SCP-4182

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SCP-4182」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&font(b,i,red){注意:この項目は、項目対象を説明する上で必要であることから、できるだけマイルドなかたちで政治的な事柄に触れています。&br()この項目を追記する際は、政治的に中立的な立場から客観的な視点をもって編集することを心掛けてください。&br()またコメント欄において、いかなる立場からであっても過度に政治的なコメントをすることは推奨されていません。&br()書き込みの内容如何で、IP規制・プロパイダや法的機関への通報・&br()ならびに[[SCP-682]]の終了実験の[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]補助員や[[ブライト博士>ブライト博士(SCP Foundation)]]の残機としての強制的な雇用といった対処がなされます。}}











 
#center(){SCP-4182}


#center(){サイト-5は実在しない}
 
 








*はじめに
SCP記事に詳しい人であれば、このメタタイトルに見覚えがあるという方もいることだろう。
例えば[[SCP-3980]]、[[SCP-1661]]、[[S.D.ロックの提言>SCP-001]]。これらの記事の特別収容プロトコルを見てみると、そこで言及される「&bold(){サイト-5}」なるサイトがある。
しかし、その全てに打ち消し線が引かれ、その横に毎回同じ脚注がついている。

>職員はサイト-5が実在しないことを念頭に置いてください。

この脚注の「サイト-5」部分には意味深な先の繋がっていないリンク(“SCP-err0r”という指定先になっている)が張られている。
つまり、何らかの異常存在によって財団のサイト-5は少なくとも「&bold(){実在しないと思え}」と命令される状態になっていることがかねてより示唆されていたのだ。
これらの記事を読んだとき、また読んだことが無くともこの説明を聞いたとき、気にならなかっただろうか。


#center(){[[サイト-5に何が起こったか?>SCP-1730]]}


SCP-4182は、その答えの一つである。
では、見ていこう。
欲を言えばまず元記事でその雰囲気をふんだんに味わっていただきたい&footnote(動画が出てきたところまででいい)ところなのだが、はっきり言って&bold(){かなり怖い}記事なので積極的な推奨はしない。
そういうのが苦手で元記事を読めない方のためにも、元記事に存在する数々の画像および最後のアレについては直接の引用を避けて説明することとする。

まず、SCP-4182の記事に入ると以下の報告書が出迎えてくれる。

----

SCP-4182はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(red,b){Keter}。
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル&color(orange){&bold(){4}}が必要。

*概要
SCP-4182は、財団の文書が定期的に存在しないはずのサイト「サイト-5」に言及するように改変される&bold(){現象}である。
つまり上で例に挙げた報告書で発生していたことそのものがSCP-4182である、ということだ。
そして、その原因は判明していない。原因不明の現象系オブジェクトならばKeterも納得であろう。

だから財団ができるプロトコルはbotでサーバー内を探してSCP-4182の影響を受けたファイルを見つけることくらい。
見つかったファイルは検査及びサイト-5要素の除去のためサーバーの管理者に送られる。
そして、お決まりのこの文言によって特別収容プロトコルは締めくくられる。

>職員はサイト-5が実在しないことを念頭に置いてください。

…本当に存在しないのなら書かなければいいのでは?と思える。でもこう書かれているのだ。

なお影響を受けた文書内で言及されるサイト-5についてだが、描写上は一貫性はないものの&bold(){危険な異常廃棄物の保管サイトとして建造された人工島}というものが多いようだ。
そしてSCP-4182の発生頻度は2018年に初めて発見されてから&bold(){指数関数的に}増加しているという。
指数関数的とはかなりヤバいオーダーだ。対処が追いつかなくなるのもそう遠くないだろう。これもKeterたる所以だろうか。



…これでこの報告書の内容自体は終わり。かなり短く、この内容でクリアランスLv4も要るか?と思うかもしれない。
だが、一つ様子のおかしいところがある。
報告書の右側に一枚の画像が添付されているであろうスペースが存在するのだが、そこには何もなく、代わりにエラーを示すだろう灰地の財団ロゴが表示されている。
そのキャプションには以下のように記されている。

