ちーちゃんはちょっと足りない

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ちーちゃんはちょっと足りない - (2016/11/19 (土) 11:55:18) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2016/11/19 (土) 01:22:44
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&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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『ちーちゃんはちょっと足りない』は、秋田書店より出版された『[[空が灰色だから]]』の阿部共実の漫画。
エレガンスイブ増刊もっと!で連載されていた。
全8話で、既刊は1巻と読みやすい長さとなっている。


*あらすじ(3話まで)
中学2年生の団地住まいの女子中学生、ちーちゃん。
彼女は幼馴染のナツやクラスメイトの旭、奥島くんやお姉ちゃんの志恵ちゃんと共に、楽しい毎日を送っていた。
そんなちーちゃんにはちょっと何かが足りない。
お小遣い、身長、そして…頭。
まるで永遠の子供のような純真無垢さで周囲を振り回すちーちゃん。これはそんな彼女の、ハチャメチャな日常を描いた物語。


*登場人物

●南山千恵/ちーちゃん
団地住まいの中学2年生の女の子。
体型は子供並みで身につけるものは大体子供服、お小遣いも少なく財布は100円以上になったためしがない。
さらに勉強も苦手で、テストはしょっちゅう30点前後。
普段の性格、言動も子供っぽく、感情のままに行動し、その天真爛漫さで周囲から愛されている。

●小林ナツ
ちーちゃんの幼馴染で、同じ団地に住んでいる。
小学校からずっとちーちゃんの同級生で、ご近所付き合いも深い親友。
極めて普通な一般人で、ちーちゃんのハチャメチャなボケに青筋を立てながらツッコむのが日課。

●旭
ちーちゃん、ナツと仲がいいクラスメイト。
成績優秀で頭が切れ、おまけにお金持ち。
毒舌家でちーちゃんには意地悪だが、ちーちゃんとナツにも分け隔てなく接する親友想いな性格。
3年生の彼氏がいる。

●奥島
●如月
クラスの委員長/副委員長。
勉強が苦手なちーちゃんに優しく勉強を教える。
実は隠れて付き合っている。

●藤岡
クラスメイトのギャルで、バスケ部の幽霊部員。
キツイ言動で周囲から嫌われている。

●宮沢
●野村
クラスメイトのバスケ部員。
上から目線気味の旭を嫌っている。

●南山志恵
ちーちゃんの姉。高校生。
仕事で忙しい母に代わり、バイトしながら精神面が幼い妹の面倒を見ている。
口うるさいがなんだかんだでちーちゃんには甘い。




ちーちゃん「あと2円あったら、うまみ棒の項目追記修正できるのに!」

ナツ「お金はいらないよ!」

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#include(テンプレ3)































#center(){&font(red,b){いっぱい欲しいよいっぱい欲しいよ なんでもいいから}}



#center(){&font(red,b){私たちはなんでこんなに足りないの?いいからちょうだいよ何か}}













*あらすじ(4話以降)
バスケ部の顧問へのプレゼント代3000円が盗まれた。
そのせいでちーちゃんは疑われ、そのいわれのない濡れ衣に旭は怒り、宮沢、藤岡らとトラブルを起こす。
…だが、本当にちーちゃんは金を盗んでいた。そして無邪気に、お小遣いが足りなくて困っていたナツにそれを差し出す。
そうしてナツは千円を受け取った。
彼女は何かが足りなかった。お小遣い。成績。罪悪感。優越感。安心感。…充足感。
だが、受け取った千円がもたらしたのは、それを上回る虚無感と絶望。

ちーちゃんはちょっと足りない。…&bold(){でも、本当に足りなかったのは、誰?}





*登場人物(4話以降)

●小林ナツ
&bold(){この漫画の真の主人公。}
中流家庭の家に生まれ育ち、月のお小遣いは千円と、並の下ほどの経済状況で過ごしている。
そのためにほとんど贅沢は出来ず、おしゃれや娯楽もほとんど出来ない鬱屈した日々を過ごしていた。
そんな中、流行のリボンが欲しいがお金がなかった彼女は思い悩む。そこへバスケ部の金を盗んだちーちゃんから千円を受け取ってしまう。
「せめてものの贅沢」と意気揚々とリボンを購入したが、クラスのみんな(前夜見せびらかしたちーちゃんを除いて)は誰もおしゃれなリボンに気付かない。
それどころか、盗んだ金を使うわけでもなく、自分のお古のぬいぐるみを喜ぶちーちゃんや周囲の人間全員に劣等感まで抱き、
さらに金を遣ってしまったことの罪悪感に苦しむ。
仮病を使って保健室に籠った彼女が見たのは、当の昔にバスケ部や藤岡と和解したちーちゃんや旭の姿。
…もう自分が周囲の底辺にいることを自覚し、みんな自分を置いて前へ進んだことに絶望した彼女に残されたのは、ちーちゃんと共に「停滞する」ことだった。

