SCP-4496

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&font(#6495ED){登録日}:2020/02/11 Tue 10:33:51 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-4496はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]にに登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はSafe。 *概要 SCP-4496を端的に言うと[[超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ]]に登場する 「&color(goldenrod){ランディー}」というキャラのオモチャである。なんてこった。 [[ピカチュウ>SCP-4974]]だの[[カービィ>SCP-3450]]だの実在のサブカルチャーを使ったSCPはいくつかあるが今度はトランスフォーマーかい。 しかもトランスフォーマー自体は日米合作だがビーストウォーズネオは日本で製作放映されたアニメで &color(goldenrod){ランディー}やそのオモチャも日本市場のみの品だが、このSCPは''本部記事''である。 *ワシが突撃員&color(goldenrod){ランディー}じゃい! トランスフォーマーを知らない方はググるなり前述のビーストウォーズネオの記事を見てもらうとわかりやすいが 人型ロボット形態と、他の形態を自在に変形(トランスフォーム)できる機械生命体たちが戦闘や冒険をするアニメであり、 この「&color(goldenrod){ランディー}」も人型のロボット形態とイノシシ形態の姿に変形することができるキャラなのだ。 &color(goldenrod){ランディー}は全身が&color(goldenrod){黄金のカラーリング}の戦士である。 ロボットの玩具やプラモで変形と言ったら、遊ぶ人が手でパーツを組み替える変形を想像すると思うが &color(goldenrod){ランディー}のフィギュアはちょっと違う。 劇中のトランスフォーマー達は一瞬で変形していて、 オモチャでもそれを再現するために「一発変形」というギミックを搭載している。 &color(goldenrod){ランディー}は人型←→イノシシの変形をするロボットなのだが イノシシ→人型に変形する際には、ボディに付いたボタンを押すと''一瞬で''変形する。 オモチャ内部にバネが組み込まれており、イノシシ形態ではそれが圧縮したままロックされていて そのロックを解除するとバネが勢いよく伸びるのだが、 そのバネのパワーを使ってガシャガシャッ!と人型ロボットに変形するのである。''かっこいい!'' 逆に人型ロボ→イノシシに変形する際は手でパーツを戻してバネを縮めてロックする必要があるのだが 子供はこの一発変形ギミックが楽しくてつい何度もガシャガシャ変形したくなるというのは理解できるだろう。 この&color(goldenrod){ランディー}のオモチャは我々が住む世界の日本ではタカラが1999年に実際に発売したもので この記事の初版投稿時点では数千円も出せばまだ美品が買える。 ぜひ''買って遊ぼう!''そして''ガシャガシャ変形させようぜ!'' どうやら財団世界内のSCP-4496もこれと同一のオモチャらしい。 *SCP-4496の異常性について 単なるロボットのオモチャなのだが、このオブジェクトの何が異常なのかを説明する。 前述した一発変形の操作をSCP-4496にやったときが問題なのだ。 SCP-4496をイノシシ→人型に一発変形の操作をすると、それ自体は何もおかしなことはなく変形する。 まあオモチャの方が壊れたりせず変形するのは当たり前なんだが、その''周囲''の方に異常が起きる。 SCP-4496を人型に変形させると、そこから半径4.55m以内の全ての物質の''分子間結合力が著しく落ちる''。(一時的に) 分子間結合力とはその名の通り分子たちがくっ付く力であり、例えば水が常温で液体となっている時は 水分子(H2O)はゆるく結合しているために液体の水はサラサラで簡単に千切れたり形が変わる。 凍結させて個体の氷にすると水の分子がしっかり結びついてカチカチに固まってしまう。 それが鉄やダイヤモンドになるとそれらの分子は水(H2O)よりもしっかり結びついているため「強靭」な物質となる。 分子間の結合力が落ちるということはあらゆる物質がひどく脆くなるということであり、 SCP-4496を変形させるとその周囲の物は''壊れやすくなり''、ひどいと''自重に耐えられずに崩壊する''。 液体や気体にも作用するが、上記のように液体や気体は元から分子の結合が緩いので結合力が一瞬だけ落ちても実害は少ない。 異常な効果はあくまで一時的なもので、変形させた瞬間の一瞬が過ぎれば戻るのだが、 再びイノシシに戻して一発変形を繰り返すと何度でも発動する。 ちなみに脆くする効果は異常性のない物質にしか作用しない。 