聖剣伝説LEGEND OF MANA

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聖剣伝説LEGEND OF MANA - (2018/12/03 (月) 23:00:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/06(土) 01:57:23
更新日:2023/04/10 Mon 14:18:58
所要時間:約 7 分で読めます




現在PSstoreにて販売されている。価格は600円

1999年にスクウェアから発売された、PS系ハードで初の聖剣伝説シリーズ。
通称:レジェマナ、LOM

この作品からブラウニーブラウンが誕生、後の聖剣伝説シリーズにも進出することとなる。


今作では様々なシステムを導入したために(※後述)今までの聖剣伝説シリーズと全く毛色が異なっている。
グラフィックは水彩画や色鉛筆で塗ったような淡い色彩に絵本のようなタッチであり、全編2Dである。
また、当時のスクウェアの他作品(サガフロンティア2、レーシングラグーンなど)との連動要素も存在した。


ちなみに今作では月の精霊ルナに代わり、金の精霊アウラが加わった。
曰く「木属性との対称を明確化したかった」とのこと。


ルナアアアアアアア!!!



【システム】
今回から新たにいくつものシステムが導入された。
以下のいくつかのシステムからかこのLOMはやり込みゲーと呼ばれ、周回プレイを前提としたシステムがいくつか存在している。
故に今までの聖剣シリーズと全く違った作風であるために発売当時のユーザーは戸惑っていた。


●ランドメイクシステム
新たに加わったシステム。
全体マップから一定の範囲を指定し、その範囲内で自分の思い通りのマップを作り上げるというもの。
これによって自分オリジナルの世界を作り上げることができるのだ。
そこで必要なのが『アーティファクト』と呼ばれるアイテムで、それを使うことで様々なフィールド(ランド)を登場させることができる。
ランドには各属性の「マナ」が設定されており、設置すると隣り合ったランドのマナに影響を与え、そして影響を受ける。
ランドマナは一部イベントの発生条件になっていたり、後述の育成、作成系のシステムに関わってくるほか、ごく一部のランドは設置自体に条件を求められる場合もあるため適当にメイクしていると泣きを見ることになる。
また、ショップの品揃えや敵の強さ等は「マイホームからの距離」「何番目に置いたか」で決まる。
そういったシステム上の効率を求めて配置するか、或いは自分なりの設定やつながりを考えて配置するかはプレイヤーの自由。
ラストダンジョンを自宅の隣に置くのも、イベントのためにドミナの街の隣に置くのも、遠く離れた僻地の果樹園の隣に置くのもYOU次第だ。
※ただしアーティファクトが置けるのは「配置済みランドの隣」という制限はあるので、最初に手に入るドミナの街は必ずマイホームの隣になる。

隠し要素として、マップ画面で現在表示されている領域9マスがすべてランドで埋まっているとミニゲーム「ランドぽこぽこ」が遊べる。

●キャラクターメイク
字のごとく、自分オリジナルのキャラクター・主人公を作り上げること。
デフォルトネームはYOU。オートネームには過去シリーズ作の人名が多数ラインナップされている。
外見はは2パターン(男・女)しか無く、初期装備品こそ違うもののステータスの差は無い。
が、これはあくまで初期ステータスの話。レベルアップを重ねるうちプレイヤーごとの差が生まれてくるはずだ。
この差を決めるのは使用武器。
武器は短剣、片手剣、片手斧、両手斧、大剣、槍、ハンマー、グラブ、ヌンチャク、弓、杖の11種類あり、使用武器によってLVアップ時に上昇するステータスがそれぞれ違うのである(例:杖は力の上昇値が最低だが、ハンマーは力の上昇値が全武器中最高)。

途中で使用武器は変更できるので、LVアップ直前に武器を変えて、自分の望むステータスを作り上げることができる。
しかし、ALLステータスMAXは不可。カンスト値による無駄の出ない最高効率を目指すにしても入念な計算と計画が必要になる。

また、技の閃き方も新しくなっており、必殺技(L1・L2・R1・R2の計4つ)とコマンド(□、×の計2つ)が割り振られており、新しい技を閃くには
技Aを必殺技欄に入れてX回戦闘、技Bを……
やら、
コマンドAをコマンド欄に入れてX回戦闘、コマンドBを……
やら、
武器AでX回戦闘
などの条件があり、それをクリアすることで新たな技を覚えられるのだ。

他のセーブデータを読み込んで、そのデータの主人公(色違い)を仲間として同行させたり対戦を行うこともできるようになっている。


●育成システム
このゲームをやり込みゲーにさせる最大の要因となってしまったシステム。
読んで字のごとく育成をするのだが、様々な育成ができる。

  • 果樹園
マイホームの果樹園にて種を与えることで様々な野菜や果物ができる。
これは下記のモンスター育成やゴーレム開発に利用される。
種を与えてから実がなるまではある程度の日数(ランドの移動で経過)が必要で、ランドのマナが高いほど短縮される。
マイホームに備えられているが、後にアーティファクトを入手することができ、別の場所に置くこともできる。

  • モンスター育成
フィールドでモンスターのヒナを拾い、マイホームのペット牧場でモンスターを育てる。
育てたモンスターはNPCとして連れて歩くことができ戦闘にも参加する。
登場するモンスター全種を育てることができるが、最大5匹しか牧場に置くことはできない。
ただし、亜人種のみ他の種族とは異なり、条件を満たすとマップの固定位置に出現するモンスター本人に話しかけ仲間にする形。
各人1周につき1回しか仲間にできないが、次周で条件を満たせば再度仲間にすることができる。

