SCP-030-JP

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&font(#6495ED){登録日}:2017/04/21 (金曜日) 11:49:02 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){食らって、増えて、埋め尽くす。}} SCP-030-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。 項目名は『石油喰らい』。 JPのコードが示す通り、日本支部生まれのオブジェクトである。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は文句なしの「&bold(){Keter}」。 *概要 コイツが何かと言うと、昆虫の一種である。 具体的な特徴などを語る前に、まず特別収容プロトコル。 >SCP-030-JPの全ての個体は一切の石油製品が使用されず建造された特別収容サイト-8161内の、同じく石油製品を一切使用していない特別性のAクラス危険生物収容室に収容されなければなりません。 >SCP-030-JPの給餌のため100gのポリエステル繊維を毎日持ち込むことを除いて、サイト-8161には一切、石油、石油製品、そのほかあらゆる石油が利用された物質を持ち込んではなりません。 >収容されているSCP-030-JPの数が10匹を超えた場合は10匹未満に数が減少するまで間引いてください。 >封じ込め違反が起こった場合は、サイト-8161を完全に封鎖した上で内部に有機リン系殺虫剤を充たしてください。それでもなおSCP-030-JPの脱走の可能性がある場合、サイト-8161に備え付けられた、石油製品未使用の特別性水素爆弾を起動してください。 &bold(){収容する場所にはとにかく石油製品を使うな、10匹以上に増やすな、収容違反が起こったらサイトごと抹殺しろ、それでも止まらなかったら水爆で吹っ飛ばせ}、と厳重な上にやたら物騒である。 が、注目すべきはこの後。 >現在財団の管理下に置かれていないすべてのSCP-030-JPは完全に絶滅させることになっています。財団の管理下に入っていないSCP-030-JPが発見され次第、機動部隊乙-ち("臭水守")が対応に向かいます。 このオブジェクト、&bold(){この世から完全に消し去らなければならない}という方針なのである。 こういう収容プロトコルは他にもないわけではないが、財団としては割合珍しいスタンスである。 なぜか? それは、コイツの持つ特性が、ひいてはコイツの存在そのものが、[[K-クラスシナリオ>K-クラスシナリオ(SCP Foundation)]]に直結するからである。引き金どころではない、原因そのものなのだ。 その特性とはずばり、項目名が示す通り、石油および石油製品を喰って生きている、ということである。 ちなみに外見はというと、白い毛でおおわれた20cmほどの芋虫であり、翅や触角の類はない。足はあるが、木の枝につかまることも出来ないほど貧弱であり、移動能力はないに等しい。 生物学的にはカイコガに近いが、成虫にはならず幼虫の姿のまま生育する((元記事の筆者は「不完全変態」としているが、これはサナギを介さず成虫になることを指すため、厳密には誤用である))。 カイコガと同じなら、野生で生きることは出来ない。 移動もまともに出来ないのなら、脅威ではないのでは? と思うかもしれないが、甘い。 この虫ども、その弱点を補うかのように、&bold(){繁殖能力が恐ろしく高い}のである。 全ての個体は両性具有であり、さらに単為生殖・両性生殖の両方が可能。加えて、先述したように幼虫の姿のまま成虫になるため、単独でも繁殖が可能。 さらに、一度の産卵で300個以上のタマゴを産み、さらには完全な成長までたった3日しか要さない、というとんでもない増えっぷりなのである。 現実だとこの手の害虫については、生殖能力を持たない個体を放つことで個体数を減少させる措置が取られることがあるが、この虫どもにはその手が通用しない。必要なら単独で子孫を増やせる上に、3日で成長する=繁殖可能になる。 これでは止めようがない。 しかし、昆虫なら鳥や獣が食べるのでは? と思ったかもしれないが、それも甘い。 何とこの虫ども、&bold(){自然界には捕食者が存在しない。