つまり他の破壊不能属性持ちオブジェクトに試したらしいが無効だったようだ。 *収容までの流れ アメリカのトランスフォーマー関連のフォーラムでの以下の書き込みが全ての始まりである。 >Post by &color(green){KillerPunch} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"金プラ症候群…どうしよう", February 7, 2004} >日本のビーストウォーズネオのコレクションで、&color(goldenrod){ランディー}とクレイジーボルトのパックを輸入するんだ。 >だけど&color(goldenrod){''金プラ症候群''}が怖いんだよ、&color(goldenrod){ランディー}が到着した時に壊れてないといいんだけどな。 >新品未開封なのに壊れてるなんて嫌だぜ。 // >[余分なレスのため削除] // >Post by &color(red){MxMaster} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"Re:金プラ症候群…どうしよう", February 9, 2004}  >やぁ、君の助けになれるかもしれないぜ。 >俺はこんな時に有効な手品(Trick)をいくつも使える男を知ってるんだ。 >俺に&color(goldenrod){ランディー}を郵送してくれたら地獄の岩よりも頑丈にして送り返せるぜ。 >よければ&color(red){██████@aol.com}にメールをくれ。 // >Post by &color(green){KillerPunch} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"Re:Re:金プラ症候群…どうしよう", February 9, 2004} >送った よくこんなやり取りで実際の品を送れるな。 ところで&color(goldenrod){''金プラ症候群''}とは何だろう? *金プラ症候群(Gold Plastic Syndrome) &color(goldenrod){&bold(){Gold Plastic Syndrome}}(略して&color(goldenrod){GPS})とは 我々の住む世界のアメリカのトランスフォーマーマニアの間で定着しているスラングで、ここでは和訳の&color(goldenrod){金プラ症候群}で統一する。 &color(goldenrod){Gold Plastic Syndrome}でググればわかるが''ニコニコ大百科に専用記事がある''ので詳しく知りたければそちらも参照。 簡単に言うと&color(goldenrod){金色}で成形されたプラスチックは強度が非常に脆いことと、 それで形成された玩具の破損しやすさをネタにした用語である。 日本でいうとガンプラの[[ストライクフリーダム>ストライクフリーダムガンダム]]の昔のキットの関節や内部のランナーの色というか &color(goldenrod){金色}というか&color(brown){黄土色?}というプラスチックが&color(goldenrod){金プラ}である。 &color(goldenrod){金メッキ}よりも安上がりで&color(goldenrod){金}っぽい表現をできるプラスチックだが、 強度が低い上に劣化しやすいので負荷がかかる箇所に使うべきではない。 トランスフォーマーのオモチャの中には&color(goldenrod){金プラ}を使用して壊れやすい品もあるため アメリカのマニア達には&color(goldenrod){GPS}の恐怖が伝わっているのだ。 …さて、上記の&color(goldenrod){ランディー}(オモチャ)の性質を振り返ってもらいたい。 &color(goldenrod){ランディー}は全身が&color(goldenrod){金色の}トランスフォーマーのオモチャで''変形する''。 玩具としての設計が古く、&color(goldenrod){金プラ}を''使うべきではない構造部にも使いまくっている''。 発売から年月が経ち、ただでさえ脆い&color(goldenrod){金プラ}の''劣化も進んでいる''。 プラモならば(技術があれば)改造して脆い部位を補強できるが、このオモチャは''そういう余地が少ない''。 というかガンプラみたいな玩具ならば手で変形させるので慎重に優しくやればいいのだが、 &color(goldenrod){ランディー}はバネ仕掛けの一発変形機構のために''コントロール不能の力がかかってパーツが砕ける''。 さらに言うと&color(goldenrod){ランディー}に関してはイノシシ形態で箱に入っているので バネが縮んで''負荷がかかりっぱなし''のまま梱包され続けていて、''新品未開封だが箱に入ったまま壊れている''ことも珍しくない。 &big(){''現代の感覚なら欠陥商品である。''