モンスターに先述の果樹園でできた作物を与えることでステータス上昇の変化、様々な性格の付与ができる。
目的に合った性格にするためにモンスターは日々同じ物を食わされる……。

ここで育てたモンスターはポケットステーション用のゲーム「リングりんぐランド」に移すことができ、ここでしか手に入れられない貴重なアイテムも様々あったりした。現在はPSVitaのアプリで対応されたが、アーカイブスでのプレイが不利と言われていたのはこれが理由。
ちなみに、ドラゴンタイプのヒナは高値で売れるので、よく乱獲の対象となった。

  • ゴーレム開発
廃人御用達その1。
聖剣シリーズのレギュラーモンスターにマシンゴーレムというモンスターがいるが、それを開発する、というもの。
ゴーレムの開発には装備が必要であり、武器防具を用いてベースとなる体を作る(良い装備品を使えばより良いステータスを得られる)。
そして『ロジック』と呼ばれる回路があり、そこにパーツを埋め込んで、ゴーレムの行動パターンを決めるのだ。

しかし、このパーツを作るのにも装備品が必要であり、やはりより良い装備品を用いれば強いパーツが出来上がる。
だが、ただ単に強い武具を放り込めば良いというわけではない。
使用した武具の素材によってパーツの形も決まってしまうのだ(L字だったり棒型だったり)。
なのでパーツを作るにも一つ一つ考えなければならないのだ。

また、果樹園で育てた作物を使用してペイントも可能。全ての作物にカラーが設定してあるためかなり豊富。性能には影響しない。

以上がゴーレム開発だが、金や手間の割に、ヘルモードやノーフューチャーモードでは火力不足となるのでその筋の人間でなければ空気となってしまう。



  • 魔法開発
空気。

一応説明するが楽器の種類と使用する素材を決め、それに精霊のコインを与えることで対応した属性魔法を使用できる楽器を作ることができる。
楽器の種類と素材の組み合わせで魔法の軌道や威力、効果範囲などが変化する。
コインには銀貨と金貨の2種類あり、銀貨よりも金貨の方が強力になる。
魔法はわずかな貯め時間こそ必要なものの特に制限なく使用でき、発動さえすれば無敵時間も得られ、複数の敵を巻き込み、ステータスダウンなどの効果もある。
にも関わらずどうして空気なのかと言うと、殴ったほうが早いからである。
また、組み合わせは多いが作った時点で完結してしまうため、いまいちやりこみ甲斐がないというのも大きい。
一応ボスの大技を回避するのには便利。

  • 武具製作
廃人御用達その2。
武器や防具を素材を使って自分で開発するもののである。
そしてこの開発は魔法と違って、
改 造 が で き る 。

これによって開発スタッフも予想していなかった四桁の数値を誇る武器が出来上がってしまうのだ。
(普通に冒険するには500くらいあればぜんぜん余裕で、ノーマルモードならこの程度でもラスボスを瞬殺可能)

しかしこの武器開発はとんでもない手間と金がかかる。なによりシステムの全容を理解するのが大変である。
まず主原料を選ぶ時点で戦いは始まっている。256分の1の確率で落とすレア素材を求め一部モンスターが乱獲される。ポケットステーションが輝く瞬間でもある。
そして改造に用いる副原料も重要である。この副原料ごとに設定されている様々なパラメータと「シークレットパワー」が複雑に絡み合って性能が決まるのだ。
もちろんゲーム上はマスクデータである。
今でこそネット上で情報を収集できるが、当時はアルティマニアが必携と言っても良かった。あっても難しい。

しかし、その分のリターンがとんでもないのでやる人間は多く、本作の中でも一番やり甲斐のあるやりこみと言えるだろう。
ちなみに武具の名前は自由に変更可能なので、無駄に多い種類を活かして他作品の装備品を再現する、といった遊びにも使える。


【ストーリー】
そ ん な も の は な い


厳密に言えばあるのだが、プレイヤー自身が進めるイベントを選べてしまうため、メインストーリーらしきストーリーは存在しない。
そのフリーダムさも賛否両論の原因の一つとなってしまっている。
一言で言えばサガシリーズのフリーシナリオに近い。

しかし、終わりは必ずある。
なのでEDを見るには

  • ドラゴンキラー編
  • エスカデ(笑)編
  • 宝石泥棒編

のいずれか一つ(全部でもおk)をクリアする必要がある。
中でも宝石泥棒編は話の流れも良い。

逆にエスカデ編は……


ちなみに、イベントを終了させた後に今作のマスコットキャラクター的存在であるサボテン君に話しかけるとクリアしたイベントについて日記を書いてくれる。

かわいい!


また、登場人物も全体的にどこか哲学的であり、セリフ回しがなかなかに難しく、すぐに理解するのは困難だったりする。
この難しさも、このゲームにとっかかるのに障害となってしまうこともある。
ただ、そういうことを理解すれば美しい世界観、美しい曲によって新たな世界が拓かれるかもしれない。


以上、賛否両論あるゲームについて書いてみたが、機会があれば一度手に取ってみてはいかがだろうか?

音楽も下村陽子氏の手掛ける曲はいずれも名曲であり、一聴の価値がある。




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