} 他の生物にとって非常に不快な味を持つ上、消化吸収できる能力を持った生物がこの世に存在しないからである。いるとすればそれこそSCPオブジェクトであろう。 そして最大の特徴は、上記した通り石油および石油製品を喰って生きている、ということである。 しかも、排泄物には可燃性がなく、エネルギーには出来ない、というごく潰しっぷりである。 追い打ちをかける事実として、この連中は個体の寿命はわずか30日だが、死骸の自然分解の速度が著しく遅い。 ならば人工的手段で処理すればどうだ、となるが、面倒なことにプラスチック同様、800度以上の高温で、適切な方法で処理しないとダイオキシン系の有毒ガスが大量発生する。 さらに、コイツが食べるのは石油と「石油製品」である。 灯油や重油などの油はもちろん、プラスチック、アスファルト、一般的な繊維、糸、ゴム、化粧品、洗剤、etcetcetc……逆に、何が食べられない? と聞きたくなるレベルである。 特性をまとめると、 ・&bold(){石油と石油でできたもの全てを食べる} ・&bold(){3日で繁殖できるまで成長する} ・&bold(){単体で繁殖でき、一度の産卵で300個体以上増える} ・&bold(){自然界にいても捕食されない} ・&bold(){寿命が短い} ・&bold(){死骸の分解速度が途轍もなく遅く、処理をミスると毒ガスが大量発生する。} と、人類社会にケンカを売りに来たとしか思えない呆れた連中である。 こんな連中を放置しておけば、1年かからずこの虫どもの死骸で地球が埋まってしまう。 NK-クラス:世界終焉“グレイ・グー”シナリオであると同時に、石油製品が食い尽くされれば人類社会は滅亡する。 XK-クラス:世界終焉シナリオの原因でもあるのだ。何なんだコイツら。 一応カイコガらしい特徴として、一定量の石油や石油製品を食べると、ポリエチレンテレフタレートの糸を吐き出す。これは紡績すれば普通に繊維として使用可能だが、慰めにもならない。 こんなのを放置しておけば人類が破滅してしまう、ということで財団は絶滅の試みに乗り出したが、野生の個体は100万以上が存在していると考えられる。 恐らく、山奥など人跡未踏の場所に集中しているのだろう。……逆に言えば回収されるまで恐ろしい勢いで、人知れず増え続けるということでもあるが。 *ルーツ 当然だが、こんな生物が自然に生まれるわけもない。 それもそのはず、このトンデモカイコは人工的に生み出されたのである。 どこで? まあ、予想はつくと思うが日本支部の[[要注意団体>要注意団体(SCP Foundation)]]であり迷惑マッドサイエンティスト集団こと&bold(){[[日本生類創研>日本生類創研(SCP Foundtion)]]}である。 1900年代のある時、機動部隊ゑ-3("緑の盾")が日本生類創研の放棄した研究施設を発見。その施設では10000匹を超えるSCP-030-JPと、ラベルが貼られた空っぽの木製の箱を発見・回収している。 これが、この虫どもが財団によって認識された最初の例だが、木箱に貼られていたラベルの内容はこんな感じだった。 >エコロジー・キャンペーン用試作 >&font(l){ポリクイくん} &font(l){ポリッコ} 名前はプレゼンの時に考えよう。とりあえず「ポリクイガ(仮)」で。 >これが売れれば更に我々の研究を先に進めることが出来るだろう! >現状サンプルを増やすため繁殖能力を強化 > >&sizex(6){&bold(){絶対に逃すな!}} > >       &font(u){&bold(){↑ごめん^^;}} &bold(){あいつらダメだはやくなんとかしないと。} 追記・修正はポリクイガを絶滅させてからお願いします。 ---- #right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-030-JP - 石油喰らい by tokage-otoko http://ja.scp-wiki.net/scp-030-jp この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,7) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ごめんで済んだら財団もGOCもいらねーんだよ -- 名無しさん (2017-04-21 11:37:23) - ぶっちゃけ、GOCも本気で殲滅しようとするだろうな。