>無効なファイル/ディレクトリ ('CAM-5.ogg')

その理由を示すように、下の方にエラーメッセージが表示されている。
その内容をかいつまむと、「報告書内で表示しようとした'CAM-5.ogg'が見つかりません」というもの。ファイル名からして何かのカメラ映像だろうか。
そしてその下に、親切にもこの状態へのトラブルシューティングがある。曰く、

>注記: 当ドキュメントで予期せぬ状態が発生しています。&link_anchor(A){こちら}をクリックして以前のリビジョンに差し戻すか、詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

だそうだが、第四の壁の向こうにいる我々に取れる選択肢は「こちら」の部分に貼られたリンクから以前のリビジョンとやらを見に行くことだけだ。































&aname(A,option=nolink){}
 
*[[SCP-4182]]
&font(#6495ED){登録日}:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)&new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
  
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&bold(){僕らは言われたことをする}}


>注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(&bold(){2015/11/07})を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

…ちょっと待て、&bold(){さっき「2018年に発見された」って言ってなかったか?}
するとあの記述はなんなのか。ひとまず置いておくとして、内容を確認しよう。

SCP-4182はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&color(orange){&bold(){Euclid}}。
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル&color(green){&bold(){2}}が必要。

*概要
SCP-4182は日本の一本杉島&footnote(架空島。)の75km南方に位置する6.4ヘクタール(16エーカー)の&bold(){人工島}である。
その海上からの遠景画像も添付されている。…言及されていた島は本当に実在する上に、4182は現象ではなかった。
クリアランスレベルもオブジェクトクラスもこちらの方が低いのは一体どういうことか。

しかも詳しい場所は分からないものの日本にあるという。このため特別収容プロトコルに「日本海上自衛隊などと連携してSCP-4182の周囲10kmの区域を立入禁止にしている」旨が加わっている。
さらに、「SCP-4182へのアクセスは固く禁じられている」ともある。一体何があるのだろうか。

…と思いきや、異常性は先ほどと同じ「サイト-5への言及という文書改変」のみ。
SCP-4182自体の情報もあるのだが、その内容は少し不自然なものになっている。
曰く、SCP-4182の建設記録は存在しないのだが、その構造は20世紀初頭のある時期に廃棄物収容施設として建造されたことを示唆している。
また構造物が全て強化アクリルプレートで密封されているのだという。しかし、財団はそれらを剥がしたりしてその中の調査をするといった活動を&bold(){していない。}
その理由は一切語られておらず、この報告書にあるそれ以上の情報は「SCP-4182の発生頻度は2014年に初めて発見されてから&bold(){劇的に}増加している」ということだけ。この場合のSCP-4182の発生とは文書改変のことだろう。'CAM-5.ogg'ファイルが見つからないエラーも引き続き発生している。

どうやら、まだ&link_anchor(B){前のリビジョン}に戻る必要があるようだ。































&aname(B,option=nolink){}
 
*[[SCP-4182]]
&font(#6495ED){登録日}:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)&new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
  
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&bold(){&size(16){僕らは言われたことをする}}}


>注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(&bold(){2002/07/15})を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

どうやら、財団はSCP-4182を&bold(){何度も発見しているらしい。}
その原因はなんなのか。記憶・記録影響効果があるのか。はたまた…

SCP-4182はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&color(orange){&bold(){Euclid}}。
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル&color(yellow){&bold(){3}}が必要。

*概要
SCP-4182は日本の一本杉島の75km南方に位置する6.4ヘクタール(16エーカー)の人工島である。
その海上からの写真もあるのだが、その撮影地点がさっきより島に近い。
先ほどの2015年の版との相違点を見ていくことにする。

