特級厨師試験(中華一番!)

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特級厨師試験(中華一番!)」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2011/06/09(木) 14:39:23
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます

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特級厨師試験とは、『[[中華一番!]]』の単行本第4巻〜5巻にて行われた、特級厨師の資格を得る為の試験。
4年に1度開催される。

「特級厨師」とは作中における中華料理界の最高称号で、これを取得した者は料理界で最も日の当たる道が約束される。
(一応1988年まで中国に実在したが、現実においては単なる調理師免許であり、そこまで絶大な権力があるわけではない)
ただし、&bold(){特級厨師は料理と関係ない場面では、無闇に『特級厨師の権限を振りかざしてはいけない』}という暗黙のルールが存在する。
劇中では『特級厨師』の権限を乱用して福建省などで悪行三昧をしていた、ニセ特級厨師のウォン・セイヨが登場したが、例え本物の特級厨師だったとしても、セイヨの行為は即剥奪・投獄モノの言語道断の行為である。

合格者には&bold(){龍に「特」}の紋章があしらわれた特別なコックコートが与えられる。
ちなみにこの紋章、付ける場所はどこでもいいらしい。
基本はマオのように左腕につけているが、チョウユはマントに付けている。

リー提督の推薦でマオは特級厨師の試験会場に向かう。(助手としてメイリィも同行。だが…)

試験の数日前に、前もって2つの課題が与えられる。何の料理を作るのかと、その料理で何を表現するかである。
試験当日までに案をまとめ、準備をしてくるのである。
ちなみにマオの師匠チョウユの時の課題は「粥」と「青春」。どのようにクリアしたかは語られなかった。
あまりヒントを与えすぎてはアンフェアで、マオのためにもならないと思ったのだろう。

尚、特級厨師には様々な種類があり、広州だけでなく四川・湖南などの各省の特級厨師、面点師版である特級面点師等が有る。
この中でマオは最難関と言われる広州特級厨師に挑んだ。
(とは言っても、既にリー提督によって推薦状が提出されていた。)

因みに湖南省特級厨師はカラオ(餃子兄弟の兄の方)、山西省特級面点師はシェル、そして四川省特級厨師はショウアンがそれぞれ修得している。
なお、アニメ版ではカラオとショウアンは一級厨師という設定に変えられている。
特級厨師を倒した後に特級厨師を目指すというストーリーがヘンだと判断されたためか。


**◇予選
課題は&bold(){麺}。
そしてもう一つの課題は&bold(){「国士無双」}。

&bold(){5人が通過したらそこで試験終了}という条件付で、すでに4人の料理人が己が理解で課題をクリアしていた中、
マオは鹹水((ラーメンの麺によく入れられる、アルカリ塩を溶かした水のこと。))を使ったかなりの歯ごたえがある麺を完成。
それを味付けしたラードだけを纏わせたスープ無し、現在で言うところの汁なし麺やパスタに近い料理を出した。
&bold(){「豪傑、韓信が国士無双たりえたのは武器や鎧ではなく本人が強かったから。この麺はスープや具に頼らず、麺だけで美味しいことで韓信を表現した」}
と示し、見事に合格。
本選に出場するのであった。

アニメでは下記の4名の合格の後、マオが完成の宣言をする直前にモウコという男が名乗りをあげる。
彼が出したのは東坡肉をメインに、山海の珍味で飾り立てた豪華な麺。
彼曰く『わが国が誇る国士無双の一人である&ruby(そしょく){蘇軾}を表現したもの』
(蘇軾は政治家、詩人として名を残した人物だが、東坡肉の創始者でもある)
味そのものは合格だったが、審査員は答えは……。
「蘇軾は決して驕らず、自分を飾り立てることのない人物だった。これは蘇軾にふさわしくない」
と、モウコは失格となり、マオが審査を受けられることとなった。



**◇本選

マオの他にも、以下の4名が出場。

後に準レギュラーとなる少年・フェイ。
予選の課題は、お菓子のような繊細な料理で、「国士無双」と対になる「絶対佳人」を表現。

「陶江館」の荒武者・ハン。
予選の課題は、油ギトギトのスタミナスープと極太麺、今で言うところの[[二郎系ラーメン>ラーメン二郎]]で「国士無双」らしい豪快さを表現。