探査魔法とか使って、巣を消毒しているからまだ、増殖を抑えられているのかも -- 名無しさん (2017-04-21 11:41:49) - ↑↑ごめん^^; -- 名無しさん (2017-04-21 11:42:13) - 一応財団が確保した上でそれ以外は殲滅しろだから別に取り立てて言う程過激な方針でもない気がするけどなぁ。冒頭のあたりはちと作成者のバイアスが掛かった表現になってる気がする -- 名無しさん (2017-04-21 14:08:48) - GOC他、歩調を合わせられる団体全てと協力してでも殲滅した方がよくね?案件 -- 名無しさん (2017-04-21 14:28:06) - 減らせるだけマシだよねぇ(ケーキを口に放り込みつつ) -- 名無しさん (2017-04-21 16:25:33) - ニッソも目的自体はまともなんだよな。他が擁護できないレベルの酷さだけど…。 -- 名無しさん (2017-04-21 20:52:50) - 都合良く服だけを溶かすスライムとか作ってくれないかな…… -- 名無しさん (2017-04-22 00:09:07) - 元々ゴミ処理用に作ったんかねこいつら -- 名無しさん (2017-04-22 00:20:03) - 正確を期するなら『無変態』だね -- 名無しさん (2017-04-22 02:01:31) - ブライト博士は"閃乱カグラを再現"するために武器とSCP-030-JPをSCP-914に入力してはいけません。化繊の服だけ切る刀なんてできるわけねえだろ。 -- 名無しさん (2017-04-22 06:54:17) - ↑3それで無限増殖するゴミ出来上がってんだから笑えねぇ -- 名無しさん (2017-04-23 23:34:02) - 現実世界でコイツの収容違反が発生した模様 -- 名無しさん (2017-04-25 18:06:10) - いや、あれはカバーストーリーであって……ん?こんな時間に誰だ? -- 名無しさん (2017-04-26 03:39:50) - 死体の分解速度を低くした目的が分からん -- 名無しさん (2017-04-27 23:01:17) - ↑あくまでも試作品だからな。問題点はおいおい改良していくつもりだったんだろ。 -- 名無しさん (2017-04-29 21:26:44) - 収容してるけど増えた分は処分してねとかも普通だしな。財団は個体数を守ろうとはしない。むしろ維持できるぎりぎりを残して他は処分するほうが多い。 -- 名無しさん (2017-05-12 09:23:02) - 20cmって割とデカくてキモイなオイ -- 名無しさん (2017-05-23 18:56:12) - 人跡未踏の地で何を餌に繁殖するのか気になる -- 名無しさん (2017-06-11 19:56:27) - ↑天然のアスファルト湖に住めば餌に困らない。 -- 名無しさん (2017-06-11 21:50:52) - 逃がした奴の対応が軽いのはニッソにポリクイガを何とかする技術があるから…と現実逃避してみる -- 名無しさん (2017-06-18 20:26:07) - こいつの体(=世界を埋め尽くすであろう死骸)が白いもふもふなのが救いだな。余り救いになってない気もするけど。 -- 名無しさん (2017-06-21 20:16:35) - もうコイツだけを捕食する生物(SCP)を人工的に作り出すしか無いな。財団はやらなさそうだが。 -- 名無しさん (2017-06-25 19:09:58) - 石油を食べるという性質はそれこそペスターとか昔の怪獣にありそうなものだが、他の生態をちょっといじるだけでこんなに厄介なものになるとは… -- 名無しさん (2017-06-25 20:31:29) - こいつら要は中身石油が詰まってるようなもんだろ?そりゃ自然界の生物だって食わんわ -- 名無しさん (2017-07-05 23:28:05) - ↑↑↑↑↑地球温暖化問題に立ち向かった時に収容違反で自滅してたが、あれは商品化まで行かなかったのが救いだったな -- 名無しさん (2017-07-06 00:25:02) - ごめん^^;じゃねーーー!! それはそうと、フルメタに、石油を食べるバクテリアっていたよね。