週刊少年ジャンプ

登録日:2010/08/24(火) 02:41:45
更新日:2020/04/04 Sat 16:36:51
所要時間:約 16 分で読めます




「友情」「努力」「勝利」

週刊少年ジャンプは集英社が毎週発行している漫画雑誌。
最初に発行された1968年7月11日には『少年ジャンプ』という名前で月に2回の発売だった。
現在の『週刊少年ジャンプ』になったのは1969年で、当時は毎週火曜日に発売していた。

現在は毎週月曜日発行。大体240円。
コンビニ、書店等で購入可能。
年間で52~53号でているが、お盆・GW・お正月には合併号が出るので実質もう少し少ない。

よく背表紙やコミックスや乳首や股間隠しにある海賊マーク(ジャンプのアレ)はジャンプパイレーツという名前のシンボルマーク。

◆テーマ

先に書いた「友情」「努力」「勝利」はジャンプ三大テーマとして有名。
あとキャラが成長するとともに「実は先祖が凄かったという設定が追加される傾向があるため」第4のテーマ『血統』なんて声も……
掲載作品にはこの要素を最低でも一つは入れなければならないというのが編集方針。
前身となった雑誌の編集方針を引き継いだらしく、
元は小学4・5年生を対象にしたアンケートの「一番心あたたまる言葉」「一番大切に思う言葉」「一番嬉しい言葉」なんだとか。


◆日本一の発行部数

雑誌業界全体でのお話。一時期週刊少年マガジンにその座を奪われていたが、奪回した後はまた独走状態が続いている。
それがどのぐらい独走状態かと言うと、ジャンプ>マガジン+サンデーチャンピオン、てな具合。


◆グラビアがない

他の週刊少年誌にはあるグラビアが無い。
故に対象年齢は低め…らしい。
90年代半ばの暗黒期には試験的に二、三回実施したが、結局定着はしなかった。


◆新人発掘・専属契約制度

新人発掘をよくやっており、新人にとって『チャンスの多い雑誌』である。
これは、少年漫画雑誌として最後発であったため、既に人気のある作家を囲い込めず、新人から育てるしかなかったという事情がある。

一方で、ジャンプに載るには集英社と専属契約をしなければならない。
ジャンプを読んだことのある人なら目にしたことのあるであろう『●●先生のマンガが読めるのはジャンプだけ!』はこの制度によるもの。

これはどんなにちょこっとの連載で終わったとしても、契約期間中は他の出版社とのお仕事は出来ないということ。
この専属契約によって漫画家には原稿料とは別途に契約料が支払われているが、
執筆保障がない点や専属契約期間中は他の出版社と交渉すらできない点から、「実質的な作家の飼い殺し」であるとの批判が根強い。

夢で食っていくのも楽じゃない…。

そのため、打ち切りを連続で食らってもっと合う畑を探す者や後述のアンケート至上主義体制の問題点に気付いて他の出版社・雑誌を探す者、
加齢により週刊連載は体力的にキツくなってきた者の中には専属契約を解除してフリーもしくは移籍する者も少なくない。

とはいえ、収入の安定しない漫画家にとって、定収入があるというのはありがたい話であり、また取材旅行も編集部持ちで行けるため、漫画に専念できるという利点がある。
また、他社では売り上げが見込めない打ち切り漫画は単行本化されない(近年は電子書籍化のみで対応)ことも多いが、少年ジャンプ掲載の漫画は10週打ち切りだろうと単行本化がほぼ必ずなされている。
何事も一長一短である。


◆アンケート至上主義

他の雑誌もなんだかんだでアンケートは参考にしているが、ジャンプのようにアンケート至上主義の雑誌も珍しい。

このアンケート制度は「アストロ球団」を連載中の中島徳博の、
「大御所というだけで人気もない漫画が載っているのはおかしい。アンケートの結果を1週で出すようにして、サバイバルにせよ」という言葉から始まったらしい。

