SCP-4182

登録日:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
更新日:2020/01/20 Mon 00:05:58
所要時間:約 20 分で読めます





注意:この項目は、項目対象を説明する上で必要であることから、できるだけマイルドなかたちで政治的な事柄に触れています。
この項目を追記する際は、政治的に中立的な立場から客観的な視点をもって編集することを心掛けてください。
またコメント欄において、いかなる立場からであっても過度に政治的なコメントをすることは推奨されていません。
書き込みの内容如何で、IP規制・プロパイダや法的機関への通報・
ならびにSCP-682の終了実験のDクラス補助員やブライト博士の残機としての強制的な雇用といった対処がなされます。












SCP-4182


サイト-5は実在しない










はじめに

SCP記事に詳しい人であれば、このメタタイトルに見覚えがあるという方もいることだろう。
例えばSCP-3980SCP-1661S.D.ロックの提言。これらの記事の特別収容プロトコルを見てみると、そこで言及される「サイト-5」なるサイトがある。
しかし、その全てに打ち消し線が引かれ、その横に毎回同じ脚注がついている。

職員はサイト-5が実在しないことを念頭に置いてください。

この脚注の「サイト-5」部分には意味深な先の繋がっていないリンク(“SCP-err0r”という指定先になっている)が張られている。
つまり、何らかの異常存在によって財団のサイト-5は少なくとも「実在しないと思え」と命令される状態になっていることがかねてより示唆されていたのだ。
これらの記事を読んだとき、また読んだことが無くともこの説明を聞いたとき、気にならなかっただろうか。




SCP-4182は、その答えの一つである。
では、見ていこう。
欲を言えばまず元記事でその雰囲気をふんだんに味わっていただきたい*1ところなのだが、はっきり言ってかなり怖い記事なので積極的な推奨はしない。
そういうのが苦手で元記事を読めない方のためにも、元記事に存在する数々の画像および最後のアレについては直接の引用を避けて説明することとする。

まず、SCP-4182の記事に入ると以下の報告書が出迎えてくれる。



SCP-4182はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスKeter
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル4が必要。

概要

SCP-4182は、財団の文書が定期的に存在しないはずのサイト「サイト-5」に言及するように改変される現象である。
つまり上で例に挙げた報告書で発生していたことそのものがSCP-4182である、ということだ。
そして、その原因は判明していない。原因不明の現象系オブジェクトならばKeterも納得であろう。

だから財団ができるプロトコルはbotでサーバー内を探してSCP-4182の影響を受けたファイルを見つけることくらい。
見つかったファイルは検査及びサイト-5要素の除去のためサーバーの管理者に送られる。
そして、お決まりのこの文言によって特別収容プロトコルは締めくくられる。

職員はサイト-5が実在しないことを念頭に置いてください。

…本当に存在しないのなら書かなければいいのでは?と思える。でもこう書かれているのだ。

なお影響を受けた文書内で言及されるサイト-5についてだが、描写上は一貫性はないものの危険な異常廃棄物の保管サイトとして建造された人工島というものが多いようだ。
そしてSCP-4182の発生頻度は2018年に初めて発見されてから指数関数的に増加しているという。
指数関数的とはかなりヤバいオーダーだ。対処が追いつかなくなるのもそう遠くないだろう。これもKeterたる所以だろうか。



…これでこの報告書の内容自体は終わり。かなり短く、この内容でクリアランスLv4も要るか?と思うかもしれない。
だが、一つ様子のおかしいところがある。
報告書の右側に一枚の画像が添付されているであろうスペースが存在するのだが、そこには何もなく、代わりにエラーを示すだろう灰地の財団ロゴが表示されている。
そのキャプションには以下のように記されている。

無効なファイル/ディレクトリ ('CAM-5.ogg')

その理由を示すように、下の方にエラーメッセージが表示されている。
その内容をかいつまむと、「報告書内で表示しようとした'CAM-5.ogg'が見つかりません」というもの。ファイル名からして何かのカメラ映像だろうか。
そしてその下に、親切にもこの状態へのトラブルシューティングがある。曰く、

注記: 当ドキュメントで予期せぬ状態が発生しています。こちらをクリックして以前のリビジョンに差し戻すか、詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

だそうだが、第四の壁の向こうにいる我々に取れる選択肢は「こちら」の部分に貼られたリンクから以前のリビジョンとやらを見に行くことだけだ。
































SCP-4182

登録日:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
更新日:2020/01/20 Mon 00:05:58
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僕らは言われたことをする