「伴林酒家」の料理長・タン。
予選の課題は、「国士無双」に求められる美徳の文字を具に彫った。

広州料理界の魔女・チェリン。
予選の課題は、カエルや蛇などのゲテモノを具にして「国士無双」が食べるような野趣あふれる料理を作った。


本選の課題は&bold(){「否麺」}。
&bold(){麺にあって麺であらず。}

この課題に合格した者が、特級厨師の資格を得る事が出来る。
課題を元に、マオ達は否麺料理を作り上げた。しかしマオは途中で、ある人物の妨害を受けるも、フェイのおかげで見事に乗り越える。
そして遂に、否麺料理が完成したのであった。


***◆実食
・一番目
チェリンの烏賊墨ビーフン。
課題はクリアーしており、普通に食べても充分に美味しい料理だったはずなのだが…
なんと彼女は強い常習性を持つ「芥子の実」から取れる乳液(※アヘンの原料)を混入されており、更にマオに対する妨害工作(針を刺し味覚を無くさせる)が発覚。
この言語道断なゲスの所業が露呈した結果、チェリンは料理人の資格を剥奪され、広州より永久追放処分を受ける事となってしまった。

なお、チェリンはレイカと旧知の仲っぽい発言や、その「どんな手段を用いてでも人に料理を食わせる」卑怯な手段から[[裏料理界]]との繋がりを匂わせており、『真』にて裏料理界のメンバーとして再登場する事が期待されていたが、結局登場することは無かった。

…ぶっちゃけなんでこの人試験受けに来たんだ?
因縁あるレイカの試験をメチャクチャにしようとでも考えてたんだろうか?


・二番目
タンのマオアルドゥ。
小麦粉の生地を使い麺の型を変えたマカロニパスタのような料理。
しかし「ただ形を変えただけ」、「麺にあって麺にあらずという試験目的を理解していない」、「試食は必要ない」、「発想が安易」とボロクソに言われ、なんと&font(#ff0000){一口も食べられずに失格となってしまった。}

実はタンの広州特級厨師試験は&bold(){今年で3回目}である。
マオの師匠チョウユに匹敵するとまで言われる技術を持ちながら、彼が今まで合格できなかったのは、この発想の貧困さのためと思われる
(ちなみに予選の料理も、国士無双に求められる性格の漢字を具に彫るだけで特に味などに工夫はないというアイディア的には微妙なもので、合格できたのは総合力が高かったため)。

この物語の時代背景は鎖国状態で食に異文化をあまり取り入れられられない状態であるため、マカロニやパスタは十分新しい料理と言えるように思えるが
そもそも中華における「麺」とは小麦粉そのもの、ひいては小麦粉を使った料理全てを指す。餃子やパンも中華では「麺」である。
彼の前に失格になったチェリンも、「小麦粉を面状に仕立てて作るから“麺”であり、自分は米粉を使うことで否麺の条件を満たした」と説明している(そして、最終的にはゲスな行為のために失格となったものの、料理自体は試食してもらえている)。
小麦粉を生地にしている時点でその料理は「麺」の範疇であり、テーマに沿ったものではないのである。

さらに、マオアルドゥは彼の独自の発案によるものというわけではなく、料理法は&bold(){人から教わったもの}である。
それに加えて、味付けに使ったのも彼が働く伴林酒家の秘伝のタレ、つまりは悪く言ってしまえばありものでしかない。
そのことはタン自身も料理の説明をする際に言及しており、あるいはそれも失格とみなされる要因になったのかもしれない。
仮に料理自体が同じものであってもそれが彼自身のアイディアによるもので、「なぜこれが否麺なのか」について納得のいく説明ができていれば、あるいは何かしら独自色を出し、既存の麺とは異なるものを感じさせられれば、試食もされずに終わるなどという事もなかったかもしれないが…
試験の「麺にあって麺にあらざる料理を作れ」という課題は明らかに既存の麺の常識を覆す新しいアイディアを求めているので、いくら珍しくても他人から教わった料理をそのまま作っただけでは課題の要求を満たしていないといわれても仕方がないだろう。