セキュリティクリアランスレベルが上がっているのもさることながら、立ち入り禁止区域が25kmに増えている。
これはSCP-4182が2015年よりヤバかったからなのかという疑問が浮かぶが、半分正解であり半分不正解であると言えるかもしれない。
というのも、特別収容プロトコルに以下の記述が加わっているのだ。

>SCP-4182内部へのアクセスを可能とする全ての入口と窓はZグレードの薄板でコーティングした鋼鉄強化アクリルパネルを溶接され遮断されています。

このアクリルパネル、&bold(){明らかに2015年の版で財団が発見したものだ}。なのにそっちでは財団は自分たちが設置したものだとは扱っていない。
何らかの原因により、財団はこの13年の間にSCP-4182を忘れている。そしてこの忘却が唯一のものではないことは2015年版が語っている。

そして、当版と2015年版において最も大きな相違点が、財団が&bold(){SCP-4182の内部に何があるかを部分的に把握できている}ことである。
曰く、この版のプロトコルによって構造物が密閉される前は、それらいくつかの内部にコンクリートを充填され固められた階段が存在したというのだ。
そして2015年版で調査を何もしなかったのとは違い、このコンクリートを掘削して下に何があるのかの調査が行われていた。
結果は以下。

>これらの階段の掘削はSCP-4182の下に位置し████ ██ █████ ███████を収容している大規模な地下コンビナートの発見に繋がりました。更なる掘削は行われていません。

地下コンビナートの中でとてもここでは書けないナニカを発見したところで調査を終えている。
この点で、財団が把握できたSCP-4182の内容の情報が当版と2015年版では異なる。
少なくとも2015年版の時点でのアクリル密閉状態であれば10kmでいい、という判断が下ったのだろう。
…&bold(){「なぜ」それでいいのか}という謎は残っているのだが。

ともかく財団の調査は少しづつ深くまでは行っているのだが、まだ肝心なところが分からない。
やはり'CAM-5.ogg'ファイルのエラーは発生しているし、「2001年の発見以来、SCP-4182の発生速度は&bold(){著しく}増加しています。」という記述はあるものの、まだ十分な情報ではない。

&link_anchor(C){さらに前}へ移ろう。































&aname(C,option=nolink){}
 
*[[SCP-4182]]
&font(#6495ED){登録日}:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)&new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
  
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&bold(){&size(19){僕らは言われたことをする}}}


>注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(&bold(){1992/11/21})を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

SCP-4182はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(red,b){Keter}。
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル&color(orange){&bold(){4}}が必要。

*特別収容プロトコル
この版では説明の前に特別収容プロトコルから説明する。
なお、写真はもう島のすぐ近くから撮影した迫力ある代物になっている。

予想通りと言うかなんというか、立ち入り禁止区域は50kmにまで広がっている。
また以下の記述により、2002年版で財団が発見した吹き抜け階段に充填されたコンクリートはこの版で財団がやったことだと判明する。

>SCP-4182の地下コンビナートに通じる全ての吹き抜け階段は鋼鉄で強化された(約)2mの合成コンクリート(セメント、水、および付加的な&bold(){放射線の遮断}を可能とする重量集合体の配合)で封鎖されます。

ちょっと待て、今放射能の遮断って言った?地下コンビナートにあるナニカは放射能汚染源の危険性があると?
そう驚くのもつかの間、すぐ次にさらに衝撃的な事実が記されている。

>&font(red,b){SCP-4182に影響された職員}による改変を目的に財団運営bot(I/O-SILVER)がIntSCPFNサーバーを検査します。これらの職員は隔離され、検査と異常除去のために勤務中の財団エージェントらに報告されます。

なんと、「サイト-5への言及という文書改変」は財団職員がSCP-4182の効果によって行っていたものだったというのだ。
つまり文書にではなく、人間に及ぶ効果だったということ。ただしこの効果のトリガーが何かは今のところ不明。

