&font(#6495ED){登録日}:2014/05/28 (水曜日) 23:49:27 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- *概要 ゲームアーツが1990年に発売したPC-8801用ゲームソフトであり歴史SLGの怪作((ゲームアーツは本作を最後にPC-8801から撤退、家庭用ゲーム機へ参入する。))。 蘇るPC-8801伝説((説明書と忍者本は未収録なのが悔やまれる。))に収録されたりプロジェクトEGGで配信中など再び日の目を見るようになった。 「Ninja! It's a great!! Samurai,Harakiri,Tenpura,Fujiyama,Geisha!!Ohhhhhhhh!!」のような [[海外から見たステレオタイプな日本観>ミスター・ブシドー]]がテーマのおバカゲー。故に&bold(){時代考証や史実などという言葉は存在しない。} あくまで世界観がバカなのであって、ゲーム自体はオーソドックスな戦国シュミレーションゲームな内容である。 ゲームの目的は16人の大名の中から一人選び、その大名が率いる勢力で天下統一を目指すというもの。 J.S.スタインバーグなるアメリカ人の日本文化研究家がゲームデザイナーを務めた((という設定。もちろん架空の人物である。日本名は中村横田。開発者の知り合いの留学生の名前を使っているという話を聞いたことがある。))。 公式ではカルチャーギャップ戦国シミュレーションと紹介されている。 *ストーリー 公式より抜粋。&bold(){すでに色々、間違っている。} >ASONOは、MIKADOから預かったCHANOYU(茶の儀式)の道具を持ち、 >SHOGUNが催す桜の鑑賞会HANAMIに向かう途中、 >BLACK-BELT-NINJAに襲われ、預かっていたCHANOYUの道具を壊されてしまった。 >SHOGUNはASONOを全国から来たDAIMYOたちの前でののしった((「このチャノユの道具一つ預かることのできない田舎ダイミョーめ!」))。 >ASONOはあまりのHAJIに堪えきれず、その場でHARAKIRI(切腹)をして果てた。 >KAROであるOH-ISHI以下、ASONOに仕えた四十七人の家来は、一年後SHOGUNを襲い、 >見事に命を奪い、ASONOの名誉を回復した。後継ぎがいないうちにSHOGUNが死んだため、 >SHOGUNのポストは空いたままになり、SHOGUNのポストを狙った果てしない大乱の時代の幕を開けた。 読みにくい人の為に要訳(+語られていない面も補足)すると… 暴政を強いるショーグンは反抗するアソノを陥れる為に忍者の「黒帯」にアソノが帝から預かっていた茶器を破壊させる。 アソノはこの事を糾弾しようとするもショーグンは先手を打って罵った為にセプクに追い込まれてアソノは非業の死を遂げる。 アソノの部下であったオオイシ達47人のブシはブシドウの精神に則りソバヤに化けて桜道を通るショーグンを待ち伏せして見事討ち取った。 しかし、後継がいない事から各地でショーグンになろうとするダイミョウが蜂起、おまけに国内の乱れを見た一向集や外国の勢力が侵略を開始するという事態になった。 ちなみに武将紹介のほうも、 「信玄が茶の湯に使う砂糖が手に入らず困っているときに塩を送りつけたため、武田信玄と対立した上杉謙信」「裏切り不忠サムライとして有名で、本能で生きているらしい明智光秀」「『三本の矢』を一人に対して三人がかりで襲い掛かれば絶対に勝てるという家訓として伝える毛利元就」「死をも恐れぬカミカゼアタックで200倍もの三船徳川軍を打ち破った島津義久」と豪快におかしい。 *作品の特徴 ・恥のパラメータ &bold(){このゲームを象徴するもの。} このゲームは一騎打ちや合戦での討ち死にや暗殺されると言った死因は存在せず配下武将は切腹以外に死因はない。 合戦や一騎打ちで負けたり敵の諜報忍者の工作を受ける等するとこのパラメーターが上昇していく。 恥が一定値を超えると切腹して「&font(#ff0000){BANZAI}」と果ててしまう。味方武将の場合は介錯がサポートでついてくる。 