・三番目
出されたのはハンの牛筋麺。
卵あんかけの中に歯ごたえのある牛筋で作った麺が隠れている豪快なもの。
発想はシンプルだが味は抜群で、フェイにさえ「くやしいが(現時点では)最高の味」と言わしめたほど。


・四番目
フェイの馬鈴薯(ジャガイモ)麺。今で言う冷麺。
冷たい唐辛子のスープに馬鈴薯で作った麺が入っている。
因みに隠し味に南瓜が麺の中に練り込まれている繊細な料理。


・五番目
マオの鯰(ナマズ)麺。
鯰のすり身で作った麺の中には、コシを出す為に鯣(スルメイカ)の芯が&bold(){一本一本に}入っている。
スープは鯛のアラで出汁を取り、具も鯛のチャーシュー。オール魚介類で作られた麺料理であった。


**◇結果
相互採点制により、「マオ・九点」、「フェイ・九点」、「ハン・十点」となった。
…しかし、ハンはマオとフェイ、&bold(){&font(#ff0000){それぞれの料理に十点満点中・一点しか入れていなかった。}}

つまり、&bold(){&font(#ff0000){ハンは特級厨師の資格に目が眩み、わざと低い点を付けたのだった。}}
よくフェイがハンの料理を「(上記の通り)最高の味」と言っておきながら五点ってのはおかしくないか? と突っ込まれるが、これは単純に「&bold(){ハンの料理は美味かったが、マオ(フェイ)の料理はもっと美味かった}」と言うだけのことである。
他人の料理を純粋に評価できなかったハンは不合格となってしまう。
さらにいうならば、不当な評価をした=正当な評価をすれば自分の方が劣ると暗に認めたということであり、この後の最終試験で試された「自分の料理に対する自信」という面でも問題があっただろう。

結局、&bold(){ハンは料理の腕ではマオ達に決して負けてはいなかったが、自分自身に負ける}という結果となってしまった。
自身のおこがましさに後悔の雄叫びを上げたあとは、スッキリした表情で四年後の再起を決意し、潔く去っていった。
ちなみに、アニメでは去る間際にマオ達に謝罪しており、原作以上に爽やかな結末となっている。
彼の技量ならば、「心」を鍛え直した四年後は合格できる事だろう…。


そして最後は自分の料理を自己採点。
マオ、フェイ、共に「十点」。
これは、&bold(){料理人としてのプライド、つまり「コレが自分の作れる最高の料理だ!」と胸を張って言う事の出来る「自信」を試されていたのだ。}


結果、2人は晴れて特級厨師の資格を習得したのであった。


そしてこれ以降、マオは特級厨師の身分を隠して旅立ち、旅先で問題が起こるたびに料理でそれを解決し、最後に「特」のマークを出して人々がひれ伏すという&bold(){[[水戸黄門]]的展開}がしばらく続くのである。


…ちなみにメイリィは側で勝手にイライラしてたりギャーギャー騒いでたり&bold(){鹹水を汚い}と言ったりしてるだけで&bold(){クソの役にも立ってなかった}のは内緒だ!!
%%そして『真』ではシロウに相棒ポジションを奪われる事に…!!%%
%%だが流石に作者もマズいと判断されたのか、相棒としてでなく心の支えとして成長したが。%%



