パピヨン(武装錬金)

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パピヨン(武装錬金) - (2016/03/16 (水) 09:32:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/13(金) 05:23:43
更新日:2024/01/27 Sat 22:55:32
所要時間:約 7 分で読めます






「ごめん、蝶野攻爵…」


(嗚呼、俺の名前…)


「 謝 る な よ 偽 善 者 」




パピヨンとは、週刊少年ジャンプで連載されていた「武装錬金」に登場するキャラクターの一人である。

人間を襲うホムンクルスの創造主として、錬金の戦士である津村斗貴子、そして武藤カズキと対立する。

その正体は、原因不明の死病に侵された学生「蝶野攻爵」である。
カズキと同じ銀成学園に通っていたが、病気によって留年している為、年齢は19歳。
病を克服する為に自身を人型ホムンクルス化しようとしており、ホムンクルスを生み出していたのもその実験の為だった。

アジトを捨てたり弟の次郎の妨害が入りながらも、自身をホムンクルス化することに成功。
しかし、それは当初の目的である病の克服までは至らなかった。
不完全なホムンクルスを取り込んだ為、病に蝕まれたままホムンクルス化してしまったのである。
それを再度克服する為、カズキの核鉄を狙うが、カズキに敗北して消滅する。

しかし、実は完全に消滅する前に、ドクトル・バタフライ率いるLXEによって救助されていた。
その後しばらくはLXEの一員として活動するも、核鉄を得た事で離反する。
以降は「蝶・サイコーの俺が人間・武藤カズキを倒す」ことを目的に、ヴィクター化したカズキを人間に戻し自身をヴィクター化する為、独自に動いていた。

白い核鉄を使いカズキを人間に戻した後、カズキと再戦するも、敗北。
が、そこでカズキに「パピヨンとしてもう一度生きてほしい」と言われ、カズキとの因縁と自分の過去を全て捨て去る。
それからは他のホムンクルスとは別れ、銀成市の都市伝説、神出鬼没の「蝶人パピヨン」として市民からは友達感覚で親しまれている。

常連だったロッテリやでは半ば赤いアフロに近い扱いになっており、オマケフィギュアにもなった。


ホムンクルス化直後こそは弟達を喰ったが、それ以後は二度と人間を喰う事はなかった。
ブラボーとは意外にウマが合い、「ピリオド」以降は良き友人となっている模様。


【人物】
非常に利己的で、自身の為なら自分に好意を抱いている人間ですら平気で犠牲にする。

が、それは地を這う芋虫だった頃の話。
ホムンクルス化して、彼は弾けた。
何故か妙にハイテンション、そしてフレンドリーになり、語尾によくハートマークを付け始める。

また、最大の特徴はなんといってもファッションセンスである。
芋虫だった頃は普通に学生服を着ていたが、服の下には黒のビキニパンツ一丁だった。
ホムンクルス化してからはもう歯止めが利かなくなり、常に素敵なドレス(?)に身を包み、銭湯に行けば股間を使って桶で股間を隠し、海に行けば放課後電磁波クラブのような水着をお召しになる。
ちなみにこのファッションセンスは蝶野一族に共通するものであるようだ*1

ただ、1番のシンボルであるのは、顔につけた蝶々のマスクである。
これは彼が人間をやめた証であり、単なるファッション以上の意味を持つ。人間の頃からつけていたけど。
作中でもホムンクルス化した後は(敵の幻術によって外された時を除けば)一度も外さなかった。
このように、蝶々を異常なまでに好み、人間の頃の自分を「地を這う芋虫」と自己嫌悪していた。
ものの例えに蝶を持ち出すのは勿論、「ちょう」と付く言葉は全て「蝶」に変換されるほど。
口癖は「蝶☆サイコー」

凄まじく利己的ではあるものの、彼なりに筋の通った生き方をしており、単なる悪役やギャグキャラではない。
さながら本作のもう一人のヒロイン主人公とでも呼ぶべき存在である。
作者の弁によれば、自身の考える「悪」の集大成として、志々雄真実と並ぶキャラクターであるという。