} *SCP-4496の真の異常性 &color(goldenrod){金プラ症候群}や「&color(goldenrod){ランディー}」の性質を説明したところで、SCP-4496の異常性を再確認してみよう。 SCP-4496をイノシシ→人型にバネで変形させると、SCP-4496自体は普通に変形するが周囲の物質が一時的に脆くなる。 「変形させると周囲が脆くなる」というのが異常性の一つだが、 「一発変形させたのに''壊れない''」というのも''まぎれもない異常性''なのだ。 *収容までの流れ・2 さて先ほど&color(red){MxMaster}なる人物に&color(goldenrod){ランディー}を送った&color(green){彼}はどうなっただろうか。 >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 9, 2004 >&font(u){Subject: 金プラ症候群の修正について} >金プラを直してくれるって話だけど俺はどうしたらいいの? >対価はなにを求めてるんだ? // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: February 10, 2004 >&font(u){Subject: RE:金プラ症候群の修正について} >報酬はいらないよ。僕は自分の技術と名声を高めたいだけなのさ >下の住所に&color(goldenrod){ランディー}を送ってくれれば&color(goldenrod){金プラ}で壊れないようにして返送する。 >[削除済] // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 12, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >不安もあるけど、&color(goldenrod){ランディー}が壊れることの方が心配だからね。 >たぶんこのままじゃ半年も持たずに自壊するし。 >今から発送するよ。 // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: February 26, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:RE:金プラ症候群の修正について} >うまくいった。もう普通にいじって遊ぶ限りは''決して壊れないぜ''。 >返送するよ。楽しもうぜ!(enjoy!)((日本支部の『博士』は本部ではまだ広まっていないが『博士』の「楽しもうね」とワンタメの「楽しんでね!」は両方「have fun!」と訳されているため、この人物はたぶん『博士』ともワンタメ博士とも無関係。きっと。)) なぜSCP-4496を変形させると''周りのものが壊れる''のか…うすうす理解できたのではなかろうか。 >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 12, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >ねえ…一体なにをやったんだい?確かに&color(goldenrod){ランディー}は壊れなかった。 >だけど俺が&color(goldenrod){ランディー}を変形させたら''周りの全てが壊れた''んだ。 >コレクションの棚も…''俺の足も腕も''だよ。 >なんかヤバい化学薬品でも使ったのか!? // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: February 10, 2004 >&font(u){Subject: RE:金プラ症候群の修正について} >ああ、君のためにかけた魔法が作用したのさ。 >「脆弱性」を追い出すようにセットしたんだよ。 >すまないね。 // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 12, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >なに…どういうこと? // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 12, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >ねえ? *財団の発見 財団は2004年公式トランスフォーマーコレクターズコンベンションにおいて販売商品を&color(gray){なんのためか不明だが}監視していた。 そして某ブースで事件が起こる。とあるディーラーのテーブルで客が商品をいじっていると 突然''テーブルごとすべてが崩落して買い手が重傷を負った''。 ただちに機動部隊Rho-40 "トイザらスの子供たち" が事態の収拾を行い、関係者へのインタビューをするとともに 周囲の人間には記憶処理をしつつ「ただの事故」とカバーストーリーで処置した。 もちろんこの騒ぎの原因は「&color(goldenrod){ランディー}」を壊れなくしてもらった&color(green){彼}によるものである。 