よく『ジャンプの前の方に載ってれば安心』と言われているが、これはあながち間違ってない。
掲載順はアンケート結果を元に副編集長がその週ごとの雑誌構成を考慮して決めている。
まあ締め切り超ギリギリだったりしたら後ろになることもあるんだろう。
これが適応されない漫画もある(ピューと吹く!ジャガー等)。
因みに西村繁男は「アンケートが2位以下の作品は全て終了候補である」と言ったらしい。


「アンケートが2位以下の作品は全て終了候補である」


大事なことなので2回言いました。


例えアニメ化されるほど人気の作品でも、アニメの放送が終わってしまい、アンケートがふるわなくなれれば打ち切りになる。
かつて黄金期と呼ばれた時代は打ち切りも非常にシビアであり「10週打ち切り」が名物であった。
最近は比較的打ち切りまで猶予期間が長くなっており、一定の人気があれば違う雑誌(赤マル→NEXT!!等)で『完結編』として中身の濃い最終話を掲載したり、
ジャンプ+やNEXT!!や月刊誌の方に移る漫画が増えた。
また、打ち切り作品であってもアンケートが好評であれば次作の連載が早くなると言われている。アンケートを送ることは無駄にはならないのだ。
他にも『完全版』と称して連載終了作品の新刊を発行したりしている(完全版でしっかりと完結させる場合もある)。
この体制には問題点もあり、「本誌を購入し、アンケート項目を読んで、ハガキに記入する」読者の意見しか反映されない(単行本派や、読み捨てる派に人気があっても拾い上げられない)ため、
武装錬金BLACKCATがその例だが、連載終了した後で人気が沸騰した為にアニメ化等のメディアミックスに繋がり、
手のひら返したような対応を平然ととるという問題点もある。
とはいえ、基本的に他メディアにまで進出するほどの当たり作品は、よほどのことがない限り打ち切り候補にならない。
(よほどのこと→ぬらりひょんの孫
特に出版業界もアニメ業界も逼迫している近年、アニメ化作品の比重が他誌に比べて高く、過去にされた物も含めると2015年現在、連載作品の約1/2が該当する。
加えてここ数年は連載1年経っていなくても人気さえあれば巻頭カラーやセンターカラーで積極的にプッシュしていき、1~2年程度連載が続けばアニメ化する方針をとっている。
それでも力さえあれば生き残りは出来る点は、やはり希望が持てると言える…かも。

人気がなければ長期連載でも打ち切り、人気があれば無理にでも引き延ばすこの方針は、作品をきれいに終わらせられないという弊害を抱えている。
そのため、打ち切られた作品は「もし続いていたらこうなる構想だった」、引き延ばされた作品は「○○編で終わらせるべきだった」などと語られたりする。
本誌だけに限った話ではないのだが、ジャンプはその手の話が飛び抜けて多く、諸手を挙げて大団円と評される作品は数えるほどしかない。

また、アンケート結果が良いため掲載順も比例しているはずだが単行本の売り上げが見合わない場合もあり、連載中にアニメ化した割には...という作品や連載中にアニメ化したが部数すら公式にはわからないこともある。


◆巻末コメント

作家がコメントを書くところ。
巻末にある目次と一緒になっている。
毎週短いながらも作者の日常が伺える。
主にまた担当が変わるとか編集が結婚するとか。
冨樫『Q.好きな食べ物は? カレーライス
冨樫『Q.●番目に好きな食べ物は? グリーンカレー』
みたいな感じ。


◆掲載作品

挙げ出したら切りがないが、
ありったけの夢をかき集める『ONE PIECE』や、
逆に10週くらい連載したら1年以上休載する『HUNTER×HUNTER』とか。

他にも、
おれはどこにだってとぶ!!『ハイキュー!!
大正の鬼退治『鬼滅の刃
鬼の施設から脱獄せよ!『約束のネバーランド
To LOVEるの後継者『ゆらぎ荘の幽奈さん
恋の方程式『ぼくたちは勉強ができない
君はヒーローになれる『僕のヒーローアカデミア
実績だァァァァァァァ!『ブラッククローバー
正しい死を求めて『呪術廻戦
天才女優のアクターストーリー『アクタージュ act-age
文明を再生しよう『Dr.STONE
おっぱい揉みたい『チェンソーマン
とか。