注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(2015/11/07)を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

…ちょっと待て、さっき「2018年に発見された」って言ってなかったか?
するとあの記述はなんなのか。ひとまず置いておくとして、内容を確認しよう。

SCP-4182はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスEuclid
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル2が必要。

概要

SCP-4182は日本の一本杉島*2の75km南方に位置する6.4ヘクタール(16エーカー)の人工島である。
その海上からの遠景画像も添付されている。…言及されていた島は本当に実在する上に、4182は現象ではなかった。
クリアランスレベルもオブジェクトクラスもこちらの方が低いのは一体どういうことか。

しかも詳しい場所は分からないものの日本にあるという。このため特別収容プロトコルに「日本海上自衛隊などと連携してSCP-4182の周囲10kmの区域を立入禁止にしている」旨が加わっている。
さらに、「SCP-4182へのアクセスは固く禁じられている」ともある。一体何があるのだろうか。

…と思いきや、異常性は先ほどと同じ「サイト-5への言及という文書改変」のみ。
SCP-4182自体の情報もあるのだが、その内容は少し不自然なものになっている。
曰く、SCP-4182の建設記録は存在しないのだが、その構造は20世紀初頭のある時期に廃棄物収容施設として建造されたことを示唆している。
また構造物が全て強化アクリルプレートで密封されているのだという。しかし、財団はそれらを剥がしたりしてその中の調査をするといった活動をしていない。
その理由は一切語られておらず、この報告書にあるそれ以上の情報は「SCP-4182の発生頻度は2014年に初めて発見されてから劇的に増加している」ということだけ。この場合のSCP-4182の発生とは文書改変のことだろう。'CAM-5.ogg'ファイルが見つからないエラーも引き続き発生している。

どうやら、まだ前のリビジョンに戻る必要があるようだ。
































SCP-4182

登録日:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
更新日:2020/01/20 Mon 00:05:58
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僕らは言われたことをする


注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(2002/07/15)を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

どうやら、財団はSCP-4182を何度も発見しているらしい。
その原因はなんなのか。記憶・記録影響効果があるのか。はたまた…

SCP-4182はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスEuclid
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル3が必要。

概要

SCP-4182は日本の一本杉島の75km南方に位置する6.4ヘクタール(16エーカー)の人工島である。
その海上からの写真もあるのだが、その撮影地点がさっきより島に近い。
先ほどの2015年の版との相違点を見ていくことにする。

セキュリティクリアランスレベルが上がっているのもさることながら、立ち入り禁止区域が25kmに増えている。
これはSCP-4182が2015年よりヤバかったからなのかという疑問が浮かぶが、半分正解であり半分不正解であると言えるかもしれない。
というのも、特別収容プロトコルに以下の記述が加わっているのだ。

SCP-4182内部へのアクセスを可能とする全ての入口と窓はZグレードの薄板でコーティングした鋼鉄強化アクリルパネルを溶接され遮断されています。

このアクリルパネル、明らかに2015年の版で財団が発見したものだ。なのにそっちでは財団は自分たちが設置したものだとは扱っていない。
何らかの原因により、財団はこの13年の間にSCP-4182を忘れている。そしてこの忘却が唯一のものではないことは2015年版が語っている。

そして、当版と2015年版において最も大きな相違点が、財団がSCP-4182の内部に何があるかを部分的に把握できていることである。
曰く、この版のプロトコルによって構造物が密閉される前は、それらいくつかの内部にコンクリートを充填され固められた階段が存在したというのだ。
そして2015年版で調査を何もしなかったのとは違い、このコンクリートを掘削して下に何があるのかの調査が行われていた。
結果は以下。

これらの階段の掘削はSCP-4182の下に位置し████ ██ █████ ███████を収容している大規模な地下コンビナートの発見に繋がりました。更なる掘削は行われていません。

地下コンビナートの中でとてもここでは書けないナニカを発見したところで調査を終えている。
この点で、財団が把握できたSCP-4182の内容の情報が当版と2015年版では異なる。
少なくとも2015年版の時点でのアクリル密閉状態であれば10kmでいい、という判断が下ったのだろう。
「なぜ」それでいいのかという謎は残っているのだが。