すっかり嫌になった&color(green){彼}はコレクションを売りさばこうとした。 その点は仕方ないのだがSCP-4496についても異常性を隠して売ろうとした上に、 見に来た客がいじるのを止めなかった(気づかなかった?)ためテーブルごと壊れてしまったのだ。 財団の診断ではこの時にテーブル周辺にいた全ての人々は''普通ならあり得ない急激な骨粗しょう症''による骨折をしていた。 売り手である&color(green){彼}は短期間で''2回''骨折している形跡があった。 とにかく必要な情報を聞き出した後は全員記憶処理して解放しSCP-4496を回収した。 *SCP-4496の収容プロトコル ・普段はサイト64のSafe用アノマリー金庫に保管する ・事故を防ぐため普段は常に人型形態で保管し、実験などで変形させる場合は許諾を取る ・財団のWebクローラーで&color(red){MxMaster}のハンドルネームや同様のログを捜索する 以上である。 オブジェクトとしてはずっと金庫に入れっぱなしで問題ないため楽な部類と言えよう。 #center(){&font(b,30pt){SCP-4496 &ruby(伝染性 金プラ症候群){Gold Plastic Syndrome (Infectious)}}} 追記・修正は壊さないように慎重にお願いします。 ---- #right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){ SCP-4496 Gold Plastic Syndrome (Infectious) by SJolene http://www.scp-wiki.net/scp-4496 この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 遠隔で変形させる装置でも作れば効率よく物を壊したい時に活用できるのかな -- 名無しさん (2020-02-11 10:35:58) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2020/02/11 Tue 10:33:51 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-4496はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]にに登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はSafe。 *概要 SCP-4496を端的に言うと[[超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ]]に登場する 「[[ランディー>ランディー(ビーストウォーズネオ)]]」というキャラのオモチャである。なんてこった。 [[ピカチュウ>SCP-4974]]だの[[カービィ>SCP-3450]]だの実在のサブカルチャーを使ったSCPはいくつかあるが今度はトランスフォーマーかい。 しかもトランスフォーマー自体は日米合作だがビーストウォーズネオは日本で製作放映されたアニメで &color(goldenrod){ランディー}やそのオモチャも日本市場のみの品だが、このSCPは''本部記事''である。 *ワシが突撃員&color(goldenrod){ランディー}じゃい! トランスフォーマーを知らない方はググるなり前述のビーストウォーズネオの記事を見てもらうとわかりやすいが 人型ロボット形態と、他の形態を自在に変形(トランスフォーム)できる機械生命体たちが戦闘や冒険をするアニメであり、 この「&color(goldenrod){ランディー}」も人型のロボット形態とイノシシ形態の姿に変形することができるキャラなのだ。 &color(goldenrod){ランディー}は全身が&color(goldenrod){黄金のカラーリング}の戦士である。 ロボットの玩具やプラモで変形と言ったら、遊ぶ人が手でパーツを組み替える変形を想像すると思うが &color(goldenrod){ランディー}のフィギュアはちょっと違う。 劇中のトランスフォーマー達は一瞬で変形していて、 オモチャでもそれを再現するために「一発変形」というギミックを搭載している。 &color(goldenrod){ランディー}は人型←→イノシシの変形をするロボットなのだが イノシシ→人型に変形する際には、ボディに付いたボタンを押すと''一瞬で''変形する。 オモチャ内部にバネが組み込まれており、イノシシ形態ではそれが圧縮したままロックされていて そのロックを解除するとバネが勢いよく伸びるのだが、 そのバネのパワーを使ってガシャガシャッ!と人型ロボットに変形するのである。''かっこいい!'' 逆に人型ロボ→イノシシに変形する際は手でパーツを戻してバネを縮めてロックする必要があるのだが 子供はこの一発変形ギミックが楽しくてつい何度もガシャガシャ変形したくなるというのは理解できるだろう。 