かおす寒鰤屋

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かおす寒鰤屋 - (2016/08/04 (木) 12:39:48) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/07/14(土) 21:23:20
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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&font(#0000ff){商人(あきんど)にも}
&font(#0000ff){商いの道がございます}

&font(#0000ff){お客様を売り渡したお金というのは}

&font(#ff0000){何億あろうと}
&font(#ff0000){懐に冷たい物でございましてね}


[[週刊少年ジャンプ]]に連載されていた漫画作品。
作者は後に『[[王様の仕立て屋]]』を手がける事になる大河原遁。
この題は混沌を示す「chaos」と生命のプールと言われた「カンブリア期」からとられている。


1995年のジャンプ新人海賊杯エントリー作品。第3位入賞により連載作品となる。
連載期間は平成7年51号から翌年9号まで。全9話。(ただし読切版は除外かつ単行本未収録)

早い話が打ち切り作品。
一方で作者にとっては初の連載作品であったのだが、その無理のある慣れない連載スケジュールからアレルギー性皮膚炎を悪化させてしまった。
この体調の悪化も連載打切の原因と言われる。

この手の雑誌には珍しい&font(#ff0000){骨董}をテーマとした作品。
恐ろしい事に、このテーマ、ジャンプにおいては&font(#0000ff){前例も後例も存在していない}。
つまり現在に至るまで&font(#ff0000){週刊少年ジャンプ唯一の骨董漫画}と言って差し支えなかろうと思われる。
ちなみに連載当時は『[[開運!なんでも鑑定団]]』がブームを巻き起こしていた時代であった。当然のように本作にも同番組のパロディ(駆馬が中島誠之助のコスプレをする等)がある。


作者である大河原の得意とする歴史・骨董の雑学と、これを交えた落語を思わせる渋い人情話による「静のコメディ」が特徴。
少年漫画につきもののアクションは主人公や周辺人物が特殊な武術の達人として、テーマとなる骨董に群がる金の亡者を叩きのめす形で見せていた。

読み切り時は「心霊・除霊もの」の側面を持ち、骨董に取り憑いた悪霊や九十九神を祓うという内容になっている。

が、元より作者が目標としていた作風が藤子不二雄やつげ義春が先鞭をつけていた純粋なる骨董テーマ作品(ちなみにこれら先例は&font(#ff0000){一般向け作品であり少年向け作品ではない})であった事や鑑定団のブームもあいまって連載版では心霊要素が除外されてしまう。(連載1~2話内容や駆馬の呪詛取締隠密一族の設定が心霊作品であった名残)
結果として雑誌のカラーに合わない&font(#008000){渋すぎる}作品になってしまった感は否めない。
&font(#ffb74c){だがそれがいい!}

……『王様の仕立て屋』同様の一般青年向け掲載、せめて増刊や月刊ならばコンスタンスなヒット作になれたかもしれない作品だったのに&font(#ff0000){どうしてこうなった}。

本作の要素は後に『王様の仕立て屋』にも受け継がれているため同作のプロトタイプの一つと見られる事もある。
また『王様の仕立て屋』の影響から再評価される機会も多く、雑学を扱う事から「知識欲に応える作品」でもあり『仕立て屋』同様の「読ませるテンポ」を持つ作品であるため、現在でもダイレクト世代及び『仕立て屋』ファンを中心に隠れファンおよび打ち切りを惜しむ声も多い。果てには連載再開やメディアミックスを望む者もいる。

なお『王様の仕立て屋』に登場するキャラクター、&font(#994c00){ヴィレッダ・インパラート}がパリの骨董市で買い付けする際に羽織っているハッピは本作主人公・倉本駆馬が羽織っているものと同デザインのもの。
(単なる内輪ネタのギャグなのか関連があるのかは不明)



【あらすじ】
東京郊外の住宅地に店を構える骨董店、寒鰤屋。
その6代目店主・倉本駆馬は某企業の社長たちからも一目置かれる生粋の商人。
その商人の誇りを胸に駆馬はかつて公儀隠密だったという家伝の秘術を腕に秘めて骨董を巡る各種トラブルに立ち向かう。



【登場人物】

○倉本駆馬(くらもと かるま)
寒鰤屋6代目店主。
目利きと商売は確かで独特の商哲学を持ち、一流企業の実力者も一目置いている。
実は呪詛取締を家伝の任とした公儀隠密の一族の末裔であり、代々受け継がれる無刀取の武術&font(#ff0000){上泉神陰流}の達人。
その実力はメンコで鉄パイプをバターの如く切り裂く程。
基本、商売とバトル以外では、お人好しで義理人情に厚い。