初期から恥が80をオーバーしている平頼盛や平手政秀は、開幕から切腹してしまう可能性が非常に高く、このゲームの何たるかを身をもって教えてくれる存在である。 しかも&bold(){初期配置の武将で恥が高い連中の多くがその勢力にとっていると心強い存在であることが多い}のがこのゲームの恐ろしい所である。 毛利元就に仕える清水宗治なんかがその代表例。合戦で手柄を上げると下がるので早く手柄を上げさせて救ってやりたい。 恥が高くても役立たずは本当に役立たずだけど。 当主は恥のパラメーターがなく自国が完全に滅亡して捕えられたり、老衰によって死ぬ。 ・切腹を命じる 信長の野望シリーズの追放や三国志シリーズの解雇に相当するコマンドがないので(ry。ちなみに人員制限は最大20名までとかなりシビア。 史実では跡取り息子の豊臣秀頼なんかは能力が低いため武将の枠を圧迫する邪魔者として切腹を命じられやすい。 ・一騎打ち 攻め込まれた側は一騎打ちの申し出をすることができる。 この世界の一騎打ちは&bold(){国技たる相撲で決着をつける}。勝負の前に正座でお辞儀という行儀のよさ。 一騎打ちに負けた側は全兵力の約三割を失い、一騎打ちを断ると全兵力の約一割を失うため意外と馬鹿にならない。 ちなみにこのシーンにはれっきとした元ネタ映画があり、それは本作に出演しているショー・コスギ主演の『ニンジャIII・転生ノ章』である。 ・籠城戦 通常の野戦パート以外にも大将格の「城攻」「城守」が要求される籠城戦が存在する。ちなみに落城する際は&bold(){視点の関係で城が落ちる}。 城レベルが高く堅い城でも前もって内応をしておくとあっさり落ちる。 ・相撲レスラー 兵科((他には旗本・足軽・侍・鉄砲・騎馬隊・忍者・浪人・農民・南蛮兵・南蛮鉄砲兵・元兵・元騎馬兵))として存在する。しかも鉄砲と南蛮鉄砲兵以外に強く、忍者に対しては非常に強いという三すくみの一員でもある。 これを率いてる武将は仁徳((率いれる兵の最大数))が低い者が多いが数が少なくても戦闘力が高いので意外とどうにかなる。 ・忍者 兵科として存在するほか、諜報忍者とでも呼ぶべき存在が一勢力に1~3人属している。情報工作の際には忍者同士がRPG風の戦闘場面で激しい攻防を繰り広げる。 現代のCIAにも劣らない情報工作のエキスパートである彼らの活躍で、敵国の行動を制限したり、敵の武将に恥をかかせて、自発的に切腹させることも狙える。 尚諜報忍者は雇う事も解雇することもできず最初から最後まで同じ面子とお付き合いすることになる。 ・南蛮兵 南蛮兵というよりまるで中世ファンタジーのような鎧・マント・盾・長剣で武装した姿である。もはや兵士というより戦士や勇者である。 ・登場武将 時系列は無視され((平安から幕末が武将までごちゃまぜで支配地域もテキトー(平清盛の配下に平将門がいたり四国に足利尊氏がいる。その割を喰った長宗我部氏が在野に墜とされている。)。またゲーム中盤では外部勢力の介入を受けるが元寇と黒船という無茶振り。))実在人物がモデルの武将((ショー・コスギ氏(海外ではニンジャ・シリーズで有名。近年では2010年ニンジャ・アサシンに出演。息子はカクレンジャーでニンジャブラックを演じる。まさにニンジャエリートな一族。)がモデルのS・小杉や三船敏郎氏がモデルの三船徳川(海外ドラマ『将軍 SHOGUN』で将軍役を演じた為か。なお本作には映画版も存在する。リメイクするらしい。)))や架空の人物((銭形平次や水戸黄門、子連れ侍、浦島太郎、与作(北島三郎の演歌)、幻妖斎(赤影の甲賀幻妖斉が元ネタ。ゲーム抜人伝説やモノノ怪やジャイアントロボにも彼をモデルにした人物が登場する。)他。))、非武将((松尾芭蕉や琵琶法師(もはや人物ですらない)や宣教師ら(ルイス・フロイスやザビエルなど)他。))までもが登場する。 ・登場大名一覧 時代感が滅茶苦茶なので普通の戦国武将からお前その時代にいないだろという人物まで様々 #region ・源頼朝 最初からツッコミどころしかない。 義経終焉の地である東北の北部を本拠地としている。 当主は城守以外無能で土地も良くなくパッとしないが最北端という地の利があるため難易度が低い勢力。 