ともかく財団の調査は少しづつ深くまでは行っているのだが、まだ肝心なところが分からない。
やはり'CAM-5.ogg'ファイルのエラーは発生しているし、「2001年の発見以来、SCP-4182の発生速度は著しく増加しています。」という記述はあるものの、まだ十分な情報ではない。

さらに前へ移ろう。
































SCP-4182

登録日:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
更新日:2020/01/20 Mon 00:05:58
所要時間:約 20 分で読めます





僕らは言われたことをする


注記: あなたは当ドキュメントの以前の反復(1992/11/21)を閲覧しています。ここに含まれる情報は不正確であるか、現在用いられていないものである可能性があります。詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

SCP-4182はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスKeter
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル4が必要。

特別収容プロトコル

この版では説明の前に特別収容プロトコルから説明する。
なお、写真はもう島のすぐ近くから撮影した迫力ある代物になっている。

予想通りと言うかなんというか、立ち入り禁止区域は50kmにまで広がっている。
また以下の記述により、2002年版で財団が発見した吹き抜け階段に充填されたコンクリートはこの版で財団がやったことだと判明する。

SCP-4182の地下コンビナートに通じる全ての吹き抜け階段は鋼鉄で強化された(約)2mの合成コンクリート(セメント、水、および付加的な放射線の遮断を可能とする重量集合体の配合)で封鎖されます。

ちょっと待て、今放射能の遮断って言った?地下コンビナートにあるナニカは放射能汚染源の危険性があると?
そう驚くのもつかの間、すぐ次にさらに衝撃的な事実が記されている。

SCP-4182に影響された職員による改変を目的に財団運営bot(I/O-SILVER)がIntSCPFNサーバーを検査します。これらの職員は隔離され、検査と異常除去のために勤務中の財団エージェントらに報告されます。

なんと、「サイト-5への言及という文書改変」は財団職員がSCP-4182の効果によって行っていたものだったというのだ。
つまり文書にではなく、人間に及ぶ効果だったということ。ただしこの効果のトリガーが何かは今のところ不明。

説明

特別収容プロトコルを読み終え、説明を読もうと下にスクロールすると、説明より先に目に飛び込んでくるものがある。

右側。
'CAM-5.ogg'が生きている。そして、ライブ映像を流している。
そこに映っているのは、大量の人間の死体。白骨化したもの、しかけているものが折り重なっている。

説明も大きく変わっている。
まずSCP-4182の位置が黒塗りで伏せられた。その理由も直後に述べられる。
職員がSCP-4182の効果を食らうと、サイト-5への言及だけではとどまらない。最終的に現地へ向かい、階段を下り、

█ ████ ██ ███████████ █████████ █████ ███████を収容する大規模な地下コンビナートへと進入します。

職員についてこれ以上のことが書いていないため、彼らが帰ってきたことはないことが伺える。
それを阻止するために場所を伏せて辿り着きづらいようにしたのだろうか。その先のコンビナートの中身はやはり書けないようだが、文字数は増えた。
また、このコンビナートの深さは分かっていない。しかし数kmどころではないらしく、何らかの空間異常も疑われる。

加えて、1989年に行われていた「SCP-4182で発見された数百体の死体の検死」の結果も載っている。
それによると、およそ75%において中枢神経系、つまり脳や脊髄がズレたりグダグダになっており、推定死因はほとんどが脳内での急速な融解壊死による脳出血…つまり急に脳が腐ったことによるらしい。
ただし、それ以上詳しいことは検査していないようだ。

最後に「1986年の発見以来、SCP-4182の発生速度は増加しています。」とあってこの報告書は終わり。これ以上古い報告書もない。
ここまでで分かったことから、理解を深めるための考察をしてみる。

ここまでの考察

プロトコルから、コンビナートにあるナニカは強い放射能を帯びていることは察せる。しかし、放射能で脳だけがいきなり腐るなんてことは有り得ない。
ここで、元記事についているタグのうちまだその要素がはっきりと出てきていないものに着目する。それは「認識災害」。
「それ」は、おそらく直接肉眼で見ると脳を腐らせる認識災害を持っている。それに接続している脊髄なども大きな影響を受けただろう。

そして、コンビナートに入った職員が帰ってこないことと、SCP-4182の発生速度が年を追うごとにどんどん熾烈になる形容詞の示す通り加速していることから、コンビナートに入った職員も「それ」の仲間入りだという可能性がある。
つまり、SCP-4182の本体と言えるであろう「それ」の正体は、'CAM-5.ogg'にその一部として映っていた死体の塊ではないだろうか。

