MADムービー

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MADムービー」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}: 2017/06/28 Wed 17:42:41
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ここでは、インターネット・ミームのひとつ、『MADムービー』について解説する。

*概要
MADとは、漫画・アニメ・ゲーム・その他メディアを編集・合成し、再構成するものである。
原義はこうなので「手描きMAD」というものは原義からはおかしい言葉にはなるが、
MAD『的』なものというイメージが現代日本人に定着したことでこうなったものである。
ちなみに「mad」とは狂っている、と言う意味であり、別に何かの頭文字というわけではないのだが、
どういうわけかカタカナ表記にされたり小文字表記にされることはほとんどない。

それを踏まえてMADムービーというのは「そういう風に作られた映像作品」として見なせるわけだが、
現代は単にMADといえばMADムービーを指す。

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*MAD史~ここテストに出ますよ~
**MAD前史
MADムービーの起源と言えるものは1970年代頃、大学のサークルなどで制作されていた、
「MADテープ(当時はキチガイテープとも)」である。このテープは「カセットテープ」のことを指す。
カセットテープというのは現代では使われることがほぼないが、かつて音楽などを録音するために使われた記憶媒体であり、
つまり当初のMADは映像作品ではなく音声作品であった。著名なのは大阪芸大の『NEW MADTAPE』など。
作る方法はカセットの録音機能と巻き戻しの繰り返しというだいぶアナログで手間のかかる方法。
いまなら音源さえ確保しておけばコピー&ペーストでサクサク作れるわけだから、こういうところも時代を感じる。
このMADテープは単に楽しむだけでなく、同人誌同様にイベントで販売されていく。

1980年代には『タモリのオールナイトニッポン』というラジオ番組で、
NHKニュースのアナウンサーの声をつぎはぎする『つぎはぎニュース』というコーナーが二ヶ月だけあった。
最終的にはクレームが付いてコーナーは早期に終了してしまうが、
アナウンサーの声というのがつぎはぎ加工しやすいことからその後もアングラ文化として流行っており、
2000年代後期にすら新作が作成されていたくらい長生きしていた。
…というか今でも某弁護士ネタなど一部ジャンルでそのDNA生きてる。

その後ビデオテープの普及によって音声作品から、映像作品のMADである『MADビデオ』が作成されていった。
初期は今みたいにコンピュータが普及していたわけではないので、セリフ差し替えやBGM変更などが主流な作品である。

**Flashの登場・サンプリング音楽の流行
インターネットが広まっていった2000年代から、Flashムービーと呼ばれるものが流行した。
Flashは「Adobe Flash」形式の動画ファイルのことを指すが、このFlashにおいてはMADビデオを元にしたような、
「アニメOPに、関係ない作品やネットではやったもの、あと有名になった人を貼り付ける」といったものが多かった。
サザエさんやドラえもん、田代まさしや鈴木宗男や金正日、ブッシュ、小泉純一郎、ペリーなんかはよくネタにされていた。
この時点でバック音源(コミックソングや特撮・エロゲなどのOP、あとHatten)に映像や音声を合わせるという文化は既に萌芽していた。
少なくとも初版投稿者の小学生の時の思い出は学校のパソコンの授業で授業そっちのけでみんなでFlash見ていたことだったよ。

その後、サンプリングというものも流行るようになり、今のMADムービーに通じる文化が発展した。
しかしそれは、奈良県の通称騒音おばさんと呼ばれる主婦や、鈴木宗男の国会答弁、
某大手予備校の授業やブラック企業の告発に伴い尚子として提出された上司の怒鳴り声の録音などのネタが使われるなど、
今で言う「例のアレ」系のネタにも繋がるようになっていくといえる。

このような発展の裏には、あめぞうや2ちゃんねるなどのアングラサイトやWinnyなどのP2Pの登場が貢献している。
またブラクラよろしく「踏ませる」などのだまし文化や、逆にWebサイトで紹介して広める(フラッシュ倉庫)といった文化も、
現代の釣り動画やTwitterなどで面白動画を紹介するような文化へと繋がったといえる。

**動画投稿サイトの登場
Flashは後にJASRACによって取り締まられていくようになったり、あるいは商業化などの批判が登場して廃れていくが、
変わって同時期にYoutubeが登場して流れが変わる。2005年に登場したYoutubeは、
まさにFlashの後継として、Flashの転載や単純に新作MADビデオを投稿されるようになり、
またこの時期に海外でも、1970年代から作られてきた「Anime Music Video((通称AMV。日本のMADとはしばしば比較されるが、発祥はまったく異なる別の文化である。しかしインターネット・ミームの交錯によって現在は両者の差は非常に縮まってきている。海外のAMV合作に日本のMAD職人が参加することも増えてきている))」がやはりYoutubeに投稿されていた。
今ではYoutubeといえばYoutuberの躍進が目覚ましいが、当初は結構アングラよりのサイトだったのである。
この世界的なアニメの再構成作品の流行はいくつかの権利者にも「もはや無視できない」文化として受容されて行く。
この頃にはコンピュータでも高度なことが簡単にできるようになっており、
素材集めも各種加工も自在なために黎明期とは比べ物にならない高度なMADが作られてきた。