*説明
特別収容プロトコルを読み終え、説明を読もうと下にスクロールすると、説明より先に目に飛び込んでくるものがある。

右側。
&bold(){'CAM-5.ogg'が生きている。}そして、ライブ映像を流している。
そこに映っているのは、&font(red,b){大量の人間の死体。}白骨化したもの、しかけているものが折り重なっている。

説明も大きく変わっている。
まずSCP-4182の位置が黒塗りで伏せられた。その理由も直後に述べられる。
職員がSCP-4182の効果を食らうと、サイト-5への言及だけではとどまらない。最終的に現地へ向かい、階段を下り、

>█ ████ ██ ███████████ █████████ █████ ███████を収容する大規模な地下コンビナートへと進入します。

職員についてこれ以上のことが書いていないため、彼らが帰ってきたことはないことが伺える。
それを阻止するために場所を伏せて辿り着きづらいようにしたのだろうか。その先のコンビナートの中身はやはり書けないようだが、文字数は増えた。
また、このコンビナートの深さは分かっていない。しかし数kmどころではないらしく、何らかの空間異常も疑われる。

加えて、1989年に行われていた「SCP-4182で発見された数百体の死体の検死」の結果も載っている。
それによると、およそ75%において中枢神経系、つまり脳や脊髄がズレたりグダグダになっており、推定死因はほとんどが脳内での急速な融解壊死による脳出血…つまり&bold(){急に脳が腐った}ことによるらしい。
ただし、それ以上詳しいことは検査していないようだ。

最後に「1986年の発見以来、SCP-4182の発生速度は増加しています。」とあってこの報告書は終わり。これ以上古い報告書もない。
ここまでで分かったことから、理解を深めるための考察をしてみる。

**ここまでの考察
プロトコルから、コンビナートにあるナニカは強い放射能を帯びていることは察せる。しかし、放射能で脳だけがいきなり腐るなんてことは有り得ない。
ここで、元記事についているタグのうちまだその要素がはっきりと出てきていないものに着目する。それは「&font(red,b){認識災害}」。
「それ」は、おそらく直接肉眼で見ると脳を腐らせる認識災害を持っている。それに接続している脊髄なども大きな影響を受けただろう。

そして、コンビナートに入った職員が帰ってこないことと、SCP-4182の発生速度が年を追うごとにどんどん熾烈になる形容詞の示す通り加速していることから、コンビナートに入った職員も「それ」の仲間入りだという可能性がある。
つまり、&bold(){SCP-4182の本体と言えるであろう「それ」の正体は、'CAM-5.ogg'にその一部として映っていた&color(red){死体の塊}ではないだろうか。}

また、「それ」を肉眼でないにしろ見たり、サイト-5に「それ」があるのを理解した場合にも認識災害はあるかもしれない。
直接的な言及部分が黒塗りで伏せられていたのと、'CAM-5.ogg'が1992年版以外で削除されていたのが根拠である。
それこそが散々言われていた「サイト-5への言及」、それに加えてのSCP-4182への移動を引き起こす職員への効果の原因だと考えれば辻褄は合う。
'CAM-5.ogg'の映像は立派な認識災害ベクターであり、すでに曝露した職員によって報告書に載せられてしまっていたのではないか。さらなる仲間を増やすために。

ここまでの時系列を過去から順に見ていくと、
・1986年 SCP-4182が発見される
・1989年 死体の検視が行われるが、詳しいところまでは調べない
・この間 誘われて「それ」の仲間入りする職員が後を絶たないためか、階段をコンクリートで埋めてコンビナートへ行けないようにする
・1992年 報告書(1992年版)が書かれる
・この間 財団がSCP-4182を忘れる
・2001年 財団がSCP-4182を再発見し、階段のコンクリートを掘削するが死体が出てきたところで止め、建物を封鎖する
・2002年 報告書(2002年版)が書かれる
・この間 財団がSCP-4182を忘れる
・2014年 財団がSCP-4182を再々発見するが、特に何もしない
・2015年 報告書(2015年版)が書かれる
・この間 財団がSCP-4182を忘れる
・2018年 財団がSCP-4182の表面的な文書改変の影響のみを再発見する
・この後 報告書(最新版)が書かれる
となる。

