THE IDOLM@STER THE@TER ACTIVITIES

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THE IDOLM@STER THE@TER ACTIVITIES - (2018/01/10 (水) 17:05:47) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/01/10 (水) 14:50:19
更新日:2023/04/30 Sun 15:33:31
所要時間:約 15 分で読めます




ソーシャルゲーム『THE IDOLM@STER MILLION LIVE!』発のCD企画。略称は『TA』。
2016年9月7日から11月19日にかけて全3巻のドラマCDがリリースされた。





概略


これまでのミリマスCDのお約束だった『LIVE THE@TER』の冠を外した、新機軸のCDシリーズ。
各CDには全4話からなるボイスドラマ、ドラマ主題歌1曲、各CD共通新曲『DIAMOND DAYS』が収録されている。
「765プロライブ劇場所属のミリオンスターズが映画に出演する」という設定で、1巻につき5名のアイドルが出演。それぞれのタイトルに沿った寸劇を繰り広げる。
(つまりはるるんやちーちゃんを初めとする13人の765プロオールスターズは未出演)

初見の人はこう思うかもしれない。「ミリオンスターズは37人いるのに、どうしてその内の15人だけしか出てないの?」
実はこのCD、2016年4月18日~5月2日にかけて『ミリオンライブ!』ゲーム内で行われた「CD&ボイスドラマキャスト投票キャンペーン」の結果を受けて出演者が選定されている。
文字通り、各プロデューサー(以下、P)がキャスティングボードを握る形となったこのキャンペーンでは、担当アイドルに役を勝ち取らせようとする熾烈な選挙戦が繰り広げられた。ある役では全Pの票を結集する全面戦争が、またある役では支持母数に劣るアイドルが紙一重の戦いで票を奪取し、またある役では古き良きジェノサイド戦法を彷彿とさせるワンサイドゲームが展開される。1つばかりほぼ無風の役もあったけど。

サービス開始3年目に突入し、過疎りつつあったコンベンションセンターは連日フル稼働。
SNSや他ゲームへの選挙広告も打たれ、『ミリオンライブ』にて最も盛り上がった瞬間の1つであった。
大成功に終わった3rdライブツアーの熱に飲まれて新規参戦したP、声優推しの人間や休眠状態のファンに必死に声をかけたP、広告動画やイラストを作って宣伝したP、デッドヒートに疲弊し「こんなキャンペーン誰が得するんだ…」とそもそも論に逃避するP、「この役ホントは嫌だ。だが仕事を取ってきてこそのPだろう」と私情を捨てて選挙戦略に乗ったP……。悲喜こもごもがそこにはあった。
人と人のコミュニケーションが良くも悪くも結末を決めた、「ソーシャルゲーム」が「ソーシャルゲーム」たる所以を示したイベントだったのではないだろうか。


運営側とランティス、出演声優陣はこのユーザーの熱に見事に答え、完成したCDは楽曲・ドラマパートのいずれもが高く評価されている。
大筋は出来ていただろうが、投票終了から僅か4ヶ月でリリースした制作陣の苦労は並大抵のものではなかっただろう。
イベントの盛況ぶりは運営側、ひいてはバンダイナムコ側も得心が行ったのか、後に事実上の後継アプリとしてリリースされた
アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』においても後継イベント「THE@TER BOOST!」が行われた。


投票規定・戦略


  • 投票期間は2016年4月18日~5月2日
  • 投票対象は765PRO ALLSTARSの13名を除く765THEATER ALLSTARS(MILLIONSTARS)37名
  • 投票券は以下の手段で獲得可能。1プレイヤーにつき最大100枚
    • 4/18から4/30のゲームログイン時に毎日2枚(合計26枚)
    • ゲーム内シアターくじ「BELIEVE MY DRE@M!!」から入手(最大74枚)
  • 各役の獲得票の推移はゲーム内にてほぼリアルタイム更新
  • 重複出演はなし。複数の役で1位になったアイドルが出た場合、最多得票役に配役。次点得票役には2位アイドルが繰り上がり出演する


投票券はゲームを程々にたしなんでいるプレイヤーなら無課金ですべて入手できるので、財力に物を言わせる銭ゲバスタイルは封じられている。
投票は一票投じるたびに画面をポチポチしないといけない不便な仕様。しかしこのために「一票の重さ」が強調され、「最後にまとめて放り込めばいーや」という適当な投票を抑止。更に定期的な投票を促し、全体の活気を保った。
ゲーム内に設置されている各アイドルごとの掲示板「コンベンションセンター(以下、CC)」では活発な会議が行われた。