課題「追記・修正せよ。」

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- ハンはセコい手を使って負けたけど、牛筋麺に関しては決勝の料理の中で一番美味しそうだった  -- 名無しさん  (2015-05-29 09:46:48)
- 単に上手い料理を作るだけじゃなくて、「国士無双とは?」「否麺」「自分と他人の料理の批評を正確にできるか?」と色々と趣向が凝らされていて面白い。フェイのQ:「国士無双とは?」A:「絶対佳人の存在があってこそ」は面白かったなあ・・・。  -- 名無しさん  (2015-05-29 09:49:45)
- 悔しいが最高の味だ…といいつつ5点つけた人も失格にするべき  -- 名無しさん  (2015-07-09 18:00:52)
- なんかこういうの別の中華料理漫画で見たぞ>強い常習性を持つ「芥子の実」から取れる乳液が混入されており  -- 名無しさん  (2015-07-09 18:25:41)
- 最近テレビでやってたけど…近縁の中国の料理店では割とよくやる手らしい>芥子の実の混入  -- 名無しさん  (2016-03-08 21:29:19)
- 一瞬、「特級厨二試験」に空目してしまった  -- 名無しさん  (2016-03-08 22:29:28)
- ハンは腕では決して負けてはいなかったが自分自身に負けたって感じだな  -- 名無しさん  (2016-03-16 07:53:16)
- ハンはなんであんなすぐバレる不正をしたのか理解に苦しむ(開き直って試験官に食い下がってるし)↑5絶賛した割には五点って確かに低いんじゃね?とは思ったw『発想自体はシンプル』ってとこがマイナスか  -- 名無しさん  (2016-05-17 02:54:39)
- ハンが作った牛肉筋麺の卵とじって絶対ナマズ麺とか馬鈴薯麺より美味しいって…  -- 名無しさん  (2017-05-12 23:44:49)
- 麺にされる牛の気持ちを考えろ(いちゃもん)  -- 名無しさん  (2017-05-13 09:54:34)
- アニメだと特級より一つ下の上級がなかったっけ?  -- 名無しさん  (2017-05-13 10:32:02)
- フェイの料理なんだが、今で言うと冷麺だよな。冷麺の麺も馬鈴薯を材料にしてるし  -- 名無しさん  (2017-07-11 19:32:17)
- タンの「形を変えただけの麺」を擁護してる一節があるけど、麺ってそもそも小麦粉料理の総称らしいし、やっぱり彼は発想力はもとより理解力が足りてないんじゃ…  -- 名無しさん  (2017-07-11 19:57:09)
- ハンは4年後には資格獲得したんだろうなあと思う。タンは無理だろうけどw  -- 名無しさん  (2017-08-05 22:48:17)
- チェリンはレイカと旧知の仲っぽい台詞や、裏料理界との繋がりを感じさせる描写があったけど、結局何も言及されなかったな…  -- 名無しさん  (2018-03-03 00:16:47)
- 材料を変える=否麺と認められる、形を変える=否麺と認められない ……基準がよくわからん。小麦粉を面状にするから麺という、なら形を一般的な麺から変えるのでもいいような……  --    (2018-04-13 13:02:52)
- 悪い意味で「麺にあって麺にあらず」だったからじゃないかな。他は「麺に見えるけど食べてみたら麺じゃない!不思議!おいしい!」だけど、あれだけ「見た目は珍しいけど食べたらただの麺やんけ…」ってなりそう  -- 名無しさん  (2018-04-13 14:30:37)
- あれ確かどこそこで習ったーとかいってたから味も普通扱いで結局合格はできていなかったよなぁ…  -- 名無しさん  (2018-04-13 14:55:43)
- 小麦粉使っていればパンでも餃子でも定義的には「麺」なんだし、そっちの方向で否麺主張するんだったら、形を変えるどころじゃないレベルで小麦粉の可能性を見せないといけなかったんだろう  -- 名無しさん  (2018-04-20 01:21:59)
- 良く見ると最終編の満漢全席勝負のシーンのモブにタンとハンが混ざってるんだよな  -- 名無しさん  (2018-04-20 10:18:44)
- まあ、ハンは不正に手を染めたということは、すなわち正々堂々と勝負すれば負けると認めたも同然だからな。その後に問われた「自信」という面でも問題ありだろう。  -- 名無しさん  (2018-05-01 13:07:37)
- チェリンのアヘンやフェイの料理の隠し味にハンは気付かなかったし、評点も他二人が八点なのにハンは五点だし、実力的にもやっぱりハンは一段落ちるんじゃないかな。それでも、不正をしなければレイカの判断次第では合格者に加われたかもしれないが。  -- 名無しさん  (2018-05-01 14:10:18)
- 「ハンの牛筋麺」になってるけど、一般的に考えられてる「牛スジ」では無く、牛の赤身肉を細く切ったか裂いたかだったような。  -- 名無しさん  (2019-01-04 08:47:27)
- 最高の味とか評価してた割にハンの料理が5点ずつだったのはメタ的に言えば、僅差の末ハンが勝ったように読者に見せたかったんだろうなw 仮に8点ずつついて合計16点とかだったら合計9点のマオ達と差開き過ぎてて読者から見ても不正ってバレバレだしw  -- 名無しさん  (2020-02-07 10:00:16)
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