ただし1986年の発見は本当に最初の発見ではないと言っていい。
なぜなら、本当に財団全てからその都度SCP-4182の情報が消えているのなら調査を途中で止める理由がないからだ。
つまりおそらく上層部かどこかにSCP-4182の真の情報を知っている者がいて、ほかの一般財団職員にSCP-4182のことを&bold(){忘れさせようとしている}のではないか。
まるで、なにかそこに忘れたい事実が存在するかのように。

----

確かにエラーがなくなったこの1992年版より古い報告書へのリンクはない。
ただし、最後にこのような注記がある。

>注記: 当ドキュメントが最新のリビジョンを受理しています。&link_anchor(D){こちら}をクリックして最新のリビジョンを閲覧するか、詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

では、SCP-4182は今どうなっているのか確かめよう。































&aname(D,option=nolink){}
 
*[[SCP-4182-EX]]
&font(#6495ED){登録日}:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)&new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 20 分で読めます
  
----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----
 

#center(){&bold(){&size(10){するよう言われたんだ}}}


SCP-4182-EXはシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&color(brown){&bold(){Explained}}。
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル&color(blue){&bold(){1}}が必要。

&bold(){…は?}

*概要
SCP-4182は、財団の文書が定期的に存在しないはずのサイト「サイト-5」に言及するように改変される現象…だった。
当初はアノマリーによるものとされていたが、これは&bold(){サーバー内のソースコードのバグのせいだった}。
2019年現在はパッチが当てられており、SCP-4182はExplainedに再分類された。

…説明は以上。しかし、これはこれまで財団がさんざんやっていた「忘れさせる」行動の一環なのは明白だろう。
現に特別収容プロトコルは2018年版(最初のやつ)と変わっていない。EX指定されたのならもうプロトコルは必要ないのに。
















プロトコルは必要だった。しかし、もう無意味だった。














----

#openclose(show=1件の新着メールがあります){


ここで、画面の前の報告書閲覧者である財団職員…あなたに一通のメールが届く。

>&bold(){FROM:} J. Davis
>&bold(){SUBJECT:} あいつらはうそをついてる。

送信者は、あなたのサーバーの管理人だった。しかし様子がおかしい。
内容はたった二言、そして1分11秒の動画が一つ添付されていた。ここでは動画の内容を書き起こす。

>これはしんじつ。

何のことなのか。あなたは動画を再生した。

>(動画書き起こし開始)
>&bold(){0:00:} 大音量のノイズ
>
>&bold(){0:02:} 撮影者は暗闇の廃墟の廊下を懐中電灯で照らしつつ単独で進んでいる。小さいが低い音が響いている。
>
>&bold(){0:12:} 撮影者が何かにつまづいたのか、大きな音が鳴る。
>
>&bold(){0:14:} 画面・音声にノイズが走り、場面が転換する。
>
>&bold(){0:16:} 約1秒のみ、SCP-4182らしき島をすぐ側の海上から撮影した映像が映る。
>
>&bold(){0:17:} 再び画面・音声にノイズが走り、場面が転換する。
>
>&bold(){0:18:} 撮影者は暗闇の廃墟の階段を懐中電灯で照らしつつ単独で下っている。空襲警報のようなサイレンが鳴り響いている。
>
>&bold(){0:55:} 階段を下るにつれサイレンの音量が上がる。
>
>&bold(){0:57:} ガイガーカウンターの音のようなノイズが入りだす。
>
>&bold(){1:03:} 撮影者は階段の最下部を確認する。ノイズはさらに大きくなる。
>
>&bold(){1:07:} 画面・音声にノイズが走り、途切れる。
>
>&bold(){1:08:} 暗転・無音状態。
>
>&bold(){1:10:} 一瞬だけ&color(red){死体の集合体}が映る。高音のノイズが入る。
>(書き起こし終了)