他人に依存したり組織に加わることを嫌い、蝶のように自身の力で高みを目指している。
ヴィクターの力を目の当たりにしてからは、その力をも得ようと考えていた事もある。

「ピリオド」ではカズキを失い、完全に自暴自棄になっていた斗貴子を

「お前は武藤カズキを諦めきれるのか」

と最もな言葉で諭し、彼女の目を覚まさせた。
かつての天才錬金術師「アレクサンドリア・パワード」でさえ不完全だった白い核鉄の錬成に成功し、カズキを救ったのも彼のおかげである。



【能力】
ホムンクルスである為身体能力は非常に高く、錬金の力以外は受け付けない。

武器は鋭い爪やホムンクルスの力による肉弾戦。
そして、黒色火薬(ブラックパウダー)の武装錬金「ニアデス・ハピネス」である。
これは火薬と爆発を操る武装錬金であり、蝶々型の爆弾を飛ばしたり、火薬を燃やし続けることで飛行したりもできる。
使い勝手は一見悪いようで、意外と良い。
爆発の威力自体も非常に高く、頑丈なサンライトハートを破壊した事もある。
因みに、この核鉄は元々LXEの陣内が使用していたものである。
欠点は武装錬金自体が使用する火薬そのものなので一度の使用量に限りがあること。
補充は可能なのだが、全部使おうものなら補充に三日という長い時間を要する。
小説版では火渡からこっそりくすねた核鉄を使ったアナザータイプも登場している(後にちゃんと返した模様)。
アナザータイプでは炎の翼となる。

かつて天才と呼ばれただけあって頭を使う事も得意であり、相手の武装錬金の特性を見抜く観察眼も持っている。

唯一の欠点と言えば、不完全故に芋虫だった頃の病に侵され続けていること。
そのせいか、今でもたまに吐血する。
また、莫大な栄養を必要とするホムンクルスでありながら人間を食らっていない事もあって、他のホムンクルスほどの持久力はない。
しかし病気の方は死の可能性が無くなったので気にも留めておらず、更に不完全なのが幸いしてホムンクルス共通の弱点である『章印』が存在しないというメリットも生じている。
その為、人型ホムンクルス本来の弱点である左胸を刺されても死なない。だが、逆に言うと何をしても死ねないと言うことにもなる。
なお、人食いをしていないのはそうしたいという衝動自体を有していないから。
ホムンクルスの人食いは「人間である事への未練」が起因するのだが、パピヨンは「人間」である事に微塵も執着しない故に、人食い衝動を持たないのである。
上記のように人食いをしたことはあるものの、食欲よりも周囲への個人的な恨みと殺意の方を優先していた感がかなり強かった。


【関わりの深い人物】
○武藤カズキ
パピヨンに最後まで「人間・蝶野攻爵」として接した人物として、特別視している。
パピヨンも「人間・武藤カズキ」の事を認めていて、カズキ以外から「蝶野攻爵」と呼ばれると怒る。
また、(カズキが望んでいないとはいえ)ヴィクター化した時は「見損なった」と言い放った。
パピヨンのセンスをある程度理解できる数少ない人物。

○ドクトルバタフライ
カズキに敗れたパピヨンを救った人物。
パピヨンがホムンクルスを生み出すきっかけとなった人物でもある(パピヨンは彼の手記をもとにホムンクルス製造法を学んだ)
その正体は、パピヨンの高祖父(ひいひいじいちゃん)である「蝶野爆爵」
LXEの指導者としてパピヨンを傘下に置いたが、内心では不完全なホムンクルスであるパピヨンを見下しており、「保護してやっている」とこぼした為にパピヨンは彼の下を去った。
ヴィクターの力を知りながらヴィクターに尽くすだけだった彼を、パピヨンは「光に群れる醜い蛾」だと言い放っている。
因みに、「爵」の文字は蝶野家に代々伝わる由緒ある漢字であり、嫡子はこの名を付けられる。当然ながら「爆爵」なんて爵位は無く、伯爵だったら侯爵よりも1つ下の爵位である。
本気を出すと自前の一張羅に身を包むが、これがまたパピヨンのアレの色違い+上位互換バージョンという予想の斜め上をロケットエンジンで一気に飛び去るレベルの代物だった。