また、「それ」を肉眼でないにしろ見たり、サイト-5に「それ」があるのを理解した場合にも認識災害はあるかもしれない。
直接的な言及部分が黒塗りで伏せられていたのと、'CAM-5.ogg'が1992年版以外で削除されていたのが根拠である。
それこそが散々言われていた「サイト-5への言及」、それに加えてのSCP-4182への移動を引き起こす職員への効果の原因だと考えれば辻褄は合う。
'CAM-5.ogg'の映像は立派な認識災害ベクターであり、すでに曝露した職員によって報告書に載せられてしまっていたのではないか。さらなる仲間を増やすために。

ここまでの時系列を過去から順に見ていくと、
  • 1986年 SCP-4182が発見される
  • 1989年 死体の検視が行われるが、詳しいところまでは調べない
  • この間 誘われて「それ」の仲間入りする職員が後を絶たないためか、階段をコンクリートで埋めてコンビナートへ行けないようにする
  • 1992年 報告書(1992年版)が書かれる
  • この間 財団がSCP-4182を忘れる
  • 2001年 財団がSCP-4182を再発見し、階段のコンクリートを掘削するが死体が出てきたところで止め、建物を封鎖する
  • 2002年 報告書(2002年版)が書かれる
  • この間 財団がSCP-4182を忘れる
  • 2014年 財団がSCP-4182を再々発見するが、特に何もしない
  • 2015年 報告書(2015年版)が書かれる
  • この間 財団がSCP-4182を忘れる
  • 2018年 財団がSCP-4182の表面的な文書改変の影響のみを再発見する
  • この後 報告書(最新版)が書かれる
となる。

ただし1986年の発見は本当に最初の発見ではないと言っていい。
なぜなら、本当に財団全てからその都度SCP-4182の情報が消えているのなら調査を途中で止める理由がないからだ。
つまりおそらく上層部かどこかにSCP-4182の真の情報を知っている者がいて、ほかの一般財団職員にSCP-4182のことを忘れさせようとしているのではないか。
まるで、なにかそこに忘れたい事実が存在するかのように。



確かにエラーがなくなったこの1992年版より古い報告書へのリンクはない。
ただし、最後にこのような注記がある。

注記: 当ドキュメントが最新のリビジョンを受理しています。こちらをクリックして最新のリビジョンを閲覧するか、詳細についてあなたのサーバーの管理者(jdavis)まで連絡してください。

では、SCP-4182は今どうなっているのか確かめよう。
































SCP-4182-EX

登録日:2019/12/12 (木曜日) 04:18:38
更新日:2020/01/20 Mon 00:05:58
所要時間:約 20 分で読めます





するよう言われたんだ


SCP-4182-EXはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスExplained
報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル1が必要。

…は?

概要

SCP-4182は、財団の文書が定期的に存在しないはずのサイト「サイト-5」に言及するように改変される現象…だった。
当初はアノマリーによるものとされていたが、これはサーバー内のソースコードのバグのせいだった
2019年現在はパッチが当てられており、SCP-4182はExplainedに再分類された。

…説明は以上。しかし、これはこれまで財団がさんざんやっていた「忘れさせる」行動の一環なのは明白だろう。
現に特別収容プロトコルは2018年版(最初のやつ)と変わっていない。EX指定されたのならもうプロトコルは必要ないのに。
















プロトコルは必要だった。しかし、もう無意味だった。






































…という、画面の前のあなたにもSCP-4182が牙をむくバッドエンドでこの記事は終わりとなる。
管理者からそれが送られてきたなら、サーバーを使っている全職員に一斉に送られたと見る方が自然だろう。

財団の明日はどっちだ。



解説

情報が全て揃ったところで、いったい何があったのかを作者のディスカッションコメントも含めて考えてみる。
あくまで解釈の一つとしてよければ受け止めてもらいたい。

この記事のテーマは作者の言葉によると「虐殺の否定」である。

特徴的なので知っている人も多いだろうが、SCP-4182として使われている画像の島は日本にある端島、いわゆる軍艦島である。
作者によると、「これ」が軍艦島にあることと最後の動画で聞こえるのが空襲サイレンであることには理由があるという。
「軍艦島」と「虐殺」という要素から察するに、空襲サイレンの響く第二次世界大戦当時の軍艦島では、石炭を掘りだすため劣悪な環境で採鉱夫が大量にこき使われてバタバタと死んでいった史実が下敷きになっているのだろう。
だが財団世界のこの島で起きた「虐殺」はそうではなかった、というのがこの記事だと推測できる。