当主は弱いが部下は強いのでどうにかなる。ただし頼朝の魅力が低く部下の初期忠義が低いので裏切られやすい。褒美を忘れずに。 ・伊達政宗 普通の戦国武将。 本人は強く部下にも恵まれているが土地の悪さの関係で金がなく部下を活かしきれない。 とりあえず源氏を倒し北日本を制圧するのが目標。 ・上杉謙信 普通の(ry 本人が野戦最強レベルで部下も野戦に強い。 ただし城攻めが下手なので籠城されると苦戦する。 ・武田信玄 普通(ry 当主は文句の付けどころがなく部下も騎馬隊軍団などの精鋭揃いなのだが騎馬隊は数を揃えるのに金がかかるので金がない序盤はただの穀潰しと化してしまう。 立地も様々な勢力に囲まれ集中砲火を受ける場所なのでかなり難易度が高い勢力。 ・三船徳川 &bold(){何故か三船敏郎と混ざった徳川家康。} 立地、国力、部下、本人能力に恵まれているので難易度が低めの勢力。 本人の年齢が高めなのが難点か。 ・織田信長 この手の戦国趣味レーションゲームでお馴染みの武将。 &bold(){ただし他所のゲームと違い冷遇されており本人の能力は低い。} おまけに時代感が滅茶苦茶なため秀吉、光秀、家康に独立されており戦力が分散している。 だが、それでも部下には恵まれており鉄砲隊もいるため弱くはない。 ・豊臣秀吉 信長から独立している。 秀吉は城攻めのプロフェッショナルで他の能力も高く最強レベルの当主。 部下も様々な兵科が揃っており強く部下にも恵まれており強い勢力。 当主の年齢が高めなのであまりもたもたはできない。 ・明智光秀 三日天下のイメージが強調されているためかただでも部下の数が少ないのに忠義が低く裏切ったり、恥が高く切腹して果てたり、そもそも能力が低かったりとかなりどうしようもない状況。 おまけも立地も悪い部類。 幸い光秀は当主の中ではかなり強い方で大体なんでもできるので本人に頑張ってもらうしかない。 単純に弱い勢力なのでこのゲームで最も難しい勢力と言われている。 ・石田三成 三成本人は源氏同様に城守以外パッとせず弱い。 部下には恵まれており、その中で特に強い真田昌幸と島左近の2人で押していく形になる。 立地も良いので初心者向けの勢力。 ・毛利元就 立地が悪く攻められやすいが兵科のバランスはいい。 有能な鉄砲部隊を率いる清水宗治は初期の恥の数値が高く切腹しやすいため彼の恥を下げて救えるかどうかがカギとなっている。 ・足利尊氏 何故かいる上に何故か四国が本拠地。 本人の存在はネタやボケ枠ではあるものの戦力的には特徴がなくとにかく普通。 ・平清盛 平氏終焉の地の壇ノ浦がある長門を本拠地とする清盛。南側で源氏は最北端にいるので侵攻の仕方によっては源氏との最終決戦という形に持ち込むこともできる。 武将は平家一門で全員兵科が侍。しかも重盛以外はみんな弱い。 何故かいる上に兵科が忍者の将門はとにかく強いので清盛、重盛、将門の3人をメインに頑張らないといけない。 他はいないも同然の存在なので他所から戦力を引き抜かないとやっていけない。 ・北条氏康 小田原城で有名だが何故か九州に根を張っている。 当主の能力と部下の能力と数は申し分なく全員城守が上手い籠城戦のエキスパート集団。 支配国数も多く難点は第三勢力の直撃が怖いぐらいでかなり強力な勢力で難易度は低い。 ・S.小杉 ある意味一番ツッコミどころが多い大名。 全体的に忍者が多く城攻めは上手いが野戦には弱い傾向がある。 配下に何故か天草四郎がおり南蛮兵を率いており能力も高い((本場のペリー軍団の南蛮兵と比べてもトップクラスの強さ))ため彼を中心に据えていくことになる。 当主の魅力が高いので足りない部分は引き抜きで補う形になる。癖は強いが使いこなせれば強力な勢力。 ・島津義弘 忍者以外の兵科は大体揃っており配下武将は大体強いので戦力に困ることはない。 支配地域は1つしかないが最南端のため立地は良く侵攻する順番の計画は立てやすい。 第三勢力の直撃を受けやすい場所という事を考慮しなければ難易度は低めの勢力。 ・大老井伊 このゲームの世界観を体現したような勢力。 支配地域は最も多いが飛び地だらけで武将の移動もできず、大阪近辺以外は滅ぼされる運命にある。 &bold(){青木昆陽、田沼意次、新井白石}など何故こいつらを戦わせるんだという面子ばかりであり、しかも弱い。 当主も年齢が全大名の中で最も高い。 とにかく何もかも滅茶苦茶で難易度はかなり高い方だが支配地域の多さで序盤から金があり他所から戦力を引き抜いたり、城レベルが最強の大阪城を持つのでこの勢力ならではの強みもある。 なので明智や武田よりは難易度が低いとも言われる。 追加勢力 ランダムで新勢力が登場する。これらはすべてCPU専用。 プレイヤー勢力の当主は兵科が旗本固定ではあるがこちらは勢力によって違う。 どの勢力も最初は資金力に任せた戦略を使ってくるのが厄介。 特にフビライとペリーは戦力が整ってない序盤((ゲームレベルが高いと登場しやすい))で登場されると一気に詰まされる事も多い。 ・一向顕如 この世をジョードとするべく立ち上がる武装勢力…だが大半が最弱兵科の農民なので恐るるに足らず。 配下武将は全員農民でしかも大半が弱い。 登場場所がランダムという点だけは厄介だが。 ・フビライ この時代にはもういないはずのモンゴル軍。 蒼き狼の子孫として日本に牙を剥く。主に九州、四国地方に出現し強力な騎馬隊で各地を蹂躙する。 モンゴル相撲も有名なのに相撲レスラーがおらず、鉄砲がいないので相撲レスラーには弱いはず。 専用の騎馬隊の元騎馬隊を率いる武将が多く普通の騎馬隊よりもコストは安いがそれでも高い事には変わりないので長期戦にも弱い。 ・ペリー ご存知(?)ペリーが率いるアメリカ海軍。交渉をすっ飛ばしていきなり武力で制圧しようとしてくる。 圧倒的な資金力と南蛮鉄砲隊によって各地を蹂躙…どころか日本を滅ぼそうとしてくる。 アメリカ軍の登場はこのゲームが''「日本の将軍を決める戦乱」から「他国の侵略から自国を守る防衛戦記」に変わってしまう''瞬間でもある。 この恐るべき暴虐の軍団に立ち向かえるのは銃弾をかわせるNINJAだけである… #endregion ・ミカド ランダムでHANAMIの開催や貢物を要求する。プレイヤーが全大名のなかでもっとも多額の貢物を献上すると 冠位((冠位が上がると魅力が上がる。鳥居守護 → 金山守護 → 茶湯監督 → 大仏奉行 → 神社奉行 → 桜納言 → 大蔵老中 → 菊花大臣 → 先副将軍の順に上がっていく。))・地震((任意の国に起こす。城防御(信長の野望で言うところの城の耐久力や守備力。)大幅ダウン。))・神風((任意の国に起こす。兵力大幅ダウン))の中から褒美を選べる。現人神を地で行っている。 HANAMIは開催すると金を消費する。しかし任意で開催を断ったり金が足りないときは配下武将全員の恥が上がる。 ある意味このゲーム最強の人物。 ・世代交代 CPUの現当主が寿命で亡くなると配下の武将が影武者((日本では徳川家康の影武者説が有名だが海外でもナポレオン、ルイ17世、ヒトラー、ルドルフ・ヘスなどに影武者説がある。))として当主に成り代わる。死の掛け軸がイカス。 特殊な条件下になると、情報画面で当主の顔グラが「遺影」ちっくにデコレートされるという要素がある。 ちなみにプレイヤーは現当主が死亡すると即ゲームオーバーである。モタモタしていられない。 追記・修正はこれ以上の恥に耐えられず切腹しながらお願いします。&bold(){&font(#ff0000){BANZAI!!}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 忍殺がもうゲーム化していたというニンジャ真実。備えよう。 -- 名無しさん (2014-05-29 00:49:10) - 脚注多すぎ、ワロス -- 名無しさん (2014-05-29 08:43:13) - プレイヤーキャラだと光秀の難易度がクソ高い -- 名無しさん (2014-05-29 20:00:00) - 注釈はガラケー見れんのか。失敗した。 -- 名無しさん (2014-05-29 22:09:00) - 織田信長の弱さが数値・印象・実働的にも光る、そういう意味でも珍しい -- 名無しさん (2016-08-08 23:26:21) #comment #areaedit(end) }