この&color(goldenrod){ランディー}のオモチャは我々が住む世界の日本ではタカラが1999年に実際に発売したもので この記事の初版投稿時点では数千円も出せばまだ美品が買える。 ぜひ''買って遊ぼう!''そして''ガシャガシャ変形させようぜ!'' どうやら財団世界内のSCP-4496もこれと同一のオモチャらしい。 *SCP-4496の異常性について 単なるロボットのオモチャなのだが、このオブジェクトの何が異常なのかを説明する。 前述した一発変形の操作をSCP-4496にやったときが問題なのだ。 SCP-4496をイノシシ→人型に一発変形の操作をすると、それ自体は何もおかしなことはなく変形する。 まあオモチャの方が壊れたりせず変形するのは当たり前なんだが、その''周囲''の方に異常が起きる。 SCP-4496を人型に変形させると、そこから半径4.55m以内の全ての物質の''分子間結合力が著しく落ちる''。(一時的に) 分子間結合力とはその名の通り分子たちがくっ付く力であり、例えば水が常温で液体となっている時は 水分子(H2O)はゆるく結合しているために液体の水はサラサラで簡単に千切れたり形が変わる。 凍結させて個体の氷にすると水の分子がしっかり結びついてカチカチに固まってしまう。 それが鉄やダイヤモンドになるとそれらの分子は水(H2O)よりもしっかり結びついているため「強靭」な物質となる。 分子間の結合力が落ちるということはあらゆる物質がひどく脆くなるということであり、 SCP-4496を変形させるとその周囲の物は''壊れやすくなり''、ひどいと''自重に耐えられずに崩壊する''。 液体や気体にも作用するが、上記のように液体や気体は元から分子の結合が緩いので結合力が一瞬だけ落ちても実害は少ない。 異常な効果はあくまで一時的なもので、変形させた瞬間の一瞬が過ぎれば戻るのだが、 再びイノシシに戻して一発変形を繰り返すと何度でも発動する。 ちなみに脆くする効果は異常性のない物質にしか作用しない。 つまり他の破壊不能属性持ちオブジェクトに試したらしいが無効だったようだ。 *収容までの流れ アメリカのトランスフォーマー関連のフォーラムでの以下の書き込みが全ての始まりである。 >Post by &color(green){KillerPunch} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"金プラ症候群…どうしよう", February 7, 2004} >日本のビーストウォーズネオのコレクションで、&color(goldenrod){ランディー}とクレイジーボルトのパックを輸入するんだ。 >だけど&color(goldenrod){''金プラ症候群''}が怖いんだよ、&color(goldenrod){ランディー}が到着した時に壊れてないといいんだけどな。 >新品未開封なのに壊れてるなんて嫌だぜ。 // >[余分なレスのため削除] // >Post by &color(red){MxMaster} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"Re:金プラ症候群…どうしよう", February 9, 2004}  >やぁ、君の助けになれるかもしれないぜ。 >俺はこんな時に有効な手品(Trick)をいくつも使える男を知ってるんだ。 >俺に&color(goldenrod){ランディー}を郵送してくれたら地獄の岩よりも頑丈にして送り返せるぜ。 >よければ&color(red){██████@aol.com}にメールをくれ。 // >Post by &color(green){KillerPunch} in alt.toys.transformers thread >&font(u){"Re:Re:金プラ症候群…どうしよう", February 9, 2004} >送った よくこんなやり取りで実際の品を送れるな。 ところで&color(goldenrod){''金プラ症候群''}とは何だろう? *金プラ症候群(Gold Plastic Syndrome) &color(goldenrod){&bold(){Gold Plastic Syndrome}}(略して&color(goldenrod){GPS})とは 我々の住む世界のアメリカのトランスフォーマーマニアの間で定着しているスラングで、ここでは和訳の&color(goldenrod){金プラ症候群}で統一する。 &color(goldenrod){Gold Plastic Syndrome}でググればわかるが''ニコニコ大百科に専用記事がある''ので詳しく知りたければそちらも参照。 簡単に言うと&color(goldenrod){金色}で成形されたプラスチックは強度が非常に脆いことと、 それで形成された玩具の破損しやすさをネタにした用語である。 日本でいうとガンプラの[[ストライクフリーダム>ストライクフリーダムガンダム]]の昔のキットの関節や内部のランナーの色というか &color(goldenrod){金色}というか&color(brown){黄土色?