THE 裁判員〜1つの真実、6つの答え〜

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THE 裁判員〜1つの真実、6つの答え〜 - (2013/12/28 (土) 14:24:15) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/01/30(月) 07:59:12
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&color(orange){二月二十七日  金曜日  午後十時二十五分}
&color(orange){東京都中野区沼袋}

&color(orange){彼が最後に感じたのは、冷たいアスファルトの手触りだった。}


&color(orange){首筋から絶え間なく漏れる、生暖かさだった。彼が最後に見たのは、男の目だった。 }
&color(orange){じっと見つめる目。なにかを“確かめる”様な目だった。}

&color(orange){身体の芯から、熱が失われていくのがよくわかった。寒い。とてつもない寒さだった。}
&color(orange){命が失われていくのだろう。彼にはよくわかった。}
&color(orange){だから、悔しかった。}

&color(orange){なんでだよ……なんで……こうなる……?}

&color(orange){やりたいこと、やるべきことのすべてが遠ざかる。}
&color(orange){親父……おふくろ…… }

&color(orange){望……}

&color(orange){だから、彼は悔しかった。}

&color(orange){雪の夜、五條誠司の生涯は閉ざされた。}
 

 
D3パブリッシャーから発売された“[[裁判員制度]]”をモチーフにした、全5話からなるアドベンチャーゲーム。発売日は実際の日本の裁判員制度の施行日5月21日。価格は2800円と手頃。
ナンバリングは48番目となり現在D3パブリッシャーのDS最後のタイトルである。
『セツの火』の制作を手掛けた遠藤正二朗がシナリオを、『Black Cyc』などの原画を多数手掛けてきた上田メタヲがキャラクターデザインを手がけた。
クソゲー率が高いSIMPLEシリーズだが、本作は本格的な裁判の様子を描き、全五章という短いゲーム内で上手く纏まっているスト―リーは評価が高く。DSシリーズ最高のシナリオと言われたりしている。
また、グラフィックもDSにしては綺麗であり上田メタヲが描く個性豊かなキャラクターの数は60人近く登場する。
また、普通の裁判物では扱わないような珍しい事件も扱っており、また語録や資料館(音楽・CG・人物辞典)も充実している。
  
その反面セーブ関連が残念でありチャプターごとのセーブしか出来ないうえ、セーブ数も一つのみである。極めつけはNSMも搭載されていることが残念。



■ゲーム目的
幽霊の主人公が裁判員の1人に憑依して、他の裁判員や裁判官を説得していき、「正しい判決」を得ることが目的である。
当初は毎年裁判員に選ばれる「くじ運のいい男」を主人公にすることも検討したが、それでは最短でも5話を終えるのに4年かかってしまうため、このような設定になったという。
超自然的手段により裁判開始時点で有罪・無罪は判明しているため、事件の真相を推理することよりも、被告人や裁判員たちがなぜそのような主張をしているのかを解き明かすことに重点を置いた作りとなっている。
  

■主な登場人物
五條 誠司
 
本作の主人公。商社に勤務していた細目が特徴な25歳。仕事も順調、結婚を前提にした恋人もおり、順風満帆な人生を送っていたが、ある日の夜、通り魔に襲われ理不尽にも命を奪われる。
そのため、成仏できずにとある事情により裁判所を徘徊することになる。
死後、他のゲームなら悪霊になりかねない要素もありながらも恋人の望には「自分の事は忘れて早く幸せになってほしい」と思っている等、非常によく出来た人間である。良く間違えられるが五条誠二ではなく五條誠司である。

ヤマヤマ4号
 
閻魔大王に仕えるあの世の官吏。地上で残っている幽霊を成仏させるのも仕事で、そのために誠司の未練を解消させるべく裁判に参加させようとする。左右非対称な奇妙な動物の姿をしており、普段は愛らしい左側からの姿で描かれているが、時には右側からの恐ろしい姿も見せる。
超自然的能力によってある人物がウソをついているかどうかや、裁判官・裁判員がどの程度説得されているのかを判別できるため、それによって裁判が間違った方向に進もうとしているのを誠司に教える。
  
・裁判官
秋月 芽衣子
 
左陪席を担当する西東京地方裁判所の裁判官。ヤマヤマ曰く金髪ねーちゃん。一応ヒロインらしい。おっとりした性格で物腰も柔らかいが、あくまで一人の裁判官として厳然な態度で裁判に臨む。法廷では伊達メガネをかけており、たびたび意味のない顔のアップのカットが現れ笑いを誘う。



・裁判員
町城 安里(20歳)
 
音楽の勉強をしながらメイド喫茶で働く学生。ミステリー好きで、証拠と証言の食い違いなどに関心を示す。
  


以下ネタバレ






「第一話 
有罪を訴える被告人」
幽霊となった五條誠司は、西東京裁判所102号法廷にてヤマヤマと出会う。そこでは裁判員裁判が開かれていた。危険運転致死罪で起訴された被告、山口 まつりは、罪を全面的に認めている。しかし、ヤマヤマの能力によって、彼女が嘘をついていることを知った五條は、「間違った裁判」になるのを防ぐことを決意する。



「第二話 
逆説得〜天文学的確率」
銃器密輸の罪で逮捕された、貿易会社取締役の篠原 雄大。彼は飄々とした態度で完全無罪を主張するが、ヤマヤマの能力で嘘をついていることがわかる。しかし、裁判員たちの心証は、何と全員が無罪に傾いている。「間違った裁判」を止めるため、五條は裁判員の一人に憑依し説得を試みるが、返ってくる答えはどこか支離滅裂。裁判員たちに隠された、それぞれの「事情」とは……?
  


「第三話 
絶対固定量刑」
外国軍を日本に率いた女革命家、久宝寺 千鶴子。外患誘致罪で起訴された彼女の裁判に、裁判員制度が適用されることとなった。ヤマヤマの能力で起訴事実を認める彼女の発言が本当であることを確かめられた。有名な事件の有罪を立証するだけだから、今回は余裕と思っていた五條。しかし外患誘致罪とは、量刑が死刑しかない罪であるため、死刑か無罪かの二者択一を迫られることとなる。



「第四話 
7人目の裁判員」
第三話以来、目立った事件のない中行われた、通貨偽造罪の裁判員裁判。しかし、被告人・神田 敬太郎が突如犯行を否認し始めたため、場は騒然となる。さらに裁判員の一人が急病で倒れ、補充と入れ替わることになる。その補充裁判員とは、かつて五條殺害の罪で起訴された、勝呂 真だった……。



「第五話 
その、判決」
彼に関わる物語は終章を迎える。
無事に五條は成仏できるのか? 最後の裁判に挑む―――
 





因みに本作と同日に同じく裁判員制度を扱ったDSゲームがバンダイナムコゲームスより発売されている。タイトルは『有罪×無罪』
本作が上記の通り、あくまでフィクションならではの大胆な展開をみせる裁判員ドラマなのに対し『有罪×無罪』は、現職の法曹関係者を監修に迎え現実的裁判員制度を描く地に足ついた展開をする、いうなればノンフィクション的味わいの深い作品であり、こちらも傑作と名高いので裁判員制度を扱うゲームに興味がおありなら本作同様、手に取ってみるのも一興であろう。




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