少し前に戻れば

40年間一度も休まず連載してきた伝説『こちら葛飾区亀有公園前派出所
オラわくわくすっぞ!『ドラゴンボール
新世界の神になる『デスノート
ジャンプの広告塔『バクマン。
ゴシカァン!『魔人探偵脳噛ネウロ
まだまだだね『テニスの王子様
ミカンのち完結『シャーマンキング
ボールは友達『 キャプテン翼
勇者よいそげ!!『ドラゴンクエスト ダイの大冒険
俺の生徒に手を出すな!『地獄先生ぬ~べ~
学生時代は大変お世話になりました『I"s
伊達にあの世は見てねえぜ!!『幽☆遊☆白書
バスケが…したいです…『スラムダンク
モッコリパワー『シティーハンター
んちゃ!『Dr.スランプ
君は小宇宙を感じたことがあるか!『聖闘士星矢
糞(ファッキン)○○!!『アイシールド21
小さな身体ででっかく飛ばす『ライジングインパクト
牛丼大好き『キン肉マン
にょほほ『封神演義
あたたたたた『北斗の拳
ヒューッ!『コブラ
おろ~『るろうに剣心
臓物をブチ撒けろ!『武装錬金
人間讃歌は勇気の讃歌!!『ジョジョの奇妙な冒険
自分の顔が憧れの人に!?『プリティフェイス
それはどうかな?『遊☆戯☆王
神の一手『ヒカルの碁
鼻毛真拳!『ボボボーボ・ボーボボ
走れー走れー『みどりのマキバオー
コッチンコー『花さか天使テンテンくん』
矢吹神の物語はここから始まった!『BLACK CAT
少年誌の限界に挑戦し続けた『To LOVEる -とらぶる-
衝撃の結末『世紀末リーダー伝たけし!
めそ『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん
ラッキークッキーもんじゃ焼き『 とっても!ラッキーマン
わしが男塾塾長、江田島平八であ~る!!『魁!!男塾
チェイング!悪!滅!『ウイングマン
神にも悪魔にもなれる『マジンガーZ
奇面フラッシュ!『ハイスクール!奇面組』
鮎川まどかは永遠の「憧れの人」『きまぐれオレンジ☆ロード』
君は何かができる『キャプテン』
どっこい生きてるシャツの中『ど根性ガエル』
サスケェ……『NARUTO
幻の6人目『黒子のバスケ
ヌルフフフフフフフフフ『暗殺教室
なん…だと……?『BLEACH
PTAと戦い続けていた『銀魂
世の平穏あらんことを『ニセコイ
なんでもグルメ『トリコ
処す?処す?『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~
コーヒーゼリー『斉木楠雄のΨ難
トリガー、オン!『ワールドトリガー』(ジャンプSQに移籍)
おあがりよ!『食戟のソーマ
心・技・体『火ノ丸相撲
等…その時代の少年達に夢を与えてきた作品が多い。

きっとジャンプはこの先も少年達のハートをキャッチし続けるだろう。

なお、創刊号に掲載された漫画は、『くじら大吾』(梅本さちお)、『父の魂』(貝塚ひろし)、『大暴れアパッチ君』(赤塚不二夫)、『地獄剣』(高橋よしてる)、『ハレンチ学園』(永井豪)、『ドル野郎』(望月三起也)、『フラッシュゴードン』(ダンバリー)、『手』(楳図かずお)。
耳慣れないタイトルが多いが、チラホラ巨匠の名前が確認できる。







◆最終回と表紙

ジャンプは終わる作品に冷たい、とも言われている。

近年『NARUTO』最終回の号の表紙が本作ではなく『暗殺教室』であったことが物議を醸した。
『NARUTO』ほどの人気作、功労者であれば、表紙を飾り、巻頭カラーで送り出してやるのが礼儀ではないのか、というのである。