このキャンペーンでは、以下の2点を早期に把握し、団結した陣営が栄冠をつかんだ。
まず、おとなりで定期的に行われる「シンデレラガールズ総選挙」のような単純な人気投票ではないこと。
例えば、得票数1000は固いアイドルAと、どう頑張っても500が限界のアイドルBがいたとしよう。
普通の人気投票ならアイドルAがぶっちぎりで終了。だがこのキャンペーンでは、アイドル1人に対して15か所もの投票先が存在する。「あの役がいい!」「いやこの役もいい!」「その役にしよう!」……と、アイドルAの担当Pは役柄A、B、Cにバラバラに票を入れた。これでは一つの役に概ね350票ほどしか入らない。
一方、アイドルBの担当Pが団結できれば、役柄Aに全500票をつぎ込み、見事に役を射止めることが出来る。
ただ票を集めるだけでは意味がない。役を取らねば敗者なのだ。

もう1つは「浮動票の取り込み」。
今回のキャンペーンでは、最大勢力とも言える765PRO ALLSTARSがまるまる投票対象から除外されている。必然的に彼女たちの担当Pは(最初から投票する気が無い人でもない限り)他の適当なアイドルを探して投票することになる。また、あらかじめ提示された役柄に「はまり役」と呼べるものがなく、投票意欲が薄くなるアイドルもいる。もしくは他の有力アイドルと投票先がかぶり、始まる前から敗色濃厚になるアイドルもいるだろう。
アイマス史上初めて「個人レベルでキャスティングボードを握らされた」状態。人間誰しも無意識のうちに勝ち馬に乗りたがる。こんなお祭り騒ぎで、自分の票が死票になることは避けたい。ならば勝てそうな陣営にとりあえず投票するのが賢い選択だ……。
こうした迷える子豚ちゃん達に「このアイドルがこの役演じれば面白いだろうなー! チラッ だから投票してくれないかなー! チラッ」
「この役こそ運命の役なのです。だから…ね? ね?」と語りかけ、票を集めることが重要なのだ。



TA01 リリィ・ナイトと天空の騎士団



日々冒険譚に憧れる、ド田舎の村娘・ユリコ。
そんな彼女の前に妖精セリカが現れ、ユリコこそが伝説の勇者だと告げる。敵は、魔王・コトカ。
至る所に現れる村民(ビレッジピーポー)・ロコと交流し、コトカ四天王が1人・アリサの魔手を逃れ、ユリコの旅は続いていく。


右手の剣は勇気 希望という名を刻んで
暗闇も走り抜けてゆく 風になろう


2016年9月7日リリース。投票テーマ3「剣と魔法のファンタジー」。
  • 勇者:世界を救う運命の勇者!
  • 魔王:世界を脅かす恐怖の大魔王!
  • 妖精:勇者を助ける小さな妖精♪
  • 四天王:勇者の前に立ちはだかる魔王の右腕!
  • 村人A:村人A

……なんで5人しか出ないのに四天王が1人だけいるのか、そもそも説明からして意味不明の村人Aはなんなんだとか、役柄への突っ込みどころが凄まじい。
その一方、繰り広げられた選挙戦はバリエーションに富んだものとなった。

主題歌は『創造は始まりの風を連れて』。作詞・結城アイラ、作曲・編曲・KOHTA YAMAMOTO。
由緒正しきライトノベルヒーロー的な疾走感あふれる曲調が人気。
4thライブ『TH@NK YOU for SMILE!!』では各公演の出演者リストから歌唱がほぼ絶望視されていたが、1日目公演で村人Aこと中村温姫が他4人の歌唱者をサプライズゲスト召喚。武道館を熱狂させた。


以下、記載する得票数は全て5/2 9:59時点のもの(締切1分前)。ここから多重アカウント投票などの不正票排除が行われた為、実際の最終得票数は全員微減している。
基本的に1位と2位の接戦となるので、上位2名のみを記載。