>&bold(){そこであおう。} ~:)

彼はSCP-4182に行った。
彼はSCP-4182にいる。
彼はサイト-5にいる。

彼はそれを見た。
彼は映像を送ってきた。
あなたはそれを見た。

サイト-5があなたを呼んでいる。
彼があなたを待っている。
サイト-5は実在する。

&bold(){あなたはどうする?}

}

----




















…という、画面の前のあなたにもSCP-4182が牙をむくバッドエンドでこの記事は終わりとなる。
管理者からそれが送られてきたなら、サーバーを使っている全職員に一斉に送られたと見る方が自然だろう。

財団の明日はどっちだ。



*解説
情報が全て揃ったところで、いったい何があったのかを作者のディスカッションコメントも含めて考えてみる。
あくまで解釈の一つとしてよければ受け止めてもらいたい。

この記事のテーマは「&bold(){虐殺の否定}」、「&bold(){恐ろしい過去の再発見}」といえる。

特徴的なので知っている人も多いだろうが、SCP-4182として使われている画像の島は日本にある端島、いわゆる軍艦島である。
作者によると、モデルが軍艦島であることと最後の動画で聞こえるのが空襲サイレンであることには理由があるという。
察するに、空襲サイレンの響く第二次世界大戦当時の軍艦島では、石炭を掘りだすため劣悪な環境で採鉱夫が大量にこき使われてバタバタと死んでいった史実が下敷きになっているのだろう。

また、作者はこの記事は[[SCP-3790]]「怪奇部門」を連想させることもテーマとしている。
怪奇部門は財団が過去に有していたはずのない部門なのだが、SCP-3790という収容施設らしき構造物内にはさまざまな恐ろしい、しかし現在我々の知るアノマリーにどこか通じる点のあるアノマリーがしっかりと収容されており、果たして財団は過去にいったい何をやっていたのか?という想像力を膨らませる特徴がある。

これらを合わせると、つまり&bold(){SCP-4182は過去の財団が関わって生まれた}のだと考えられる。



この島は確かにサイト-5だった。そして推測されていた通り、危険な異常廃棄物の保管サイトとして建造された。
第二次世界大戦中にそこで、軍艦島と同じように強制労働を使ったのだろう。財団が軍艦島と同じような管理者に委託したか、協力したのかもしれない。
そんな中で保管していた、もしくは処分しようとしていたアノマリーの中に、全ての根源があった。
具体的な性質は何もわからないが、放射能が関わっていることだけは確かだろう。
もしかしたら第二次世界大戦の日本ということから原爆の関わるなにかだった可能性も考えられる。
それが何か壊滅的な収容違反を起こし、大量の強制労働者が被曝し犠牲になった。
そして財団がとった方法は、一貫して&bold(){彼らごと放置し、埋め、}(記憶処理によって)&bold(){忘れる}というものだった。

彼らからしたら、虐げられ、殺され、挙句に忘れられるということ。
そんなこと、認められるはずがない。
財団世界には、財団によって死んでしまいそのことを忘れられたくない死者が、その死の原因となったアノマリーから影響を受けて新たな認識災害アノマリーとなって、彼らを忘れようとする財団に逆襲する好例が既に存在する。
[[SCP-2316]]だ。
彼らも、似たような機会を得たのだ。

ここで、報告書中にあった黒塗りを解いておく。
これについては作者からその中身である単語がいくつか明かされている。
曰く、”congealed”(9文字)と”mass”(4文字)と”irradiated”(11文字)だという。黒塗りの文字数は原語版と同じなので当てはめてみよう。
1992年版に出てきた█ ████ ██ ███████████ █████████ █████ ███████(1,4,2,11,9,5,7文字)だが全部文字数が違うのですぐに割り当てられる。
正体が人の死体の塊であることを踏まえると、以下のようになるだろう。

