無理だろうが)。その頃には少年たちは衰弱してナイフもうまく持てない状態だったので、手を添えて牛肉と腹の肉を切った(カールさんが)という流れ。 -- 名無しさん (2018-04-14 15:30:09) - アメリカのステーキナイフは切れ味抜群ですね どんだけ硬いんだ向こうの肉…… -- 名無しさん (2018-09-09 17:24:40) - これって、財団のやらかし部分のほうがメインなのか? 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