俺達は永遠になれない刹那だ。どれだけ憧れて求めても、幻想にはなれないんだよ

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俺達は永遠になれない刹那だ。どれだけ憧れて求めても、幻想にはなれないんだよ - (2017/05/07 (日) 12:24:46) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/03/31(土) 12:42:59
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&font(#0000ff){あんたは正気だよ}





[[Dies irae>Dies Irae -Acta est Fabula-]]。そのエピローグで語られた台詞。

新たな世界の神を決める戦いに敗れ、新世界の法則――輪廻転生の理に従い、人間として生まれ変わったラスボス、[[ラインハルト・ハイドリヒ>ラインハルト・ハイドリヒ(Dies irae)]]は前世の記憶を持ち、それについて苦悩していた。


自分は人間だ。
ならばこの記憶は何か。
新世界の開闢を決める闘争。
魔人と呼べる部下と、それに追従する何百何千万の魂を引き連れた怒りの日。
それの主演――黄金の獣と呼ばれた自分は何者か。
今の自分は間違いなく人間である。
市政の民と変わらず、銃で撃たれれば死に、殴られれば死ぬ。
そういうモノとして生まれ変わったはずだ。
しかし確証は持てない。誰か、この渇きを、この飢えを満たしてはくれないか。
そんな想いを抱きながら訪れた遺産管理局――アーネンエルベ機関で彼は救いを得ることになる。






先述の悩みをある青年に打ち明けたラインハルト。人として、一人の男として悩む彼に、青年・[[ロートス・ライヒハート>ロートス・ライヒハート(Dies irae)]]――かつて共に神の証を競った好敵手――[[藤井蓮]]の転生体はこう返す。




#center(){&font(#0000ff){「あんたは正気だよ」}}

#center(){&font(#0000ff){「俺達は現実に生きている。良いこともあれば悪いこともあるし、満たされない夢を抱えて飢えてもいるさ」}}

#center(){&font(#0000ff){「だけど、それが人間だろう?」}}

#center(){&font(#0000ff){「俺達は永遠になれない刹那だ。どれだけ憧れて求めても、幻想にはなれないんだよ」}}





黄金の獣、愛すべからざる光とまで呼ばれた彼にとって、その言葉がどれほどの救いになっただろうか。




#center(){&font(#ffdc00){「生に真摯であること。ああ、確かに卿の言う通り。」}}

#center(){&font(#ffdc00){「飽いていればいい、餓えていればよいのだ。生きる場所の何を飲み、何を喰らおうと足りぬ。だがそれでよし。」}}

#center(){&font(#ffdc00){「そう思えぬ生物は、その時点で自壊するしかない」}}

#center(){&font(#0000ff){「そんな生物は、生まれてきたことが過ちなんだ」}}





自戒するように呟くラインハルト・ハイドリヒ。その眼に、先程までの苦悩は一切ない。
その後、自分の立場――ドイツ軍中将であることを打ち明け、驚愕したロートスに、ラインハルトは自嘲したように語る。




#center(){&font(#ffdc00){「与えられた地位をなくせば、それこそ市井の一角と変わらんだろう。その程度なのだ、いや、そうでなくてはならない。}}

#center(){&font(#ffdc00){殴れば倒れ、撃たれれば死ぬ。人はそうであるべきだ。いずれ訪れる死の時まで生き、そして朽ちればいい。}}

#center(){&font(#ffdc00){ああ、誰かに言って貰いたかったのだよ。感謝しよう。幻想にはなれぬか。なるほどな」}}

#center(){&font(#ffdc00){「総て野垂れ死ぬ。ならば私も、かく野垂れ死ねばいい。ありふれた人間、職務を全うして滅びる一人の軍人で構わない」}}

#center(){&font(#ffdc00){「私は満足した。もはや何も求めない。この先どうなろうと生きていく。そう誓ったのでな」}}

こうして、世界の小ささのせいで全力を出すことが叶わなかった男は&bold(){生涯全力を出さないことを誓い}その言葉通り、飢えたまま、飽いたまま、1942年に暗殺された。














&font(#ff0000){「こんな自分は認めない」}&font(#0000ff){「こんな世界は認めない」}という願いがそのまま自分自身の強さ――異能力の覚醒に繋がり、そんな経緯を経て人外の魔人となった悪鬼羅刹がはびこるDies iraeの世界においては最大級のアンチテーゼ。

要約すれば、「現実を見て生きていくことが人間として生まれて来たものの最低限の義務であり、権利である」ということであり、これは二次元に命を捧げた人間にとっては十二分に考えさせられる言葉である


作中において不動の悪、絶大的なカリスマをもって部下や大多数のユーザーを魅了したラインハルトが、本当の意味で救済されたシーン。

全ての黒幕、[[カール・クラフト>カール・クラフト=メルクリウス]]死ね、糞ニートなメルクリウスは既に救済されていたためなおさら感慨深く、ユーザーの中でも、最終決戦やヒロインとの掛け合いを差し置いて名シーンとして上がることが多い。