>&bold(){a mass of irradiated congealed human corpses(被曝した大量の人間の死体の塊)}

これが、SCP-4182の地下コンビナートに存在するモノの正体である。
2002年版に出てきた方の黒塗りはまだ見つけた時点で帰ってこれていたので、「それ」を見てしまい犠牲になった「mass of human corpses」だろうか。

こうしてアノマリーとなった彼らは、財団に忘れられまいと活動を始める。階段を埋められようとも、建物を塞がれようとも、島自体を忘れられようとも、データを消されようとも、「&bold(){サイト-5は実在する。我々の所まで来て、我々の死を見て、それをなかったことにするな}」と言うかのように。
そうすれば、彼らの力はますます増していく。望むところだろう。

しかし財団は一向に認めようとしなかった。…いや、もしかしたら認めたくても認められなかったのかもしれない。
なにせ、作者はこう言っている。

>この過去はとても有毒で、とても破壊的で、とても精神を蝕むようなもので、そしてどんな時も彼らはそれを再発見して、それは文字通り彼らの脳を、彼らがそれを更に深く埋めるまで腐らせるのです……それが亀裂から染み出るためだけに、そして彼らがそれを何度も再発見するためだけに。

財団のその過去は、あまりにひどいものだった。見ただけで、脳が腐るくらい。



&bold(){過去がこんなじゃ、まともな未来はない。}



追記・修正は忘れることなくお願いします。
----
#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){
SCP-4182 - There is no Site-5
by The Great Hippo
http://www.scp-wiki.net/scp-4182
(翻訳) by Fennecist
http://ja.scp-wiki.net/scp-4182
  
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)
}
#include(テンプレ3)


#center(){&sizex(5){&font(b,red){政治的な議論はアニヲタwikiにおいて禁止されています。&br()また、SCP-EN、日本支部を含めた特定の支部・コミュニティ、執筆者に対する誹謗中傷も禁止されています。}}}