TA02 果てしなく仁義ない戦い 魅梨音闘争篇



仁義や任侠が忘れ去られ、弱肉強食の無法地帯と化した戦後の裏社会。ナムコ市にシマを持つ「魅梨音組」は新興の「木下組」に脅かされていた。
離反した用心棒・のり子による組長暗殺。団員たちは次々と組を去り、残ったのは忠実なる子分・環のみ。
死んだ父親を時代錯誤と評しながらも、心の奥底ではその任侠心を忘れられない組長の娘・桃子。
そんなある日、ギター片手の風来坊・ジュリアが魅梨音組を訪れる。


弱さが弱さを喰う時代 痛快な話が欲しいだけさ
勝手気儘に振舞う活劇
ご覧あれ、俠気乱舞


2016年10月12日リリース。投票テーマ1「任侠」。
  • 風来坊:ふとしたことで魅梨音組の客分となる
  • お嬢:亡き組長から魅梨音組を継いだひとり娘
  • 子分:お嬢に忠実な魅梨音組の子分
  • 悪徳組長:庶民をしいたげる悪徳組の組長
  • 用心棒:そのスジで恐れられている悪徳組の用心棒

アニメ版『アイドルマスター』の映像ソフト特典で『果てしなく仁義ない戦い 頂点ねらいM@S!』が収録されたが……本当にスピンオフが来ちゃったよ。
『頂点ねらいM@S!』は確実にR-15指定されるであろう割と容赦ない流血抗争ものだったが、今回はどちらかというと人情ものに寄っている。
最初から最後までシリアスに仕上げられており、ドラマ面の完成度と、役者の演技の幅が見られる配役という意味ではTAシリーズ随一の出来。

主題歌は『俠気乱舞』。作詞:松井洋平、作曲:yuxuki waga(fhána)、編曲:yuxuki waga(fhána)、sasakure.UK。
ニコニコ動画にて非公式に行われたミリオンライブユーザー楽曲投票では第一回14位。
当て字を多用した、歌詞を覚えるのも一苦労なハードロックナンバー。年少組3人が集まっているにもかかわらず、痛烈な爽快感がリスナーに評価されている。
4thライブ『TH@NK YOU for SMILE!!』では最終日に歌唱。当然の如く3名の歌唱者がサプライズ出演した。





TA03 魅裏怨



学校ではたわいもない降霊ごっこが流行っていた。こっくりさん……ならぬ「ぷっぷかさん」である。
オカルト研究部の部長・真壁瑞希から「正しいぷっぷかさんの手順」を教えてもらった矢吹可奈は、
幼馴染の佐竹美奈子と吹奏楽コンクールの結果を占う。だがその翌日から、美奈子の様子に異変が……。
美奈子の身に何が起きたのか? 美奈子のクラスに突然転校してきた美少女・篠宮可憐の正体とは? 一人怪奇を追う瑞希の真意とは?


伸びるその影の 後ろにいてあげるの
振り向かないで
でも分かるでしょ?(感じてるでしょ?)
さ ぁ 帰 り ま し ょ う


2016年11月9日リリース。投票テーマ2「学園ホラー」。
  • 普通の子:ごく普通の子…そう…あの日までは…
  • 幼なじみ:普通の子と、いつも…いっしょ…
  • 転校生:突然現れた…ミステリアスな…転校生…
  • 部長:オカルト研究部の…部…長…
  • 霊:…フフフ…

三点リーダばっかり。これまでゲーム内イベントで度々行われた怪奇ものが、遂にボイスドラマに。
選挙戦もかなり白熱したものになった。

ドラマ展開は……ミステリー要素もあるので解説するとネタバレにならざるを得ないし、それ以前になんかもう説明するのも疲れる波乱万丈の展開なので略。ぷっぷかさんで察しろ。
是非ともCDを手に取っていただきたい。特にCDジャケットは数あるアイマスシリーズでもただ一点特筆すべきクオリティ。

主題歌は『い世界が消える頃』。作詞・真崎エリカ、作曲・編曲・光増ハジメ。
これまで意外とアイマスではなかった、ストレートな怪奇系楽曲。「逢魔が時」なんて歌詞は早々お目にかかれない。
Bメロサビ入り前の吸い込まれるような展開に背筋が震える。
4thライブ『TH@NK YOU for SMILE!!』では2日目に歌唱された。やっぱり歌唱者が揃っていなかったが、サプライズゲストが決めた。





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