しかしこれは『NARUTO』に限った話ではなく、一時代を築いた看板作品に対しても同様であった。
今まで最終回で巻頭カラーをもらえた作品はわずか四本*1
そして、表紙を飾れたのはたったの二本『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『SLAM DUNK』だけであった。
ただ、『SLAM DUNK』は本作の最終ページが「第一部完」となっており、続編の構想があったことを鑑みれば、完全に終わる作品で表紙を飾った作品は『こち亀』だけと言ってもいい。
キン肉マン』、『北斗の拳』、『キャプテン翼』、『聖闘士星矢』、『ドラゴンボール』、『幽☆遊☆白書』…
日本人なら誰もが知っている名だたる傑作でさえ、表紙を飾れた作品は皆無なのだ。

この理由を関係者は「ジャンプが常に”これからの作品”を大切にしたいと思っているからです」と答えているが、
「終わる作品にはもう用はないというのか?」との反発もある。

ジャンプ連載作は、打ち切りの末の尻すぼみな終わり方が多いので、最終回をアピールできるほどの大団円を迎える作品がほとんどないという事情もある。
あまり最終回をアピールしすぎると、読者がその作品の終了と同時に離れてしまいかねないので、
連載中の作品を推して読者をつなぎ留めたい、という考えもあろう。

そもそも『NARUTO』の第一話自体、『るろうに剣心』の最終回で表紙を貰った作品なので、バトンが回って来ただけともいえるし、
表紙メインではないにせよ、右上にスペースはもらっており、二話分掲載、うち一話はセンターのオールカラーと、近年の作品では珍しいほどの厚遇を得ている。
(ちなみに『こち亀』は第一話掲載号の表紙を『悪たれ巨人』に譲っている。)

終わる作品を派手にアピールすることが正しいのかどうか。
終わる作品に報いる方法は表紙だけなのか。
簡単に答えの出る問題ではなさそうである…。


◆余談

少年や大きなお友達の他、ジャンプ作品は腐女子にも大人気である。
主にそういったニーズに媚び売ればあるいは…。
…とか上手くいけばいいが、世の中そんなに甘くない。言うは易し。
けっきょくは漫画の面白さ、キャラの魅力がなければ腐女子だって支持しない。
大きなお友達だって自分達に媚び売る感じの作風に反感持つしね!(もちろん面白さや魅力が伴わなければの話)


また、ジャンプで連載していると、どんなものだろうがそのうちバトル漫画になってしまうともよく言われる。
バトルものは一定の人気があるため、別ジャンルで始まったものが人気低下への対策として行う常套手段である。
既にバトルものである場合は、テコ入れとしてトーナメントを行うことも。
ギャグマンガから転向した『キン肉マン』、『ジャングルの王者ターちゃん』、
人情ものから転向した『幽遊白書』、冒険ものから転向した『ドラゴンボール』がその代表格。
とりわけドラゴンボールは、「バトルものへの転向」、「トーナメントの開催」、「戦闘力のインフレ」、「人気のための連載引き延ばし」と、
ジャンプにありがちな要素をすべて兼ね備えているため、良くも悪くもジャンプを象徴する作品といえる。
路線変更(連載漫画)に詳しいが、「友情・努力・勝利をすべて含んだバトル」にしようとして、
悪く言えば「友情や努力を全て勝利への手段としたバトル」になってしまう作品もあり、かえって迷走してしまうことも。

荒木飛呂彦の語るところによるとジャンプでは『単調増加』が求められ敵がだんだん強くなるトーナメントを編集から勧められたという。
ただし荒木先生自身は強さの増加に限界を予感し『ジョジョの奇妙な冒険』では地理的に進む「旅」という形をとった。

ときたま同ジャンルの漫画を同時期に連載開始させる「蠱毒」と呼ばれる状況が発生する。
「サッカー蠱毒」「バスケ蠱毒」「ラブコメ蠱毒」などが有名。
後ろ2つを生き残った黒子のバスケとニセコイはアニメ化されるほどの人気作となったので「蠱毒」の呼び名も伊達ではない。


需要が多いからか、発売日前の段階で早売りされたり、画像・動画などの形でうpしたりするネタバレ行為が蔓延している。
もちろんこれらの行為は著作権法に違反する犯罪である。中学生でも容赦なく捕まるくらい犯罪なのである。





「追記」「修正」「削除」
Wiki篭り先生の編集にご期待下さい。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/