#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 最後の動画までフリー素材というのにも驚いた いやはや  -- 名無しさん  (2019-12-12 07:27:58)
- 全部読み終わったあと報告書を年度順に読み直すと「過去が上塗りされていく」感が味わえる。過去がこんなじゃっていうか、過去の扱いがこんなじゃあ……って感じよね  -- 名無しさん  (2019-12-12 07:38:08)
- 日本人労働者を忘れないで  -- 名無しさん  (2019-12-12 07:43:17)
- そもそもこの時代の炭鉱業は危険は多いが給料高いっていう人気職で、不法侵入して就労しに来た奴を逆に追い返したりしてるんだけどね  -- 名無しさん  (2019-12-12 09:16:51)
- ピッ 「私はコンクリートの下の死体に見覚えがありません」  -- 名無しさん  (2019-12-12 09:58:43)
- 軍艦島の強制労働?  -- 名無しさん  (2019-12-12 10:38:47)
- 突然の日本disに困惑。>軍艦島と同じように強制労働を使ったのだろう。  -- 名無しさん  (2019-12-12 11:39:29)
- 危険な最深部の作業なんかを強制徴用してきた朝鮮人や中国人捕虜にやらせていたのはちゃんと記録もあるし、日本国内の裁判でも認定されてる。それとは別に、産業報国運動で志願してやってきた人もいる。本当に人気職なら4000人中朝鮮人が2000人近くなんてことになるわけはない(人口比率でいえば日本人が多いのが当然だし、日本語力からしても日本人のほうが採用されやすい)。いずれにしても政治論争したいならアニヲタwiki以外に行ったほうがいいよ。  -- 名無しさん  (2019-12-12 13:26:34)
- 韓国辺りの反日キャンペーンの一環か、反日キャンペーンに騙されて義憤に駆られた「善良な」欧米人が書いたみたいな報告書だな。この記事じゃなくてSCP財団の元記事の方。  -- 名無しさん  (2019-12-12 13:38:06)
- うーん、政治的な意図はまったくなかったつもりでしたが余計なこと書きすぎましたかね…?強制労働うんぬんはそういうことでもなかったらここまで財団がなかったことにしようとするような死者は出てないだろうし、軍艦島がモチーフである必要もない、という意図で入れた記述です。でも記事と関係ないことで荒れるのもアレですし炭鉱夫が何処出身だったかまでは書く必要なかったかも。どうすべきか  -- 初版作成者  (2019-12-12 15:14:03)
- ↑まあ考察というより妄想ですし、作者の見解と反しかねないのでそれらの記述は消したほうないいでしょう。少なくとも今までのコメントを見る限り支持されるものではなさそうですし  -- 名無しさん  (2019-12-12 15:19:59)
- まぁ、理由っていうのも実際は大したもんじゃないかもしれないじゃん?「軍艦島ってかっこいいしなんだか陰謀めいたものありそうだよね」とか「空襲のサイレンってホラーっぽいからね」程度かも知れんぞ。  -- 名無しさん  (2019-12-12 15:51:21)
- 本来なら目くじら立てて反日と言うほどの事でも無いんだけど、こう言う印象操作の積み重ねで昔の人が悪く言われてると言う実績があるから文句言う人の気持ちも分かる。  -- 名無しさん  (2019-12-12 17:05:45)
- 強制労働なら今現実に北で行われてるだろう。↑6見たいな奴が来るかもしれないと思ったけど、疑問に思ったから↑8をかいたんだけどな・・・元記事からしてそういうノリなのこれ?  -- 名無しさん  (2019-12-12 18:08:03)
- こうして過去は改編されていくのであった……ちゃんちゃん  -- 名無しさん  (2019-12-12 19:45:12)
- scp4182みたいなものはこうやって出来ていくのかもな  -- 名無しさん  (2019-12-12 22:34:31)
- オカ連だったらどう対処するんだろう。文字通りオカルティズムによる破壊手段すなわち強制成仏系のスキルもありそうだが…  -- 名無しさん  (2019-12-12 22:57:48)
- 日本が悪い事にしたい反日が現れてるし、コメント欄は政治の話題禁止にした方がいいんじゃないの  -- 名無しさん  (2019-12-13 02:24:33)
- たぶん主軸に据えてるテーマがどこか違うんだろうなとは思うけど、個人的にはどうしても動画使った2316の焼き直し感が拭えなかったな…クソ標識に否定的だった人もこんな感じの気持ちだったんだろうか  -- 名無しさん  (2019-12-13 02:44:43)
- 海自が出てくるから横須賀の猿島が元ネタだと思ってた。  -- 名無しさん  (2019-12-13 07:09:54)
- これのある島の写真は軍艦島そのものみたいであるし、書き手の政治的思想が透けて見えるのが腹立たしいよねこれ。JPでお出しされてたらDVしてたわ。ディスカッションでも酷評するし。  -- 名無しさん  (2019-12-13 10:41:12)
- 軍艦島と同じようにってのは違う気がする。日常的にDクラスが消耗されてる世界で強制労働による大量死程度が「虐殺の否定」、「恐ろしい過去の再発見」ってテーマに繋がるとは思えない。そもそも虐殺じゃないし。  -- 名無しさん  (2019-12-13 10:57:31)
- テーマとコメント欄の状態を鑑みて、とりま[[ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード(SCP Foundation)]]、[[大日本帝国異常事例調査局(SCP Foundation)]]から警告文コピーしてつけときました。  -- 名無しさん  (2019-12-13 11:46:33)
- この死体って本物なのだろうか  -- 名無しさん  (2019-12-13 12:52:46)
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