また、作者はこの記事はSCP-3790「怪奇部門」を連想させることもテーマとしている。
怪奇部門は財団が過去に有していたはずのない部門なのだが、SCP-3790という収容施設らしき構造物内にはさまざまな恐ろしい、しかし現在我々の知るアノマリーにどこか通じる点のあるアノマリーがしっかりと収容されており、果たして財団は過去にいったい何をやっていたのか?という想像力を膨らませる特徴がある。

これらを合わせると、つまりSCP-4182は過去の財団が関わって生まれたのだと考えられる。



この島は確かにサイト-5だった。そして推測されていた通り、危険な異常廃棄物の保管サイトとして建造された。
第二次世界大戦のころに保管していた、もしくは処分しようとしていたアノマリーの中に、全ての根源があった。
具体的な性質は何もわからないが、認識災害と放射能が関わっていることだけは確かだろう。
もしかしたら第二次世界大戦の日本ということから原爆の関わるなにかだった可能性も考えられる。モチーフの軍艦島なら長崎市がほど近い。
それが何か壊滅的な収容違反を起こし、大量のサイト-5職員が犠牲になった。
そしてその死体はアノマリーの影響を受け、強い放射能を放ち、見るだけで脳を腐らせてしまう認識災害ベクターになってしまった。

ここで、報告書中にあった黒塗りを解いておく。
これについては作者からその中身である単語がいくつか明かされている。
曰く、”congealed”(9文字)と”mass”(4文字)と”irradiated”(11文字)だという。黒塗りの文字数は原語版と同じなので当てはめてみよう。
1992年版に出てきた█ ████ ██ ███████████ █████████ █████ ███████(1,4,2,11,9,5,7文字)だが全部文字数が違うのですぐに割り当てられる。
正体が人の死体の塊であることを踏まえると、以下のようになるだろう。

a mass of irradiated congealed human corpses(被曝した大量の人間の死体の塊)

これが、SCP-4182の地下コンビナートに存在するモノの正体である。
2002年版に出てきた方の黒塗りはまだ見つけた時点で帰ってこれていたので、「それ」を見てしまい犠牲になった「mass of human corpses」だろうか。

そしておそらく、彼らを見ると脳が腐るというのはそのままの意味だけではなかった。
作者はこう言っている。

この過去はとても有毒で、とても破壊的で、とても精神を蝕むようなもので、そしてどんな時も彼らはそれを再発見して、それは文字通り彼らの脳を、彼らがそれを更に深く埋めるまで腐らせるのです……それが亀裂から染み出るためだけに、そして彼らがそれを何度も再発見するためだけに。

なぜ財団は毎回SCP-4182を見つけたとき、徹底的に調査しなかったのか。
なぜ財団は毎回見つけかけた「過去」を更に深く埋めることしかしてこなかったのか。しかも完全な隠ぺいではなく、たやすく数年後の自分たちが再発見できるように。
そしてなぜ財団は毎回SCP-4182を忘れようとしたのか。
それしかできないほどに、SCP-4182はすでに財団の脳を腐らせていたからだろう。

だが、財団に見捨てられたせいで犠牲となった彼らにとってはそんな都合のいい忘却など許されない。
だから彼らはずっと財団職員を通じて、財団に訴え続けた。
階段を埋められようとも、建物を塞がれようとも、島自体を忘れられようとも、データを消されようとも、「サイト-5は実在する。我々の所まで来て、我々の死を見て、それをなかったことにするな」と言うかのように。
そうすれば、彼らの力はますます増していく。望むところだろう。
財団世界には、財団によって死んでしまいそのことを忘れられたくない死者が、その死の原因となったアノマリーから影響を受けて新たな認識災害アノマリーとなって、彼らを忘れようとする財団に逆襲する好例が既に存在する。
SCP-2316だ。
彼らも、似たような機会を得たのだ。



彼らは、怨霊となった過去の財団の化身。
祓うことはできない。それは自分たちそのものだから。


過去をどんなに忘れようとしても、過去は我々の後ろをどこまでも追ってくる。


追記・修正は忘れることなくお願いします。

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