境遇からして中流家庭の人間が抱える怠惰性や劣等感を体現したようなキャラクター。
彼女の自称する「&bold(){何もしない静かなクズ}」に共感を抱いた読者も少なくないはずだ。


●南山千恵/ちーちゃん
ナツのためを思って、バスケ部顧問のプレゼント代3000円を盗み、うち千円をナツに渡してしまった。
…思考が子供のそれだったちーちゃんは、物事の善悪を判断できなかったのだ。
それを正直に旭たちに話した彼女は、旭に連れられ宮沢たちに謝罪させられる。
それでもなお自分の非を認めないちーちゃんだったが、藤岡にヘアゴムを盗られることで窘められ、みんなに謝った。
…結局その場は、旭と藤岡たちの和解や「ちょっと足りない」ちーちゃんの「学習」で丸く収まったのである。…一番鬱屈していたナツを置き去りにして。

結局ちーちゃんは足りないけど、藤岡の言うように「どうだって楽しんで生きていける」。
だから毎日が楽しくて、充足に満ち満ちている。
そしてちーちゃんは、仲良くなったみんながいて、いつの間にかお小遣いをためて一人で電車に乗るようになる。
だが、ナツはちーちゃんに旭たちとは遊ばないように言う。彼女は引き止められるのだ。「友達」という言葉で。
そしてちーちゃんはどこまでもナツを肯定し、友達でい続けるだろう。それがいつまで続くかは、定かではないが。


●旭
ちーちゃんの性格から金を盗んでいないと最後まで主張していたが、最終的に彼女の盗んだという告白に本気で怒り、
けじめのためにもちーちゃんにバスケ部員に謝らせた。
さらに、藤岡の優しい一面に気付き、彼女や宮沢たちと和解。すっかり打ち解けるようになった。
…一方で、ちーちゃんの態度からナツのリボンがちーちゃんが隠した千円の行く末だと見抜いたが、特に糾弾はせず、表向きは平時通りに対応した。
しかし、ナツの不用意な態度が目立ったことから、以前のように親しい関係になることはないのかもしれない。


●藤岡
金を盗んだ犯人を締め上げるそぶりを見せていたが、ちーちゃんが犯人だと発覚し、彼女に罪を自覚させるという「大人」な対応をとり、それを機にちーちゃんと和解しすっかり懐かれた。
実は三人の妹がいて、自営業の両親に代わって妹たちの面倒を見ており子供の扱いには慣れている。
また、プレゼント代を払えなかった部員の代わりに余計に金を払うなど、義理堅い性格でもある。
ナツは最後まで彼女の一面を見抜けず、悪口を言っていたが、そのことが余計に旭の癇に障ったようだった。


●宮沢
一度ちーちゃんを犯人と疑い、怒った旭に絡まれ余計に彼女を嫌うが、ちーちゃんの告白のゴタゴタで旭の懸命さを知り、彼女に謝罪した。






*余談
日常ものの皮を被りながら、どこにでもいそうな一般人の心の闇を抉り出す怪作である今作。
ナツの歪んだ心境が絵柄に徐々に表れ始める後半は高く評価され、2015年度の「このマンガがすごい!」の女性コミック部門で1位を獲得した。(ちなみに男性部門は『[[聲の形]]』である。)




「私はクズだ。コメ欄が荒れた項目があっても可哀想と思うだけでなにもしないだろうし」

「自分が嫌いなWiki籠りは消えてほしいと願ってしまうし」

「こうやってふつふつと不満も嫌らしいことも考えてるくせに一切追記修正せずに黙ってて」

「私は編集することが怖くて掲示板で衝突するのが怖くて退会することが怖くて」

「その場をいい加減にやりすごして誰にも害を与えることすらなく当たり障りなく生きて」

「それがいいWiki籠りっぽく見えてるだけで」

「私は何もしないただの静かなクズWiki籠りだ」

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- アベトモ漫画で唯一一回しか読めなかった漫画…後味がキツすぎてもう一回読もうってなれない  -- 名無しさん  (2016-11-19 02:06:43)
- そうなんだよ…日常モノかと思ってたら、3000円…っていう衝撃。そしてナツの「静かなクズ」が怖くてそして共感してしまった。手軽に重過ぎる「陰鬱」を味わえる漫画  -- 名無しさん  (2016-11-19 10:32:09)
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