石油から作られた繊維も食べるからすっぽんぽんにされちゃうという。こいつももしかしたら、石油製の衣服食べてすっぽんぽんにしちゃうのかな?イヤン//▽// -- 名無しさん (2017-07-06 07:11:33) - ブライト博士がSCP-030-JPを洗濯室に持ち込むことは許可されていません。我々はお気に入りの下着をダメにされた事を二度と忘れないでしょう。 -- 名無しさん (2017-07-10 13:18:24) - 近年、コイツを殺害する毒とガソリンのような匂いを出すキノコ=コイツ用の天敵他数種の異常存在を育成する研究施設がSCiPに追加。生類創研は彼らなりに主に上層部が対応の必要性を感じていたが、「こっちが好きなように作れない研究に何の意味があるのさ」と現場研究員がサボタージュの末財団の襲撃を幸いと放棄したらしい。……つくづくロクデナシどもだなぁ…… -- 名無しさん (2017-08-06 14:48:11) - 軽ゥい! -- 名無しさん (2017-09-06 11:58:13) - 生類創研はなまじ能力がある分タチが悪い。おまけに本質的に害意が無いから「博士」あたり以上に悪辣なアノマリーをばら撒いてくれるという -- 名無しさん (2017-09-08 12:24:08) - これ、清水義範の短編小説のパクリなんじゃ…。あっちは「ポリクイ菌」だったけど -- 名無しさん (2017-09-08 12:41:54) - ちなみに特殊部隊名の「臭水(くそうず)」とは石油の古名。遅くとも西暦700年ごろには、主に越後地方で灯火に使われていたそう。 -- 名無しさん (2017-09-19 22:31:06) - ↑2 生物兵器で何かが消滅して大混乱なら昔からあるんじゃないかな?俺の知る限りだと小松左京の「紙か 髪か」(紙を分解する菌でパニック)が60年台に発表されてる -- 名無しさん (2017-09-19 22:51:59) - 全宇宙消滅の危機とか別の次元からやってきた破滅的概念みたいなヤツよりよっぽど怖い。「コイツが収容違反したらどうなるか想像もつかない」のが想像できる恐ろしさというか -- 名無しさん (2017-10-12 15:13:27) - 一応現実世界にも存在はしているらしいが。ハチノスツヅリガとかいうガの幼虫がポリエチレンなどを分解するとか -- 名無しさん (2017-11-15 11:29:11) - 清水義範の小説に「石油を食べるバクテリアが逃げ出して人間社会が崩壊する」ってのがあった気がする -- 名無しさん (2018-01-11 22:01:27) - 一応ニッソにもプレゼンとかあるのか・・・日本の要注意団体は妙に俗っぽい感じかするな -- 名無しさん (2018-02-15 21:43:33) - ブライト博士沸きすぎじゃありませんかね? -- 名無しさん (2018-06-01 13:02:41) - 最終手段の水爆すら「石油を使った部位が無いようにしろ」って…狂気すら感じるな -- 名無しさん (2018-06-07 11:04:51) - こいつの死体の山で地球が埋まって生態系が全て滅亡するのが先か、石油製品と石油原油が油田の下の地層にある分まで全部食われて人類の文明が滅亡すると同時にこいつらが餓死で滅亡するのが先か、 -- 名無しさん (2018-07-03 07:34:49) - 雑食ウサギのウォルターなら食べてくれるだろうがサイトからサイトまで連れてくのも大変か、連れてっても消費量がおっつかないかだよなぁ -- 名無しさん (2018-07-03 08:07:35) - 犬猿の仲の財団とGOCが手を組み地球文明の脅威と戦う劇場版SCPのボスがこいつだったら…しまらねえなあ… -- 名無しさん (2018-07-06 10:35:50) - ↑脅威に対抗すべくレギオン的な怪獣に進化しているかもしれない -- 名無しさん (2018-08-22 17:05:55) - こんな生類創研だがなにげにThaumielクラスオブジェクトを作ってたりする。(SCP1361-JP、上の方で言われてた奴)多少の良心は残ってるみたいですね。 -- 名無しさん (2018-10-15 15:36:11) - 本物のカイコなら成虫になればもっふもふの可愛い外見で癒してくれるんだが、こいつらでかい芋虫のままだから… -- 名無しさん (2018-10-29 10:20:27) - ↑↑あの女史はクソみたいなもんばっかり作るニッソに咲く一輪の良心だわ -- 名無しさん (2018-11-16 20:52:52) - 本部の協力仰いでクソトカゲの餌にできないか? -- 名無しさん (2019-02-24 15:22:28) - ↑クソトカゲがSCP-030-JPの特性を得てどうしようもなくなる未来しか見えない…… -- 名無しさん (2019-02-24 18:11:07) - 何か勘違いがあるかもしれないので言っておくが、ポリクイガ第一の問題は「増殖されると死体の処分に困る」ではなくそれ以前の「人知れず大増殖して殺しても殺しても殺し尽くせなくなり、それに伴い石油製品が壊滅するから」。そして、クソトカゲは本来移動させるのも困難な超敵対的怪物で、財団施設外のポリクイガの繁殖ポイントに開放されたら喜々として財団職員を殺して逃げようとする。 -- 名無しさん (2019-02-24 21:14:18) - 繁殖能力から考えると数が少なすぎると思う。移動能力の低さを考えるとその場その場で餌を食いつくして絶滅してるんじゃないか? -- osakana (2019-04-09 22:06:23) - マリアナ海溝で原油を食うバクテリアが見つかったそうだ。財団世界ではもっと早くに見つかってニッソが応用したのかもー…… -- 名無しさん (2019-04-17 21:13:52) - うん? 収容違反すると世界中の石油と石油製品が白いゴミに変わるのは確かですけど、NKみたいに地球の容量オーバーしたり、XKみたいに人類が住めない環境になったりはしないんじゃないですかね? Keter相当の害悪なだけで、Kクラスは起こさないような。 -- 名無しさん (2019-04-18 00:49:10) - ↑3繁殖能力がえげつなすぎるから、人知れぬ山奥の臭水の泉で生き残ってるかも。食い尽くそうにも顔突っ込んだら溺死するし、泉から離れたら餓死するしで、危ういバランス取ってる感じ。 -- 名無しさん (2019-04-18 00:55:49) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2017/04/21 (金曜日) 11:49:02 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){食らって、増えて、埋め尽くす。}} SCP-030-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。 項目名は『石油喰らい』。 JPのコードが示す通り、日本支部生まれのオブジェクトである。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は文句なしの「&bold(){Keter}」。 *概要 コイツが何かと言うと、昆虫の一種である。 具体的な特徴などを語る前に、まず特別収容プロトコル。 >SCP-030-JPの全ての個体は一切の石油製品が使用されず建造された特別収容サイト-8161内の、同じく石油製品を一切使用していない特別性のAクラス危険生物収容室に収容されなければなりません。 >SCP-030-JPの給餌のため100gのポリエステル繊維を毎日持ち込むことを除いて、サイト-8161には一切、石油、石油製品、そのほかあらゆる石油が利用された物質を持ち込んではなりません。 >収容されているSCP-030-JPの数が10匹を超えた場合は10匹未満に数が減少するまで間引いてください。 >封じ込め違反が起こった場合は、サイト-8161を完全に封鎖した上で内部に有機リン系殺虫剤を充たしてください。それでもなおSCP-030-JPの脱走の可能性がある場合、サイト-8161に備え付けられた、石油製品未使用の特別性水素爆弾を起動してください。 &bold(){収容する場所にはとにかく石油製品を使うな、10匹以上に増やすな、収容違反が起こったらサイトごと抹殺しろ、それでもダメなら水爆でサイトもろとも吹っ飛ばせ}、と厳重な上にやたら物騒である。 が、注目すべきはこの後。 >現在財団の管理下に置かれていないすべてのSCP-030-JPは完全に絶滅させることになっています。