内容もDies irae、ひいては神様シリーズをある意味全否定している台詞とも言える。





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- 18禁ゲームやる年齢の人間なら普通にわかってるはずなんだけどなあ。  -- 名無しさん  (2013-08-22 23:00:31)
- それを理解してどこまで好き勝手やれるかが人生だと思うな  -- 名無しさん  (2013-08-23 02:12:08)
- 普通の人ならそんなこと言われなくてもわかってるんだが、この作品に出てくる奴らは総じてバカで中二こじらせた奴らだから気づけない  -- 名無しさん  (2014-07-03 12:53:03)
- ↑自業自得の奴もいるけど大体人生つんでるからなぁ・・・  -- 名無しさん  (2014-07-03 13:01:44)
- とどのつまり現実見ろやが名言とか……  -- 名無しさん  (2014-08-25 22:13:20)
- それをかっこよく劇的に言ってるから名言なんだろ  -- 名無しさん  (2014-08-25 22:26:37)
- まぁ、幻想に生きた人間にたいして言ってる訳で現実に生きた人間に言ってる訳じゃないからなぁ。  -- 名無しさん  (2014-08-25 22:44:27)
- 幻想に生きたというか、幻想に逃げ込んだ人間に言ってる感じ  -- 名無しさん  (2014-08-25 23:03:29)
- 厨二病卒業おめでとう獣殿って思ったわ、このシーン見たとき  -- 名無しさん  (2014-08-25 23:46:07)
- この言葉に真っ向から反発してもいいのはロールシャッハやバットマン、パニッシャーみたいな絶対に妥協できない正義や信条などを抱えてる奴らだけなんだろうな。  -- 名無しさん  (2014-08-26 00:10:32)
- ↑なんか、そう書くとバットマンやパニッシャーが真摯に生きてないようにも読めるからなんか嫌だな…。彼らは彼らなりに現実に立ち向かって真摯に生きてると思う  -- 名無しさん  (2014-08-26 00:52:22)
- まあ結局は思想の押し付けがデフォの作風から抜けきってないからね、この言葉も。何でもかんでも当てはまるもんでもない。  -- 名無しさん  (2014-08-26 00:58:44)
- ↑2真摯じゃないとは言ってないよ。ただ、司狼が言ってるような“真面目”じゃないというだけで・・・司狼が生に対する真摯を“真面目”を持って示しているなら、彼らは“全力”を持って示してるというやり方が異なってるだけ。それにしてもシャッハさんは否定しないんだね。  -- 名無しさん  (2014-08-26 00:59:39)
- ↑シャッハさんは詳しくは知らないから、あくまで聞き齧りの情報からの推測なんだけど、人の範疇を超えようとはしていなかったから、人間としては真摯だったんじゃないかなと思うわ  -- 名無しさん  (2014-08-26 01:08:36)
- なまじ人と異なる力を持ってしまったからこういう「当たり前のこと」を見失ってたんだろうな、獣殿は  -- 名無しさん  (2014-08-26 01:19:14)
- ↑2 それでも彼らは司狼とはマキナとのそれとは違った意味で相性が悪いと思うんだよな。何を持って「生」とするかで論争になる気がする。バットマンとスーパーマンの「正義」の在り方、リザとエレオノーレの「女」の在り方みたいに。  -- 名無しさん  (2014-08-26 01:34:37)
- ↑ようは、「人間である」ことを蔑ろにして安易に現実から逃げるなって感じの言葉だと解釈してるから、彼らの心情に違いはあるけど、真摯であることには変わり無いと思う。あとこの言葉がぶっささるのは、DIOとかまどマギの魔法少女くらいだとも思うわ  -- 名無しさん  (2014-08-26 06:47:29)
- 渇望満たすために人間やめて全力を出すんじゃなくて、人間として命を使いきることに全力出せってことかな  -- 名無しさん  (2014-08-26 11:54:58)
- ↑5ただロールシャッハは「正義」には拘っていても「人間」に拘ってるわけじゃないから、正義と人間を天秤にかける時が来たら正義を選ぶと思う。他の面子とはそこが違う。  -- 名無しさん  (2014-08-27 22:08:18)
- ↑なるほど。調べてもイマイチ理解できなかったが、そう言われると納得するわ  -- 名無しさん  (2014-08-27 22:24:37)
- ↑なので、このセリフを跳ね除けられるのは「人間」の尊さ等を理解した上でそれよりも大事な物があると胸を張って言い切れるようなものを提示して見せられる奴らだけだろう。他にそれができるのは自分の知る限りはスポーンとかVermilionのアイザックくらいかな。  -- 名無しさん  (2014-08-27 22:48:08)
- なんで跳ね除けなきゃいかんの  -- 名無しさん  (2014-08-27 22:54:14)
- 他の項目にも言えるが、正田作品中心に考えすぎて他の作品と噛み合ってないのに比較されてる気がする。つか他と比較出来るような感覚とか能力じゃないと思う。  -- 名無しさん  (2014-08-27 23:24:34)
- ↑3 確かに↑2 の言うとおりなんで跳ね除けなきゃいけないのか分からねえ  -- 名無しさん  (2014-08-27 23:44:21)
- スタッフは「ゲームばかりやってないで現実見ろや」って言いたかったのか  -- 名無しさん  (2015-01-22 08:07:26)
- ↑そんな使い古されたエヴァ解釈みたいな・・・  -- 名無しさん  (2015-01-22 08:10:10)
- この言葉に同意したとしてもバトルになる例 甘粕「ただの人間として生きていく。素晴らしい勇気だ。ゆえに当然、俺と戦う覚悟もあるのだろう?」  -- 名無しさん  (2016-06-09 13:37:17)
- 俺達=刹那 刹那=ガンダム つまり「俺達がガンダムだ」ってことですねわかります  -- 名無しさん  (2016-06-09 14:27:39)
- 新しくできたのかと思ったら前からあったのかこの記事 アニメもこの言葉で締めてほしいけどマリィルートっぽいし無理かな  -- 名無しさん  (2016-06-09 21:51:31)
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