}というプラスチックが&color(goldenrod){金プラ}である。 &color(goldenrod){金メッキ}よりも安上がりで&color(goldenrod){金}っぽい表現をできるプラスチックだが、 強度が低い上に劣化しやすいので負荷がかかる箇所に使うべきではない。 トランスフォーマーのオモチャの中には&color(goldenrod){金プラ}を使用して壊れやすい品もあるため アメリカのマニア達には&color(goldenrod){GPS}の恐怖が伝わっているのだ。 …さて、上記の&color(goldenrod){ランディー}(オモチャ)の性質を振り返ってもらいたい。 &color(goldenrod){ランディー}は全身が&color(goldenrod){金色の}トランスフォーマーのオモチャで''変形する''。 玩具としての設計が古く、&color(goldenrod){金プラ}を''使うべきではない構造部にも使いまくっている''。 発売から年月が経ち、ただでさえ脆い&color(goldenrod){金プラ}の''劣化も進んでいる''。 プラモならば(技術があれば)改造して脆い部位を補強できるが、このオモチャは''そういう余地が少ない''。 というかガンプラみたいな玩具ならば手で変形させるので慎重に優しくやればいいのだが、 &color(goldenrod){ランディー}はバネ仕掛けの一発変形機構のために''コントロール不能の力がかかってパーツが砕ける''。 さらに言うと&color(goldenrod){ランディー}に関してはイノシシ形態で箱に入っているので バネが縮んで''負荷がかかりっぱなし''のまま梱包され続けていて、''新品未開封だが箱に入ったまま壊れている''ことも珍しくない。 &big(){''現代の感覚なら欠陥商品である。''} *SCP-4496の真の異常性 &color(goldenrod){金プラ症候群}や「&color(goldenrod){ランディー}」の性質を説明したところで、SCP-4496の異常性を再確認してみよう。 SCP-4496をイノシシ→人型にバネで変形させると、SCP-4496自体は普通に変形するが周囲の物質が一時的に脆くなる。 「変形させると周囲が脆くなる」というのが異常性の一つだが、 「一発変形させたのに''壊れない''」というのも''まぎれもない異常性''なのだ。 *収容までの流れ・2 さて先ほど&color(red){MxMaster}なる人物に&color(goldenrod){ランディー}を送った&color(green){彼}はどうなっただろうか。 >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 9, 2004 >&font(u){Subject: 金プラ症候群の修正について} >金プラを直してくれるって話だけど俺はどうしたらいいの? >対価はなにを求めてるんだ? // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: February 10, 2004 >&font(u){Subject: RE:金プラ症候群の修正について} >報酬はいらないよ。僕は自分の技術と名声を高めたいだけなのさ >下の住所に&color(goldenrod){ランディー}を送ってくれれば&color(goldenrod){金プラ}で壊れないようにして返送する。 >[削除済] // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: February 12, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >不安もあるけど、&color(goldenrod){ランディー}が壊れることの方が心配だからね。 >たぶんこのままじゃ半年も持たずに自壊するし。 >今から発送するよ。 // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: February 26, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:RE:金プラ症候群の修正について} >うまくいった。もう普通にいじって遊ぶ限りは''決して壊れないぜ''。 >返送するよ。楽しもうぜ!(enjoy!)((日本支部の『博士』は本部ではまだ広まっていないが『博士』の「楽しもうね」とワンタメの「楽しんでね!」は両方「have fun!」と訳されているため、この人物はたぶん『博士』ともワンタメ博士とも無関係。きっと。)) なぜSCP-4496を変形させると''周りのものが壊れる''のか…うすうす理解できたのではなかろうか。 >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: March 15, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >ねえ…一体なにをやったんだい?