○蝶野刺爵
パピヨンの父。
病に侵されたパピヨンを見限り、弟の次郎だけを息子と思っていた。
しかし、それ以前は次郎をないがしろにしており、父親としては最低レベルである。
パピヨンと次郎の見分けがつかなかった為、パピヨンの犠牲となった。
因みに、刺爵なんて爵位も無いが、子爵なら侯爵よりも2つか3つ下である。
作者は一応我が子への愛情はあると設定してはいたものの、それ以前に自分の思想を最優先させる性分であったため、ハッキリ言って全くフォローになっていなかった。

○蝶野次郎
パピヨンと瓜二つの顔をした、一つ下(アニメでは双子)の弟
病に侵されたパピヨンに代わり、蝶野の家督を継ぐ事になる。(その場合、蝶野「次爵」とでも改名することになったのだろうか?)
が、それまでは父にいい加減な名前や適当な教育をされた為、パピヨンを恨み、妬んでいた。
だが兄の方は、家督のプレッシャーを受けずに自由に育てられた弟が羨ましかった節がある。
お互いの本心を曝け出せ合えなかったのも、この兄弟の不幸の一因といえるだろう。
ホムンクルスと化したパピヨンの最初の犠牲者となる。アニメ版では凄まじくグロい死に方をする…。
因みに、食ったパピヨンの感想は「悪魔の様に黒く、地獄の様に熱く、接吻の様に甘い」らしい。
パピヨン接吻の味知ってんのかよ、と思うが、彼がホムンクルスに変えた花房は、発病前の家督を継ぐボンボンだった彼を誘惑し、病となったら見捨てたと言う関係上、知っていてもおかしくはない。
因みに、このセリフはタレーランとかいう人のコーヒーに対する感想が元ネタ。
作者の和月氏もコーヒー大好きである。
作中では殺されたのも仕方ないとしか言えない人物であったが、それに至った事情が事情なので作者と中の人は同情していた。
ちなみにSPの中にホモがひとりいる。


〇蝶野夫人(仮称)
刺爵の妻でパピヨン、次郎の母親。本編未登場で、下の名前は不明。
夫からかなりのDVを受けていたらしく、離婚調定中。既に家を出ていたので被害を免れた。
パピヨンも彼女にだけは別段恨みはないようで、殺そうなんて無粋な真似はしておらず、彼女の居場所を突き止めて財産をちゃんと分けている。
むしろ、自分とは違った意味で蝶野家の束縛に苦しんでいた母を内心では不憫に思っていたのかもしれない。
蝶野家の人間の中では、唯一救われた人物と言えるだろう。


【余談】
元々は和月氏の前作「ガンブレイズウエスト」に登場予定だった「デューク・ザ・パピヨン」
そちらが敢え無く打ち切られてしまい、登場の機会が無かった為に温存していたデザインが採用された。

この漫画の生命線とも言えるほどの人気を得ており、多数のキャラクターグッズが発売されている。
アニメの後期EDは殆どパピヨンしか映っていないほど。
しかし、人気投票の結果は3位。
これには本人も残念がっていた。

使用する武装錬金は大槻ケンヂ氏が執筆した小説に出てくる架空の病気の名前(臨死遊戯状様。こう書いて読みは『ニアデス・ハピネス』)からそのまま拝借して命名された。
しかし雑誌掲載分では誤植で『ニアデス・ピネス』という余りにもパピヨンにピッタリ過ぎるネーミングになってしまい、周囲は『ピネスでいいんじゃね?』な流れになったものの結局作者は元ネタを尊重して『ピネス』で通したそうな。

そして実は初期ラフ段階では女性だった。




追記♪修正♪
もっと愛を込めて!

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