N700系新幹線電車

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N700系新幹線電車 - (2017/09/01 (金) 03:38:56) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2017/08/29 Tue 19:46:06
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N700系新幹線電車とはJR東海・JR西日本が共同開発した新幹線電車である。[[東海道>東海道新幹線]]・[[山陽新幹線]]用車両としては第5世代目の車両にあたり、山陽・九州新幹線用としてJR九州も保有している。

*開発の経緯
国鉄分割民営化で[[東海道新幹線]]を受け継ぎ、稼ぎ頭として重点的に経営資源を注入していたJR東海は最高速度を[[0系>0系新幹線電車]]、[[100系>100系新幹線電車]]よりも50km/h向上させた[[300系>300系新幹線電車]]を開発し、JR西日本は300km/h運転を実現し、東京博多間ののぞみ運用を考慮した[[500系>500系新幹線電車]]を開発。そして両社共同で300系と500系の反省点を活かし、汎用性と乗り心地をよりブラッシュアップした[[700系>700系新幹線電車]]を生み出した。

しかしここで満足しないのがJR東海。将来的なデジタルATCの導入と新幹線品川駅開業に伴う列車本数増加を見越し、より高い加減速性能を持つ車両を欲していた。そしてJR西日本も飛行機への対抗馬として、最高速度300km/hを出せて、各号車の定員を300系や700系に揃えた車両を欲しており、両社の要求を具現化するべく共同開発されたのがN700系である。

*仕様の決定
700系がデビューして間もない2000年から共同研究が始まり、その2年後から開発がスタート。2003年には基本仕様が公表された。これを早いと見るかどうかは読者次第。

500系と700系は東海道新幹線では最高速度270km/hを達成していたものの、トップスピードを出せるのはまとまった直線と緩い曲線だけで、全体の3分の1程度しかない。東海道新幹線の最低半径であるR2500区間に270km/hで突入すると、強い横Gが乗客にかかってしまう。これを解決し、更に所要時間を短縮するため車体傾斜システムの搭載が決められた。
この車体傾斜システムを活用することで、東海道新幹線全体の3分の2で270km/h運転を実現した。((ほぼ100%ではないのは東京-新横浜間全体に急な曲線が存在するため))

更に起動加速度も新幹線としては高めの2.6km/h/毎秒に設定された。((この数値はE233系5000・7000・8000番台とほぼ同じ))

*試作車
2005年、試作車であるZ0編成が落成した。4月より本格的な試運転を開始し、7月には東京・新大阪間の通し運転、博多までの試運転も実施した。この試作車の走行試験で得られたデータを元に量産車であるZ1編成が落成した。

Z0編成とZ1編成以降の量産車には以下のような違いがある。
-車掌室とコンセントの位置
-喫煙ルームの有無

これらが異なるのと、それまで技術試験車として活用していた300系J1編成が廃車されたことで量産化改造は行わず、技術試験車としての運転がメインになっている。[[ドクターイエロー]]は運転周期と時刻が概ね分かっているのに対し、Z0編成は運転周期も時刻も分かっておらず、ドクターイエロー以上に見れたらラッキーな車両である。

*営業運転開始
2007年7月1日のダイヤ改正より運行を開始。当初はのぞみ運用をメインに使用し、量産車が追加投入されて300系の廃車が進むに連れてひかり・こだまへの充当も増えていった。

*車内設備
車内設備は300系・700系を踏襲し、普通車は3列+2列のリクライニングシートが104cmピッチで並び、グリーン車は2列+2列のリクライニングシートが116cmピッチで並ぶ。普通車の窓側全席とデッキ側全座席、グリーン車の全座席にコンセントが設置されており、電池残量を気にすることなくモバイル端末を使用できる。
車体幅は車体傾斜装置を装備した関係で700系より若干狭くなっているが、室内空間容積は同等に確保されている。
窓の大きさは歴代東海道・山陽新幹線用車両の中で最も小さく、眺望がやや悪い。

全車両を禁煙車としたが、喫煙する利用者も多い実情を考慮し、3・5・7・10・15号車のデッキに喫煙ルームが設置された。((この関係上、都合によりN700系使用列車を700系で代走する場合、列車内に喫煙する場所がゼロになる。))((これにより完全分煙を達成したが、日本禁煙学会は喫煙ルームすら廃止しろと声明を発表している))

デッキ・運転席出入口には防犯カメラが設置された。2015年には客室やデッキ通路部にも防犯カメラが追加設置されている。((これは同年に発生した東海道新幹線火災事件の影響))

*車体傾斜装置
N700系最大の特徴・そして秘密兵器。車上コンピュータに線形データを記憶しておき、曲線区間に突入する前に最大1度車体を傾斜させる。車体の傾斜は台車の空気ばねに圧縮空気を送り込むことで行う。

*派生車両
**7000・8000番台
[[九州新幹線]]全通によって山陽新幹線とレールが繋がり、直通運転を行うことが決定した。直通列車用車両に求められる仕様は
-九州新幹線の有効長に対応できる8両編成であること
-博多-新鳥栖間と新八代以南に存在する最大35パーミルの急勾配にも対応できること
-東海道・山陽・九州の3つの保安装置・無線に対応できること((新大阪駅から鳥飼車両所まで回送列車として東海道新幹線を走行する))
などで、これに対応すべく16両編成のN700型をベースにした8両編成のN700系7000・8000番台が開発されることになった。

車内設備は指定席が3+2からグリーン車と同じ2+2配列に変更され、グリーン車と普通車の合造車が存在し、性能面でも両端の先頭車もモーター付きの電動車になっている、車体傾斜装置が省略されているなどの違いがある。

全車両禁煙なのは16両編成と同じで、喫煙ルームも健在。

**N700A
700系の後継車として開発されたN700系の改良型で、正式にはN700系1000番台((JR西日本車は4000番台となっている。))と名乗る。外観にはほとんど違いがなく、見分けるには車体側面に貼付されたロゴマーク以外ない。
主な改良点は以下の通り
-キャリパ式車輪ディスクブレーキの締結方式を中央締結式に変更し、700系より20%制動距離をカット
-台車振動検知システム採用
-車体傾斜装置の動作範囲を拡大
-定速制御を採用

これらの改良と地上設備の改良によって東海道新幹線の最高速度は300系のぞみの運転開始以来およそ20年ぶりに向上し、285km/hとなった。

後にN700Aの改良点を従来のN700系にも適用する改造工事が行われ、現在全てのN700系がN700Aタイプとなっている((改造車はJR東海車が2000番台、JR西日本車が5000番台となっている。))。無論、試験車のZ0編成も例外ではない。

**N700-I
2009年11月16日に開催された「高速鉄道シンポジウム」で発表された、N700系の海外輸出仕様。
上記の7000番台・8000番台と同様、海外の高速鉄道で多く見られる8両編成を基本としており、輸送量に応じて様々な編成が組めるようになっている。
最高時速は330km/hと東海道・山陽新幹線よりも早い。
これに東海道新幹線をベースとする輸送システムをセットにした&bold(){「N700-I Bullet」}が企画されたが、2017年現在残念ながら導入先は現れていない。


追記・修正はカーブで1度傾きながら走り抜けてお願いします




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- N700Sのロールアウトも控えてる今、完全新型の900系がいつ開発されるのか  -- 名無しさん  (2017-08-30 06:42:09)
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