確かに&color(goldenrod){ランディー}は壊れなかった。 >だけど俺が&color(goldenrod){ランディー}を変形させたら''周りの全てが壊れた''んだ。 >コレクションの棚も…''俺の足も腕も''だよ。 >なんかヤバい化学薬品でも使ったのか!? // >From: &color(red){██████@aol.com} >To: &color(green){████████@yahoo.com} >Sent: March 17, 2004 >&font(u){Subject: RE:金プラ症候群の修正について} >ああ、君のためにかけた魔法が作用したのさ。 >「脆弱性」を追い出すようにセットしたんだよ。 >すまないね。 // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: March 17, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >なに…どういうこと? // >From: &color(green){████████@yahoo.com} >To: &color(red){██████@aol.com} >Sent: March 21, 2004 >&font(u){Subject: RE:RE:金プラ症候群の修正について} >ねえ? *財団の発見 財団は2004年公式トランスフォーマーコレクターズコンベンションにおいて販売商品を&color(gray){なんのためか不明だが}監視していた。 そして某ブースで事件が起こる。とあるディーラーのテーブルで客が商品をいじっていると 突然''テーブルごとすべてが崩落して買い手が重傷を負った''。 ただちに機動部隊Rho-40 "トイザらスの子供たち" が事態の収拾を行い、関係者へのインタビューをするとともに 周囲の人間には記憶処理をしつつ「ただの事故」とカバーストーリーで処置した。 もちろんこの騒ぎの原因は「&color(goldenrod){ランディー}」を壊れなくしてもらった&color(green){彼}によるものである。 すっかり嫌になった&color(green){彼}はコレクションを売りさばこうとした。 その点は仕方ないのだがSCP-4496についても異常性を隠して売ろうとした上に、 見に来た客がいじるのを止めなかった(気づかなかった?)ためテーブルごと壊れてしまったのだ。 財団の診断ではこの時にテーブル周辺にいた全ての人々は''普通ならあり得ない急激な骨粗しょう症''による骨折をしていた。 売り手である&color(green){彼}は短期間で''2回''骨折している形跡があった。 とにかく必要な情報を聞き出した後は全員記憶処理して解放しSCP-4496を回収した。 *SCP-4496の収容プロトコル ・普段はサイト64のSafe用アノマリー金庫に保管する ・事故を防ぐため普段は常に人型形態で保管し、実験などで変形させる場合は許諾を取る ・財団のWebクローラーで&color(red){MxMaster}のハンドルネームや同様のログを捜索する 以上である。 オブジェクトとしてはずっと金庫に入れっぱなしで問題ないため楽な部類と言えよう。 #center(){&font(b,30pt){SCP-4496} &font(b,30pt){&ruby(伝染性 金プラ症候群){Gold Plastic Syndrome (Infectious)}} } 追記・修正は壊さないように慎重にお願いします。 ---- #right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){ SCP-4496 Gold Plastic Syndrome (Infectious) by SJolene http://www.scp-wiki.net/scp-4496 この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,8) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 遠隔で変形させる装置でも作れば効率よく物を壊したい時に活用できるのかな -- 名無しさん (2020-02-11 10:35:58) - ランディーの名前が出たところで金プラの話かと思ったらその通りで笑った -- 名無しさん (2020-02-11 10:51:43) - 機動部隊”トイザらスの子供たち”のネーミングよ -- 名無しさん (2020-02-11 11:00:45) - 普通に遊んで壊れないことが異常性なのは草 -- 名無しさん (2020-02-11 12:50:01) - なんだろう、どこが変というわけではないんだけどなんか話の流れがわかりにくい。異常性に関する報告とエピソードが交互に挟まる形になってるせいかなぁ。 -- 名無しさん (2020-02-11 12:53:24) - これ絶対GAW絡みのやつでしょ -- 名無しさん (2020-02-11 12:55:34) - 分子間結合力の説明のとこ、鉄(固体)やダイヤモンドに分子ってないよね?