財団の管理下に入っていないSCP-030-JPが発見され次第、機動部隊乙-ち("臭水守")が対応に向かいます。 このオブジェクト、&bold(){この世から完全に消し去らなければならない}という方針なのである。 こういう収容プロトコルは他にもないわけではないが、確保、収容、保護を目的とする財団としては割合珍しいスタンスである。 なぜか? それは、コイツの持つ特性が、ひいてはコイツの存在そのものが、[[K-クラスシナリオ>K-クラスシナリオ(SCP Foundation)]]に直結するからである。引き金どころではない、原因そのものなのだ。 その特性とはずばり、項目名が示す通り、石油および石油製品を喰って生きている、ということである。 ちなみに外見はというと、白い毛でおおわれた20cmほどの芋虫であり、翅や触角の類はない。足はあるが、木の枝につかまることも出来ないほど貧弱であり、移動能力はないに等しい。 生物学的にはカイコガに近いが、形態は成虫になっても幼虫の時とほぼ同一((元記事の筆者は「不完全変態」としていたが、これは終齢幼虫から直接成虫に羽化する生態であり、現在の記事ではより適切な「無変態」となっている))。 カイコガと同じなら、野生で生きることは出来ないはず。 加えて移動もまともに出来ないのなら、脅威にならないのでは? と思うかもしれないが、甘い。 この虫ども、その弱点を補うかのように、&bold(){繁殖能力が恐ろしく高い}のである。 全ての個体が同時的雌雄同体((常に雄でも雌でもある動物のこと及びその性質。実際にはナメクジやミミズ、アメフラシなどが該当し、移動能力の低さで別個体との遭遇が少ないことを補えるため、そうなっていると見られている。))であり、さらに単為生殖・両性生殖の両方が可能。つまり単独でも繁殖でき、両性生殖も合わさることで単一種の範囲内でだが遺伝的多様性も十分。&s(){ゾウリムシかなんかか} さらに一度の産卵で産むタマゴは300個以上で、さらに孵化から繁殖可能となるまでたった3日、というとんでもない増えっぷりなのである。 現実だとこの手の害虫については、生殖能力を持たない個体を放つことで個体数を減少させる措置が取られることがあるが、この虫どもにはその手が通用しない。上述したように単体でも子孫を増やせる上、世代が3日もあれば一回りするため、そういった個体の割り込みようが無いに等しいのである。 これでは止めようがない。 しかし、昆虫なら鳥や獣が食べるのでは? と思ったかもしれないが、それも甘い。 何とこの虫ども、&bold(){自然界には捕食者が存在しない。} 他の生物にとって非常に不快な味を持つ上、消化吸収できる能力を持った生物が十分に存在しないからである。 そして最大の特徴は、上記した通り石油および石油製品を喰って生きている、ということである。 しかも、排泄物は可燃性がなくエネルギーにならない。文字通りクソの役にも立たないのだ。 追い打ちをかける事実として、この連中は個体の寿命はわずか30日だが、死骸の自然分解の速度が著しく遅い。 ならば人工的手段で処理、つまり&s(){汚物は消毒}焼却すればどうだ、となるが、面倒なことにプラスチック同様、800度以上の高温で、適切な方法で処理しないとダイオキシン系の有毒ガスが大量発生する。 さらに、コイツが食べるのは石油と「石油製品」である。 灯油や重油などの精製石油はもちろん、プラスチック、アスファルト、合成繊維、合成ゴム、接着剤、化粧品、洗剤、etcetcetc……と現代社会で逆に何が食べられないんだ? と聞きたくなるレベルである。 特性をまとめると、 ・&bold(){石油と石油でできたもの全てを食べる} ・&bold(){3日で繁殖できるまで成長する} ・&bold(){単体で繁殖でき、一度の産卵で300個体以上増える} ・&bold(){自然界にいても捕食されない} ・&bold(){寿命が短い} ・&bold(){死骸の分解速度が途轍もなく遅く、処理をミスると有害物質が大量発生する。} と、人類社会にケンカを売りに来たとしか思えない呆れた連中である。 こんな連中を1匹でも放置しておけば、1年かからずこの虫どもの死骸で地球が埋まってしまう。 NK-クラス:世界終焉“グレイ・グー”シナリオであると同時に、石油製品が食い尽くされれば現代社会は崩壊する((例えば車のタイヤは合成ゴム、内装には樹脂パーツがたっぷり用いられていたり、燃料や潤滑油も石油製品である。