更にその二年後には、ニコニコ動画が登場する。
ニコニコ動画ではFlash時代からあったIOSYSの東方二次創作音源や、
『Ievan Polkka』、『マイム・マイム』、音ゲー曲などやそれらのメドレーをベース、
アニメやニュース番組、駅アナウンス、レスリングや淫夢などのゲイビデオなど((2007年頃の淫夢はまだTDNがメイン格をはっており、今のように野獣先輩やゆうさくなどがメインではなかった))たくさんの素材が使われ制作されていった。
こうしてYoutube・ニコニコなどの動画投稿サイトが現代のMAD文化を完全に定着させ、10年たった今でも盛んに制作されている。
現代では権利者もMADを好意的に受け取る人も多く、ダイハツではエコカー減税終了後のCMを公式MADで作成したり、
日清食品はカレーメシのCMのMAD作品コンテストを行い、優勝者の作品をTVで放映したほど。

ただ一方で、宗教団体・政治団体のビデオや同人ボイスドラマ企画、更には炎上した市議会議員や弁護士などの音声を用いた
MADも生み出されるなど、やはりアングラなDNAは現在でもなお生き残っている。
発祥がアングラなんだからアングラなものが残るのは当然といえば当然ではあるのだが。

*MADムービーの問題点
MADムービーは1970年代から問題点も多く抱えている。

まず重要な点は、基本的に著作権や肖像権など、多くの権利の侵害が見られることである。
騒音おばさんやその後の炎上ネタでは、一般人の顔が思いっきり映った作品も少なくない。
その上でこき下ろすようなネタが多いのだから、当然誹謗中傷に繋がる。
アニメMADなどでは肖像権が関係しないことも多いが、以前著作権絡みの問題点は残っている。
現代ではイメージ戦略などを理由に公認されたものも多く存在しているが、
「MADによってイメージが崩れる」ことを良しとしない著作者も多くいることを忘れてはいけない。
サザエさんの長谷川町子は「二次創作は作者への冒涜だ」と考えていたため、MADに関しては完全にアウトである。
(しかし過去から現在に至るまで、皮肉的にもサザエさんネタはアングラネタの定番である)

また、MADの内容如何によって、間違ったイメージがキャラや現実の人物に定着してしまう、
ある種の釣りに使われたり、事実上釣りとなってしまったりという、ファンにとっては苦々しいものも多い。
こと平成ライダー一期はMAD文化などによって、本編中ではフォローアップされていることであっても、
勘違いのまま広まってしまったことでネタキャラ扱いされた人なども多い。

他にも、MADの素材によってレスリングや淫夢、AVやエロゲなどの、
本来ゾーニングされるべきものや風評被害ネタなどの教育によろしくないものが
小・中学生などにも広まってしまうなどの問題点も。
今や小学生が「許してください!なんでもしますから!」とか言ってたりとまずいですよ!
炎上ネタで笑う小・中学生とかこれもうわかんねぇな…お前どう?
(初版投稿者の小学生だった2000年代初期からの問題だが、現代でも未だ深刻な問題でもある)

*MADの楽しみ方
…と問題点もあげたところで、それでもMADは面白いのだ。

そら嫌いな人もいるかもしれないが、アニメやゲームのMADなどは欧米発祥のAMV同様、
メディアへの注目を集めるきっかけになっていることもまた事実であり、
現代で認められるようになったのも「そのほうが人気が出るから」。
公式も自分でMADを作るような事例も多いくらい。

-カプコン:公式でダルシムのボイスをつかったサンプリングミュージックを配信。
-日清食品:カレーメシCMのファン制作MADをテレビでCMとして流す。
-コナミ:『メタルギアソリッド3』でゲーム内ムービーを使った改変ムービーを作成。
-ダイハツ工業:ダイハツムーヴのエコカー減税終了後のCMは『公式MAD』であることを示唆。
-劇団イヌカレー:シャフト制作『獄・さよなら絶望先生』のOPデチューン(公式MAD風味)を担当。

ある種キャラ崩壊系二次創作同様、面白い人にとっては面白いジャンルであることは間違いなく、
問題点も公式が容認したりフリー音源や自作音源ベースなどになったりと解消されていったりして
着実に受容されてきているジャンルである。
またMADのように「音と行動を合わせる」という文化自体は創作では珍しいものではなく、
そういう方面でネタ化していくことが面白いのは間違いない。

ただしネタ化を好まない人も当然いるし、やはり上の問題点は依然残っているため、
好まない人に押し付ける、逆に好きな人をことさら批難するということは推奨されない。
お互いの領分を守ってメディアを楽しむべきであろう。

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#center(){&font(b,red){MADの多くは二次創作であることから、項目に具体的な作品を列挙すること、&br()コメント欄で特定のMADについて語る行為はアニヲタwikiのルールにも抵触しかねないため推奨しません。}}

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- なるべく問題になりそうな表現を排除して作成しているつもりですが、「ここ問題じゃねえか?」という意見があれば編集いたしますので指摘してください。編集する際にはアニヲタwikiのルールに抵触しないように、かつなるべく問題になりそうな表現を使わずに編集することを心がけていただけるとうれしいです。  -- 名無しさん  (2017-06-28 17:45:02)
- MADって何かの略語なのかと思ってたけど、まんまの意味だったのね  -- 名無しさん  (2017-06-28 17:54:34)
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