わかりやすいように敢えて分子って表記したのかもしれんが。 -- 名無しさん (2020-02-11 13:16:14) - 自分を壊さない代わりに周りのものを壊すのかよw最後のメタタイトルでちょっと納得した。 -- 名無しさん (2020-02-11 13:39:47) - またGPSが効果を成さなかったのか…(混乱) -- 名無しさん (2020-02-11 15:13:39) - ミックスマスター…犯人はディセプティコンなのかただのファンなのか -- 名無しさん (2020-02-11 18:12:44) - 経年劣化にも強くなってるとしたらその分のツケはどうなんだろう… -- 名無しさん (2020-02-11 20:06:24) - ↑そりゃー、周りがものすごい勢いで経年劣化するんだろうw -- 名無しさん (2020-02-11 21:59:27) - BWネオ懐かしすぎ。そういや一発変形ロボとかあったなぁ -- 名無しさん (2020-02-11 23:23:02) - なんか、普通に本国で人気のTFじゃなくて、わざわざランディーを選ぶ辺りに執筆者のオタ気質が見えて良い記事ですね -- 名無しさん (2020-02-12 00:20:33) - 全身金属に改造したメカニトの信者ならこいつの影響受けずに肉塊どもを殲滅できるんじゃ…? -- 名無しさん (2020-02-12 01:26:57) - 脆弱性を周りに押し付ける(肩代わりさせる)のが真の異常性なのか… -- 名無しさん (2020-02-12 02:11:04) - マイナスの強度とでも言うべき概念を周囲に付与する.......って解釈でいいのだろうか -- 名無しさん (2020-02-12 03:06:45) - 歳月がたてばたつほど(経年劣化が蓄積するほど)異常性発動時の被害もパワーアップするってことだよね多分 …効果範囲広がったりするのかな -- 名無しさん (2020-02-12 09:11:00) - 経年劣化って時間経過でほんの僅かな損傷が蓄積していくだけだから、それを外部に追い出し続けても無視できるほど少ない強度劣化が周囲に単発で起きるだけじゃね -- 名無しさん (2020-02-12 09:52:23) - GOCが一瞬期待して舌打ちしそうなアイテム アノマリー判別機として使ったりできんか -- 名無しさん (2020-02-12 10:43:24) - なおToys“R”Us KidsはトイザらスのTVCMで使われていたフレーズより。各分野のおもちゃに詳しい人員や業界に精通した人物が集まる異常性のおもちゃ専門部隊だろうか。 -- 名無しさん (2020-02-12 11:30:08) - ↑おもちゃのような外見のアノマリーは少なくないから、そういう専門家集団も必要だろうね。でもSCP-297やSCP-3883は「大人の」おもちゃなので多分専門外w -- 名無しさん (2020-02-12 12:50:43) - ↑2 日本のCMでも「ぼくらはトイザらスキッズ!♪」って歌ってたやつか懐かしい -- 名無しさん (2020-02-13 06:51:15) - 金プラは元々問題があった材質なのではなく経年劣化で異常に脆くなるだけ。なので一時期のTFで頻繁に使われてた -- 名無しさん (2020-02-13 08:48:33) - 「とあるディーラーのテーブルで客が商品をいじっていると 」これ迂闊だよなぁ。もし普通のランディーだったら普通に壊してたぞ -- 名無しさん (2020-02-13 09:07:34) - つまり今回もGPSさんは仕事しなかったという事か……いや、逆に仕事をし過ぎてるのか? -- 名無しさん (2020-06-23 14:43:24) - よく見ると書き込みの名前がキラーパンチって…執筆者はどこまでBWネオが好きなんだよ! -- 名無しさん (2020-09-18 19:24:47) - ミニプラのセイントカイザーやマジレジェンド、リンライオンもGPSで壊れやすいよね -- 名無しさん (2021-06-05 17:15:38) - 日本のTFコレクターが吹き替え前の海外限定の玩具を買い集めたりするように、向こうのTFファンもこういう日本限定キャラは特別なんだろうな。そのうちタコタンクのSCP出るんじゃないだろうか -- 名無しさん (2021-06-05 18:31:11) - ピカチュウとかトムジェリ、ミクが駄目ならこれも駄目なんじゃ..? -- 名無しさん (2022-10-10 15:24:02) - 周囲のあらゆる物質使って修復でもしてんだろうか それにしても「変形させてもぶっ壊れないから異常」って酷すぎるだろ -- 名無しさん (2023-04-05 19:36:48) - この事情SCPになってるの… -- 名無しさん (2024-04-22 15:13:30) #comment #areaedit(end) }

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