また、洗濯機などの白物家電からスマホやPCなどのIT機器に至るまでゴムやプラが絶縁体として重要な役割を果たしている。現代社会にこれだけ多用されている石油製品が消えたらどうなるかは想像に難くない。))。 XK-クラス:世界終焉シナリオの原因でもあるのだ。何なんだコイツら。 一応カイコガらしい特徴として、一定量の石油や石油製品を食べると、ポリエチレンテレフタレート((略称PET、ペットボトルのペットである。))の糸を吐き出す。これは紡績すれば普通に繊維として使用可能だが、世界滅亡のリスクに対して明らかに割に合わない。 こんなのを放置しておけば間違いなく人類が破滅してしまう、ということで財団は根絶の試みに乗り出したが、野生の個体は数々の試みにも関わらず未だ1万以上が存在していると考えられている。 恐らく、山奥など人跡未踏の場所に集中しているのだろう。……逆に言えば回収されるまで恐ろしい勢いで、人知れず増え続けるということでもあるが。 *ルーツ 当然だが、こんなアンチ現代社会生物が自然に生まれるわけがない。 それもそのはず、このトンデモカイコは人工的に生み出されたのである。 どこで? まあ、予想はつくと思うが日本支部の[[要注意団体>要注意団体(SCP Foundation)]]であり迷惑マッドサイエンティスト集団こと&bold(){[[日本生類創研>日本生類創研(SCP Foundation)]]}である。 1900年代のある時、機動部隊ゑ-3("緑の盾")が日本生類創研の放棄した研究施設を発見。その施設では10000匹を超えるSCP-030-JPと、ラベルが貼られた空っぽの木製の箱を発見・回収している。 これが、この虫どもが財団によって認識された最初の例だが、木箱に貼られていたラベルの内容はこんな感じだった。 >エコロジー・キャンペーン用試作 >&font(l){ポリクイくん} &font(l){ポリッコ} 名前はプレゼンの時に考えよう。とりあえず「ポリクイガ(仮)」で。 >これが売れれば更に我々の研究を先に進めることが出来るだろう! >現状サンプルを増やすため繁殖能力を強化 > >&sizex(6){&bold(){絶対に逃すな!}} > >       &font(u){&bold(){↑ごめん^^;}} &bold(){あいつらダメだはやくなんとかしないと。} *余談 実は、虫がプラスチックを食べること自体は実際ある。 いくつか例があるものの、2016年には、ペットの爬虫類用や釣り用のエサとしてよく売られているミルワームの1つで、ゴミムシダマシの1種、ゾフォバス・モリオの幼虫が&bold(){発泡スチロールを食べられる上に、一部を分解して糞≒堆肥と二酸化炭素に変える}能力があることが発見された。 一部しか分解できないとはいえ、排出されるのが発泡スチロール混ざりの堆肥で、もちろん死骸も容易に分解される。更に身体の脂肪分からバイオディーゼル燃料を作ることもできる。明らかにこいつらより数万倍は有能だろう。ついでに異常増殖の心配もない。 ちなみにゾフォバス・モリオの一般名は&bold(){スーパーワーム}である。単に他のミルワームより少しデカいことが理由で付いた名前だが、今や別の意味でスーパーなワームになってしまっている。 つまり本当に必要だったのはより食欲旺盛なスーパーワームだったのだ。%%早速サンプルを増やして繁殖能力を強化しよう。%% 清水義範の短編小説『博士の異常な発明』にこの虫によく似た特性を持つバクテリアが登場している。 こちらは繁殖と自己進化が手を付けられないレベルまで拡大した結果…… 追記・修正はポリクイガ(仮)を根絶してからお願いします。 ---- #right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-030-JP - 石油喰らい by tokage-otoko http://ja.scp-wiki.net/scp-030-jp この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,45) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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