○水島大魚(みずしま たいぎょ)
第6話より寒鰤屋に居候する若き唐津焼作家。作風は古唐津の風合の再現で、その作品は確実に通を唸らせる。
その腕から贋作工房に狙われる。騒動は友人・家族に類が及ぶまでに至り、やむなく故郷を離れて駆馬を頼る。
&font(#0000ff){琉球古武術}の達人。
後に寒鰤屋のおさんどん担当となる。


○下垣虎雄(しもがき とらお)
&font(#ff0000){野暮の極み}。&font(#008000){無粋の権化}。&font(#0000ff){万年発情期の強引でメタボなブサメン}。下垣建設の若(バカ)旦那。
狙った物は(どんな汚い手を使っても)必ず手に入れると豪語する嫌物(いわぶつ=骨董業界用語にいうKYのDQN)であり、手に入れた物は今更省みずに粗末に扱う骨董の敵。人間に対しても同様のスタンスで接する。


○桃井・栗田・柿本
下垣に仕えるSP3人組。実は大学生バイト。
3人とも道場・征剛会館の黒帯だが駆馬に軽くノされる。


○倉本韻雅(くらもと いんが)
駆馬の父。考古学者。
したたかで非常に手癖が悪く息子から墓泥棒呼ばわりされている。
本作随一のトラブルメーカー。


○陵 希鈴(みささぎ きりん)
寒鰤屋に出入りしている駆け出しハタ師(店舗を持たず市を巡り店舗骨董店に対し仕入れ転売を行うプロユースの骨董屋)のポニテ少女。駆け出しのため騙され易く偽物やトラブル品ばかり掴まされる。
実家は京都の旧家…つか&font(#800080){忍者}。家伝の&font(#800080){楠流忍術}を使う&font(#ff0000){お嬢様}。&font(#ff0000){尻がエロい}。一応ヒロインだが扱いはウザイン(涙


○森山長蛇(もりやま ちょうだ)
駆馬とつきあい(プライベートと商売上の両方で)のある仏師。&font(#ff0000){本作屈指の大チート。}
何がチートかって駆馬の全力食らってノーダメージの頑丈な体と、駆馬の体を頭を掴み放り投げるという柘植の飛猿レベルの怪力を誇り、&font(#ff0000){その理由は肉体の鍛錬に依らず、ただ仏師として無我の境地に至っているが故}という理不尽すぎる男。
拳銃で撃たれてすら&font(#0000ff){御仏の加護で懐の鉈に弾丸が当たって生き延びる}ので始末におえない。
ただ仏の導きに任せ自らの興味のままに生きる芸術家肌。なおアニメの時間は守る主義であるらしい。



【物語一覧・お宝】
・お宝1 グランドファーザークロック
 経営難な教会のシスターが寒鰤屋を訪れる。

・お宝2 楽ノンコウ
 落語家がヤクザに襲われる。ヤクザの狙いは落語家の持つ楽ノンコウ…。
 本話掲載後にガチの楽焼宗家の末裔からファンレターが届いた。

・お宝3 旧十円金貨
 思い出のピエロ服の探索を依頼される駆馬。

・お宝4 一乗歳寒二雅図つば
 仏師・長蛇の眼帯は実は…!

・お宝5 リーバイスS501XX
 ハタ師希鈴の履いているリーバイスを賭けて駆馬は勝負に挑む。

・お宝6 絵唐津
 長蛇の紹介で寒鰤屋に押しかけてきた大魚の事情とは…?

・お宝7 小野繁慶二尺四寸(太刀)
 父・韻雅帰る。その土産はトンデモトラブル!

・お宝8 若沖軍鶏図
 いじめ自殺を止める長蛇。その後、いじめられっ子の前に運命の出会いが!

・お宝9 オーパーツ
 お馴染みバカ旦那が持って来たのは、彼に似合わぬオーパーツ。不審の駆馬は…?

・(読切) (ビスクドール/フランス人形)




今更の項目など野暮でござんす…。

まあ、いいか…。
この程度の記事なら

追記・編集も風情だ

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- ガチで続編作ってほしい作品。あと単行本未収録の読み切りがやたらエロいんだよね  -- 名無しさん  (2014-04-20 12:00:28)
- 未だに単行本持ってるよこの作品。まさか項目があるとは……ホントに掲載誌さえ間違えなきゃなあ。後読み切りちゃんと収録しろよと。カード越しのキスとかもあるのに。  -- 名無しさん  (2014-04-20 13:40:36)
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